Coolier - 新生・東方創想話

桃好き集まれ

2010/10/01 22:54:59
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「タイトルにつられおったな、この大馬鹿者どもめ!

 残念だったな、こっちは野郎サイドじゃ!

 そんなに桃が見たくば見るがいい! わしらの鍛え抜かれた大殿筋をな!

 わはははははははははは!!」














 ――以上、魂魄妖忌さんからのご挨拶でした。

















 わいわいがやがやと、人妖集まる博麗神社。
 そこまで記せば、普段の宴会や弾幕ごっこと相違ないのだが、今回は、少し風情が違っていた。
「冷たいビールいかがですか~?」
「美味しい焼きそば、いかがですか~?」
「八目鰻美味しいよー」
 あちこちに、幟が立って売り子たちが声をからしている光景がある。広い境内の、ほぼ中心には見事な土俵が築かれ、その周囲には、これまた見事な観客席が作られている。ちなみに、売り上げの5割が博麗神社のものだ。普通席は土俵から近い順番に値段が上下し、中でも塩かぶりの特等席は升席となっている。
 そう。
 今、幻想郷では尻相撲が大ブームであった。

 尻相撲。
 それはかつて、中国の戦乱の時代に起きた、国と国との威信をかけた合戦において、とある一人の兵士が敵国の将を追い詰めたことに端を発する。
 その兵士は戦いの中で矢尽き、刀は折れ、まさに満身創痍の様相で憎き敵国の将の眼前に立ったものの、文字通り、戦う術を持たなかったところ、相手が崖の上に追い詰められていることに目をつけ、己の身を使い、その将を崖から突き落とし、勝利を刻んだという。
 その後、時は流れ、『相撲』という競技が生まれた際、その中でも特に己の尻のみを使って戦う相撲を尻相撲と言うようになったのは、この救国の英雄、師・李須裳の名にちなむのは言うまでもない(幻想郷書房『スモー伝説ザ・ユニバース』より抜粋)。


「え~、やって参りました、第765回幻想郷女子尻相撲。実況は、毎度おなじみ射命丸の文ちゃんです」
『実況席』と書かれた紙の張られた机についている文の一言で、ざわつく会場も静かになっていく。
「今日は待ちに待った千秋楽。今年の尻相撲女王が決まる日です。
 なお、本日の解説に予定されていました悪魔閣下は体調不良のため、急遽、幻想郷最高のお尻マイスター稗田阿求さんに解説をご担当して頂く事になりました」
「どうも。お尻マイスターの阿求です」
「いやぁ、阿求さん。ついに千秋楽ですね。
 これまでの見事な戦いの締めとなるこの日を楽しみにしておられた方も多いのではないでしょうか」
「ええ、そうですね。
 わたしも、幻想テレビに毎日かじりついていました」
「ところで、お尻マイスターというのは」
「おや、ご存じないですか。それは残念です。
 簡単に言いますと、女性のお尻をこよなく愛する尻ニストにとって、永遠に目指すべき名誉の称号です」
「ははぁ、なるほど」
「わたしも転生を繰り返してきましたが、その間ずっと、お尻を眺め、お尻を愛で、お尻に触り続けることで、ようやくわたしの代になってこの称号を得られたのです。
 ……実に大変な日々でした」
「その苦労、お察しいたします」
 ――と、その時、ごわ~ん、と開幕の銅鑼が鳴らされる。それを受けて、わっと会場がざわめいた。
「さあ、力士たちの入場です!」
 なお、今回の千秋楽は、長い戦いの場所を勝ち抜いたもの達の優勝決定戦だ。そのため、出てくる力士も、通常の場所に比べれば少ないものである。
 にも拘わらず、会場の熱狂振りたるやかくやというものだった。

「それでは、力士の紹介です。
 本博麗場所のスポンサーでもある博麗霊夢さん!」
 周囲からの『ぱちぱち』という拍手。
 それを受けて、神社の社殿の戸が開き、霊夢が姿を現した。
「今大会の成績は10勝3敗と少々ふるわないものですが、本千秋楽は勝ち抜き戦ですので、まだ充分に優勝の可能性はあります」
 ちなみに、本尻相撲のルールは通常の相撲とはちょっと違うものである。
 まず、千秋楽に至るまでの場所は総当たり戦となっており、勝ち星を積み重ねることで、この千秋楽への出場の権利が得られる。千秋楽ではトーナメントによる勝ち抜き戦となっており、ここで勝利することが出来れば、それまでの場所でふるわない戦果であろうとも一発逆転が狙えるというものだ。なお、千秋楽への出場権は、白星8勝以上である。
 次に勝敗であるが、基本的に全員が空を飛べるので空中戦もありである。FUJIYAMAをバックに熱き空中戦を繰り広げる彼女達の戦いざまこそ、まさにこの相撲の醍醐味であると言えるだろう。ただし、弾幕は禁止。あくまで肉体同士のぶつかり合いによるガチンコバトルは厳守だ。
 そして、己の尻をもって、相手を土俵の外へ押し出せば勝ちである。もちろん、空中戦もありなので、土俵とは綱で仕切られた範囲(上空含む)となる。その他の勝利方法としては、相手の手を地面につかせる、マウントしてホールドし、相手をダウンさせる(ただし、巨乳限定)、サラシを奪い取る、下帯を奪い取るなどがある。
 以上のルールとシステムの下、勝ち抜いたのが彼女たちというわけだ。
「霊夢さんは空間転移を利用した縦横無尽の取り組みが魅力ですが、一方でパワーに弱いため、勢いのある力士には弱いのが難点です。
 どう見ますか、阿求さん」
「はい。やはり、その神出鬼没な動きを利用して、いかに相手の後ろをとるかにかかってくるでしょう。
 彼女のお尻はまだ発展途上であり、平坦にも程近いものですが、一方で無限の可能性を秘めたお尻です。これからの発達に伴い、女性らしさを得られることから考えると、今場所優勝の可能性は充分にあると思われます」
「ありがとうございます。
 続けて! 今場所の成績は8勝5敗とがけっぷち! ですが、一発逆転の可能性を秘めた力士、霧雨魔理沙さんでーす!」
「ちょっと魔理沙、下帯ずれてる!」
「わっ、マジか!」
「ったくもー、何やってんのよ!」
「相変わらず、アリスさんはよく気がつきますね」
「彼女がサポートしていたからこそ、ぎりぎりながらも勝ち上がってこられたと言っていいでしょう」
 さて、霊夢に続いて入場してきたのは魔理沙。その彼女の横では、今場所に限らず、彼女のサポートをし続けてきた、献身的な娘の姿もあったりする。
「魔理沙さんは土俵の上を縦横無尽に駆け巡ることの出来る身の軽さと、一発が非常に強いパワー型の取り組みですが、行動が直線的になりがちのため、今場所は非常に苦戦を強いられていますね」
「そうですね。
 それに、彼女のお尻は霊夢さんにも届かない発展途上型。これから先もちょっと不安になりますが、それでも、特に顔に当たれば一撃の破壊力を持っています。あのお尻のアタックは侮れないですよ」
「なるほど。さすがは一撃必殺型ですね。
 それでは、次の力士の入場です! 今場所の成績は10勝3敗! 紅魔館のテクニシャン、十六夜咲夜さんでーす!」
「さくや、がんばれー!」
「頑張りなさい! 今場所こそ優勝して、紅魔館の名を知らしめるのよ!」
「おっと、かわいらしい応援の声が響いてきますね。
 そういえば、阿求さん。紅魔館といえば、彼女より、正直に言えば実力のあるものがいると思うのですが……」
「残念ながら、射命丸さん。美鈴さんは『脚が使えないときついです』という理由で出場を断念しておられますし、小悪魔さんは『私、荒事はちょっと……』と、同じく。パチュリーさんにはそもそも期待していませんし、お嬢様二人に至っては、出場してしまうと、伝説の魔神亞愚禰簾が召喚されてしまいます。そうなっては幻想郷存続の危機なのです」
「なるほど。咲夜さんしかいなかった、というわけですね」
「ええ。実に惜しいことですが」
 彼女の入場に当たっては、ぱちぱちという拍手と共にあちこちから黄色い声が上がり、フラッシュもたかれている。もちろん、フラッシュをたきまくっているのは紅魔館のメイドたちだ。なお、会場のあちこちで、そのメイドたちが天上の笑みを浮かべて、メイド服を紅に染めた末に担ぎ出されている光景もあったりする。
「さて、咲夜さんのこれまでの戦績を見ると、投げや突き出しではなく掠め取り系が目立ちますね」
「紅魔館の誇るテクニシャンの前では、『絶対に解けない』とされているサラシや下帯など、ただのちょうちょ結びですしね。
 ですが、千秋楽では、彼女も力業に頼る場面も多くなるでしょう。そうなりますと、最近、とみに女らしさが増した桃尻の実力が発揮されると言えそうです。あのお尻の力は、まだほとんど未知数。どのようなお尻が見られるか、実に楽しみです」
「カメラが欠かせない取り組みとなりそうですね」
 全くです、とうなずく阿求の手には、河童謹製の超高性能カメラ(手ぶれ補正機能あり、ズーム最大20倍)がある。
「続きまして、冥界のお姫様、西行寺幽々子さん! 今場所勝敗は12勝1敗と、優勝候補の一角です!」
「それじゃぁ、いってくるわぁ」
「あぁぁぁぁぁ! 幽々子さま、サラシを、サラシをぉぉぉぉぉ!」
「何かいきなり大騒ぎですね」
 ふわふわ漂う幽々子の後ろを、その従者が大慌てで追いかけてくる。会場のあちこちから『ちっ!』という舌打ちが上がった。
「幽々子さんの最大の特徴は、投げ技、突き出しが一切通用しないということでしょうか。今場所の一敗も、八意永琳さんとの一戦でのホールド負けのみです。どうですか、阿求さん。非常に、楽しみな力士の入場ですが」
「ええ。彼女のつかみ所のない取り組みは、見ている側も非常にやきもきさせられるものです。ですが、最終的には勝ちをもぎとってしまう辺りはさすがでしょう。
 特に、あの均整の取れた体つきは見事です。大きすぎず小さすぎず、ですが標準というにはあまりにも失礼な体格。これまでの入場者は下帯が普通からちょっと食い込み程度でしたが、彼女は完全にT字ですからね。実に柔らかそうで重たそうです」
「あたれば痛い、ということですか」
「むしろ柔らかすぎて痛すぎる、でしょうね。若干、つやがないように見えるのは、彼女が死人ということに起因するものですから、ハンデでも何でもありませんし」
 彼女は怖いですよ、と阿求。
 その真剣な眼差しに、文はごくりと喉を鳴らした。
「そういえば今回、前々回の覇者、八雲紫さんは出られないのですね」
「ああ、はい。紫さんは現在、女子尻相撲競技委員会にかけあっていまして、『次の場所はトップレス』を実現させるべく奮闘していると聞きました。来場所は、一部、そのルールが取り入れられるようです」
「いよいよテレビ放映が出来なくなりそうですね。試合会場に足を運ぶ方も増えそうです」
「おや、阿求さん。そのカメラは」
「最新型の最新型ですよ。ふふふ」
「さあ、それでは次の力士の入場です! まず、最初の今場所全勝力士! 八意永琳さーん!」
「ししょー! 頑張ってくださーい!」
「永琳、絶対優勝よー!」
「ま、お前は途中で負けたしな」
「あなたに言われたくないわねぇ、もこたん」
「何だとやるのか!?」
「やったろうじゃないの!」
「うるさい黙れ」
『……はい』
 会場が、さらに一斉に沸き立った。
 社殿からゆったりのんびりおっとり歩いてくる永琳。だが、げに恐ろしきは――、
「なお、永琳さんはサラシだとサラシがちぎれてしまったため、ブラジャーの着用が許可されています」
「恐ろしいですね」
「はい。今場所の成績、13勝全勝ですからね。その全てがあの胸によるホールド窒息攻撃です。受けたもののほとんどが『柔らかいは死と同じ』と言っていたのもうなずけます」
「それも恐ろしいですが、もっと恐ろしいのはあのお尻です。見てください、これまでの力士はまがりなりにも下帯が外に露出し、Tが限界でしたが、彼女は下帯が完全に隠れてしまっています。もう丸出しとほとんど変わりません。加えて、あの大きさなのに、歩いても決してたぷたぷ揺れない引き締まり方。すなわち、あれは贅肉ではないのです。あれだけの大きさとあれだけの柔らかさを備えながら、鍛え抜かれたお尻なのです。
 彼女の優勝、そう疑わずにいけるでしょう」
「阿求さんがそこまで仰るということは、やはりすごいことなのですね」
 ええ、全くです、と阿求。恐れおののく彼女の手には、連続撮影の可能なカメラが握られていた。
「さあ、続きますのは近距離パワー型の一角! 小野塚小町さーん!」
「小町、頑張りなさい。優勝できれば、日ごろのサボりにある程度、目をつぶりますよ」
 それまでの面々が、どこか控えめな様相を呈して入場していた中、胸を張り、肩で風切る威風堂々とした姿で小町が入場してくる。なお、彼女の場合もサラシが屈服したため、ブラの装着が許されていた。
「今場所の成績は12勝1敗! その1敗は、勇儀さんとのガチンコ勝負の結末です!
 いやぁ、あの時のハプニングは残念でしたね」
「全くです。あそこでちぎれるなんて空気を読んだブラでした」
「小町さんの投げ技の切れはすさまじいですからねぇ。あの手につかまったら、もう逃げられないとまで言われています」
「それに加えて、永琳さんと同じくホールド技も可能ですからね。技が非常に多い、パワー型でありながらテクニカルな戦い方も出来る力士です。
 それに見て下さい、あのお尻を。触ったが最後、二度と手放せなくなりそうなもちもち感がたっぷりです。
 大きさも張りのよさも、もちろんつやも永琳さんには決して劣っていません。むしろ、大きさなら小町さんの圧勝と言えるでしょう。あの重たそうなお尻を抱えながらの、今場所の素晴らしい動き……目が離せない取り組みとなりそうです」
「すでにビデオカメラも用意してあるのですね」
「ええ。三脚は自前です」
 録画時間は一週間でもいけます、と宣言する阿求のビデオカメラのバッテリーは天女謹製だ。
「続きますは守矢の巫女、東風谷早苗さーん!」
「ちょっと、霊夢さん!? 何で、わたしのお尻をじーっと見てるんですか!?」
「あ、いや、柔らかそうだなーって」
「もう……。……えっち」
「はーい、そこのバカップルー。それ以上やってると先生怒るよー。本気と書いてマジで怒るよー」
「慧音先生ありがとうございます。
 さて、今場所の対戦成績は10勝3敗と、これまでの優勝候補二人と比べると、少しふるわない早苗さんですが、どう見ますか」
「そうですね。彼女の技は、正直、まだまだつたないと言わざるを得ないでしょう。ですが、風を味方につけると共に、どう見ても敗北の状態を乗り切ってきた、数々の逆転の奇跡を考えると、たとえ優勝候補といえども侮ることは出来ませんね。
 おまけに、彼女の年齢から想定するに、あのサイズはありえないでしょう。見てください、あのむちむちぷりぷりのお尻を。
 魅力のないお尻は、たとえ大きく柔らかかったとしても、触ったりしたらしばらく変形してしまうものです。ですが、彼女のお尻はそうじゃない。今、霊夢さんがさりげなくタッチしてましたが、その手を見事に柔らかく受け止め、離れると同時に素晴らしい弾力で元の形に戻ったのです。あの年齢でこれですからね。将来は末恐ろしいお尻になるでしょう」
「ある意味では、たとえここで負けたとしても、来年が楽しみということですね」
 来年はカメラを増設しないといけませんね、とつぶやく阿求は、早速、お財布の中身を確認し始めた。彼女は言う。たとえ転生出来るとしても、自分の寿命がとても短いということを、これほど悔やんだことはない、と。
「それでは次の力士の入場です! 今場所の対戦成績、11勝2敗! 永江衣玖さんでーす!」
「……あ、あの……あんまり見ないでください……」
「衣玖ー、もっと胸はってこーよー」
「そ、そんなこといわれてもぉ……」
「彼女の対戦成績を見ると、あまり自分から攻める展開はありませんね」
「恥ずかしがりお姉さんは、自分の素肌に触った相手を無意識に感電させてしまいますからね。いわば棚ぼた的な勝利が多かったわけですが、それゆえ、手ごわい相手と言えるでしょう。投げも突き出しもかすめ取りも、ある意味で、一切、通用しないのですからね。幽々子さんとはまた違った、鉄壁型の力士と言えます。
 そして、そんな恥ずかしがりのお姉さんであり、普段がっちり着込んでいるからこそ、そのお尻の破壊力も抜群なわけです。
 天界の果物と言えば桃が有名ですが、彼女のお尻こそ、まさに桃といえるでしょう。見てください、あの均整の取れた形を。たれたお肉など決してない、素晴らしい桃ではないですか。ぷりぷりというよりはふわっふわ。何とも恐ろしいですね、はい」
 この世に脅威があるとするなら、それは恥ずかしがりお姉さんのお尻である、と阿求は言った。
 その言葉に嘘偽りはないだろうとうなずく文は、お姉さんは恐ろしいですね、と語る。
「続きましては――」
「さあ、相撲だ相撲だ! あたしに挑む無謀な奴はどいつだい!?」
「出ました! 今場所優勝の最有力候補! 星熊勇儀さんです! もちろん、その対戦成績は全勝! 投げと突き出しの破壊力は圧倒的!」
「加えまして、彼女のお尻はこれまでのお尻とは違います。
 これまでのお尻は女性らしいふくよかさに満ちていましたが、彼女のお尻を一言で表すなら、荒々しい柔らかさ、という事が出来ます。
 引き締まっていながら、しかし、決して固くはない――触れば柔らかいにも拘わらず、あの荒ぶりよう……。あそこまで攻撃的なお尻を、私はこれまでに見たことがありません」
「出てきたね、勇儀。いつぞやの決着、つけさせてもらおうじゃないかい」
「はん、乳だけでかい死神かい。あんたがあたしに勝つ? 面白いこと言うじゃないか」
「ハプニングなしじゃ負けやしないよ」
「言うじゃないか」
 ごごごごごごご、という擬音と共に顔を付き合わせる両雄。しかし、決して必要以上に顔をにらみあわせたりはしない。
 二人の、お尻にも負けないおっぱいが、互いにあわさってむにゅっと形を変えながらも、すさまじい反発力でお互いを押し戻しているのだ。
 あまりにも圧倒的な両雄のにらみ合い。あっという間に土俵は一触即発だ。
「続きましては、今場所初めての千秋楽出場の古明地さとりさーん!」
「……あ、あの、わたし、やっぱり出ないとダメですか? 勇儀さんも出てるし……」
「何言ってるの、お姉ちゃん。地霊殿の代表なんだから、ほら、頑張ってきてよ」
「さとり様、がんばれー!」
「勇儀さんと一緒にわんつーふぃにっしゅしてくださーい!」
「さとりさんは、戦績、8勝5敗と、魔理沙さんと同じくがけっぷちながらも、相手の心を読み、柔軟に立ち回れる小回りが特徴な小兵力士ですね。ところでいいんですか?」
「さとりさんはロリですがロリ巨乳なので亞愚禰簾は現れませんから大丈夫です」
「なるほど」
「しかし、小兵とはいえ、彼女は侮れません。確かに数値上は、並み居る強豪の足下にも及ばないでしょう。
 しかし、数値が全てとは限りません。大切なのはカップであり、見た目であり、実際の柔らかさなのです。その点、さとりさんは全てをクリアしていると言っていいでしょう。一見、小ぶりでかわいらしいお尻ですが、その実、見事なTバックを達成できるというボリューム。あれはまさに反則の領域。ロリの表現は『ぷにぷに』や『ぺどぺどしい』などがありますが、彼女の場合、ロリロリのくせに『むちむち』なんです。意外な伏兵と言えるでしょう」
「……恐ろしいですね。戦慄を禁じえません」
 太もも以外には特段、そういった評価をされたことのない文は涙ながらにつぶやいた。一方の阿求も、「わたしだって……わたしだって、あと5年長生きできる体だったらっ……!」と悔し涙を流している。
「さて、次は今場所対戦成績12勝1敗の優勝候補の一角、聖白蓮さんでーす!」
「きゃーっ! 姐さーんっ!」
「あー……ちょっと、一輪、落ち着いて……」
「何を落ち着いているの、みんな! さあ、カメラと己の脳内に今の姐さんの勇姿をしっかりと映すの! さあ、さあ、さあ!」
「……どうする?」
「どうしようもないでしょ……」
「……ダメだこいつ……」
 永琳と同じく、ゆったりおっとりにこにこ笑いながら歩いてくる白蓮。その後ろからかかる歓声の果てに、『最近の若い娘はよくわからんのぅ……』という親父の呟きが混じっていた。
「なお、白蓮さんもブラの着用が許可されています。さて、阿求さん。意外と鋭い取り組みをすることで有名な白蓮さんですが、ずばり、優勝はいけそうでしょうか」
「彼女の秘奥義『南無三投げ』は、あの勇儀さんですら『一度つかまれたら終わりだ』と言うほどの威力と鋭さですからね。下帯を掴まれたら負けでしょう。『えーい♪』というお姉ちゃんボイスが死のささやきです。
 また、かてて加えて、見てください。あのきゅっと締まったお尻を。魔法というものは恐ろしいものです、魔性の魅力すら与えてくれますからね。あの、圧倒的な安産型とも言える見事なお尻で『きゅっ』とされたら……。命は助からないでしょうね……」
「実に恐ろしい魔法ですね」
 ――そして。
「それでは、次の入場は、姫海棠はたてさーん! 戦績は9勝4敗! 素早さ命の力士です!」
「ちょっと、文! 何でわたしなのよ!? っていうか、あんたの方が白星多いじゃない!」
「はたてさんだからこその千秋楽です。さあ、胸を張って!」
「あ、あとで覚えてなさいよ!」
「強気な恥ずかしがりを体現するお尻ですね、彼女は。
 一言で言うならスレンダーでしょうか。もう少しボリュームはほしいなとは思いますが、あれはあれで、あのすらりとした感じも、また素晴らしいですね。特に見事なのは、体のラインに沿って、見事な曲線を描いているところです。あの細さであれですから、肉感とはまた違う感触がありそうです。これは一度、触ってみたいところですが、わたしでは捕まえられそうにないので、文さん、後ほどのリポートをお願いします」
「承知しました」

 ――こうして、力士は出揃った。
 誰も彼もが一騎当千のつわものたち。これまでの戦績など、ただの飾り。本当の勝者は誰になるのか。そして、彼女たちの中で勝ち名乗りをあげるのは誰なのか。

「それでは、最後の力士です!」

 響く、文の宣言。
 最後の入場者をもって、この尻相撲、博麗場所の千秋楽は開始される。
 熱き、尻と尻のぶつかり合いが始まった――。





 完 
ちなみに、千秋楽優勝はルナチャイルドらしいです。その熱く激しい戦いが見たい方は、どなたかが書いてくれるのを気長に待ちましょう。
ネタ元はとある場所。まさか、ゲームの情報収集に行ったら、こんな素敵ネタに出会えるとは思わなかった。
ネタというのは、実に無限に転がっているものだと思った次第です。


あと、さとりんはロリだけど巨乳。異論は認めない。
haruka
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コメント



0.990簡易評価
3.100奇声を発する程度の能力削除
うわーwwwwwまさかのアレかwwwwww
戦いの様子をめっちゃ見て見たいwww
7.100名前が無い程度の能力削除
ルナチャェ…
8.100名前が無い程度の能力削除
ロリ巨乳さとりんにこの点数を捧ぐいや寧ろ足りねぇ
13.100名前が無い程度の能力削除
何かが決定的にまちがっとる
14.100名前が無い程度の能力削除
そんな餌に俺様が釣られクマー
ルナチャこそ亞愚禰簾が召喚されちまうと思うのは俺だけ?
15.100名前が無い程度の能力削除
ルナチャじゃ召還されちゃうだろw
17.100名前が無い程度の能力削除
ルナチャイルドもロリ巨乳なのだろう
24.70名前が無い程度の能力削除
100点を差し上げたいところだが、私にも譲れない正義がある
さとりさんは貧乳に決まっている
30.100名前が無い程度の能力削除
ニッコリ
31.100名前が無い程度の能力削除
続きを、是非っ!!