Coolier - 新生・東方創想話

Pの証言をそのまま記事にしようか迷った件

2015/09/09 04:44:21
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 ~雑記~

 紅魔館の主であるレミリア・スカーレットにおける考察。
 いかにしてカリスマは奪われたのか。

 その類まれにみるカリスマは、紅魔館の主としての威厳を保つには十分だった。
 しかし何時からだろうか、十六夜咲夜が紅魔館に訪れてからはそのカリスマは徐々に失
われていった。

 何故そんなことになってしまったのか、紅魔館の面々は詳しくは語ってくれた。
 これから証言者が話してくれたことをもとに、会話とともに記す。





 ~証言者 M~

 私は何時ものように門番をしていたんです。
 そしたら正面からものすごい早さで迫ってくる影がみえました。
 私は門番です、その影が何者であろうと紅魔館へと通すわけにはいかなかったので迎え
撃つことにしました。
 そう話し出した証言者の方は、続けて詳しくその時の状況をこう語ってくれました。

 ものすごい早さで迫ってくる影は人影だったんです。
 真っ白なワンピースを小奇麗に着飾り、両手には数本のナイフを持っていました。
 遠めで分かりづらかったですが、一瞬見惚れてしまったくらいです。
 距離は数十メートルは離れていました。
 対処するには申し分ない距離だったので、余裕を持って待ち構えていたんです。
 そう思った瞬間でした。
 気づいたら目の前にナイフの束が敷き詰められていたんです。
 全部は避けれない。
 そう思って、数本はかすっても仕方がないと割り切り、ナイフをギリギリで避けながら
人影があったほうに目を向けました。
 戦いの最中で対戦相手を見失うことほど、自分に不利なことはありませんからね。
 でも、居なかったんです。
 数十メートルは離れていた場所に居たはずの人が居なかったですよ。
 あの一瞬でどの方向に動こうと、視界から消えるほど動けるはずがないのに。
 あせりました。
 恐らくその一瞬のあせりが、隙を生んだんですね。
 ものすごい衝撃が後頭部を襲って、そこで意識がなくなりました。
 後から聞いた話によると、なんでも時間を操る程度の能力を持っているとかで、ちょっ
とずるいなとか思いましたよ。
 でも、そのとき思い出したんです。
 お嬢様が朝食時に「今日は客人が来るはずだから持てなしてあげなさい」なんて、何時
もはたんたんと予定を伝えるはずのお嬢様が、笑みを浮かべながら伝えてきたことを。
 でも、今思うとあれが始まりだったんですね。





 ~証言者 P~

「気づいたときには、もうカリスマの影も形もなかったわ」
 そう嘆きながら語ってくれる顔は、悲しげな表情をしていた。
 でも、その後小さな声で
「あれはあれでなかなか……ふふ、ふふふふふ」
 何て言ってたが聞かなかったことにした。
 そしてどのように変わったのかを、証言者はことこまかに話してくれた。



 そうね、変貌する前とその後の話しを交互に話したら分かりやすいかしら。
 まずは寝起きね。
 レミィは本当に寝起きが悪くて、起こしにいくのを誰に決めるかで、メイド達はジャン
ケンをしていたほど。
 たまに、自ら進んで起こしにいくメイドもいたそうだけどね。
 なんでジャンケンかって?
 そんなこと知らないわ。
 とにかく、起こしにいったメイドが死んだとか、そういう話は聞いたことはなかったか
ら、そういう意味で怖いとかではなさそうね。
 ただレミィが起きてきた後に、髪も服も乱れたまま顔を真っ赤にさせて、部屋から出て
いくメイドの姿を見た人が何人もいたらしいわ。
 まったく羨ましいわね。
 そう言った証言者の顔には、明らかに不満げな顔が浮かんでいた。
 それで咲夜が来てからなんだけどね。
 レミィを起こしにいくのは、咲夜の役割になったの。
 それに不満を漏らすメイドもいたけど、大半は安堵の息をもらしていたわ。
 それで何が変わったかって言うとね、顔を真っ赤にさせて部屋から出てくるのがレミィ
に変わったってところね。
 ほんと、まったくもって羨ましいわ。
 ギリギリと歯軋りをしながらそう話すが、本人は歯軋りに気づいていないようだったの
で、そのまま話しを聞くことにした。
 なんか証言者の後ろでガタガタと振るえている子悪魔が居たけど、涙を飲んで無視した。



 次は食事ね。
 咲夜が来る前は、めんどくさがりながらも自分で食べていたわ。
 食べているその姿は、ただそれだけなのに美しく、存在感を感じさせるものだったけど、
咲夜が来てからは豹変したわ。
 初めて食事の場を一緒にしたとき、開いた口が閉まらなかったもの。
 あれだけ美しく存在感を示していた館の主は、そこにはもういなかったの。
 ええ、他のメイド達も驚愕していたわ。
 咲夜がレミィの口元までスプーンを持っていったと思ったら、皆が居るまで「あ~ん」
だなんて。
 恥ずかしげもなくよくやれるわよね。
 何、あなたもしたかったんじゃないですかって?
 馬鹿言わないで、むしろして欲しいほうだわ!
 レミィにご飯を食べさせてもらえたら……。
 トリップした証言者が1人芝居をはじめたので、これもそのまま明記する。

「はい、あ~ん」
「あ~ん」
「どう、美味しい?」
「ええ、でも少し食べづらいかも」
 ちょこまかとうごく証言者。
 その姿は奇怪そのものだ。
「それじゃ、どうしたらいい?」
「あ、そ、その口移しで……」
「わかったわ」
 もにゅもにゅと咀嚼する仕草を見せる証言者。
 もはや奇怪を通り過ぎて哀れである。
 そして舞台は佳境に!
「どう?」
「美味しい……」
「それはよかったわ」
「だめ、もう我慢できない」
「どうかしたの?」
「レミィが食べたい!」
 あまりにも芝居が上手くて残像が見えた。
 そのままレミリアを押し倒し、証言者の体が床に吸い込まれていく。
 その瞬間ものすごい音がすると同時に「あれ、レミィはどこに?」なんて言いながら証
言者は生還した。

 続けるわね。
 だらだらと鼻血を吹きながら、冷静に続きを話しだす。
 次はレミィの行動についてだけど、咲夜が来る前は1人で過ごすことが多かったわ。
 咲夜がきてからは、1日中べったりよ。
 それはもうこっちが見ていて恥ずかしいくらいにね。
 ずっと様子を見ていたわけじゃないから、詳しいことは分からないけど影で何をしてた
のやら。

 極めつけはお風呂ね。
 ここまで来ると流れで分かると思けど、咲夜が居ないときは一人で入ってたわ。
 咲夜が来てからは、毎日一緒に入ってる。
 お風呂は、その日1日で溜まった疲れをとって、次の日を新しい気持ちで始めるための
神聖な儀式のようなもの。
 お風呂で何かがあるわけない。
 だから、お風呂までチェックしようとは思わなかったわ。
 でもね、誰にだって魔がさすときがあるとおもうの!!
 軽い気持ちだったわ……。
 ちょっと覗いて「楽しそうね、私も一緒に入っていいかしら」そう聞こうとしただけ。
 だけどお風呂で聞こえてきた声は、見事に期待を裏切ってくれた。
 まさかお風呂場から「あ」とか「う」とか「咲夜……もっと優しく」とか聞こえてくる
とは思わなかったから……。
 そこで証言者Pはうな垂れてしまった。





 ~証言者 F~

 咲夜が来る前のお姉さまは、ここに足を運ぶときはどこか申し訳ない、そんな表情で来
ることがほとんどだった。
 でも咲夜がきてからかはスキップで来るようになったわ。
 しかも、ものすごい笑みを浮かべてね……。
 一言で言うと「気持ちわるかった」
 この方は淡々と短くこれだけ語ってくれた。




 そろそろ最後の証言者の記事をまとめようとおもうが、話的に盛り上がらないのでボツ
とする。







「ふぅ」
 結局カリスマが失われた理由についてまでは分からなかった。
 ただその理由に十六夜咲夜が関係しているのは明らかだろう。
 筆をおき、一息ついた射命丸は手帳を閉じると、まとめた雑記を手にしその場を後にする。
 立ちあがった瞬間手帳が落ちるが射命丸は気づかない。
 床の上でとあるページが開かれる。
 残された手帳に書かれていた最後の証言。





 ~証言者 S~

 メイド妖精たちからも話は聞いてましたが、お嬢様の寝起きは相当悪くて起きるまでは
抱き着いて来たりするんですよね。
 髪も服も乱れるほど抱き着いてくるので初めの方は大変でした。
 でも耳元に息を吹きかけるとすぐ起きることに気づいてからは、その方法で起こしてます。

 お嬢様がすごく敏感だというのはお風呂場で気づきました。
 背中って洗いずらいでしょ。
 だから背中だけは洗って差し上げてたんですが、すごく過敏に反応するんです。
 ちょっと背中を洗ってるだけだったのに。
 メイドというのはおもったより大変なお仕事のようです。





 その証言の後に追加されている文字は「ボツ」とだけあった。


紅魔郷が一番好きです
香由知凪
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コメント



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3.80名前が無い程度の能力削除
なるほどシンプルでわかりやすかったです
6.90名前が無い程度の能力削除
いわゆる桃魔館ですね、口角がつり上がる程度には可愛いが溢れてます。うらやま。