このお話は前作『コイバナで飯3杯』の上下ものです。設定などを受け継いでいますのでご了承下さい。
永遠亭の長い廊下が、屋敷に沿うように伸びている。
よく磨き清められた廊下からは、屋敷の美しい中庭を一望する事が出来た。
清涼で、どこか安らぎを感じる不思議な空気が、屋敷一帯に満ちていた。体を病み、傷を癒す者にはこの上ない療養の場であろう。
庭の一角にある、「ししおどし」の竹筒に水が落ちている。
その音が、ちょろちょろと透き通った音色を奏でる。やがてそれは満々と水を湛え、支柱を軸にゆっくりと傾きかけようとしていた。
「なんと情けない!」
張りのある怒鳴り声が、風情な竹の音を掻き消していた。
「他人の色恋沙汰を興味本位で詮索し、あまつさえもそれを覗き見るなど、もっての他であるっ!」
幼いながらも威厳に満ちた怒声が、庭の竹の葉をびりびりと震わせている。
楽園の最高裁判長、四季映姫ヤマザナドゥの小さな影が、廊下の内をゆっくりと往復していた。
「この幻想郷に名だたる者達が、自らの役目も放り出し! 揃い揃ってかかる悪行に興じるとは!」
廊下には正座をさせられた少女達が、長い列となってずらりと続いていた。
皆その身に「×」印の大雑把な絆創膏を貼り付け、ある者は腕を吊り、ある者はたんこぶを作り、怪我の身のまま廊下に正座させられている。
「まったく……! あきれ返って言葉もありません!」
森近霖之助に密かに想いを寄せる、射命丸文。
その取材をセッティングし、全員で覗き見を決行して見事にそれがバレたのはつい先日の話だ。結果、恐るべき天狗の怒りをかってしまった彼女達は、全員揃ってこの永遠亭のご厄介となっていた。自業自得と言えばそれまでの話である。
映姫の足が、その列の真ん中辺りで止まった。
「特にあなた!」
悔悟の棒の示す先には、頭に大きなこぶを作って縮込まる、八雲紫の姿がある。
「え、えへへ」
「『えへへ』じゃありませんっ!」
映姫の金切り声が、紫の頭上から降り注いだ。
お説教を避けるように首をすぼめる紫の瞼に、映姫の白い靴下が見えている。そろりと見上げると、閻魔大王と言うにはドスもこぶしも利かない少女の怒った表情が、こちらを見下ろしているのが見えた。
「あなたは結界を管理するという重責があるはずです! その結界に作用するスキマの力をこの様な事に使うとは!」
「い、いやぁ、でも文があんまりかわいかったものだから」
「喝!!」
悔悟の棒がたんこぶの上を容赦なく叩いた。
「い、いたぁぁい……」
紫のこぶの上に二段アイスの様に新しいこぶが出来る。
「あなたは反省するという事を知らなさすぎる!」
「ふ、ふえ~ん」
「御覧なさい! 十六夜さんの姿を! 地の底よりも深く反省しているこの姿を!」
映姫がビシリと指し示す方には、床に額を擦りつけんばかりに土下座する咲夜の姿があった。
「ごめんなさいもうしませんわたしがわるうございましたこうかいしていますありがとうございますそしてさようなら」
「アンタすごいよ……ホント」
トランスフォームしているのでは無いかと思える程小さくなった咲夜は、先程から呪文の様に懺悔らしき言葉を呟き続けている。その横で心底尊敬の眼差しを向けるレミリアのあきれた顔があった。
プライドも尊厳も、一瞬にしてかなぐり捨てる咲夜の大技である。完全で瀟洒なメイドに隙はなかった。
「罪深き生命に悪行はある種つきものです。問題はそれをどう反省するかという事です! それをあなたは」
「まあまあ~、別に人に迷惑かけてるわけでも無いんだし。ねえ」
一人だけあぐらを掻いている神奈子が、向こうで暢気な声をあげる。
「そうだよ~。あのまま香霖が文に襲い掛かってたらそれこそ大罪だよお? 犯罪だよ~?」
「あっはっは! 違いない。さすが諏訪……」
「煩悩退散!!」
ズドンドカンとひときわ大きな音が二つ庭に響く。
「……大事なのは自らの罪を認め、それを悔い改め善行を積むという事です」
頭から煙を上げて転がる二柱の前を、映姫の影がゆっくりと通り過ぎていく。
「私が今日こうして非番なのも何かの縁です」
映姫の視線が縁側から庭に移った。
清涼な永遠亭の庭は、彼女のささくれ立った心にひと時の安らぎを与えてくれる。
庭にある大きな竹の木の枝に、白目を剥いて吊り下げられている死神が、まるで蓑虫の様に静かに揺れていた。
「今日一日、あなた達の為に今一度、みっちりと時間を割くとしましょう。それが私に積める善行と言うのなら、やぶさかではありません」
「あのぉ~映姫様」
「何ですか。西行寺さん」
紫の隣で、冥界の姫がもじもじと体をくねらせている。
「そろそろお昼ごはんにしませんかぁ? せっかく皆揃ってるんだし~。なんだかお腹が空いちゃったわぁ」
「それはいい。お庭を見ながらランチタイムですか」
その向こうで、地霊殿の主がひょっこりと顔を出す。
つられたように、列の端の方で因幡てゐがぴょこんと立ち上がった。
「じゃあさ! じゃあさ! カレーにしようよ! 私ウドンゲちゃんと一緒に仕度してくるよ!」
「わあぁ~い! コイバナカレーねぇ! 楽しみだわぁ~!!」
「カレーフィーバーですね。それは素晴らしい」
「やりぃ! カレーだぜ~!」
たちまちわいわいと賑わう永遠亭の廊下。
「…………」
映姫は静かに悔悟の棒を天に掲げた。
ぱきぱきっ……!と言う音と供に、あたりが真っ白な光に包まれる。
「死すべし!!」
「ずぎゃおおぉぉーーーー!!!」
がーんと、特大の稲妻が廊下の少女達にピンポイントで落下していた。
(全く……頭痛の種が増えるばかりです)
幻想郷の乾いた空気をぬって、映姫は人里をめざしていた。
先程妖怪の山に立ち寄り、射命丸文を訪ねたのだが不在であった為である。
取材で里にでも行っているのではないかとの事だったので、こうして足を運んでいるのだ。ちなみに永遠亭では、また患者が大量に増えたので、お説教は後回しにしてきたのだった。
(彼女にも、やはり話をしておいた方がいいでしょう。思ったとおりです。新聞で事件を知らしめることは、新たな事件を生む種になる。彼女も事件を追っているつもりが、自分が事件を誘発している)
他人の醜聞を追い回している文だからこそ、今回の騒動を招いたのは因果の巡りに違いない。
今回文は被害者といえる立場だったが、今後の為にも彼女にもクギを刺しておくに越した事はないと考えたのだ。
「おや?」
映姫が人里近くの川の上空に差し掛かった時、そのほとりにふと見知った影を認めた。
堤防の土手の原っぱの上で、体育座りをしている少女の姿がポツンと見える。射命丸文だ。
(何でしょう? あんな所で。活発な彼女にしては珍しい)
文は土手で膝を抱え込む様にして、独りぽつんと座っている。
映姫はその様子をいぶかしく思いながらも、とりあえず彼女の元まで降りていった。
「これは珍しい姿を見たものです」
映姫がそう声をかけるまで、文はついぞ彼女の気配に気づく事はなかった。
文は突然の事に驚いたように顔を上げている。
「あ、こ、これは閻魔様……」
「どうしたのですか、あなたらしくも無い」
映姫は文の顔を覗き込むように、体を曲げてみせる。文の表情は明らかに覇気に欠けているのが、映姫の目にははっきりと映っていた。
「体の具合が悪い、という事でもなさそうですね」
いつもの抑揚の無い調子で映姫がそう言うと、文は「いやあ」と言って小さく笑う。
原因は良くは分からなかったが、とにかく彼女に警告を与えなければならない。そう思って、映姫がこほんと咳払いをしたその時だった。
「あの……!」
思いつめたような文の顔が、がばりとこちらを見上げた。
突然の事に、映姫は驚いて言葉を飲み込む。
「な、なんでしょう?」
「いや、あの……」
そう言って文は再び俯く。
どうも様子がおかしいと思ったが、映姫にはその訳がさっぱり分からなかった。
だが、文は何か思い切ったように再び顔を上げた。そのまま勢い良く立ち上がり、映姫の肩を掴む。
「ええと、その、閻魔様! 折り入ってご相談があるのですが!」
映姫は文の剣幕に押され気味に、立ち上がった彼女の表情を見上げていた。
「あの、どうぞ、何でもお好きなものを頼んで下さい」
気がつけば、人里のカフェのテーブルで、映姫と文は差し向かっていた。どういう訳か、映姫は半ば拉致されるような形で、文に此処に連れてこられたのだ。
店の屋外テーブルは、通りに直接面して設置されている。いわゆるオープンカフェの形だ。
「……では、ホットミルクを頂きましょう」
「あ、じゃあこちらのお方はホットミルクで。私はコーヒーを」
― 牛乳を飲めば背が高くなる ― 今や幻想郷入りしてしまったその言葉を、映姫は頑なに信じていた。
異様に姿勢の良い、威厳があるのか無いのか良く分からない少女に、店の店員は不思議な眼差しを送り、注文を取って奥に下がる。
「すみません。突然お引止めして」
文は済まなさそうに小さく笑う。映姫は構いませんと曖昧に答え、店の中や通りを珍しそうにきょろきょろと見回した。
カフェなどと言う施設に入るのは初めてなので、目に映る周りの物はいちいち彼女の興味を引くのだ。
店内の奥のショーケースに、おいしそうな色とりどりのケーキが沢山並んでいるのも、映姫の興味を引いた。
あれはいったい何なのだろうか? おいしいものなのだろうか? 食べるにはどうすればいいのだろうか?
「そ、それで、相談の事なんですが……」
「はひ」
突然映姫の意識を、文のセリフが遮った。
動揺した映姫の威厳が、空回りする舌の間から漏れ出てしまう。
文は暫く口の中で何かもごもごと言っていたが、やがて意を決した様にテーブルにダンと手を付き、イスから勢い良く立ち上がった。
「わ、私に! 恋の必勝法を教えていただけませないでしょうかー!」
「んな……っ!!」
映姫は驚愕に身を仰け反らせた。
唐突に話を切り出した文は、赤い顔で思い切った様に身を乗り出してくる。彼女は震える口で間髪いれず、
「ゆ、紫さんに聞く所によると、映姫様は人生経験豊富で、酸いも甘いも知り尽くした恋のハンター×ハンター! 暗黒大魔王だと聞いています!」
「暗黒……っ!」
「ど、どうか映姫様のすーぱーテクニックを、こ、この射命丸にご教授いただけないでしょうかー!?」
文はそう一方的に捲くし立て、テーブルにゴチンと額を擦り付けてしまった。
おそらく宴会か何かの席で、紫に妙なネタを吹き込まれたに違いない。自分の出自が地蔵なので、文は映姫の事を人生経験豊富な大人の女性だと、勝手に勘違いしているらしかった。
(な、何てことですかーー!?)
映姫は胸の内で悲鳴を上げ、目を回した。
つい先程「人の恋路を詮索して……」などと紫達を折檻してきたばかりだが、映姫自身はこの手の話には、全く無知で縁がなかったのだ。
ストイックに生きてきたと言えば立派だが、その実を言えばコイバナ云々の事など、全く奥手のてるてるぼうず。カチカチ山のたぬきさんなのだ。
(な、何という事……! これは困りました……)
テーブルにおでこをくっ付けている少女と、片や驚きと困惑に目を回している少女。そんな奇妙なテーブルに、お店の妖怪がそっと注文の品を置いて、逃げるように引き上げていく。
映姫は混乱する頭に鞭打ちながらも、なんとか理性を取り戻そうと考えを巡らせる。
警告を与えようだとか、クギを刺そうだとかの当初の目的は、完全にどこかへ吹き飛んでいた。
(れ、恋愛の話などさっぱりピーマンです。しかし私はいやしくも閻魔の端くれ……! ここはなんとしてでも、白黒はっきり付けた判決を下さなければ……!)
映姫は「んん」と小さく咳払いして、震える手を懸命にホットミルクに伸ばす。
2度3度空振りをした後、映姫の指が漸くコップを掴んだ。そしてそれを出来るだけゆっくりと傾け、中の液体を啜る。それはコーヒーのコップだったのだが、彼女はそんな事全く気が付かない。
「人を愛するという事は、じ、実に素晴らしい事です。ん、ゴホン。……真に結構」
一方の文は、そう言う映姫の言葉に急いで顔を上げる。
すーぱーテクニック話が始まったと思ったのだろう。緊張の面持ちでコップに手をのばし、ホットミルクを啜る。もちろんコーヒーとの違いには気づいていない。
「し、しかし……それで暮らしに支障が出てしまうと言うのでは……全く頂けないとは、思いませんか」
文は赤い顔で俯いてしまった。
口を「~~~」こんな感じに震わせて、自分の身の内を省みている様である。
「そ、そもそも……実にあなたらしくない……! そう、うじうじしていては何も始まりはしないとは、おも……思いませんか!」
「わ、私……らしく、ですか?」
映姫は焦りと混乱で顔中に血が上っていくのを感じながら、怒ったように捲くし立てる。いつものクセか、説教調で口だけは勝手にするする動いていく。
彼女の中のもう一人の自分が、その様をハラハラして見守っている様だった。叶う事なら誰かに止めてもらいたい。
「す、すす……好きな相手一人に……こ、このようにうじうじと、まご……まご付くとは……じ、実に笑止千万」
「な……なるほど!」
「だ、第一! あ、あなたは天狗でしょう? 天狗のプライドは……一体何処へ行ったというのです!」
「そうか! じゃあ店主さんに告白してもいいんですね!?」
「ういぃ……っっ!??」
猫が急に首根っこを引っ捕まえられたように、映姫は喉をしゃくりあげた。
「こ……こここ、告白??」
「はい……! 天狗なら誇り高く! 思い切って! あたって砕けろと! そう言う事なんですね!?」
文は何だか変に納得したように、ぐいぐいと身を乗り出してくる。もしかしたら誰かに背中をおしてもらいたかっただけなのかもしれないが、そんな心の機微に映姫が気づいているはずは無い。
「ん……ゴホン! そ……それは、つまり……その……あ、愛を……う、打ち明けると、い、いい言う事でしょうか?」
「はい!」
映姫はくらくらと目を回した。
目の前で、一人の恋焦がれる少女が、愛する相手に想いを打ち明けようとしている。それは映姫にとっては予想外の衝撃だった。まさに晴天の霹靂に等しい。一大事件だ。
ばん! と文は急にテーブルを叩いた。
映姫は「ひっ!」と小さく悲鳴を上げる。五体が一瞬猫の毛の様に逆立った。
「思い立ったら速攻取材! それが私のモットーです! それに今の気分のまま行かなければ一生想いを伝える事なんて出来るわけないです!」
「あ、う……は、はい……」
文は映姫の細い肩をわっしと掴み、がくがくと揺さぶる。
「有り難うございます映姫様! おかげでなんだか勇気が湧いてきました!」
「う……うう……えと……その……」
勢い付いた文を止める事は、もはや映姫には出来なかった。それ以前に、閻魔は今にも泣き出しそうにすらなっていた。
文はごくごくとホットミルクを飲み干し、ごちそうさま! と大きく言うとテーブルに勢い良くお金を置いた。
「射命丸文! 行きますっ!!」
文は気合一発拳を握り締めると、一筋の流星のようになってあっという間に空の向こうに飛んで行ってしまった。
映姫はあわあわと口を震わせたまま、一人ぽつんとテーブルに取り残されてしまう。
「ど、どどどうしましょう……! 私はもしかしたら大変な事をしてしまったのかも……しししれません……」
独りになって冷静に考えてみればみるほど、背中にいやな汗が滲み出てきた。
「もし文さんの告白が失敗してしまったら? 一世一代の愛の告白が、文字通り……玉砕してしまったとしたら……?」
「玉砕」の所で、映姫の中にガシャンと何かが割れる音が響いたような気がした。
もしそうなってしまったら、きっと文の心に深い傷を残してしまうに違いない。一生消えないくらいの深い傷を。
それもこれも自分の適当なアドバイスのせいである。映姫の脳裏に「罪」の一文字が重くのしかかっていた。
(こうしてはいられない!)
焦燥感に駆られた映姫は急いで立ち上がった。テーブルに、お金が無造作に置いてあるのを、乱暴にむんずと鷲掴む。
そのままにしておけばいいものを、お金の払い方を良く知らない映姫は、それを直接厨房まで持って行った。お店のシェフの驚愕の表情を背に、映姫は香霖堂めざして一目散に走り出していた。
「はぁ……! はぁ……!」
それからほんの数分後。香霖堂の前で、肩を怒らせ立ちつくす映姫の姿があった。
仁王立ちになった小さな閻魔は、大きく上体で息をしながら、殺気立った眼差しを店に向けている。
「ごく……」
店先には、相変わらず用途の良くわからないガラクタが、雑然と放置されていた。
普段ならば、少しは片付けでもしたらどうかと、説教の一つでも見舞うところだが、今日はそんな余裕などあるわけがない。
(き、来てしまいました……)
映姫はゆっくりと額の汗を拭った。
(し、しかし……)
実際来ては見たものの、これからどうしていいのやら。こんな時の対処法など、奥手な映姫には想像も付かなかった。
店は一見静かで、文と霖之助の様子はココからでは窺い知る事はできない。
「と……とにかく。中の様子が分からなければ……話になりません」
店の扉にそっと耳を近づけてみるが、
「ううぬ。良く聞こえない……」
中からは物音一つ聞こえてこない。第一ここではあまりにも目立ちすぎる。誰かに見られてしまったらそれこそ一大事だ。
しょうがないから、映姫は店の横手に回ってみることにした。
森に面した側に回ってみると、運よく壁に小窓が開いているのが見えた。壁際には、おあつらえ向きにも木箱が置いてあり、これを踏み台にすれば中の様子が見られそうである。
映姫は不審人物の様に辺りを見回した。
「仕方ありません。こ、これも文さんの為です……」
ついさっき、紫達の出歯亀をしかってきたばかりだが、背に腹は変えられない。何より自分の発言の責任を取らなければならないのだ。
映姫は木箱の上によじ登り、小窓に向かって背を伸ばした。だが惜しい事に、もうちょっとだけ高さが足りない。
「う、う~~ん。う~~ん」
ホコリまみれの窓枠に手を掛け、つま先を目いっぱい伸ばす。
一生懸命背をのばすと、小窓から僅かに店に並んだ道具類が見え始めた。もう少し背を伸ばせば、ちょうど番台から奥が見えるはずである。
映姫はうんうん唸りながら、つま先を懸命にのばした。
「何してるのぉ~~? 映姫様ぁ~~?」
「きゃあっ!!」
突然耳元でささやかれた声に、映姫は閻魔にあるまじき悲鳴を上げて木箱から転がり落ちた。
もうもうと舞い上がるホコリの中、おしりを擦りながら見上げると、何という事。そこには胡散臭妖怪、八雲紫の宇宙一悪そうな笑顔が。
「あ……ああ……あ……」
映姫は唇をあわあわ震わせながら、紫のニタ顔を見上げた。
よりにもよって今一番見られたくない場面を、今一番見せてはならない相手に見られてしまったのだ。映姫の頭は混乱で真っ白になってしまった。
紫は空間に開いたスキマからぬらりと出てくると、扇でわざとらしく自らを煽ぎながら、映姫の前にしゃがみ込む。
「あらあらぁ~~? ひょっとして今……」
にんまぁぁぁ~とした紫の笑顔が、映姫の鼻先にゆっくりと近づいて来る。
「覗こうとしてたり、とかぁ……」
「ち……っ違っ! ……わ、私は……! 私は……!」
映姫はがくがく震えながら、何度も首を振って、
「わたしは……ああ、文さんに……! は、話を……!」
「うそぉ~? じゃあなんでこんな所にいるの~~?」
「こ、これには訳が……わ、私の……すーぱーテクニックの責任を……!」
必死の弁明を続ける映姫の姿に、紫は「ふ~~ん」とものすごく嬉しそうに呟く。
悪いピエロの様な顔で、紫は映姫の羞恥に染まった顔を楽しんでいる。映姫はがちがちと奥歯を鳴らした。
「まあ映姫様のおっしゃりたい事はよぉ~~く分かりますわ」
「だ、だったら……っ!」
「何も人の恋路を邪魔立てするつもりなど毛頭無いのでしょう? それは私達も同じですもの~」
紫の表情は、もはや暗黒面に堕ちたドナルドの様に歪んでいる。
「それは皆も同様。みんな文の想いをサポートしたい一心ですもの。ええ」
「皆…………も……?」
ぴくりと顔を硬直させる映姫の目の前で、紫は扇で森の方向を指し示す。
誘われるように映姫はその先に視線を向けた。
いつの間にか、そこには血走った目でカレー皿を片手に、黙々とスプーンを動かす幻想郷の少女達の群があった。
薄暗い森の中で、暑苦しい殺気立った少女達の光る眼が、真っ直ぐに映姫を見つめている。一心にスプーンを動かせる音だけが、小さくカチャカチャと森にこだましていた。
「きっっ…………!!」
閻魔の口を、とっさに紫が抑える。映姫は紫の手の中でくぐもった悲鳴を叫び続けた。
「ンーーーーーッッ! ンーーーーーッッッ!!」
紫は暴れる映姫の体を、まるで誘拐犯の様に押さえつける。
映姫は驚愕に目を見開いたまま、ばたばたと手足を動かせ続けた。
「ぷはっ! あ……! あな……っ! あなた達は! 性懲りも無く……!! ……っっ!!」
何とかそれを振りほどき、悔悟の棒を振り回すが、もはや言葉すら失ってしまう。
紫をはじめ、あれだけボロボロになっていた筈の彼女達が、元気全快で集まっていた。仙豆でも食べたのかと思うほどの回復ぶりだ。
「戦うごとに強くなる。それが私達戦闘民族」
「さ、さとりさん……っ! あなたという人は……!」
「まあまあまあまあ」
声を荒げようとする映姫の元に、空気を読む永江衣玖が絶妙のタイミングで割って入る。
衣玖は『カレー2辛白身魚のフライのせ』を手に、
「私達はたまたまココでカレーキャンプを開いてただけなんですよ」
「白々しい事を! そもそもあなた達は」
「ところで映姫様はこんな所で何をなさってるんですか?」
『青梗菜カレー中華風味』を手に、紅美鈴が疾風の様に現れる。
映姫は自らの立場を省みて言葉を詰まらせた。
「う……っ、そ、それは」
「お昼時だし、ちょうどいいですわ! 映姫様もいかがですか? 美味しいですよ~?」
『ビーフカレー肉抜き3辛』を手に、聖白蓮が映姫の手にお皿を握らせる。
「う……く……っ!」
「わたしたちはピクニックをしにきただけなのですそうですなにもわるくありませんうしろめたいことなどなにもないのですゆうきをだすのですさあ……さあさあさあ!」
映姫の耳元で呪文の様な言葉を呟き続ける咲夜。
しばらくうぬぬぬと唸って、映姫は決意を込めた目で顔を上げた。
紫がニコニコした顔で『グランドマザーカレーチーズのせ』を頬張っていた。幸せそうに動くほっぺたが大きく膨らんでいる。
「……………………『納豆カレーオクラのせ』…………甘口で」
「はいまいどーーーーーっ!!」
因幡てゐと蓬莱山輝夜が声を張り上げた。
「納豆オクラ甘口ふらぺちーーのーーーーーっ!!」
「よろこんでーーーーーーー!!」
早苗と霊夢がほくほく顔で指を突き上げる。
それを合図に森の中はたちまち賑やかに華やいでいった。調子の良い妖怪達は、小躍りしながらカレーをぱくつき始める。
「但しっ!」
わいわい賑わう少女達の輪の中に、閻魔の金切り声が釘を刺す。少女達はビクリと体を反応させ、その動きを止める。
「こうなってしまったからには、責任をとらなければなりません。あなた達にも覚悟を決めてもらいますからね」
「……ま、またまたぁ……! そんなおおげさな……」
「小町、あなたもです……」
小野塚小町の手から乱暴にカレーを奪い取り、映姫はスプーンを突き立てる。
ある種の決意を込めた閻魔の眼光が、間抜けに硬直する少女達に降り注いだ。
「で、でも、責任って言っても……い、一体、何をどうやるのさあ……?」
群衆の中から、辛うじて星熊勇儀の引きつった声があがる。
「……今から直接文さんと店主さんの元に赴き、二人の仲を取り持つのです。つまり文さんの恋を成就させてあげるのです」
「ええーーーーっっ!!??」
少女達の驚愕の叫びが森にこだました。
「そ、そそそそそんな、無謀だよー! 恐れ多いよーー!」
諏訪子が目を回して暴れ始める。
「そ! そうだよ! そそそそれはあまりにむちゃくちゃだよ! 神をも恐れぬ暴挙だ!」
「ええー黙りなさい!」
動揺する神奈子の声を一蹴して、映姫は続ける。
「もうこうなったら行く所まで行くしかありません! それに私達は深くを知り過ぎてしまった。罪を犯したのです。罪深き生命に悪行はある種つきもの! 大事なのはそれをどう償うかという事!」
「お、お願い映姫さま! もう一度考え直して……っ! それはあまりにも」
「お黙りなさい!」
紫は、さっきとは打って変わって震えて映姫にすがりつく。が、逆上した閻魔に、にべもなく振りほどかれてしまう。
直情先行型で恋に奥手の映姫には、もはや他の答えは思いつかなかった。立て続けに巻き起こる未経験の事態に、映姫の頭は沸騰していたのだ。
「それとも何ですか! あなた達は! 文さんの気持ちを知りながら、それをごはんやカレーのおかずにして一生楽しむつもりですか!」
「う……! そ、それは……!」
「ええ!? どうなんです! こうなったら仲間の為! 身を挺して一肌脱ごうとは思わないのですか! ああー何と情けない! 私達の関係はうわべだけのものだったのですか! こんな世知辛い幻想郷に一体誰がしたと言うのか!!」
「う……うう……!」
目を回して声を張り上げる閻魔に、幻想郷の少女達は返す言葉を失ってしまう。皆、手に手にスプーンを握り締めたまま、俯いて小さく震えている。重苦しい沈黙と、少女達のかすかな呻きが、森の中にどんよりと立ち込めていた。
「う~ん……そりゃあ確かにあの二人が円満に旨くいけば、それに越したことはないんだけどな~」
魔理沙が困惑気味に頭を掻いた。
「でも……どうやって今の香霖堂に突入するって言うの? よほどの勇気が無いと、あの中に割って入るのは難しいわよ……?」
レミリアも眉を顰めて周りに目配せしている。少女達も皆それに同意するようにこくこくと頷いている。
「何の為に皆が揃っているというのですか。全員でいけば怖くは無い筈。今こそ私達の結束を示す時ではないのですか!」
映姫は若干目に涙を溜めながら、「こふー!こふー!」と興奮した様子で紫になだめられている。
「な、なるほど全員でか……でもなあ……」
「さあ何をしているのです。思い立ったら行動です!さあ、さあ」
「……あ!ちょっと……!押さないで……!」
映姫は強引なセリフをはきながら、皆を店の表にぐいぐいと押し出していく。
もはやこそこそ隠れている必要は無いと思ったのだろう。楽園の閻魔は、融通の利かない学級委員長の様に突っ走っていた。
少女達はあれよあれよと言う内に、中ば無理矢理森から連れ出されてしまった。
気がつけば三十人くらいの少女達が、おしくらまんじゅうの様に店の前でスクラムを組まされていた。いつの間にか映姫が先頭に押しやられている。
「アレ?? ちょ……! なんで私が先頭なんですか……っ!」
映姫は歯を食いしばりながら、後ろの少女達を押し返す。
決意を固めてはいたものの、そもそもグループの先陣をきる性格では無い。映姫は困惑して足を踏ん張り続けた。
「そりゃあこういうのはトップが行くものでしょ……! さあさあ遠慮せず」
「それを言うなら紫さんが代表でしょ……!」
「だってそもそも言いだしっぺは映姫様じゃないですか? 頼みますよイインチョー!」
「ぐ……! こ、小町! 覚えてなさいよ……!」
しばらく押し問答が続いた後、結局多数決で言いだしっぺの映姫が先頭に押しやられていた。
「ごくり……」
あらためて店を目の前にして、映姫は生唾を飲み込んだ。
言い出しては見たものの、中に入るにはかなりの勇気がいる。
「そ、それではいいですか? せーので行きますよ……?」
映姫は後ろにちゃんと皆が続いているか確認しながら、意を決して店のノブに手をかけた。
ガチャリとノブを回し、いつでも扉が開くようにスタンバイする。しかし次の瞬間、映姫はその扉の異常に気がついた。
「あ、あれ? 開かない??」
がちゃがちゃとドアノブを回すが扉が開かない。押しても引いてもビクともしないのだ。
混乱する映姫に変わって紫や霊夢がノブを回すが、扉はいっこうに開く気配は無い。
「ど? どうなってるの??」
「か、鍵がかかっている??」
どんどんと彼女達は扉に体当たりする。今日は「定休日」のカンバンも出ていない。わけが分からず少女達は扉に体当たりを繰返した。
「引き戸になっていましたわ」
「まさかのっっ!!??」
咲夜がガラリと扉を開くと、映姫達はどばどばと店内に転げ落ちた。
こうなったらヤケだとばかりに、後ろでやきもきしていた妖怪達が、映姫と紫を踏み越えて一斉に店に流れ込む。
後日映姫の証言によると、この時八雲紫は「ぐがぶ」とカエルの潰れた様な、実に不気味な声を上げたという。
「え、ええFBIだー! し、神妙にしろーーっ!」
目をつぶった諏訪子が、顔の前でカレースプーンをぶんぶん振り回して叫んだ。
「ご、御用改めだー! おお、おとなしくしろーー!」
ぬえとヤマメがヤケクソ気味にそれに続く。少女達はそれぞれぎゃーぎゃー言いながら、わらわらと狭い店内に広がっていった。
「な!? 何だ何だぁぁ!!??」
番台では驚愕に目を見開いた森近霖之助が立ち上がっている。
「さっきから妙に表が騒がしいと思っていたら。いったい何事なんだ!?」
「いたよ! 店主だー!」
「文はどこ!? 文がいないよっ!?」
店主の驚く声など全く耳を貸さず、少女達は店の中を引っ掻き回し始めた。肝心の射命丸文の姿が何処にもないのだ。
「おかしいです! 何処にもいません!」
早苗が壺から顔を上げてどなる。
店の中に溢れた少女達は、壺を覗き込み、本をどけ、天井裏をひっくり返して文の姿を探す。
しかし草の根を分けても、重箱の隅をつついても、スプーンを曲げても、射命丸文の姿は見つからない。
店内を嵐の様に引っ掻き回す少女達の中から、魔理沙がホウキを突きつけながら霖之助に迫った。
「お、おい! 香霖! 文はどこだ!?」
「魔理沙! この騒ぎは一体何なんだ! また扉を壊しにきたのか!?」
「ええうるさいうるさい! 質問してるのは私だ! 文はどこだって聞いてるんだ!」
「あ、文だって!? ……そんなの僕が知るわけないだろう!?」
「とぼけないで下さい!」
そして漸く復活した映姫が顔面を汚したまま霖之助に詰め寄る。
「文さんがさっきココへ来たはずです! 早く文さんを出しなさい!」
「文がここに?? 彼女は今日は来ていない!!」
「まだシラをきりますか! 証拠は挙がっているのです! つい先程、文さんはここへ来たはずです! あなたに会いに!」
少女達は映姫を先頭に霖之助に詰め寄る。その時、後ろの白蓮がふと何か思い立ったように声を上げた。
「は! まさか!?」
「ど、どうしたんだい? 聖?」
「あ、文さんがここに居ないという事は……」
「ここに居ないという事は?」
その場の全員の視線が白蓮に集まる。
「寝室とか☆」
「えええええええーーーーーーーっっ!!!????」
狭い店内に驚愕の叫びが上がった。霖之助はギョッとして目を飛び出させている。
「このド変態ーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「ごばーーー!!」
赤鬼のように真っ赤になった魔理沙の拳が、霖之助の頬にめり込んだ。
「この犯罪者ーーーーーーーーー!!!!!!」
「最低男ーーーーーーーー!!!!!!」
少女達は一斉に霖之助を取り囲んでぼこぼこにする。
狭い店の中には、たまちもうもうとホコリが舞い上がり、鍋やヤカンや座布団がぽんぽんと飛び交っていく。
「文さんを救出するのです! いざー!!」
ひとしきり霖之助を痛めつけた後、少女達は映姫を先頭に、わーわー言いながら一斉に店の奥になだれ込む。
寝室、居間、風呂場、手洗い。何処を探してもやはり射命丸文の姿は見えない。裏の倉庫にも文の姿はなかった。
「お、おい、どうなってる? ……本当に居ないぜ?」
「おかしい。そんな筈は……」
流石にいぶかしみ始めた映姫達は、ぞろぞろと店の方へ引き返す。
店に戻ってみると、店の入り口近くで人影が唖然として立ち尽くしているのが見えた。射命丸文であった。
文はケーキの箱の様なものを手にして、驚いた表情で棒立ちになっている。
「う……え……!? な、何なんですか!? 皆さん??」
ぞろぞろと出てくる少女達に、文は事態が飲み込めないように目を白黒させている。
「あ! 文だーー!」
「なぁ~んだお茶菓子を買いに行ってたのか~。脅かさないでよ~」
どうりで探しても居ない訳である。
輪の中から、フランドールと萃香が笑いながら文に近づいていった。だが、萃香は途中でボロ雑巾のように転がっている霖之助に気がついたようだ。彼女はいい加減霖之助を抱き起こしてやろうと、苦笑しながらその場にしゃがみこんだ。
「あら?」
倒れている霖之助をみて萃香はふと首を傾げた。そのまま口元に耳をあて、何かを確認している。
萃香はやがて顔をあげ、皆に振り返った。
「香霖のやつ、息してないよ?」
「うっそ!?」
紫は驚愕に目をひん剥いた。
「ほんとだー。おーいコーリンちゃーん。起きないともう昼だよー?」
フランドールがしゃがんで霖之助をつついている。
「ちょ! 店主さん? 店主さんっ!!」
文は悲鳴の様な声を上げ、ケーキの箱を放り出して霖之助に駆け寄った。
とんでもない事態に少女達は大混乱に陥る。
「ちょっと! だれかザオリク使えるヤツいないのかい!?」
神奈子が必死の形相で周りを振り返る。
「パ、パチェ! パチェどこ!? パチェいないの!?」
「だ、だめだぁ……! パチュリー様は今日来てないんですよぉ……」
美鈴がレミリアに困惑の表情を向けている。
「ま、ままま魔理沙! あなた魔法使いなんでしょ!? なんとかしなさいよ!!」
「わ、私は攻撃魔法専門だぜ! ムチャ言うなよ!」
アリスは魔理沙に掴みかかっているが、魔理沙は首を振って怒鳴るばかりだ。
「え、ええと! ええと~! 私、死に誘うことだったら出来るんだけどぉ~」
「おばか! トドメ刺してどうすんのよ!」
紫が鬼の様な形相で、幽々子の頭をしばき上げる。
すかさず輪の中から進み出たのは八意永琳だ。永琳は真剣な表情で霖之助の傍にしゃがみこんで様子を診ている。
だがこの時、これが萃香とフランドールのフェイクであるという事が、既に皆にはバレていた。
こちらを向いた二人の顔が、恵比寿様の様にニヨニヨとにやけていたのだ。
とっさにそれを見抜いた全員が彼女に合わせたのである。これが幻想郷の結束。その真髄であった。
(へ~~い!)
皆の影に隠れて萃香とフランドールは小さくハイタッチしている。
「これはいけない……! すぐに処置をしないと!!」
一方店の中では、永琳が文に向かって切迫した表情で話しかけている。
「ぶっ……くくく……っ!」
だが、次の瞬間こちらに向き直った永琳の顔は、ものすごく楽しそうな笑顔になっていた。
「酷い人……でも、最高よ……」
「鬼だな……」
輝夜と妹紅が悪魔の様な表情でくつくつと笑っている。
永琳は霖之助の胸に耳を当てたり、脈を診たりしていたが、やがて物凄く濃い表情で顔を上げた。そしてわざとらしい声で皆に向かって叫ぶ。
「これはマウス・トゥ・マウスによる人口蘇生法が必要だわーーーーーーっっ!!」
「な、何だってぇぇーーーーー!!!!!」
一同の、やはりわざとらしい叫び声があがり、
「きゃーーー! 黄金フラグーーーー!!」
それに紫の嬌声が混ざる。紫は幽々子と手を取り合って飛び上がっている。
もはやムチャ振り以外の何物でもない。幻想郷ならでわの、超力任せの強引な展開であった。
「文! 出来るわね!? あ,な,た,の,手で! 店主の肺に新鮮な空気を送るのよ! 新鮮で愛の篭ったハイなエアーを送るの!!」
何だか訳のわからない事を叫ぶ永琳だが、文はその切迫した迫力に負けて気づいていない。
月の頭脳はセリフ回しのセンスはおかしいが、演技にかけては天才的だった。
「え!? ……そんな……」
「何をやっているの? 事は一刻をあらそうのよ!?」
緊急時に、医者にここまで真剣に迫られてはノーと言える者はいない。永琳のいかがわしい剣幕に押されて、文は顔を紅潮させて戸惑うばかりだ。
「だ、大丈夫! 私達はコッチでオセロ大会でも開いてるから! 気にしないで! ぶわーー! とやっちゃってちょうだい!」
紫は店の奥のちゃぶ台で、危険な笑顔を浮かべながらぶんぶん手を振っている。
「わ、わわ私達もここで絵本を読んでるからさあ! ンッ、ゴホン! 何ら気にしないで! 置物か何かだと思っちゃってよ!」
諏訪子はぬえやてゐ達と一緒に、番台で逆さまになった絵本で顔を隠している。
周りでは、狭い店内で卓球を始めたり、ラジオ体操を始めたり、赤飯を炊いたり、全員が全身全霊で無関心をアピールしていた。
「さ……さあ……早く……! 早くっ! ハァリアッッ!!」
永琳は血走った目で文を急かす。最低最悪な医者である。
肝心の文はと言うと、流石にもともと腹を括っているだけあって、すでに覚悟を決めているようだ。真剣な表情で、気を失っている霖之助の顔をじっと見つめている。
「…………わ、わかりました……」
文は小さく呟いた。
「い…………いきます……」
そのまま胸を押さえて深呼吸をしながら目を閉じる。
文は紅潮した顔で、ゆっくりと身を屈め、霖之助の元に顔を沈めていく。
静まり返った香霖堂の店内で、少女達の緊張に張り裂けそうな心音だけが、反響するスピーカーのように鳴り響いていた。
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ……………………
◇ ◇ ◇ ◇
―カコンッ
ししおどしの竹筒が、庭に張りのある音を響かせている。
迷いの竹林の奥に、ひっそりと佇む永遠亭。その庭には、相も変わらず清涼な空気が漂い、心地よい静寂が辺りを包んでいる。
「何をやっているんだ何を!」
やや男性的な、張りのある怒鳴り声が、清涼な空気を一気に震わせていた。
「まったく……! 他人の色恋沙汰を興味本位で詮索し! あまつさえもそれをおかずに楽しむなど! 言語道断っ!」
威厳と貫禄に満ちた怒声が、庭の竹の葉をびりびりと震わせている。
里の守護者、上白沢慧音の長身な影が、廊下の内をのしのしと往復していた。
廊下には正座をさせられた少女達が、長い列となってずらりと続いている。その中には楽園の学級委員長、四季映姫ヤマザナドゥの姿もあった。
(ごめん、店主殿はいるかな?)
絶妙なタイミングで、里の守護者が現れたのは、もはや天啓と言うしかないだろう。
(あ、慧音さん! 大変なんです! 店主さんが! 店主さんが……!)
文は霖之助の元から顔を離し、慧音に振り向いた。
(息をしていないそうなんです!)
(な!? なんだって!? 一体何があったんだ??)
(あ……あのね……慧音先生。ええとね……その……)
慧音は永琳の言葉に耳を貸さず、霖之助の体を抱き起こす。
当然永琳が説明するまでもなく、慧音は霖之助の状態に直ぐに気がついた。
(ん? なんだ、これは? 気を失って伸びているだけだぞ??)
(ええっ!?)
(いったいどう言うことだ!?)
慧音がそう呟き、顔を上げたときには、永琳の姿は既にそこにはなかった。
店の中にたむろしていた他の少女達も、いつの間にかいなくなっている。
(待てぇっ!!)
慧音の怒鳴り声に、店の中の空気は一気に張り詰めた。彼女はそのままゆっくりと後ろを振り返る。
店の入り口付近で、少女達はまるで金縛りにあった様に固まっていた。
「まっったく! あきれ返って言葉もないぞ! 私は!!」
慧音の声が列の奥に向かって遠ざかっていく。その下では屋敷のドクターが、お仕置きの頭突きをくらって白目をむいて倒れていた。
良く見ると、列の中で既に何人かの少女が額から煙をあげて転がっている。
里の先生は問答無用の鉄拳制裁。閻魔様より恐ろしいスパルタ教師だった。
「で、でも……結局アレってどうなったの、かしらね……」
慧音の目を盗むように、紫はこそこそと隣の映姫に向かって言う。
「不謹慎ですよ紫さん。控えなさい」
「で、でも、どうしても……ど~しても気になっちゃってぇ~……」
「何ですか。アレって」
二人は慧音にバレない様に、体を小さくして呟く。映姫が怪訝な顔で、体を傾けてそれを聞き返している。
「文の……その……できたのかな~? な~んて思っちゃって……」
「え? 出来た? 何がです」
「バカだねえ」
横から神奈子のあきれたような声が降ってくる。真っ直ぐ綺麗な正座をしたまま、神奈子は赤い顔でチラリと映姫を見下ろしていた。
「し……しちゃったかどうかって、ことだよ……!」
「は? するって、何を?」
「だからアレよぉ。その……霖之助さんと……最後良く見えなかったからぁ……」
最後の方はほとんど聞き取れないくらいの声で、紫はぼそぼそと話す。
映姫は眉をひそめ、斜めに俯く様にして首を捻った。
「……分からないですね。最後? ……て言うと慧音さんが喝を入れて、店主さんを蘇生させたんじゃないのですか?」
「はあぁぁ!?」
紫と神奈子は同時に声を上げた。
「え、映姫様! それはないわよ! ちょっと本気でいってるの!?」
二人は思わず立ち上がり、映姫に向かって声を荒げる。映姫は困惑しながらも、怒った様に二人を見上げ、
「な! なんですかっ! 店主さんが大事なくてよかったじゃないですか!」
「アレはね、わざとなんだよっ!! 文と香霖をキスさせるために、皆で仕組んだトリックプレーなの!!」
「ええっっ!? ホ! ホントですかあ!?」
映姫は心底びっくりした様に大声を上げる。
奥手な閻魔は、彼女達の絶妙なコンビプレーに独りだけ取り残されていたのだ。
「てか気付いてないのは映姫様だけよ!! 」
「ほんっとバカだね! この鈍感! にぶちん閻魔!!」
二人は真っ赤な顔でぎゃーぎゃーと上から喚き散らした。
「んな……っ!! な、何ですっ! それならそうと早く教えてくれればいいじゃないですか!!」
恥ずかしいのを誤魔化す様に立ち上がった映姫と、そのまま叩き合っての喧嘩となる。紫と神奈子は真っ赤な顔で、我を忘れて映姫を罵った。今の置かれている状況をも忘れてしまうほどに。
「なるほどバカか。それは事実の様だ」
わいのわいのと騒ぐ三人の元に、長身の影が、ぬっと差し込めた。
「ぶ! 慧音さん……!」
「い、いやいやいや、こ、これはだねえ! その……!」
「『人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ』という故事を知っているかな?」
「い、いやねえ慧音ったら、マジ顔しちゃって……あは!あはは、は……」
慧音はししおどしの竹の様にぐわりと背中を反らした。
「三・色・丼・突きぃぃぃ!!!」
ほぼ同時に響いた三つの音が、風情ある竹の音を完全に掻き消してした。
「……っばか!」
庭の松の木のてっぺんで、射命丸文が真っ赤な顔をぷいと反らして呟いていた。
(了)
笑いっぱなしでしたw
面白すぎます!!
前作を未読状態にも拘らず本作に取り掛かろうとした己の不明を恥じながらね。
それ位良いつかみだと思った。この先どう話が転がっていくのか想像するとワクワクすると共に、
以前に一体なにがあったんだろうと凄く興味を抱かせる程に。
二作を通して拝読してまず思った事。これほどドタバタコメディという形容が似合う作品も珍しいなぁ、と。
あとは少女。とにかく少女。ひたすら少女。乙女チックワールド全開っすね、食欲込みの。
幻想郷に住まう女性達は皆少女だと理解はしているつもりだったのですが、それでも圧倒されました。
作者様の少女描写力には脱帽だ。って俺少女使い過ぎ。
タイトル・ロールの映姫様が実に素晴らしい。
真面目っ娘→キョドリまくり→開き直っての熱暴走→何故か委員長、このコンボにライフをガリガリ削られました。
個人的には一番好きなキャラである紫様や、本来主役であるべき文も良かったのですが、流石閻魔様は格が違った。
ラストもお見事。
問題児達を頭突きで黙らせた慧音先生には労いを。やっぱり割を食った文にはお悔やみを。霖之助はモゲロ。
最後に私が読んだ範囲内で作者様の作品群についての感想を。
ストーリー終盤に向かって際限なく高まっていくテンションは、作者様にとって最大の武器であり、
ちょっとした弱点でもあると思う。あくまでも私からしてみれば、ですが。
ビッグウェーブに上手く乗れば砂浜まで気持ち良く一直線、失敗すれば置いてけぼり、みたいな印象。
アクセルべた踏みの所もあっていい。ブレーキを踏む必要は無い。
でもペダルから足をちょっとだけ離してエンジンの回転を下げるのもいいと思う。世の中エコが流行ってるしね。
長い上に高飛車なコメントだな、こりゃ。明日、つーか今日は仕事休み、テンションが高いのは俺の方みたいだ。
ちなみに自分はあらゆるメニューに茸トッピング。茸カレーに茸トッピングという荒技も繰り出すぜ。
>「あなたは結界を管理するという重任があるはずです!
→〝重任〟という単語自体はありますが、意味的にはどうだろう? 重要任務や重責ならわかるのですが
>今回文は被害者といえる立場だったが、今後の為にも彼女にもクギを差しておくに →クギを刺して
>「……今から直接文さんと店主さんの元に赴き、二人の中を取り持つのです →二人の仲を
まさかコイバナが続くとは嬉しいサプライズでした
それにしてもなんだろね、この少女達の凄まじいまでのコイバナに対しての団結力
参った!私は参ったぁ!
あ、あとすみません、4辛の400gでチーズダブルトッピお願いします
予想だにしてませんでした。
こういうもじもじした文もたまにはいいものですねえ。
今回も、美味しく頂きました。
とりあえずカレー食べてきます。
映姫様のコミカルな言動が楽しかったです。
しかしあのカレー屋は海外だけじゃなくて幻想郷にも進出してたのかw
二作とも、正しく少女達のノリと勢いのみで突っ走っていましたねぇ(笑)
まあ、原作が原作なだけに浮いた噂もない幻想郷の少女たちにとっては、どれだけ長く生きたとしてもこんな思春期的なノリになってしまうのでしょうか。
個人的な意見で言えば、だれそれの恋を応援するという名目で一致団結してちょっかいをかけてくるクラスメイトとかは、恐怖以外の何物でもないです。
あれはもはや吊し上げですなぁ(苦笑)
とりあえず、まだまだ終息を見せていない文霖異変(大袈裟)ですので、第二、第三のカレーキャンプin魔法の森が開かれないことを祈るばかりです(笑)
この上下物はそうとう私らも楽しんで書いたから、それが伝わってよかったww お嬢様
どうもです!気に入ってもらえてよかったです!
今度はもっと読む人のこと考えて書こうと思います。次回もよろしくです! 超門番
ありがとうございます。楽しんでもらえたら私達まで幸せ気分です 冥途蝶
4番様 あれ?前のも読んでくれたのかな?超感謝!
勢いのままって感じでなんだかだけど見てくれてありがとうね! お嬢様
もう続きませんけどねぇ・ww どうでもいいけど夏が近づいてきてテンション
上がりまくりで書きました! 超門番
11番様 うんww かなりの超展開だけどねーwww コメントくれると勇気付けられるわ。本当
感謝してる! お嬢様
あのお店突然外観新しくなりましたね。何があったのでしょうか・ 冥途蝶
コチドリ様 ながぁ!!コチドリさん長げぇよ!www
永いコメントはホントわくわくしながら読んでる。こんなくだらないお話に付き合ってく
れて、何だか悪いような嬉しいような、て感じよ。
コチドリさんの言うとおりで、テンション抑えて書くのは苦労するんだよねww 投稿す
るのはいつも部室のパソコンからだから構成してる内にエライ事になっちゃうっていう・
・wwお話は楽しいのが一番って思ってるし、楽しんで書くものだと思うけど、読み手の
人の事もっと考えないとね。
とっても内容の深いコメントありがとう!次もがんばるんだぜ! お嬢様
素晴らしい評価いただきましたねぇ・ww もうコレだけで書いた甲斐があったって感じ
ですよ。短編でもお話考えるのって大変なんですね~。でも今は楽しんで勉強できてるっ
て気がします。次もどうかお楽しみに! 超門番
これは結構大多数の意見だと思います。読む人の事考えるのってとても大事なんですね。
とっても素晴らしいコメントでした。お座布団3枚です。 冥途蝶
17番様 相変わらずスゴイ時間に読んでる人結構いるんだね。ホントどんな生活してるの??
この超絶なテンションで暑苦しく夏を乗り切って! お嬢様
400gスゴイですね!そこまで絶対無理です!
でも中にはあのタダメニューいっちゃう人もいるんだからスゴイですよねぇ・・ 超門番
19番様 評価してくれてありがとう!言葉は少ないけど心意気は伝わってきたよ!
どうか次回も楽しみにしてて!がんばるから! お嬢様
おっしゃりたいお気持ちは伝わりました(ホントかよ)その上の評価に感激MAXです。
より一層精進致します。 冥途蝶
名無し様 あれ!?名無しさんて前もいなかったっけ??同じ人??
ていうか紛らわしいよ!コメント並んでたらホントわかりにきー!!ww お嬢様
ありがとうございます! ちょっと反省点の多いお話でしたけど、いいキッカケいになり
そうです!次回もどうかお楽しみに! 超門番
25番様 これねー、ちょっと反省点だねww 本とは上下にして二ついっぺんに出そうかな?て思
ってたんだよね。やっぱ前編だけでよかったかも・・? でもいい起点になりそう。次回
もどうかよろしく! お嬢様
あのお店海外にあるんですか??マジで!? ていうか海外の人あの味わかるんだろうか
・・?ちょっと行ってみたい!! 超門番
お腹空く様 あれ??前のお話見てなかったの?? 私はてっきり名前が無い程度にコメントしてくれて
るとばっかり思ってたよ。でもいっつも丁寧なコメントありがとうね!コメント見るのっ
てホント楽しみだから。でも、お腹が空くさんて忙しい人なんだね~。働いてたりとかす
るの?結構そう言う人多いんだよね。マジ驚き! お嬢様
ノリと勢いのみです!最近低調なトーンのお話が多かったですから。
恋のおせっかいやってみたいですねぇ。彼氏いないからパルパルパル!!てなりそうです
けどね~!それはそうと東方にはもっと男キャラ出てもいいと思うんですよ! 超門番
また楽しんでもらえるようなお話考えるからよろしくね! お嬢様
ありがとうございます。前作もご覧頂いたのですね。かなり
はっちゃけ具合が凄かったですけど楽しんでもらって光栄でございます。 冥途蝶
前作もそうですが、懲りませんねぇ~幻想郷の少女達は(笑)恋するヲトメはノンスットップってとこでしょうか。
また慣れない相談を持ちかけられて、わたわたと慌てる四季様が可愛いすぎます。
私も中学の時、野球部部長で生徒会長というローマでいえばカラカラ帝的な立ち位置の友達に、恋愛相談されたことを思いだしました。
その時、まさしく作中の如くテンパり、「まぁ、頑張れよ」としか言えませんでしたorz
その後どーなったかは知らないのですが、ともかく四季様に感情移入しました。
後は……季節限定のあさりカレーが大好きでたまに食べます。
でもあのお店で一番美味しいのは、テーブルにある取り放題の茶色い福神漬けだと思います。終わり。
ん~??なになに?中学時代のコイバナはおもしろそうだね~。「まぁがんばれよ」
って・・ww冷た!ww冷酷!! でもリアルwwwそういう話ありそうだよね~
お嬢様
部長で生徒会長・・すごいですねぇ・・ww 頑張らないでもいけたんじゃない
ですかねぇ・wwリアルカリスマ! 実はウチのお嬢様も・・ふふふ・ 超門番
ばたばたしたお話でしたがありがとございます。がま様の最新作お待ちしております。
あのイイ人っぽいテイストのお話はとっても好きです。咲夜ちんがイイ味出してま
したね。 冥途蝶
高校一年の時、は毎日1リットル飲んでましたなぁ……
友人が「そんなんじゃ足りないぜ、俺は6リットル飲んでる!」って。
んなに飲めんし、そいつ、自分とあんまかわらなかったし、いつの間にかやめてましたね。
幻想郷入りしてしまった言葉、いわゆる【死語】ってことでとらえると、ネタが膨らみそうですね。
でも、綺麗な言葉、粋な言い回しなども幻想郷入りしちゃうんでしょうかね。
映姫様は魅力的なキャラですよね。
「花映塚」のセリフを見るだけでも楽しめます。(Easyでもまったく歯が立ちませんが)
幻想郷でも際立って異質な存在ですから、捉え方にも幅がありますよね。面白い。
慧音先生強すぎww
あれ? てゐが鈴仙をなんと呼んでいましたっけ?
素敵な表現:
・全く奥手のてるてるぼうず。→絵的に笑えます。
・2度3度空振りをした後、映姫の指が漸くコップを掴んだ。→素敵な心情表現。
・彼女の中のもう一人の自分が、その様をハラハラして見守っている様だった。→ありそう。
・『ビーフカレー肉抜き3辛』→『冷やし中華、ツユ抜きで』これは食えなかった!
・三・色・丼・突きぃぃぃ→卵、そぼろ肉は定番として、あと一色、何を加えるか。
(黒)刻み海苔(緑)絹さや、ほうれん草、今の季節ならキュウリ(赤)ニンジン味噌、紅生姜。
悩むところですが、間違っても「三段○め」はいけません(スイマセンR18でした)。
そしてカレーですか。いよいよカレーですか。あああ、色々書きたい!
でも、作品へのコメントから外れそうなので自粛します(すでに外れっぱなしダロ!)。
私自身は男子校でしたので、恋愛への幻想、勘違いは凄まじいものがありました。
ちょっとした偶然でGFが出来た時なんぞ(プチ自慢)、そりゃ酷いモンでした。
よってたかってやっかみ8割のお節介、うまくいったらいったでお祝いとは名ばかりの袋叩き。
いやー、そんなノリってホントにあるんですよねー。
センセイ今大変なんだね!この前のコメント見て「えー!!」てなったよ。さらっと
衝撃発言するんだもんね。大丈夫なのかなあ??て思った。私のくっだらないお話で
心が休まるなら何回でも見て欲しいよ!
さてさてこれから夏休みで私達も活動激化させるから、お蝶も長編やってるから楽し
みにしててね!あの娘出すかどうか分かんないけど! お嬢様
どもです!センセイ!最近い~い感じに暑くなってきましたね~!これから夏本番で
すよ!プール、海、河童探しと予定はぎっしりです!山にも行きたいです!センセイ
も負けずにがんばってくださいね! 超門番
『冷やし中華 ツユ抜き』ってww
それは無理です。麺が口の中に引っ付きそうですww お嬢様の行ってる事はあま
り期待しないでくださいお願いします。 冥途蝶
すごく怖いのでとりあえず10辛のライス抜き流し込んでおいてくださいw
次は慧音先生が・・ってさすがに先生はやらないかー
とりあえずカレー食べにいってきます!
とりあえずドナルドには流し込んどくww あのお店は夏休み中に行ってみる
予定なんだ! お嬢様
私はひたすら甘口を頼み続けていました。久しぶりに今度行っている予定です。
冥途蝶
それよりも文ちゃんが可愛すぎてどうしたらいいんですか私は!!
今度は映姫様に続いて最後の砦であった慧音先生が出歯亀するのですね!
このお話はちょっと反省点。文ちんに対する懺悔のつもりでかわいく書いたのだけれど、い
つもの暴走クセがでちゃいましたねー、て感じ。
ああ、もう一ヶ月以上も投稿してないじゃん・・。 お嬢様
ヨン様ありがとうございます!続き物で二つとも評価くれたヒトって少ないんですよ。だ
から凄くうれしいです。慧音先生のぶっ壊れ話はお蔵入りした経緯があってですねぇ・・
超門番
白い靴下
→白い靴下(短いに違いないっ)と勝手に妄想w
牛乳を飲めば背が高くなると信じている
→映姫様ならぬお子様ですね、分かります
恋愛の話などさっぱりピーマンです
→ピーマンに余程強い思い入れがあるのか…。
…何故か可愛らしい不思議w
『納豆カレーオクラのせ』…………甘口で
→納豆+オクラって…、粘っこ過ぎて訳が分からないw
甘口…つまり、映姫様ならぬお子様(ry
正座をさせられた映姫
→つまり叱られている(ry
「納豆オクラ甘口ふらぺちーーのーーーーーっ!!」
「よろこんでーーーーーーー!!」
→ふらぺちーのが妙にツボりましたw
+『りく○ーと』かよ、とツッコミw
何が言いたいかというと、映姫様が可愛らしかったです。
大切な事なので2度(ry
オーラは溢れ出てたww 不遇なお話にお水をくれてありがとうね! お嬢様
私達が楽しんで書いたお話はたいていあまりウケが良くないという事が分かりました。もっと読んでくれる方の事を考えないと
いけませんね。ともかくGJでございます。 冥途蝶
この台詞に一連の話の面白さが集約されてますねw
あんたも結局カレー注文したじゃん!
と言うツッコミ所も含めて