Coolier - 新生・東方創想話

いつも通りの幻想郷、月曜日朝

2009/08/31 03:17:40
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※地の文は存在しない。
※おそらく、小説とメモ帳の境界が弄られた結果。
※山も落ちも存在しない。
※おそらく、起承転結の境界が弄られた結果。
※少女達の会話が理解できない。
※おそらく、現実と幻想の境界が弄られた結果。
※でもお酒は美味しく飲める。
※飲酒喫煙は二十歳から。





     この先、日常と日常の境界
           ↓
      ====================







  咲夜 「お嬢様、新しい紅茶が入りましたわ」

 レミリア「はー……」

  咲夜 「どうなさいましたか、お嬢様」

 レミリア「んー……いやね、さっきまではパチェもルーミアもいたんだけど……
      帰っちゃったでしょ? タイミングよく二人同時に。
      折角テラスまで来て、夜風に当たりながら楽しく飲もうと思ってたんだけど。
      話し相手がいないもんだから、暇で仕方ないのよ」

  咲夜 「はぁ。てっきり私は、そもそもお一人でお飲みになられるのかと
      思っておりましたが。お二人が来たときは、追い返そうかと模索
      していたんですけどね」

 レミリア「一人で飲む? そんな事しないわよ。
      それでなに?
      一人で優雅に紅茶を飲んで?
      一人であの半月を眺めて?
      一人で夜風にあたって?
      一人で風邪をひくの?
      そんなの、気取ったナルシストな人間のやることよ。
      紅茶であれ、酒であれ、誰かと飲むほうが美味しいわ」

  咲夜 「お嬢様は風邪をひかれるのでしょうか。
      お嬢様は誰か道連れにして風邪をひこうとしてるのでしょうか。
      んん、どちらに突っ込めばいいか迷いますわ」

 レミリア「私だって風邪くらいひくわ。病は気からっていうでしょう?
      精神で構成されている『妖怪』っていうのはね、
      何かしらの要因で精神が脆くなると、肉体にも影響が出てくるの。
      それが、風邪、という形だったり、単純な肉体の衰えだったりするのよ」

  咲夜 「つまり、お嬢様は寂しいと死んじゃうのですね」

 レミリア「永遠亭の兎たちに試したいなぁ」

  咲夜 「鈴仙あたりなら、死にそう」

 レミリア「悪戯兎のほうも意外と死ぬかも」

  咲夜 「あれが寂しさに苦しんでいる姿は、どうも想像できません」

 レミリア「永く生きてきた奴らは仲間に飢えているのよ」

  咲夜 「お嬢様には私がついていますわ」

 レミリア「ありがとう咲夜。でも紅茶に福寿草をいれるのはやめてね。
      ……あなた、本当に人間?」

  咲夜 「十六夜咲夜は生まれた時から死ぬ時まで一生悪魔の狗ですわ」




  リグル 「夏の夜風に当たるのもいいけど、蟲にとって夏は最高の季節。
      明かりなんかつけて、油断してると蟲に食われるよ」

 レミリア「む、お前は――はは、蟲の王か」

  咲夜 「リグル・ナイトバク――! ……あんたのような弱小妖怪が、
      よくお嬢様の前に堂々と顔を出せるわね」

  リグル 「私だって聞きたい。あの夜の時にこてんぱんにのせられちゃったし、
      お陰で紅魔館って名前に恐怖心すら抱いてたのに。
      ……気まぐれさ。気まぐれで来たんだ」

 レミリア「ふふ、お前の能力の本質は、一人で闘うところじゃない。
      もっと高みにある。もしあの時に、お前がその『本質』でもって
      私達の相手をしていれば――ま、私は負けんがね。だが、あの時の異変を
      解決できるか、危うくはなっていた。
      咲夜、先の言葉を取り消しなさい。こいつは弱小妖怪なんかじゃあない。
      立派な、蟲の王。夜の王である私とは、確実な対等の存在。
      そして咲夜、こいつはお客人だ。おもてなし」

  咲夜 「……分かりました、お嬢様。
      リグル様、今紅茶をお持ちしますわ」

  リグル 「(あのメイドが私に敬語を使うのは、気持ち悪いなぁ)
      ……そこまで私を評価してくれるのは、悪い気はしないわ。
      なんか裏がありそうだけど。私が紅魔館のテラスに来てしまった、という時点で
      不気味な話だし」

 レミリア「私は、どんな人間や妖怪であれ、そいつの気まぐれで私と一緒に茶を飲ませる
      程度の能力を持つ」

  リグル 「変わった能力ね」

 レミリア「便利だろう? あの飲んだくれの鬼ほどじゃあないが、茶飲み相手には困らん」

  リグル 「それで私が呼ばれたんでしょ? どうせならもっと強い妖怪限定に
      して頂戴よ。少なくとも私単体じゃあ、ここの門番にだって敵わないんだから」

 レミリア「門番を越えても、私がいる」

  リグル 「そーゆうの、自分で言う?
      ……まぁ、間違ってはないけど、その前にあのメイドがいるじゃない」

 レミリア「咲夜は優秀な掃除係。おかげで首一つ落ちてないわ」

  リグル 「はぁ……私にも優秀な従者が欲しいなぁ」

 レミリア「蟲がいるわ」

  リグル 「残念なことに、掃除は出来ない」

 レミリア「パーティは開けそうね」

  リグル 「近々ミスティアと一緒に音楽会でも開こうと思うんだ」

 レミリア「私もいいかしら?」

  リグル 「……!
      ……ええ、いいわよ」

 レミリア「(にこっ)ありがとう。素敵な音楽、期待してるわ」

  リグル 「うっ……あ……うん」

  咲夜 「リグル様、紅茶が入りま……あら、顔が紅い。
      お嬢様、大分からかいましたね?」

 レミリア「誤解よぉ。そんなにすぐ人をからかうのなんて、どこぞのスキマ妖怪くらい」

   ?  「そう、どこぞのスキマ妖怪くらい」

  咲夜 「あ、お嬢様後ろ」

 レミリア「へ? ……ふぎゃあああああ!(がたーん!)」

  リグル 「ちょ、ちょ、レミリア?! 大丈夫?!」

  咲夜 「お嬢様、頭を打たれたようですが、大丈夫ですか?
      大丈夫ですね、脳無しですもの」

  リグル 「あんたって自分の主人相手でも悪魔の狗なのね?!
      ちょっと、レミリア、しっかりして!」

 レミリア「脳無しでも頭打ったらいたいのよぅ……まぁ、大丈夫だけどさ。
      いたた……ありがとう、リグル。そしてごきげんよう、八雲紫」

   紫  「――ごきげんよう、レミリア。そしてリグルに咲夜」



  咲夜 「(←五面ボス・六面中ボス)はぁ……今日はやけに来客が多いなぁ」

 レミリア「(←六面ボス)いいじゃないか、私が楽しいんだから。
      それにどいつもこいつも節操ある妖怪共だから、扱いにも困らないだろう?
      ……スキマ妖怪はないみたいけどな(ぎろ)」

  リグル 「(←一面ボス)あー……(ちら)……うー(ちら)」

   紫  「(←ファンタズムボス)あらあら、嫌われてますわね。
      私と霊夢の関係を……妬んでるのかしら?
      ぱるぱるぱるぱる♪」

 レミリア「うっさいわねぇ。妬んでるつもりは無いわ。恨んでるけど。
      っつー……あたま、まだ痛いんだけど」

  リグル 「……うー」

  咲夜 「(お嬢様に八雲紫……二人に囲まれたティータイムを味わうなんて、
       そう無いでしょうが……あいつ、緊張で死んだりしないかしら。
       虫の後片付けは嫌なのだけれど)」

 レミリア「しかし、紫が来るなんてどういう気まぐれだ?
      異変でもないのに――いや、正直お前がここに居る時点で軽い異変だと思うが。
      普段は神社かマヨヒガにいると思ったんだけどな」

   紫  「あら、貴女は知らないのね。実は私、ちょくちょくここに来ているのよ?
      まぁ、図書館でパチュリー・ノーレッジと軽く談笑している程度だし、
      咲夜が来る前においとましてるから知らないのも無理は無いわね」

 レミリア「ほぅ、初耳だ。むらさき同士気があうのか?」

   紫  「ええ、結構面白いわ。魔女が語る魔法っていうのは、私とはまた違った
      考え方や在り方だからね。単なる固形物としての知識なら、私は誰にも
      負けるつもりはないけれど……気持ちとか心の知識は、誰とも一致する所が
      無いから、常に新鮮で面白い。ああ、人間と心が通わせられないのが
      今にして悔やまれるわ」

 レミリア「霊夢がいるだろう?」

   紫  「博麗霊夢が言うことは全て正しいわ。ただ、あの子はどちらかというと、私寄り」

 レミリア「妖怪寄り、と言ってくれ。嫌な言い方するなよ」

   紫  「ええ、そうとも言うわね。
      本当は魔理沙と話したいのだけれど……私嫌われてるからねぇ」

 レミリア「お前が胡散臭いからな」

   紫  「胡散臭くない妖怪なんて、人間よ」

 レミリア「人間も大概胡散臭いから、妖怪だな」

  咲夜 「(意外と、二人はウマがあうのかしら?
       結構何事もなく談笑してるけど……問題は)(ちら)」

  リグル 「…………(ずずず)」

  咲夜 「(黙々と紅茶を飲んでる、こいつね)お嬢様」

 レミリア「ん? ……ああ、なんだリグル、一人だけ無言で紅茶飲みやがって。
      なんだ、そんなに紅茶が旨いか?」

  リグル 「(びくっ)えっ、ええ。とっても美味しいわ」

 レミリア「(にこっ)お、そうかー。
      どうせなら毎日来ていいわよ。紅魔館はいつでもリグルを歓迎するわ」

   紫  「あら、私もいいかしら」

 レミリア「お前は駄目。っつってもどうせ来るんだろうけどさ。
      ……ああそうだ、リグル、紫にも音楽会の話をしてやりなさいよ」

  リグル 「え、でも……」

 レミリア「なんだ、別にとって食おうってわけでも無いんだしさ。
      ……それに、私たちにとって音楽は貴重な娯楽の一つなんだ。
      ぜひ、呼んで欲しいんだよ」

   紫  「ええ、私からもお願いするわ。
      虫の奏でる音楽会……興味あるわね」

  リグル 「……近いうちに……日程は決まってないのだけれど、
      ミスティアと一緒に音楽会を開くの。だから――」

 レミリア「紅魔館はメイド含め全員で行くぞ。
      美鈴(三面ボス)もパチェ(四面ボス・エキストラ中ボス)……
      そうだな、フラン(エキストラボス)も連れていくか?」

  リグル 「え」

  咲夜 「え」

 レミリア「……何か不満か、咲夜」

  咲夜 「い、いえ、不満というか……妖精メイド達も連れて行かれるのですか?」

 レミリア「勿論。なに、珍しい音楽だ、騒いだりはしないだろうさ。
      ――で、紫。お前もくるだろう?」

   紫  「ええ、そんな素敵な催し、知れば行かないわけにはいきませんわ。
      勿論藍(エキストラボス・ファンタズム中ボス)も橙(二面ボス・エキストラ中ボス)
      の二人も連れてね」

  リグル 「え、え、ええ。お、お待ちしてるわ」

  咲夜 「(哀れ、蟲)」



   紫  「……あら、日が昇ってきたみたいね。そろそろお暇しなきゃ」

 レミリア「ん、そうだな。
      ……ふわぁ、咲夜、私は寝るから後片付け諸々宜しく」

  咲夜 「承りました。おやすみなさい、お嬢様」

   紫  「ふふ、どこも従者は大変ね」

  咲夜 「それは、貴女が言うことじゃあない」

   紫  「扱いに困るという意味よ。貴女の場合は、いい意味で」

  咲夜 「はぁ、妖怪のおっしゃることはよくわかりませんわ」

   紫  「貴女の主人だって」

  咲夜 「ええ、よくわかりませんわ」

   紫  「貴女も、大概だけどね」

  咲夜 「霊夢ほどじゃないとは自負しておりますわ。
      ささ、お早めにお引き取り下さい」

   紫  「もう、忙しないわね。
      ……ああ、そこなリグル、お待ちなさい」

  リグル 「はっ、はい?(そこな……って使い方あってるのか?)」

  紫  「貴女、最近橙とよく遊んでくれているようね」

  リグル 「え、ええ。たまに会っては……い、いやしてませんよ?!
      決して! あの子を泣かせるような事は?!」

   紫  「藍じゃあるまいし……でもそうね、機会があれば泣かしてやりなさい。
      たまにはそういうのも必要でしょう」

  リグル 「(藍じゃあるまいし……ってことは、泣かしたらやっぱり
       誰かが報復にくるんだ?!)」

   紫  「……ちょっと、だらしのない顔にならないでよ。別に、他愛の無い一言を
      言うつもりなだけだったのに……まぁいいわ、ねぇリグル」

  リグル 「は、はい」

   紫  「これからも橙と仲良くしてあげて頂戴ね。これが私の、一言」

  リグル 「……ええ、当然よ。橙は、私の大切な友達。これからもね」

   紫  「いい笑顔。ついでにもう一言言っておくとね、
      もう少ししゃんとしなさい、蟲の王。王の威厳を損ねるわよ」

  リグル 「――ありがとうございます、紫さん」

   紫  「さんは余計。じゃ、咲夜も。レミリアによろし――」

  咲夜 「……スキマを閉じる前に、全文言い切りなさい、まったく。
      で、リグルも。あんたもさっさと帰りなさい。
      私は後片付けもしなきゃいけないのだから」

  リグル 「わかってるわよ。
      咲夜、音楽会は絶対に来て頂戴よね。レミリアも、私待ってるから」

  咲夜 「……(にこっ)」





  咲夜 「ああ、夜が明けてしまった。……そろそろ巫女も目覚める時間帯ね。
      さぁて、どうしましょうか」


      =======================To Be Continued
 一作目と比べて二作目以降が駄文になるなんてのはよくある話です。
 ただ、私がその例に値するかは別。たとえば、一作目が既に……だったり。YUMEAOです。

 二作品目。作品集84『いつも通りの幻想郷、月曜日未明』からの続き物。
 ……とはいえ、話自体は前作を読む必要が無い構成になってるので、続く意味があまり無い。日常なんてそんなものです。むぐぬ。

 紅魔郷つながりで次はチルノかなと(自分で)予測するつもりが、リグルと紫でした。ただでさえ怪しい性格付けが、さらに怪しくなってます。基本的に原作基準なつもりではあるのですが。
 少女達は妖怪か、妖怪じみてるので、凡人な私には理解し難い方々なのです、と言い訳。

 次回は、(あるとするならば)紅魔館からは離れた場所でのお話に。次の主役? まぁ、みなさんの予想通りだとは思います。
 そして、あとがきが長いのはいつも通り。簡潔に物事を済ませられない人間は、仕事がもらえませんよ?
YUMEAO
http://2st.jp/yumeao/
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コメント



0.540簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
こういう日常ものは文章の力が命だと思うのですが、
残念ながら表現が稚拙過ぎて楽しめませんでした。
4.無評価毎日が夏休み削除
会話面白いんだから、台本形式じゃなくても書けるでしょうにw
7.80名前が無い程度の能力削除
いやあ、これはこれで面白いかと。
11.60名前が無い程度の能力削除
俺はこんな感じなのも好きだけどね

まぁ地の文入れることでもっと飛躍すると思うのでこの点数です
13.30名前が無い程度の能力削除
あれこれ言い訳を並べずに掲載されたほうが、潔くて良いと思いますよ。
15.無評価YUMEAO削除
心が弱い人間は、つい余計な言い訳までしてしまうみたいです。
ネガティブフェイス。次回からはもっとテンションあげていってみますか。
>文章の力が命
会話に関しては、キャラクター性も問われるので難しいな、と思ってます。文章力そのものに関しては……ノーコメントで。努力しますぜ\(`Д´)ノ
>台本方式 地の文入れることで
『あえて』この方式で書いているので、少なくともこの作品の系列に関してはこれからも地の文は無いかもしれない。それにほら、地の文まで使って、全力で作品を書き上げた後に酷評されると後が無いし辛いからっていうアリス的考えも。問題は、この作品がすでに全力であるという事実。

他、評価感想をしていただいたかた、ありがとうございます。
16.70名前が無い程度の能力削除
台本形式じゃなくても普通に分かりますよ。
この雰囲気が好きですけれど、描写を補助程度にいれてみたらより良くなるかと私も思いま。
17.無評価YUMEAO削除
ふと、地の文を入れた時の構想が思い浮かんだので、次回は今作と前作に加筆修正及び地の文を入れたものをあげてみようと思います。
そこで、どの程度の地の文が程よいのか……むしろ地の文無しでどこまで限界に挑戦できるのか……判断をつけてみたいと思いますので、
次回があればぜひよろしくお願いします。
19.90名前が無い程度の能力削除
物足りない感じはあるけど、なかなか素敵な会話だと思った。
21.無評価名前が無い程度の能力削除
酷いわぁ これはないわぁ
23.80名前が無い程度の能力削除
地の文がなくても十分楽しめました。
技量不足ではなくあえて地の文を排除しているようなので
「地の文があれば・・・」
というようなことは言いません。