あと乗せである。
霖之助は渋い顔をしながら蕎麦の汁を啜っていた。天麩羅蕎麦である。
ただ、その蕎麦は幻想郷では珍しいものだった。名をカップ蕎麦。もしくはインスタント蕎麦。湯を乾燥した蕎麦にたっぷりとかけ、数分待つことで食せる保存食である。
「……辛い」
それはそうだ。七味南蛮とはいえ、人指し指程度の長さの小瓶とはいえ、一瓶丸ごと入ってしまったのだから。
これはなんだろう。蕎麦か。否、唐辛子汁だ。そういった声が聞こえる様である。
「だいじょうぶ……?」
ルーミアが、ラーメンの麺を飲み込みながら聞く。噛まずに食べていた。健康に悪いことこの上ない。
こちらのラーメンは、同じく幻想郷に珍しいもので、名をカップラーメンという。食す方法はカップ蕎麦と同じだ。
「大丈夫。僕のことは気にせず食べなさい」
霖之助は顔に玉の様な汗を浮かべて微笑む。チゲ鍋もかくや。その哀愁が漂う笑顔には固定フアンが着いていたりもするが今は関係がない。
「あ、あうあああむ」
いや、関係があったようだ。霖之助の笑顔を見たルーミアは、顔から火を吹いたように赤くして、俯いてしまう。
「だだ、だいじょうぶならいいけど」
「うん。ありがとう、ルーミア」
そう言いながらルーミアの頭を撫でる。そして、なんとなく。なんとなく、
「……ルーミア」
「……んー?どーし」
くちゅりと、柔く口付けた。
「みゃ……みゃー!」
猫である。猫的な叫びだ。ルーミアの叫びは店内に響き、だらしなく寝転がる鬼の表面を震わせた。鬼といっても人形だが。
どうやら、霖之助はいつの間にか恋愛に対する経験値を積んでいたようだ。
「ルーミア」
「り、りんのすけ?」
「唇にネギがついてたよ」
「…………え?」
積んでいたのか積んでいなかったのか。
「早く食べて早く寝よう。明日は仕入れに行くからね」
「……バカ。すけこまし。鈍感、バカ、バカ」
「い、いや、そんな怒られることをしたかい?」
「鈍感……」
オロオロとうろたえる霖之助と、顔を俯けながら、霖之助の心を抉っていくルーミア。
「あー、なにが悪かったのかわからないが、教えてくれたら直すから、その、すまない」
「やだ。りんのすけのバカ」
「うー、あー、いや、ルーミア」
霖之助の混乱は続く。
ルーミアが笑っていることに、霖之助が気付くのは何時になるだろう。
今日も幻想郷は平和である。
だがこれは本題には関係がない。
「残り一分」
ミス瀟洒にして紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が厳かに告げる。ちなみに彼女はパッド長でもある。肩に薄いパッドをいれないと、擦れて大変なそうだ。
「四十秒」
丸テーブルに着くは四人。レミリア、フランドールのスカーレット姉妹、パチュリー・ノーレッジ、そして本来は門前にいる筈の紅美鈴である。
「二十秒」
咲夜の声が響く。
四人の前には、それぞれが選択した生があった。
レミリアの眼前には醤油にんにくラーメン。
フランドールの眼前には味噌坦々麺。挽き肉が多めである。
パチュリーの眼前にはカレーラーメン。シーフードカレーなそうだ。
美鈴の眼前にはワンタン麺。
そして中心に一つ。咲夜が選択した塩豚骨海鮮ラーメン。この中では一番値段が高いものである。
カップラーメン。人はこの生をそう呼ぶ。食すことは生である。そして、食し方にはその生き様が垣間見える。
「十、九…………食し方始めッ!」
咲夜が叫んだ。その瞬間時が止まる。手は自らのラーメンへ、蓋の上に乗った付属の油を切り裂き、器の中へと投入する。直後、冷めることのない麺を食し始めた。
啜る音をさせず、ただ、叫びながら。
「熱ッ!無理水、水なきゃむッ!?ひ、ひたかんら……」
水をがぶ飲みする。瀟洒である。瀟洒であった。
時が動き出した時には空の容器が、先程と変わらない形で鎮座していた。
「いただきますッ」
次に動き出したのは美鈴。否、フランドールとパチュリーも動き出している。だが、口を付けるのは美鈴が早い。
「咲夜さんッ、辣油を!」
そう言い切る前に、テーブルには辣油の小瓶が出現していた。八雲印の辣油である。
八雲印とは、つまり外の世界から窃盗された物品のことを指す。カップラーメンも八雲印だ。
「辣油をたっぷりかけ」
「うー!」
「……かけ」
「うー!」
ラーメンを食す時が待ち遠しいのだろう。美鈴の声に合わせて、レミリアがうー、うーと唸っている。
レミリアの食し方は、三分ならば五分、四分なら六分と二分多く時間を取るものである。
「……まあ、気にせず」 割った割箸で器の中を掻き混ぜる。溶け残っていた粉末スープと辣油が混ざり
、まるで坦々麺の様な赤さになった。
「ふぅ……ふっ!」
一瞬の力み。箸は器の底へ。箸の一掴みとしてはありえない程の量の麺を掴み、水面を重力に逆らって登る。
ほんの少し、先を咥える。それだけで舌に辛味を感じる。ピリッと、痺れた。
勢いよく啜る。蕎麦を食す時の如く啜る。だが音はしない。否、その麺が箸の間から消えた時に聞こえ出した。
――――ズッ。
たったの一音である。食が音速を越える、伝説はここに生まれた。
「本当、美鈴は美味しそうに食べるわね」
「めーりんだもん」
「……まあ、その通りね。」
フランドールとパチュリーが共に箸をつける。ここまででまだ一分も経っていない。
「んー、おいひい」
フランドールの満面の笑顔。坦々麺の中には、気付けば大量のネギが投下され、どの様な食べ方をしてもネギが口に入る様になっていた。
それを眺めながら、パチュリーも一口食べる。
「ふむ……。咲夜、外界の、とろけるチーズだったかしら。それを」
「こちらに」
時を止めて持ってきたのだろう。咲夜の手には一枚のチーズが握られていた。
「ありがとう」
受け取り、言うが早いがスープの中へと投入する。納豆もかくやと言う掻き混ぜを見せた。パチュリーは納豆をあまり混ぜないタイプなのだろう。ゆっくりと六回程だ。
息を軽く吹きかけ、ちゅるる、と一本口へと移す。
「おいしいわね、このメーカーのは。株でも買ったら、箱詰めにしたカップ麺が届いたりしないかしら」
「珍しいわね、パチェ。チーズを足すからてっきり美味しくないのかと思ったらそんな褒めるし、箱で欲しいなんてのも珍しい。株は……八雲の奴に頼んでみるか」
会話を交えながら、ぺりぺりと、最後の蓋が開いてゆく。にんにくの匂いが、部屋を満たす。
「お、姉様……。ちょっと匂い強過ぎ……」
「それがいいのよ。にんにくでは死なないけど吸血鬼に効くのは、強い匂いが鋭い味覚を刺激して傷みを発するから」
器を傾け、汁を一口。
「うまい。ああうまい。お気付きの点が御座いましたらか。あるに決まっている。これを作った奴は最高の人間だと言うことだッ!」
カリスマである。
このカップラーメンは、レミリアの好物のひとつであるため、常に一ダースは常備されている。食べる毎に手紙を書き、八雲を経由してメーカーへと渡る。それはお褒めの言葉。新しい商品への提案。
紅魔館からの三十年の御愛顧は伊達ではないのだ。
「レミィ。騒ぐのもいいけど、それ以上伸びたら別の食べ物よ?」
「ん。ああ、ありがとうパチェ。気付かなかった」
「なんだか、このワンタン粉っぽかったですね」
「こっちはおいしかったー」
あらあら。そう咲夜は微笑みながら、各自のグラスに水を淹れていった。
小悪魔は、部屋の外で三角座りをしながら、一人寂しくカップのきつね蕎麦を食べているのだが、そのことは誰も口に出さない。
「いいですもん。お蕎麦食べるのは私だけですから気にしてないですよ。ええ、もちろん」
独り呟く言葉は哀しみを誘う。
瞳から涙が零れた。
この様に、幻想郷の食事情においても八雲家は重要な位置を示す。
だからなんだと言う話だが。つまり本題は別にある。
「……なにしてるの、蓮子」
まるで泥人形を見る様な目でマエリベリーは蓮子を眺めた。
「え……、しない?」
「いや、しないわよ」
「しないのかぁ。麺を食べ終わったあとに、ご飯をいれるってのはメジャーだと思ったのに」
まるで雑炊の様に汁を吸ったご飯を食べながら蓮子。マエリベリーはまだ泥人形を見る様な目をしている。
マエリベリーの手には、蓮子が食しているカップラーメンと同じものがある。
「いや、だって気持ち悪くならないかしら、味とかいろいろ」
「いやいや。わかってないわねメリー。それと、メリーの食べ方こそ気持ち悪いわよ。ラーメンのかやくを後乗せするなんて」
かやくとは具材のことだ。
「いいじゃない、その方がシャキシャキして美味しいんだから。あと、なにが分かっていないと言うのかしら蓮子特派員」
「ええ答えましょうメリー特派員。貧乏学生に取って、この汁すらも大事な栄養なのよ!」
ズズズッ。ゴクッ、ゴクッ。
ちゅる。ズズッ。ズッ。
ゴクッ。
「明日の天気はどうなるかしら」
「いや流されても。あときっと晴れよ」
「理由は?」
「メリーの頭の中は年中」
マエリベリーは右腕を振りかぶる。そのまま蓮子の太股へと落とした。
「マエリベリーのがむしゃら攻撃、ハンマー。脚部を貫通、左腕を貫通、右腕貫通、頭部貫通、リーダーメダ」
「いや痛いからそんなボカスカ殴られると本当に痛いから!」
「オマエ、ワタシオコラス。ワタシ、オマエタオス」
「妖獣みたいな口振りはやめて、怖いから」
からん、とグラスの中で溶けた氷が鳴った。
平和である。
それで、本題は……。
まあ、カップラーメンでも食べながら思い出そう。
霖之助は渋い顔をしながら蕎麦の汁を啜っていた。天麩羅蕎麦である。
ただ、その蕎麦は幻想郷では珍しいものだった。名をカップ蕎麦。もしくはインスタント蕎麦。湯を乾燥した蕎麦にたっぷりとかけ、数分待つことで食せる保存食である。
「……辛い」
それはそうだ。七味南蛮とはいえ、人指し指程度の長さの小瓶とはいえ、一瓶丸ごと入ってしまったのだから。
これはなんだろう。蕎麦か。否、唐辛子汁だ。そういった声が聞こえる様である。
「だいじょうぶ……?」
ルーミアが、ラーメンの麺を飲み込みながら聞く。噛まずに食べていた。健康に悪いことこの上ない。
こちらのラーメンは、同じく幻想郷に珍しいもので、名をカップラーメンという。食す方法はカップ蕎麦と同じだ。
「大丈夫。僕のことは気にせず食べなさい」
霖之助は顔に玉の様な汗を浮かべて微笑む。チゲ鍋もかくや。その哀愁が漂う笑顔には固定フアンが着いていたりもするが今は関係がない。
「あ、あうあああむ」
いや、関係があったようだ。霖之助の笑顔を見たルーミアは、顔から火を吹いたように赤くして、俯いてしまう。
「だだ、だいじょうぶならいいけど」
「うん。ありがとう、ルーミア」
そう言いながらルーミアの頭を撫でる。そして、なんとなく。なんとなく、
「……ルーミア」
「……んー?どーし」
くちゅりと、柔く口付けた。
「みゃ……みゃー!」
猫である。猫的な叫びだ。ルーミアの叫びは店内に響き、だらしなく寝転がる鬼の表面を震わせた。鬼といっても人形だが。
どうやら、霖之助はいつの間にか恋愛に対する経験値を積んでいたようだ。
「ルーミア」
「り、りんのすけ?」
「唇にネギがついてたよ」
「…………え?」
積んでいたのか積んでいなかったのか。
「早く食べて早く寝よう。明日は仕入れに行くからね」
「……バカ。すけこまし。鈍感、バカ、バカ」
「い、いや、そんな怒られることをしたかい?」
「鈍感……」
オロオロとうろたえる霖之助と、顔を俯けながら、霖之助の心を抉っていくルーミア。
「あー、なにが悪かったのかわからないが、教えてくれたら直すから、その、すまない」
「やだ。りんのすけのバカ」
「うー、あー、いや、ルーミア」
霖之助の混乱は続く。
ルーミアが笑っていることに、霖之助が気付くのは何時になるだろう。
今日も幻想郷は平和である。
だがこれは本題には関係がない。
「残り一分」
ミス瀟洒にして紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が厳かに告げる。ちなみに彼女はパッド長でもある。肩に薄いパッドをいれないと、擦れて大変なそうだ。
「四十秒」
丸テーブルに着くは四人。レミリア、フランドールのスカーレット姉妹、パチュリー・ノーレッジ、そして本来は門前にいる筈の紅美鈴である。
「二十秒」
咲夜の声が響く。
四人の前には、それぞれが選択した生があった。
レミリアの眼前には醤油にんにくラーメン。
フランドールの眼前には味噌坦々麺。挽き肉が多めである。
パチュリーの眼前にはカレーラーメン。シーフードカレーなそうだ。
美鈴の眼前にはワンタン麺。
そして中心に一つ。咲夜が選択した塩豚骨海鮮ラーメン。この中では一番値段が高いものである。
カップラーメン。人はこの生をそう呼ぶ。食すことは生である。そして、食し方にはその生き様が垣間見える。
「十、九…………食し方始めッ!」
咲夜が叫んだ。その瞬間時が止まる。手は自らのラーメンへ、蓋の上に乗った付属の油を切り裂き、器の中へと投入する。直後、冷めることのない麺を食し始めた。
啜る音をさせず、ただ、叫びながら。
「熱ッ!無理水、水なきゃむッ!?ひ、ひたかんら……」
水をがぶ飲みする。瀟洒である。瀟洒であった。
時が動き出した時には空の容器が、先程と変わらない形で鎮座していた。
「いただきますッ」
次に動き出したのは美鈴。否、フランドールとパチュリーも動き出している。だが、口を付けるのは美鈴が早い。
「咲夜さんッ、辣油を!」
そう言い切る前に、テーブルには辣油の小瓶が出現していた。八雲印の辣油である。
八雲印とは、つまり外の世界から窃盗された物品のことを指す。カップラーメンも八雲印だ。
「辣油をたっぷりかけ」
「うー!」
「……かけ」
「うー!」
ラーメンを食す時が待ち遠しいのだろう。美鈴の声に合わせて、レミリアがうー、うーと唸っている。
レミリアの食し方は、三分ならば五分、四分なら六分と二分多く時間を取るものである。
「……まあ、気にせず」 割った割箸で器の中を掻き混ぜる。溶け残っていた粉末スープと辣油が混ざり
、まるで坦々麺の様な赤さになった。
「ふぅ……ふっ!」
一瞬の力み。箸は器の底へ。箸の一掴みとしてはありえない程の量の麺を掴み、水面を重力に逆らって登る。
ほんの少し、先を咥える。それだけで舌に辛味を感じる。ピリッと、痺れた。
勢いよく啜る。蕎麦を食す時の如く啜る。だが音はしない。否、その麺が箸の間から消えた時に聞こえ出した。
――――ズッ。
たったの一音である。食が音速を越える、伝説はここに生まれた。
「本当、美鈴は美味しそうに食べるわね」
「めーりんだもん」
「……まあ、その通りね。」
フランドールとパチュリーが共に箸をつける。ここまででまだ一分も経っていない。
「んー、おいひい」
フランドールの満面の笑顔。坦々麺の中には、気付けば大量のネギが投下され、どの様な食べ方をしてもネギが口に入る様になっていた。
それを眺めながら、パチュリーも一口食べる。
「ふむ……。咲夜、外界の、とろけるチーズだったかしら。それを」
「こちらに」
時を止めて持ってきたのだろう。咲夜の手には一枚のチーズが握られていた。
「ありがとう」
受け取り、言うが早いがスープの中へと投入する。納豆もかくやと言う掻き混ぜを見せた。パチュリーは納豆をあまり混ぜないタイプなのだろう。ゆっくりと六回程だ。
息を軽く吹きかけ、ちゅるる、と一本口へと移す。
「おいしいわね、このメーカーのは。株でも買ったら、箱詰めにしたカップ麺が届いたりしないかしら」
「珍しいわね、パチェ。チーズを足すからてっきり美味しくないのかと思ったらそんな褒めるし、箱で欲しいなんてのも珍しい。株は……八雲の奴に頼んでみるか」
会話を交えながら、ぺりぺりと、最後の蓋が開いてゆく。にんにくの匂いが、部屋を満たす。
「お、姉様……。ちょっと匂い強過ぎ……」
「それがいいのよ。にんにくでは死なないけど吸血鬼に効くのは、強い匂いが鋭い味覚を刺激して傷みを発するから」
器を傾け、汁を一口。
「うまい。ああうまい。お気付きの点が御座いましたらか。あるに決まっている。これを作った奴は最高の人間だと言うことだッ!」
カリスマである。
このカップラーメンは、レミリアの好物のひとつであるため、常に一ダースは常備されている。食べる毎に手紙を書き、八雲を経由してメーカーへと渡る。それはお褒めの言葉。新しい商品への提案。
紅魔館からの三十年の御愛顧は伊達ではないのだ。
「レミィ。騒ぐのもいいけど、それ以上伸びたら別の食べ物よ?」
「ん。ああ、ありがとうパチェ。気付かなかった」
「なんだか、このワンタン粉っぽかったですね」
「こっちはおいしかったー」
あらあら。そう咲夜は微笑みながら、各自のグラスに水を淹れていった。
小悪魔は、部屋の外で三角座りをしながら、一人寂しくカップのきつね蕎麦を食べているのだが、そのことは誰も口に出さない。
「いいですもん。お蕎麦食べるのは私だけですから気にしてないですよ。ええ、もちろん」
独り呟く言葉は哀しみを誘う。
瞳から涙が零れた。
この様に、幻想郷の食事情においても八雲家は重要な位置を示す。
だからなんだと言う話だが。つまり本題は別にある。
「……なにしてるの、蓮子」
まるで泥人形を見る様な目でマエリベリーは蓮子を眺めた。
「え……、しない?」
「いや、しないわよ」
「しないのかぁ。麺を食べ終わったあとに、ご飯をいれるってのはメジャーだと思ったのに」
まるで雑炊の様に汁を吸ったご飯を食べながら蓮子。マエリベリーはまだ泥人形を見る様な目をしている。
マエリベリーの手には、蓮子が食しているカップラーメンと同じものがある。
「いや、だって気持ち悪くならないかしら、味とかいろいろ」
「いやいや。わかってないわねメリー。それと、メリーの食べ方こそ気持ち悪いわよ。ラーメンのかやくを後乗せするなんて」
かやくとは具材のことだ。
「いいじゃない、その方がシャキシャキして美味しいんだから。あと、なにが分かっていないと言うのかしら蓮子特派員」
「ええ答えましょうメリー特派員。貧乏学生に取って、この汁すらも大事な栄養なのよ!」
ズズズッ。ゴクッ、ゴクッ。
ちゅる。ズズッ。ズッ。
ゴクッ。
「明日の天気はどうなるかしら」
「いや流されても。あときっと晴れよ」
「理由は?」
「メリーの頭の中は年中」
マエリベリーは右腕を振りかぶる。そのまま蓮子の太股へと落とした。
「マエリベリーのがむしゃら攻撃、ハンマー。脚部を貫通、左腕を貫通、右腕貫通、頭部貫通、リーダーメダ」
「いや痛いからそんなボカスカ殴られると本当に痛いから!」
「オマエ、ワタシオコラス。ワタシ、オマエタオス」
「妖獣みたいな口振りはやめて、怖いから」
からん、とグラスの中で溶けた氷が鳴った。
平和である。
それで、本題は……。
まあ、カップラーメンでも食べながら思い出そう。
コメントを書こうとしたらラーメンを喰っていた。
何を言ってるのかわからないと思うが俺も何をしているのかわからなかった。
なんだかインスタント麺とか食べたくなるような話でしたね。
しかし…ルーミアの猫のような叫びには、もの凄くニヤニヤしました。
ルーミアの「みゃ…みゃー!」という叫びが凄く可愛くて堪りません。
その叫びを引き出した霖之助も見事です。
面白かったですよ。
私は味噌ラーメンにラー油と一味唐辛子をしこたまかけて食べます。
見た人は変だというのですが、味噌とラー油のコクに唐辛子の辛味がなんとも……。
深夜に読んだらツラいSSでしたw
夫妻に幸あれ
なんで無駄にカリスマたっぷりなんだレミリアw
ご飯いれるのって一般的じゃないのかー
小悪魔と二人でお蕎麦を食べたい・・・
ラーメン雑炊・・・最近食べてませんねぇ。
だって、ねぇ。こんな美味しそうに食べられたら、そりゃあ…ねぇ?
飯が美味そうな作品には名作が多い。同じくらい、迷作も多い。私の持論です。どうでもいいですね。
この作品は………勿論前者です。ええ、前者ですとも。
またまたどうでもいい事ですが、カップ麺は一分早く、氷を四個入れて食すのが私のジャスティス。………猫舌なんです。でも麺は固めが好み。
ラーメン雑炊?大好きですよ。あれも、いいものです。
長々と私の好みばかり語ってしまいましたが、つまるところ本題はアレです。
………えーと、うん。買い置きのカップ麺でも食べながら思い出す事にします。
ゆかりんの仕業だったかw
笑わせてもらいました。
おぜうさまのお褒めの言葉を賜りたいですww
>がむしゃら攻撃、ハンマー
初代でこればっかやって、某獣使いにボコられたのは、今となっては良い思い出ですw
ところでラーメン食べたくなってきた。