Coolier - 新生・東方創想話

愛夢とユカイな仲間たち

2010/02/25 14:09:30
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 読 み 終 わ っ た 後 、ケ ン カ し な い で く だ さ い 





では、どうぞ














 第百三十二季、日と春と水の年――初夏。
 或る神社に連なる薄暗い獣道にて。

「――っく――――ひっく」

 少女が一人、脚を絡める蔓草も、不均一な粗い呼吸も、いとわずして疾駆している。その表情は今にも堰が決壊しそうなほど、悲しみに歪んでいる。事実、目元には涙が流れている。それでも声にして出さず健気に堪えんとする様は、その幼少たる外見からみれば裏腹な気丈さだといえる。
 少女の脚では長くて気の遠いであろう獣道もやがて途切れ、そこで面を迎えるは角が欠けて丸みを帯びた古めかしい石階段。疲労をさらに拍車掛ける高く長い階段も、今の少女にとってはさしたる障害ではない。
 辛苦すら気にも止めず少々は掛け上がる。がむしゃらに。

「ううぅ。――っひ、うううううぅ」

 少女が求めてるもの。それは、この華奢で小さな体を優しく抱擁してくれる腕。この悔しさを分かち合って、受け入れて、慰めてくれる言葉。
 そんな、慈愛に満ちた、聖母のような存在。
 石段を上りきる。目と鼻の先にある神社風な建築物を左斜めに反れ、無我夢中で駆ける。
 脚を縺れさせ、不意に転ぶ少女。受身を取る力なんてすでに残ってないゆえ、地に顔面を擦りつける。
 だが、ここでも少女は歯をかみ締めて踏ん張り、痛みに対抗する。擦り傷で赤くなった鼻頭を筒袖で拭うと、再び走り出した。
 神社の脇を通り、靴を雑に脱ぎ、縁側に荒く脚を踏みつけ、居間の障子を豪快に開け放ち、そして――

「ああああああん、まぁまぁああああああああああ!!!」

 少女は、飛び込んだ。
 幻想郷の素敵な巫女――――博麗霊夢の胸に。


 これは、或る巫女の娘が送る、和気に満ちた幻想的な日常のおはなし。


 +++


 そのとき霊夢は厨房に居た。日課の掃除も終わり、そろそろ旧友が来る頃と見計い、心待ちにしていた茶菓子を用意している最中だった。呑気に鼻歌を奏でながら。

「今日はどんなお夕飯にしようかしらね。景気付けにあの子の喜びそうなものでも作ろうかしら」

 霊夢はやたらと上機嫌を振りまく。自然に緩む頬に手を当て、ウフフなんて言葉を漏らすまで至ればもう末期だ。第三者がこの様を見ればこいつは早く何とかしないといけないと思うに違いない。 が、それも仕方ないことではある。
 人里で買ってきた大人気のいちごおはぎ。つい最近発明された、おはぎの中に苺の果汁で味付けされた練り飴を入れるという斬新な発想の賜物を、霊夢は今日という飾りを入れるべき日に、ようやく手に入れることが出来たのだ。お菓子でおかしくなる、なんてのは洒落のネタだけに留めてほしいものだが、それほどにこのニューおはぎは人里間で異常な評判を呼んだ。
 皿に盛り付け、急須に茶葉を入れて、おやつタイムを彩る準備をそつなく完璧にこなす霊夢。あまりの人気ぶりで売り切れていない日がないという状態に痺れを切らしていた霊夢はあろうことか、おはぎを取り置きしてもらおうと売り子に頭を下げたのだ。大胆不敵の高飛車巫女も丸くなったものである。

「…………うふ、うふふふ、うふふふふふふ」

 ここまで来ると何か狂気に取り憑かれたのかと疑わざるをえない。
 恍惚に溺れる霊夢の頭はお花畑で真っ盛りだ。楽しみ尽きて哀しみ来れば、彼女は果たしてどこまで沈み込むことやら。
 と――。

「まぁまぁあああああああああああああああああああああ!」

 突然の絶叫に、霊夢は、振り向く。
 その絶妙なタイミングが――命取りとなった。
 何の命か、と問われれば、主に…………いちごおはぎの…………である。
 ドタドタと猪突猛進する何かが、懐に見事なヘッドバッキングを、キメ――――。

「ぐぉへぇっっ!」

 ほんと、上品とはとても思えない、ちょーっと女性が出す声とは思いがたい、喉が潰れた蛙のような。そんな眼を覆って現実逃避したくなるデスボイスが響いた。現実的に言ってしまうのなら、霊夢の声である。
 ストロボのように。ゆ~っくり、宙を舞うおはぎ。失くす事物に未練があると、時間感覚はここまで遅くなるのかー、などと、突進の勢いに体勢を崩しながら悠長に考え浸る霊夢の表情は、悟りを開いた菩薩のように清々としている。
 ごっつんぐきばりーんばちゃぼと…………。多種の効果音が響く中霊夢は、おはぎが御臨終したのであろう最後の断末魔を確かに聞いた。

「あああああああああああん!!!」

 突進したダレかは突如、泣き崩れる。霊夢は、

「あらあら、どうしたの? 愛夢」

 特に怒るわけでもなく、その少女の頭に手を乗せ、赤みがかった艶めしい髪を撫でた。
 少女の顔を埋めたエプロンは、涙と鼻水を存分に吸って瞬く間に雨後のような湿りを帯びていく。細く小さい腕は、腰に回され、その力は幼少の見た目と打って変わりすごい力である。

「まぁまあああああ! まぁまああああああああ!!」

 泣き止むことのない叫喚。少女はどん底まで満たす悲壮をひたすら霊夢の身体にぶつけ続け、そして、何度も、何度も、霊夢の存在を叫び続ける。ここまで泣いてる姿を見たのは随分久しぶりだと、霊夢は優しく母性溢れる抱擁で少女をじっと、なだめ続けた。



 +++



「少しは落ち着いた?」
「……………………うん」

 すっかり顔を赤く腫らした愛夢は、ほうじ茶を入れた湯飲みに口をつける。
 この小さな小さな少女は、博麗愛夢。博麗の血を濃厚に受け継いだ、霊夢の実の娘である。
 霊夢はどんなに人間離れした才能を保持していても、決してその力に驕り高ぶったことはなかった。だが、愛夢は、その霊夢がかつての自分を再認識するほどに、神の恵みを一身に受けて生まれついた。まさに博麗の字に相応しく、いずれ楽園の偉大な巫女となりえるのを確信を持って言い切ることができる。霊夢にとってそれはそれは誉れ高いことであり、何よりもの自慢となった。

(でもねー。秀でた才に加えて純朴さに振り回される様が、またどこかの姉妹を彷彿させるのよねー)

 “行き過ぎた力は、持つものによっては脅威となる。”
 それゆえ、霊夢は後髪を纏めていた蝶リボンを愛夢に手渡した。霊力や妖力といった異能を抑制する、博麗の巫女の象徴を示すリボン――これにより霊夢は現役を引退、羽を休め、現今、休養中の身である。事実上では、“博麗”は、正式に愛夢が相続した、ということになるのだろう。まだまだ未熟ゆえ、問題や悩みは後を尽きないが。
 霊夢の横で、鼻をすする愛夢。その頭にポンと手を置き、触れ合う親子。先の悲劇などどこいくそれと、二人はとても微笑ましい絵図を見せる。

「あんなに泣くなんて珍しいじゃない。どうしたの? そこにいるチルノと何かあったのかしら?」
「――――!?」

 襖の外でギクリと、肝と気温を冷やす妖精が一匹。愛夢は明らかな反応を見せて外を睨みつける。

「おいで、チルノ。怒んないから、ね?」

 すごすごと、裾を握り締めて蒼い妖精が襖の陰から姿を現した。緊張半面、表情は何か不満ありげにムスっとしている。

「あたいは…………その…………悪気はなくて…………だな」
「ママ! こいつ! こいつが私のこと苛めたの! だからやっつけて!」

 急に意気揚々と愛夢が立ち上がり、意志の向け先、チルノを指差す。その眉毛はしっかりと逆への字を描いている。

「だからあれは不可抗力だって! 大体元はといえばお前が――――」
「まぁまぁ二人とも落ち着きなさいって。話が見えなければ是も非も付けようがないでしょう?」

 かといって暢気に茶を啜る霊夢の態度もどうかと思うのは、万人同見解だろう。腰が低いというか重いというか、とにかく博麗霊夢とはそういう人間だった。
 冷静となり腰を下ろす加害者であろうチルノと被害者であろう愛夢。しかしこの際、霊夢にとってそんなことは瑣末なものだった。
 愛夢は常日頃、外で得る発見や興味、感動や感慨、その他諸々、共感を求めて霊夢に日常事を話している。その愛夢が、チルノという妖精と知り合ったという出来事を話したことはない。
 だとするなら――――。霊夢の頭にあることは、“どうすれば、二人は仲良くなるか”の一つに尽きていた。


 +++


 時は遡り半刻前。
 霧の湖の畔でしゃがみこみ、地面を舐めるように見つめているのは愛夢である。その視界の焦点には、一匹の蟻がいた。何故に神社を離れて霧の湖で蟻なぞを観察しているのかは不明だが。しかし、事実そうだと両者は証言した。
 そこに、十年間経っても代わり映えしない台詞を吐いて颯爽と一匹の氷精が登場する。

「やい、博麗霊夢! 今日こそあたいの『サイキョー』を証明するために勝たせてもらうよ!」

 雑魚の癖して何気に物語の最後まで生きていそうな敵キャラが吐く臭い台詞っぽいが、そんなことより蟻の生態観賞に興味のベクトルが向いていた愛夢は、一つ尻目にチルノを見据え、

「――――――アンタ、誰よ」

 と、ものの二秒で会話は切断した。ろくすっぽ応えも聞かずして、である。霊夢も若かりし時はこれぐらいヤンチャだったこともあるが、愛夢の対人ステータスは血の因果を超えている。

「ちょ…………ちょっと待てぇぃ! 英吉利牛と一緒にお前を冷凍保存したいあたいを忘れるとは馬鹿にもほどが――――」

 そこで、記憶と現実の差異、つまるところ違和感を覚えたらしいチルノが、蟻を凝視する愛夢を凝視する。近い近い。そっちの気アリな第三者が見ればその後の展開を想像して妄想して自分を慰めてしまう。

「アンタさっきから何よ。鬱陶しいなぁ」
「んんん? お前――――成短したか?」
「は? セイタン?」
「成長の逆。だから成短だ」
「はぁ」

 意識が蟻からハテナで変わり埋めつくされる愛夢。さっきから二人の間で繰り広げられる会話のキャッチボールはエラーばかりである。

「というか、霊夢は私のママよ」
「………………へっ? MAMA?」
「そう。ママなら今神社にいるから、用があるなら神社行きなよ」

 言うだけいって再び蟻に没頭する愛夢。情報処理能力が亀脚並みに速いチルノの脳内ではこのとき、マルキュー的な夢想が天生される。

 1、幻想郷でサイキョーは霊夢
       ↓
 2、その霊夢の子供が愛夢
       ↓
 3、愛夢もいずれサイキョーになる
       ↓
 4、若い芽は摘んどくべし!

 結論決まれば行動は早いチルノだった。

「やい、博麗愛夢! 今日こそあたいの『サイキョー』を証明するために勝たせてもらうよ!」

 一つ断るが、二人は本日、初対面である。
 “アイシクルフォール、かっこベリーイージー!“
 かっこを付けるあたり可愛らしい技名宣言でチルノは前方に数個の小さな氷塊が生む。脅威もなければ攻撃力もない。明らかに相手への戦闘意志の許諾用として編み出された技である。その一回り大きい小石然の氷が、雹にも劣る量で愛夢目掛けて降り注ぐ。

「痛っ! あんた、いきなり何――――――――」

 しかし、人にとって小さくも、蟻にしてみれば隕石並みの大きさであるからして。
 蟻のいた地点には、無情にも、氷が落ち。(実のところ蟻は既に我が家に避難済み)

「ふん! 手加減してやってるうちにそっちの手の内を見せ――――」

 ――愛夢は、その現実を境に豹変した。

「――――も」

 オーラが変わった。禍々しくはないが、見ているだけで自然に兢々としてしまう、絶対性を誇る威圧感を纏っていた。チルノは本能的にたじろぐ。
 チルノを睨むその瞳も、先の漆黒のそれと打って変わり、燃え盛る業火より紅く、黄昏に染められる山肌より眩しい。憤怒に燃える心をそのまま色として具現したように。

「――――よくも、私のケンキューを邪魔したな」
「け、研究だったのか、あれ」

 本筋はそこではないのだが、チルノは危機に瀕していた。命ほどではないにしろ、子供なら泣いてしまうレベルにはゆうに至っている。子供の振るうパンチが子供の振るう金属バットになったようなものだ。当たり所がよければ、死なない、かもしれない。

「覚悟しろよお前。泣いちゃうからな」
「いや、えーと、あの。泣いちゃうのは勘弁願いたい……かなー、なんて」

 駆け出す愛夢の拳は石より硬い意志で握られている。研究対象を壊された(勘違いだが)という憤怒の意志を凝固させて。

「おはぎくれても許さないからなああああああああああああ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」

 チルノも。おはぎを持っていたら何事もなく治まったろうに、しかし、遺憾ながらそこまで用意周到な彼女ではなかった。
 咄嗟にチルノは地面に手を付く。
 ピキンと、空気が割れるような高周波音が響く。チルノの冷気は手の表面から地の表面へ移り、霜が竹よりも早い速度で急成長。その霜は愛夢により踏み倒され、即興の小さなスケートリンクに早変わりし。
 愛夢は、満点と審査して差し支えないほど見事に華麗に豪快に、さながら鉄棒を逆上がりするような勢いで…………………………………………………………コケた。



 ――というのが、事の成り行きである。
 霊夢は、どうやらツボにはまったようで、先ほどから俯いて鳩尾辺りを必死に押さえている。当事者の彼女ら二人はそのことに気付く素振り無し。ちなみに、ツボどころは、最後のコケたというオチの模様。ウケどころとしては少し弱い気がするが。

「…………………………ふう。なるほどね、そういうことね」

 まだ頬をヒクヒク痙攣させているが、どうやら笑いの波は過ぎ去ったようだ。一息ついて霊夢はすでに冷めた茶を啜る。

「ママぁ。私悪くないんだから、早くコイツやっつけてよ!」
「そうは言ってもねぇ…………どうする? チルノ。退治されとく?」

 ブンブンブンブンとチルノはテンション高く頭を振って否定する。一周期およそコンマ三秒と見受けた。

「あたいはただ…………サイキョーを証明したかっただけだし…………悪気なんかなかったんだよ」

 すっかり意気消沈してチルノは目元に微かに涙を浮かべる。ここまで来るとチルノも被害者なんだと、霊夢は微かに哀れみを覚えた。

「愛夢。愛夢はいつもママみたいな立派な巫女になりたいって言ってるわよね?」
「………………うん」
「だったら、出会う人とは誰であっても仲良くしなくちゃ。もちろん、ここにいるチルノとも、ね」
「……………………」

 愛夢は黙して喋らない。それほどにショックが大きかったのだろう。
 子供はどんなに些細なことでも過大に受け止め、トラウマの根本にしてしまう。それが子供を育てる上で気をつけなければならない脆弱点であり、卵の殻を入れないよう力加減を調節するぐらいデリケートに扱わなければならない。
 つまり、

「じゃあチルノ。あとは任せたわ」

 と、投げ出していいぐらいどうでもいいことなのである。

「まぁまぁあああああああああ!」

 案の定、霊夢が居間から立ち去った瞬間、愛夢は再び泣き叫んだ。愛夢の母依存率は麻薬中毒のそれを上回る。
 が、霊夢はそれを分かってて、わが子を突き放す。いつまでも某吸血鬼の妹みたく、箱入り娘のままじゃ世の中の常識についていけないのだ。こと、幻想郷においては特に。俗に言う、可愛い子にはロッククライミングをさせろ、である。
 居間に取り残された愛夢は、最初の頃ほどではないにしろ、グズる赤子みたく定則化した泣き声をあげていた。その現状に、チルノは戸惑う、耳を塞ぐ、部屋の隅に縮こまる。

(うぅ霊夢め。アツいお茶を出されるより嫌な感じのイジメだぞ)

 頭を痛めるチルノ。無い頭を雑巾絞りする必死さで悩み、悩み、悩みぬく。
 何より、チルノにこういった子守の経験は皆無なのだ。なぜなら、彼女もまた、子供だから。
 しかし。それゆえに。
 チルノの、その精一杯に篭った気持ちもまた、
 実に子供っぽくて、あどけなくて、貧困な発想ではあるが――――子供だからこそ何よりも、誰よりも、その思いは、

「堕つもやむなし! 愛夢! これを見ろおおおおおおおお」

 ――――純粋に、疎通する。
 チルノの手の平には、夏には到底見ること叶わない、先の威勢と対象的な。
 それはそれはちんまりとした、氷の結晶が作られていた。
 その六角形に込められた言の葉。
 “仲良くしよう”という思いは、真っ直ぐに愛夢の心に行き届く。

「………………………………きれい」

 愛夢に手渡され、カラカラとした気温と体温を奪って結晶はみるみる溶けていく。それが、また、結晶の艶を燦然と煌かせ、
 二人の間にあったわだかまりを、氷の結晶の如く、溶かしていく。

「あたいからの選別だ。これでさっきのことはなし! これでいいだろ」

 ソッポを向き、気持ちを悟られないようでかい態度を演じるチルノ。
 愛夢は、形が無くなるその瞬間まで、じっと結晶を見つめた。雫となった結晶の最後の一滴が、居間の畳に吸い込まれると、愛夢はチルノの手を取り――――

「――――チルノ、ありがとう!」

 涙が拭え切れてない顔で、満面の笑みを浮かべ、そう言った。




 次の日。朝の神社の境内にて。
 霊夢は日課である、石畳の掃き掃除をしていた。

「はぁ、暑いわねぇ。もうすっかり夏じゃない」

 結局、霊夢は昨日のおはぎは泣く泣く廃棄処分をした。世界の終わりのような、実に悲劇的な結末だが、可愛い我が子のこととあらば自分の煩悩の一つや二つは水に流す、大人な霊夢であった。
「あぁぁぁぁー、ダメ。一休みしましょ」
 物置に向かい、桶と柄杓を用意する。水を張って適当に境内に巻けば、しばらくは埃が立つこともない。
 粗方、事を終えて縁側に向かうと、居間から声が聞こえてきた。

「何やってるんだ、愛夢。急がないと主が起きちゃうぞ?」
「ちょっと待って。お昼におはぎ食べないと体力が持たないんだよ!」

 ドタドタと走り回る子供たち。

「あら。お弁当下げて二人でお出かけ?」
「うん! ちょっとそこまでー」
「あたいはサイッキョーだからな!!」
「チルノ、うるさい」
「サイッキョーー!!」

 二人は間もなく見えなくなる。
 縁側で霊夢は一人、水の張る桶に脚を沈め、呟く。

「――――あの二人が理想によって出会ったというなら……うん、悪くないわね」

 麗らかな風が吹く幻想郷の初夏。今日も幻想郷は、理想によって包まれていた。




                          ~ 飛 べ continued
 
無我の境地で書いてみた。反省はしていない。初めの初めだから短いのはご勘弁


霊夢の夫については触れないこととしておこう。戦争は嫌いです。

【別作】東方紅魔郷 ~ the Parallel of Scarlet Life.【病的注意】
http://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263307425&log=96
sEtsURa
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コメント



0.720簡易評価
12.50名前が無い程度の能力削除
悪くはないと思います。
ただ自分からすると霊夢の呼び方としては「ママ」よりも「母さん」って感じですかね。
あと愛夢の読み方って何です?
勝手なふりがなを頭の中でつけて読んでましたけど、どうもしっくりこなかったので。
15.30名前が無い程度の能力削除
 霊夢ってばおかーさんね
19.60名前が無い程度の能力削除
pixivであいむという霊夢の娘を見ましたねえw字が違ったけど。
20.50名前が無い程度の能力削除
内容は悪くなかったのですが前書きでむかっ腹が立ちました。