Coolier - 新生・東方創想話

さとりーとふぁいたー

2009/07/20 04:21:17
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「はどーけん」

「……なにやってるの、お姉ちゃん」

 時が凍りつくここは地の底地霊殿。心を読めるさとり妖怪、『古明地 さとり』は妙な
ポーズのまま固まっていた。声をかけたのはその妹、『古明地 こいし』。無意識を
操る彼女は無意識のまま姉の部屋に侵入し、あげくこの有様である。無言で時は
過ぎつつあるが、埒が開かないのを知ってもう一度こいしは姉に尋ねようとする。

「なにやっ」

「しょーりゅーけん」

 拳を突き上げつつ、姉がちょこんとジャンプした。横に一回転して着地、そして
いつものようなけだるげな表情。だがしかしこいしには分る。あの顔は”どうですか
かっこいいでしょう”だ。呆れた顔でこいしが聞く。

「もう一度聞くけど、なにやってるのお姉ちゃん」

「見てわかりませんか。波動昇竜です。トリカゴですね。やりすぎるとリアルファイトに
発展です」

 ふふん、と息巻いて喋った言葉の一割も理解できなかったこいし。

「やばい。お姉ちゃんがやばい。とりあえず今ほど閉ざした目を開けたいって思った
ことはない」

「よい傾向です」

 額の汗をぬぐって爽やかにさとりが微笑む。改めて姉の可愛らしさにどきりとしつつ、
そういう場合ではないだろとこいし。しかしさとりはそんなこいしをよそにまた妙な
ポーズ。中腰のまま腰溜めに両手を添えて、その後ぐっとその手を前に突き出す。
突き出しざまに、
「はどーけん……。む、出ませんね」
「だからなにが」
こうである。妙な体勢をやめてさとりはこいしに向き直る。

「こいし。私は闘います。相容れぬものに、言わば敵に、この拳でもって真理を
叩き込まねばなりません」

「え……つまり、お姉ちゃん、け、拳闘でも始めるの?」

 ぐっ、と握りこぶしを作りつつ遠い目をするさとりに向かいこいしはそう問う。
その声にこいしへと顔を戻し、どこか不敵に笑う姉。

「拳闘どころか。足も出ます。見なさい、たつまきぜみゃーぁーく!」

 またまたさとりはぴょんと飛び、ちょこんと片足を上げつつくるりと横に空中で一回転
する。子どものバレリーナのようだな、とこいしは微笑ましい気持ちになりそうになって、
そういう場合ではないだろセカーンド! とか思いつつやや困惑した表情になる。

「どうですか」

「いやまぁ、なんかその」

「昇竜拳と竜巻旋風脚は完璧にマスターしたのですが、いかんせん波動拳が出ないんです」

 あの程度で完璧に習得できてしまうとはどういう拳闘……いや、格闘技なのだろう。
そして”ハドウケンガデナイ”とはどういうことだろう。痛くなりそうな頭を横に振りつつ、
こいしは自信満々な姉にさらに問い続ける。

「ハドウケン、てなに、お姉ちゃん」

「なに。波動拳を知らないのですか。かの偉大なるゴウケンからリュウやケンといった
主人公タイプに与えられたもっとも基本にしてもっとも至高たる気による飛び道具。
それが波動拳。灼熱ならともかく真空とか滅とか電刃とかになればより一層威力とかが
増しますよ。しかし、今の私には我道拳すら……」

「や、ちょ、ちょっと待って。ちょっと待ってお姉ちゃん」

 真剣な目をして語り始めた姉を制して、とあることに気付いたこいし。

「気? 飛び道具? お姉ちゃん、それ……弾幕で再現しちゃだめなの?」

 いつも眠そうな目をかっと見開いて驚愕の表情でさとりはこいしを見つめた。ぽん、と
こいしの肩に手を置いて、
「さすがは私の愛する妹です」
と呟く。一瞬で頬を赤く染める妹から少し離れて、またあの構えを取った。

「はどーけん!!」

 突き出した両の掌の先に一瞬で霊力が溜まり、蒼白い弾となって一直線に飛んでいく。

「……よし」

 小さいガッツポーズ。姉にしてみれば、歓喜歓喜大歓喜の仕草だとこいしは知っている。

「じゃ、こいし。ちょっと今から私より強い奴に会いに行ってきます。なので留守を」

「お姉ちゃんちょっと待ったぁ!」

「ふむ、つまりここから先に進みたいならまずあなたを、ですか。あぁ、悲しき姉妹対決。
ですがこの古明地さとり一切容赦せ」

「なんでやねん!」

 思わず関西弁でつっこむこいし。ぺちりと胸板に叩き込んだ逆手刀でふらりと傾ぐ
さとりの身体。なんかめっちゃ弱そう。事実、肉体的にはさして強くないさとりではある。
そんなさとりをこのまま地霊殿から出せば面白い、もといとんでもない事態になりそうだ
と確信して、こいしは姉を呼び止めたのだ。

「とりあえずお姉ちゃん、まだ聞きたいことはあるんだけど」

「ちゃちゃっと心を読めば……って、できないんでしたね」

「多分読んでも理解できそうにないから、やっぱり聞くだろうけどもさぁ」

 少しだけこめかみが引くつくのを感じ、コホンと咳払い一つして心を静めるこいし。

「いったい、なんだって格闘技? かなぁ、これ。まぁ、そんな事を始める気になったの? 
そういえばさっき敵がどうとか言ってたけど」

「あぁ、その事ですね……」

 さとりの表情に暗い影が差した。奥歯を噛み締め、力の入った握り拳は真っ白に。
そのさまを見て、こいしにもただならぬ理由があるとわかった。

「喋りたくないなら、喋らなくても……」

「いえ、いいんです。私が闘う理由ですね、それは」

 真剣な眼差しで、さとりは告げる。

「地獄金魚です」

「はいお姉ちゃんがまた訳分らないこと言いだしたー。開けー。私の目よ開けー」

「こいし、そんな無理にこじ開けてもだめですよ。やるなら値札シールを剥がす液、
あれがいいです」

「そんなので開いちゃうの!? ……って私の目の事なんかどうでもいい! 地獄金魚ぉ?」

 地獄金魚とはその名の通り地獄の苛酷な環境に適応した金魚のことである。地獄烏と
同じようなもので、旧地獄ではそう珍しくない生物だ。生息地は主に業火マントルの中。
当然空を飛ぶことができ、手乗り金魚となることもある。鳴き声は『ぎょぴ』。一般的に
観賞用として飼われるが、その身は淡白でクセがなく、割と好まれる食材である。

「えぇ、地獄金魚です。知っていますか」

「いや、そりゃぁ知ってるけど。なんだってそれが戦いに関係してくるの?」

 と、当然の疑問のこいし。瞳の先でさとりが大きく頷いた。

「します。まさに敵は不倶戴天。一生交わらぬ平行線。あちらが油なら私は水。2割3割
当たり前、もってけ魔理沙私のハート」

「うん今適当言ったねお姉ちゃん」

「はい」

 えへんと薄い胸を張りつつ適当を誇るさとり。頭を抱えるのはこいしだ。

「ま、冗談はそれくらいとして」

「できれば全てが冗談であってほしいよ」

「お燐ったら分からず屋で困ります。地獄金魚といったら煮付けに限ります。だのに
あの子ったら、塩焼きがいい塩焼きを食わせろ塩焼きこそ究極にして至高のグルメだー、
って言って聞かないのです」

「あー……私は煮付けも塩焼きもどっちも好きだけど……、って、え。お、お燐?」

 いきなり聞き慣れたペットの名前が出てきて、こいしは今日何度目かの困惑の坩堝に
叩き落される。『火焔猫 燐』、通称お燐。さとりのペットである妖怪火車。どこか
別の場所にいる誰かに喧嘩を売りにいくというこいしの予想は根底から覆された。

「私は言ってやったんです。『塩焼きなど誰にでも作れるいわば手抜き料理。その手抜き
料理を主に求め、なおかつそれを至高だの究極だのというバカ舌。我がペットながら
呆れ果てます』、と」

「酷い」

 塩焼きが好きな人に謝れってんだ。いいじゃないか塩焼き。レモン汁をかけて
日本酒をキューっと。たまんないねコレ。もちろんこいしもそう思っている。

「そうしたら、あの子なんて言ったと思います?」

「うん、別に聞きたくないし興味もない。大体今のでなにがどうなったか分ったし」

 思いっきりしょぼくれてうつむくさとり。しかしこれでこいしもおおよその見当が
ついた。帰ってきてからお燐の姿を一度も見ていない。おそらくはこの諍いが原因だ。

「つまりお姉ちゃんは、お燐と地獄金魚の調理法で対立して、煮つけか塩焼きかその
どちらにするかを戦って決める、とこういうわけね?」

 言って溜息をつくこいし。思った以上どころか思いもよらぬおバカな理由に話すだけで
疲れてしまったご様子。ちなみにおそらく論争の種になったであろう地獄金魚は、
地霊殿に忍び込んだこいしと、それを見つけた『霊烏路 空』の手により、ムニエルに
されてこっそり美味しくいただかれている次第である。

「今の話でよくそこまで分りましたね。神ですかこいし」

「もうそれでいい」

 今日ほど姉の心をもう一度覗けるようになりたいと思い、次いでその思いを有頂天の
果てまで吹き飛ばしたいと願った日はなかった。覗いたら気でも狂いそうである。
やれやれとまた深く溜息をついて、しかしこいしの心に埋まった心配の種がうごめき出す。

 姉であるさとりは”さとり妖怪”だ。相手の心を読みそのトラウマを再現する弾幕パターンは
変幻自在にして強力無比。だがしかしその肉体は脆弱に過ぎる。こいしにしたってそう
だが、無意識の力は危険を回避するのに非常に役立つ。故に肉体の脆さを今まで
問題にした事はなかった。姉にしても心を読めば、先手を打って逃げることもできよう。
二人ともそうやって生き延びてきた。

 だがしかし、いざ殴りあうとしたら逃げ場などどこにもない。そして相手はお燐、
”火車”である。ネコ車に死体を山ほど摘んで、それを軽々と運んでいく姿をさとりも
こいしも目にしている。当然その膂力はさとりの比にならない。長く鋭い爪が翻れば、
首すら掻き落とされるだろうか。

「お姉ちゃん……大丈夫? あぁ見えてお燐、かなり強いよ?」

「強くない相手と戦わずしてなにが格闘家ですか」

「格闘家じゃないじゃん。お姉ちゃんの仕事は地霊殿管理、ほとんどデスクワークじゃない。
今からでもいいからさ、せめて弾幕勝負に変えたらどう?」

 それならば多少の勝機は見出せるだろうとこいしは思う。しかし、さとりは静かに
首を横に振った。

「だめです。それでは私に勝ち目はありません」

 意外な言葉に驚くこいし。姉の真剣な表情を見るに、どうも本当にそうらしい。

「あの子が想起するであろう弾幕は二人分。お空か、私かです」

「お空の弾幕なら強力じゃない」

 八咫烏の力を取り込み、地底の太陽としてべらぼうに巨大な火球を発生させるお空。
それをコピーできたのなら、お燐の死霊を操る弾幕でさえひとひねりだろう。こいしの
投げかけに、さとりが返した笑みは寂しいものであった。

「あの子の弾幕なんて真似すれば、即座に霊力が尽きてしまいます。もって3秒」

「……なるほど」

 そうなのである。あの無茶苦茶な弾幕はお空だからこそできるもの。想起した弾幕を
表すのに相当器用ではあるさとりだが、それでも相性というものもある。貧弱な身体では
耐え切れないのも仕方あるまい。

「そして私の弾幕ですが……純然たる私のそれが二つしかないのはあなたも知っている
でしょう? 当然お燐も。とてもじゃないですけれど押し切られます」

 相手に合わせて戦うのがさとりのスタイルだとすれば、それを捨てて戦うことは
愚の骨頂だ。確かに弾幕勝負だとお燐には勝てそうもない。だがそれにしたって
格闘技はないのではないか。

「でもさ、格闘技で勝算はあるの?」

 その言葉でさとりの顔に笑みが戻る。何故だか自信満々だ。

「ふふ、私を誰だと思っているのですかこいし」

「ちょっと頭が残念な古明地さとりかなぁ」

「正解ですがウイットとユーモアに欠けますね。38点。」

 今の問いかけってそんなにアドリブ力を試されるものかと愕然とするこいし。是非その
ウイットとユーモアに溢れた模範解答例を知りたいと、
「じゃ、なんなのよぅ」
と当然の不満声。

「私は心が読めるさとり妖怪ですよ」

「ウイットとユーモアに菓子折り持って全力で土下座してきて!!」

「暇があれば是非」

 愕然としているところに追い討ち攻撃を入れられ、もはやこいしの心は折れかけて
いる。人のトラウマ穿り返さなくても十分強いじゃんとか何とか。そんなこいしをよそに、
やけに自信たっぷりの口調でさとりは講釈をぶちかます。

「心が読める、すなわち相手の攻撃すら事前に察知できるわけです。それが何を
意味するか、こいしならわかりますね?」

「……ん、まぁ。そりゃぁ」

 こいしとて元は心を読めていたさとり妖怪である。心が読めるなら、相手が攻撃を
しようと考えた瞬間に先手を打つなり攻撃範囲から脱するなりしようというもの。一応は
理解したのがわかったのか、優しい笑みをこいしに向けるさとり。

「つまり、小足見てから昇竜余裕でした」

「やっぱりお姉ちゃんの脳ミソがわかんない!!」

「わかりませんかウメハラ。さしずめ私はリアルウメハラといったところですか」

「あ、あうう……」

 相変わらずこいしが理解できない単語を並べるさとり。ちなみにさとりなら小足
見なくても昇竜余裕で出るかもしれない。スカったところに10割コンボだ。だめじゃん。
そしてなによりウメハラはちゃんと実在する。リアルだのリアルでないのとか以前の
問題だ。

「ま、まぁいいや。お姉ちゃんが決めたのなら私はもう何も言わないし言えない。
せいぜいお姉ちゃんが怪我とかしないよう祈るだけだよ」

「あれ、せめて勝利を祈ってくれませんか」

 若干冗談めかした、しかし姉妹のみにわかる寂しげな色を滲ませた表情に気付いた
こいし。お燐と袂を分かち、お空は今ひとつ感情の機微には疎い。今の姉が頼れるのは
自分だけだと思い知って、さすがにこいしも気を取り直す。

「……うーん。じゃぁ、そうする」

「そうしてください」

 そう言うと柔和な笑み。こいしも少し安心する。さて、こうなったからには姉が
少しでもお燐に傷付けられないよう……、できれば勝てるようにその手助けをして
やらなきゃな、とこいしは思い始める。稽古に付き合ってあげるかと考えるにおいて、
どの程度の期間があるかが疑問となった。

「ところでお姉ちゃん」

「はい?」

「お燐と決着をつけるのって、いつ?」

「いい質問ですこいし。さしあたってそう……明日です」

「あっそ、あし……あし、明日ぁ――――――――――ッッッ!?」















「はい、そして当日です」

「うう、結局何もできなかったじゃないのよぅお姉ちゃん。そしてなんだこれ。なんだこれー!」

 叫ぶこいしと、いつものように飄々とした顔のさとりが居るここは博霊神社の境内。
いつもの閑散としたそこと違って、今日はまるで縁日の賑わいだ。参道には幾つもの
屋台が並び、あちこちからいい香り、そして歓声が広がっている。境内の人だかりが
俄然注目するのは、でぇんと置かれたお賽銭箱……、もとい、中央に置かれた四角い
リングだ。

 なにこれ、とこいしが問えば、博麗神社の巫女『博麗 霊夢』は、
「お燐が私に話してたのを、魔理沙と文が聞いてたのよ。気付いたらこんな状況で
迷惑……あはぁあぁはっ、おっ、おしゃひしぃぇっ、おしゃい、お賽銭っっっ、ありがとう
ごじゃいまぁぁぁぁぁしゅぅぅぅ!!」
抱きしめた賽銭箱に小銭が入る度にどこかへ飛んでいきそうな愉悦の表情でそう答えた。

 なるほどこいしも合点がいった。幻想郷でも一、二を争うイベント体質、白と黒で
彩られた魔法使い『霧雨 魔理沙』と、幻想郷最速の天狗にしてブン屋、当然宣伝も
(新聞の売り上げに繋がるのなら)お手の物の『射命丸 文』が組めばどうなるか。
たかだかご飯のおかずを決めるための私闘が人々へを熱狂させる世紀の死闘と
早変わりである。

 こいしが境内を見渡せば、いらんことしぃの二人は仲良くリングサイドの席に座って
いた。よくよく見れば”実況 霧雨魔理沙””解説 射命丸文”とある。こいしは痛む
頭を抱えた。一瞬無意識下に姿を落としたその脇を、
「はーいはい! オッズは7:3でお燐優勢だよー。お兄さんさとりに賭けない? 
今ならがっぽり儲けられるわよー」
「チルノちゃーん? どこー? チルノちゃーん?」
「飲め! パルスィ飲め! 今日は私の奢りだ飲め飲め!!」
「メル姉ってば、いい加減音合わせ始めるよ~」
「やっぱりミスティアおーいしーでーす!!」
などと、ひたすら能天気な連中の声。頭痛の酷さが加速していく。そんなこいしがふと
見やった先には姉の姿。

「よっ! さとり! 期待してるぜー!!」

「がんばれよお嬢ちゃーん!」

「お、俺、俺ァ全財産あんたに賭けたんだ、た、頼むから勝ってくれ……ッ!!」

 などと囃される先に姉がいた。かけられる声にいちいち親指を立てたり、あいむ
なんばーわん! だのと宣言したり、いつの間にか持参したスケッチブックにやたら
可愛らしいお燐の絵を描いたかと思うといきなりヒステリックに噛み破ろうとして
出来なかったりしてアピールしまくっていた。

「何やってるのお姉ちゃーん!?」

「いや、いいですねこいし。みんな心から私を応援してますよ。地上大好き! 地上サイコー!」

 どうやら熱気に当てられて少しおかしくなってしまったらしい。阿呆なことぬかしだした
姉をなかば無意識にきゅきゅっとスリーパーホールドでしめ落とし、ずるずると引きずり
ながら物陰へとなりを潜めた。あたりに人がいないのを確認して、
「てやっ」
喝を入れる。うっ、と呻いて気を取り戻し、しばしぼぉっとした表情のさとり。茫洋と
した表情のまま、こいしの顔を見つめる。

「今、お父様とお母様に」

「その話は後で聞くから。とりあえずお姉ちゃん、試合が始まるまでここにいよう。
少し落ち着こう」

 なにやら凄く興味をそそられる話を聞きたい衝動を、ぐっと堪えてこいしは姉を
制する。さとりも小さく頷き、しばらく二人は無言でじっとしていた。やがてすると、
花火が打ちあがる音と共に境内から魔理沙のやたら明るい声。

「さーぁどいつもこいつもお待ちかね! 本日のメインイベントぉーッ! 今世紀
最大の対決ッ!! 地底からの挑戦状ッ!! こんな地獄金魚にまじになっちゃって
どうするの。だがそこがいいッ!! 前口上はこのくらいにするぜっ。”地霊殿の主”
”心を読めるさとり妖怪””幻想郷ジト目オブジイヤー2008”古明地さとり! VS! 
”地獄の底の怨霊使い””必殺火車娘””にゃーん”火焔猫燐の一戦だぁーッ!!」

 その言葉に呼応して、それこそ地霊殿にまで轟きそうな歓声と足踏みが響き渡る。
よほど幻想郷の民草たちは娯楽に飢えているらしい。永遠に鳴り響きそうだと思わせる
それらを制して、魔理沙の意気揚々とした宣言。

「それじゃっとっとと始めるぜッ!! 青コーナーよりいいい!! お燐選手のッ、
入ッ場ッッッ!!」

 プリズムリバー三姉妹の奏でる、危うい可憐さと疾走感を併せ持った曲。手拍子が
鳴り響き、また沸き立つ歓声。おそらくお燐がリングへと向かう花道に登場したのだろう。

「さ、お姉ちゃん、行く……よってあれ、お姉ちゃんいない!?」

 ここに来てすわ敵前逃亡かと焦るこいし。つい無意識できゅきゅってしたのが悪い
影響を与えてしまったのかと焦りが頂点に達する。辺りをぐるりと見回しても姉の姿は
ない。無意識化に己を置いたまま、他人には不可視不可触の状態で空へと舞う。上空から
探せば見つかるかと思いきや、やたらな数の人ごみのの中から見つけるのには苦労しそう
だと分る。こいしの戸惑いを他所に、魔理沙の高らかな声。

「続いて赤ぁコーナーよりいいい! 古明地さとり選手の、入場ッ!!」

「うわ、どうしよ……」

 そう呟いたこいしの耳朶を打つ、鮮烈なビート。

 ドンドンカッ! ドンドンカッ!

 足踏みの音と手拍子。違う、これは姉のテーマではない。焦燥と謎めいたコードに
溢れた旋律ではない。これは間違いなくあれだ。女王の名を冠した伝説の男達、”お前を
揺さぶり動かすぜ”ってな感じの代表曲だ。目を丸くしたこいしの眼下で、いつの間にか
用意された台に、姉が奈落から腕を組んで上がっていく。その姿を完全に台の上に現すと
同時に、いつの間にか装着した指貫グローブをはめた腕をぐっと天に掲げる。大歓声。
うぃーうぇぉーうぃーうぇぉーろっきゅー。

 ノリノリの姉を見て思わず頭からまっさかさまに墜落しそうになったこいしだが、
気を取り直し、姉の側に着地する。逃げたわけではないと知ってそこはひとまず
安心した。意気揚々と歩を進める姉に声をかける。

「急にいなくならないでよお姉ちゃん」

「うわ、驚いた。急に現れないでくださいこいし……と言っても、無理ですね。
すみません、係の人に呼ばれたんで」

「じゃあ私にも知らせてよ!」

「善処します」

 いつもの日常のように会話をかわした後、二人は真剣な目で前を見据える。その視線に
気付いた対戦相手、お燐。地獄の怨霊すら凍りつかせるような、壮絶な笑みを浮かべた。






 地響きを起こす足踏みと手拍子の爆音の中、こいしに先導されてロープをくぐる
さとり。待ち構えていたお燐はいつもの黒を基調にしたゴシックロリータのワンピース
ではなく、色はそのままにタンクトップとボクサートランクス。手にはめたのは
ボクシンググローブだ。両の拳を勢いよく合わせれば、乾いた音が響く。

「じょおー!! いいか忘れるなー! わきをしめ、えぐりこむように、打つべし! 
打つべし! 打つべーし!!」

 素っ頓狂な声に驚いたこいしがリングの下に目をやれば、お燐のセコンドだろう、
お空がそこにいた。なぜか片目に眼帯をしている。どうやら妙なものの影響を受けたのは
さとりだけではなかったようだ。

「ふたりで泪橋を逆に渡るんだじょおー!!」

 橋と聞いて即座に反応しかけた橋姫がいたが、即座に傍らにいた鬼の手により
口に一升瓶を突っ込まれる。さとりもこいしも、それどころかお燐とお空もそちらを
ちらりと眺め、心の中で合掌した。

「じゃあお姉ちゃん、私はセコンドにつくから……怪我なんてしないでよ?」

「それはお燐に言ってあげてください」

 微笑む姉の姿を目に焼き付けて、こいしはリングの下へと向かう。入れ替わるように
してリングに上って来たのはなんと閻魔。『四季 映姫・ヤマザナドゥ』である。
白黒縦縞の服を見る限り、明らかにレフェリーをやるつもりだ。暇なのか、と問えば暇です、
と答えが返ってくるだろう。何より部下の死神が魂を運ばなくては暇するしかないのだ。
その部下の死神は博麗神社の屋根で焼きとうもろこし食いながら試合を観戦している。

「両者とも前へ。この試合は……」

 試合内容についてとうとうと説教、もとい説明しだす映姫。しかしさとりもお燐も
そんなものは聞き流している。ぶつかり合う視線と視線。先に口を開いたのはさとり
だった。

「……よく逃げずに来ましたね、ですか。当たり前です。ペット風情から尻尾を巻いて
逃げ出すなんて主のすることではありません」

「3分で1ラウンドとなります、その後1分の……私語は慎みなさい」

「ほう。全力を出しますんで覚悟してください、ですか。罵りの言葉でも考えているかと
思えば、意外と拍子抜けですね」

「攻撃は、目潰し以外は何でもあり……私語は慎みなさい」

「負けませんから、ですか。甘い、甘いですよお燐。私はあなたを本気で叩き潰す
覚悟が出来ています。あなたもそのくらいの気概を見せたらどうですか」

「……私語は慎みなさいと言ってます」

「いい加減にしないとその口に悔悟の棒ねじ込んでケツにラストジャッジメント百発
叩き込みますよ、ですか。あれ、お燐そんな技使え……」

「あ、あの。さとり様。さっきから喋ってるのはさとり様だけです。あたいは心を
読まれてるんで喋ってませんし。そしてそれ、映姫様の思考です」

 やや毒気を抜かれた表情でお燐がさとりに喋りかける。さとりが横を向けば、
レフェリーの目が完全に据わっていた。

「……わぁお」

「……今後の私語は慎みなさい、いいですね? といっても最早説明することも
ありません。お互い正々堂々と、悔いの残らないファイトをするように」

 主とペットは同時に頷いてこつんとその拳をあわせてからコーナーに戻る。

「じょおー!! 立つんだじょおー!!」

「……まだ倒れてないってば。ん、まぁ、お空、あたいの戦いを見といてくれよ?」

「うん!!」

 青コーナーに寄りかかって、セコンドのお空に言うお燐。お空の明るい笑みで緊張が
吹き飛んだ。言葉はいまいち頼りないが、その微笑だけでも十分だ、とお燐は親友に
感謝する。

 一方、対面の赤コーナーの下ではさとりを待ち構えていたこいし。やはりどこか
心配そうな表情である。

「お姉ちゃん……」

 その声にしゃがんで視線を合わせるさとり。こいしの瞳を覗き込む。世界で唯一
心が読めない相手だから、その言葉を待つ。ほんの少しの時間、難しい表情を浮かべ
逡巡していたこいしだが、姉の視線を受けて口を開く。

「……がんばって!」

 気恥ずかしさもあったのだろうか、それとも落ちかけた陽のせいか、頬を赤く染めて
応援の一言。さとりはこれから戦いを始めるとは思えないほどの、慈母のような笑みを
浮かべ、そして親指を立てた。

「まかせなさい」

 そして響く魔理沙の試合開始の声とゴングの音。さとりとお燐は真剣な面持ちで
リングの中央へと向かった。



「さぁ! 大決戦の火蓋は切って落とされたーっ! おおっと、紹介が遅れたぜ。実況の
霧雨魔理沙、そしてこっちが」

「解説の射命丸文です」

「さー両者じわりと歩を詰めていきます」

「お燐さんは変則的な、タイ式キックボクシングのような構えですね。一方さとりさんは……
まさに自然体。何か策でもあるようですね」

 実況席の二人は無責任にはしゃぎまわって煽り立てている。相反してリングの上の
二人は真剣極まる表情だ。じわり、じわりと攻撃の制空圏を詰めれば、やがて重なる
その瞬間!

「にゃーん!!」

 先に動いたのはお燐。右の拳を振り回す。

「ほう、”ミッ○ー・ローク直伝猫パーンチ”ですか? ははは! その程度の攻撃
手に取るようにわかぶべらっ」

「え」

「あ」

「お」

 やはりさとり妖怪、お燐の攻撃を完全に読みきって……読みきった拳がまともに
顔面にめりこんだ。ふらふらと華奢な身体を揺らしあとずさる。お燐としてもいくら
なんでも今のは読まれすぎて当るまいと感じていたので、当ってしまって吃驚仰天だ。
なんだか無抵抗な主を思いっきり殴ってしまったようで忍びない気持ちさえ沸き起こる。

 驚いたのは他の誰も同じだ。心が読めようと読めまいと、今のへなちょこパンチなら
避けることができる。誰の目に見てもそう思える攻撃をあっさりと食らった。歓声が
ざわめきに変わるなか、リング上のさとりはしかし、にやりと笑う。

「……大丈夫ですか、さとり様、ですか。ふざけないでください。敵から情けを
かけられるほどこの古明地さとり弱くはありませんよ。何より私はまだ立っている。
……さぁ、かかってきなさい」

 くい、と手招きをする。その一動作で境内に歓声と足踏みの音、雨あられ。

「おーっと余裕だ! 余裕の表情でさとりが挑発するぅ! やっぱり何らかの策が
あるのかーッ!? 射命丸、どう思う?」

「あ、うー……ん。あれ、効いてますよ。しかしそれでも打って来いとは、いやはや……」

 観客をはやし立てるように実況解説の二人も声を張る。それらに負けじと叫ぶ声。

「おりーん!! 相手がたおれるまでうでを止めるなーッ!! 打つべし打つべし
打つベーしっ!!」

「お姉ちゃんしっかりー! かっこつけてる場合じゃないよー!?」

 セコンドの声に耳朶を打たれて、二人は動く。

「にゃーん!」

 左フック。どすっ。

「あ、いたた」

「にゃーん!」

 ボディブロー。どすっ。

「うぐぐぐ」

「にゃ、にゃーん!」

 ワンツー。どすどすっ。

「あう、あうっ」

 冴え渡るお燐の攻撃。というかさとり、心を読めるはずなのに全く防御できて
いないように見える。サンドバッグもかくやという状況に、観客も今や水を打ったように
しんと静まり返っている。実況解説の二人でさえ、最初は楽しげに好き勝手言って
いたのがいまや、
「あー……一方的だぜ」
「ですねー……」
こんな状況だ。

「にゃぁーん!!」

 そこへお燐渾身のストレート。がつんとさとりにヒットし、ロープ際へと吹っ飛ばされた。

「お姉ちゃん!?」

 たまらずこいしが姉の側へと駆け寄る。そちらをちらりと見て、さとりは弱々しく
笑った。

「こいし」

「お、お姉ちゃん!? こ、心が読めなくなったの!?」

「いいえ」

「じゃあなんで!?」

 焦燥に満ちた声を姉に投げかける。

「ふふ……、攻撃が読めても避ける技術がありませんでした。どうしましょう」

「……わかりきってたことだけどあえて言わせてもらうなら、お姉ちゃんのバカー!」

「さとり様! お覚悟ー!!」

 二人の会話を裂いて、お燐がさとりに駆け寄る。こいしはもうなんか色々と諦めた。
出来うるなら当たり所が良くて姉の頭がもう少し良くなればいいな、などと小さな
希望を抱えながら。さとりはそれでも自信ありげに妖しく笑う。炎のように燃える
お燐の心を読めば、何を繰り出すかはわかってはいるのだ。

「ほう! トドメは渾身のアッパーですか!! 見え見えですよ!」

 そして、さとりはようやくここでお燐のアッパーへの対処を決めた。

「オ燐ピアゴーストエクスプロージョン!!」

 やたら濃い顔で腕を振りぬいたお燐の遥か上空で、重力を無視した格好で吹き飛ばされる
ことを。















 そして、晩のおかずは地獄金魚の塩焼きとなりました。






























 おまけ。



 お燐に吹っ飛ばされてから三日後、さとりは地霊殿で自分のベッドに横たわっていた。
部屋のドアを開けるかすかな音。

「こいし、ですか」

「うん。お姉ちゃん、もう大丈夫?」

 心配そうなこいしがさとりの顔を覗き込む。微笑むさとり。

「もちろんです。こう見えても一応妖怪の端くれですからね」

「それならいいけど……はい、お水」

 こいしが差し出すのは氷水。さとりを身を起こしてそれを受け取る。こいしはベッドの
横にある椅子に座った。さとりはこくこくと喉を鳴らして水を飲み干し、冷たい吐息を
はく。しばらく壁掛け時計の動く音だけが部屋の空気を支配した。

 ふと、さとりが下げていた顔を上げた。

「……入ってきたらどうですか、お燐、お空」

 部屋の入り口に向かってそう告げると、おずおずと扉が開かれる。すまなさそうな
表情をしたお燐と、いつものあっけらかんとした顔でお空が入ってくる。

「あ……。さとり、様……」

 そう言ったきり、うつむいたままのお燐。無理もない。主であるさとりを衆人環視の
前で滅多打ち、あげくとどめのアッパーで天高く打ち上げK.O.してしまった。
もともとが二人の間の諍いではあるが、さすがに色々とやりすぎたと、さとりが完治
するまでのこの数日はしょんぼりしていたお燐だ。

 今もまた、どう声をかけていいか逡巡している。その心の内を見て、まるで急流に
流される子猫のようですね、とさとりは思う。何を言いたいかはとっくに分ってはいる。
だがその言葉をさとり本人が口に出しては意味がないのだ。しばらく沈黙が続いた。

「あ、あ……あの、さ、さと、さとり、様」

「はい、なんですかお燐」

 細い眉をハの字にして、泣きそうな顔のお燐に、慈母の微笑みで答えるさとり。
軽く首を動かして次の言葉を促す。

「……お食事、作ってきました」

「はい。お献立は?」

 しばしの沈黙。

「……煮付け、です。地獄金魚の」

「はい、ありがとう」

 にっこりと、さとりはどこまでも気持ちのいい笑顔でお燐に微笑みかける。その
笑顔を見てお燐の麗しい相貌がくしゃっと崩れ、いまにも涙を流しそうな様子へと
変わる。口をついて出そうになったのは謝罪の言葉。だが、さとりの手がそれを制した。

「いいんです。詫びの言葉なんて。思えば私も大人気ないことを言ったものです」

 すぐ側に寄ったお燐の頭を優しく撫でるさとり。こいしは少しだけ羨ましそうな
顔をする。と、
「さとり様もお燐も、もう仲直りした? そしたらご飯食べようよぉ。私お腹ぺこぺこだよぉ」
よほどお燐より泣きそうな顔でお空がぽつりともらす。

 ぽかん、と室内の全員がお空を見て、そして。

「ぷっ」

 誰が笑いの堰を切ったのか、吹き出した声に皆釣られる。

「あはははははは! まったく、お空ったら!!」

「あはははは! もう、そんなにお腹減ったの?」

「ふふふふ、じゃあ皆でご飯を食べましょうか。お空が泣かないうちに」

「う、うにゅ~」

 照れて真っ赤に頬染めるお空。ようやく地霊殿にいつもの空気が戻ってきたようだ。
その事を嬉しく思ったこいしが目を細める。視線の先の姉も同じ笑みを浮かべていた。

「では食卓へ向かいましょう。……ね、お燐。本当の事を言えば、煮付けだろうと
塩焼きだろうとどちらでもいいんですよ。そこに皆がいる食卓、それが一番なのです」

「……はい!」

 地底に明るい笑みが木霊する。時には誰かが涙を見せて、時には喧嘩をする事だって
ある。しかしそれも一時のこと。地上では忌み嫌われる者、それらが集まり温かい
家庭を築いている。それが地霊殿だ。食卓に向かう皆の背を見ながら嬉しくてたまらなく
なったこいしは、思わず姉に飛びついて抱きしめたのであった。















 おまけその2。



 それからまた三日ほどして。

「ばーんなくぅ。ばーんなくぅ」

「お姉ちゃんがなんか拳を前に突き出してぴょんぴょん跳ね回ってるんですけどー!」

「くらっくしゅ……むぎゅ」

「前宙しようとして思いっきりこけてるんですけどー!」

「……こいし、助けてください。腰を思いっきり強打して動けません」

「バカー! お姉ちゃんのバカー!! もういい! こんな家また出てってやるー!!」

「あれ、助けてください。助け、助けてー」

 そしてさとりはしばらく地面でじたばたすることと相成りましたとさ。

 じたばたじたばた。






 どっとはらい。
 そう、誰しもが一度は「はどーけん」だの「かーめーはーめー波ぁーっ」だのやった
はずです。そんな姿を人に見られちゃいけませんよね!

 作中では格闘ゲームに関する単語などが出ますが、うん、分らないことがありましたら
何がしかのフォローを入れようかな、と思っております。

 元フェリシア使いの白でした。にゃーん。

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コメント



0.4200簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
さとりん……(泣
5.90名前が無い程度の能力削除
面白かった。
垣間見える姉妹愛がグッジョブ!!
10.80名前が無い程度の能力削除
懐かしいネタを出しおったな、まぁよい。

…と冗談はここまでにして素直に面白かったです。しいてけちをつけるなら
「たつまきぜみゃーぁーく!」をやるんだったらはどぅーけん、しょっりゅっけん
くらいやらんと駄目でしょう(爆笑)
13.90名前が無い程度の能力削除
さとりんがかわいかった
14.100名前が無い程度の能力削除
「ウイットとユーモアに菓子折り持って全力で土下座してきて!!」
このこいしのセリフで思わず紅茶吹いちまったじゃないですか!

ともれあれ気苦労の堪えないこいしちゃんとさとりさんのやり取りがとてもおもしろかったです。
15.70名前が無い程度の能力削除
ふぇりしあ可愛いよね。
パズルの奴とか楽しかったなぁ。
ネタをもてあまさずに、きちんと物語に織り込んでいるのが凄いぜ。

でも格ゲーを知らなかったら?って視点で見ると?って感じになるかも…。
個人的には100点ですよ!
16.80過酸化水素ストリキニーネ削除
>>「ウイットとユーモアに菓子折り持って全力で土下座してきて!!」
>>「暇があれば是非」

なにこのしまいかわいい。
17.100名前が無い程度の能力削除
かめはめ波は無理でも操気弾くらいならだせると信じて気を貯めようとしたのを思い出した
19.90名前が無い程度の能力削除
決闘の結果が予想通りすぎるwww

空の名前は霊烏寺じゃなくて霊烏路じゃなかったかな?
20.100名前が無い程度の能力削除
タイトル見ただけで爆釣余裕でした。
ていうか、中平リュウ三部作でも読んだんですかさとり様www
21.80名前が無い程度の能力削除
ぎょぴちゃん喰うとか……地霊殿はまとめて滅ぶべき
24.90名前が無い程度の能力削除
タイトル見てからクリック余裕でした。
心が読めても対処法知らないとどうにもらないよね
27.100名前が無い程度の能力削除
すごく面白かった
さとりんが可愛いこいしが可愛いお燐が可愛いお空が可愛い
それでいて笑える最高に楽しい作品でした
31.90名前が無い程度の能力削除
ストⅡネタを愛する者が通ります。姉妹の会話で爆笑しましたw
欲を言うなら、リング上のさとりんも格ゲーネタで攻めまくってほしかった!
33.100七人目の名無し削除
終始軽快なテンポでスラスラと読むことが出来ました。
古明地姉妹サイコー!!
35.100名前が無い程度の能力削除
最初から最後まで笑わせてもらいました。
さとりんが壊れててこいしが苦労人って珍しいパターンですねw
36.100名前が無い程度の能力削除
♪いーとーしーさとー
 せーつーなーさとー
 こーこーろーづーよーさとー
39.80ネコ輔削除
攻撃を加えているはずの燐の方が、むしろ困惑に表情を歪めている様子が脳裏に浮かび上がりました。
それでもトドメまで畳み掛けるあたり、このにゃんこ、容赦せん。テンポの良い漫才のような姉妹のやりとりが面白かったです。
43.100名前が無い程度の能力削除
かの有名な天狗の仮面をかぶった空手家とかしないかなwww
48.90与吉削除
にゃーんにはフライングバルセロナアタックを是非!金網無いけど!!
59.100名前が無い程度の能力削除
意識して昇竜拳出せない俺に謝れ
うわあああああん
60.80名前が無い程度の能力削除
私も地霊殿に住みたくなりました。
ちなみにどうでもいいですが私は塩焼き派です。
面白かったです。良いお話をありがとうございます。
66.80名前が無い程度の能力削除
面白かった!
お姉ちゃんのボケっぷりがよかった。
姉妹のやり取りに何故か癒されましたww
69.80名前が無い程度の能力削除
>無意識の力は危険を回避するのに非常に役立つ
 護身完成!!
 たぶん、危険のある方向に近づくことすらできないのだろうが、
やばいお姉ちゃんは避けることが出来なかったようだ。
71.90名前が無い程度の能力削除
リング端でしゃがめばよかったのに……
77.無評価名前が無い程度の能力削除
さとり様、ちょっと病院逝こうか・・・
79.100名前が無い程度の能力削除
はおーしょーこーけーんを忘れてるぜ
81.100名前が無い程度の能力削除
この後きっと さとり「何故でしょう…第三の目が疼きます」とか
さとり「でっどりぃれぇぇぇいぶ!!」的なことになったにちがいない
89.100名前が無い程度の能力削除
よし、俺は塩焼き派だから、地霊殿に行ってさとりんと勝負してくる。
92.100名前が無い程度の能力削除
ちょうど、さとりん×ペットの喧嘩ものが見たかったところでした。
95.100名前が無い程度の能力削除
「ですよねー」としか言いようがありませんさとり様
96.100名前が無い程度の能力削除
テンポよく読めておもしろかった。
だれかウメハラに突っ込み入れてくれ




※ウメハラ…格闘ゲーム世界チャンプ(だったと思う)
101.100名前が無い程度の能力削除
しょーりゅーけん
102.100名前が無い程度の能力削除
しょーりゅーけん・・・GJ!!
103.90名前が無い程度の能力削除
こいしが苦労人すぎて泣けるw
104.100名前が無い程度の能力削除
地霊組が……、可愛過ぎるッッ!!
つーかさとりさんガードくらい覚えようぜ…。
106.90名前が無い程度の能力削除
>>頬を赤く染める妹
やばい何かくちゃくちゃ可愛いのが幻視できた
109.100名前が無い程度の能力削除
リング端にしゃがんでそにっくぶーむをうつ作業にもどるんだ
110.100名前が無い程度の能力削除
あれ?さりげなくみすちー食われてない?
116.100カウンセラー削除
まさかお燐はドーピングコンソメスープを飲んだのではないでしょうか。
123.90名前が無い程度の能力削除
残念なさとりさんかわいいです
132.90名前が無い程度の能力削除
サトリがぁ! 捕まえてぇ!
サトリがぁ! 画面端ぃ!
ココロを読んでー! まだ入るぅ!
サトリがぁ! ・・ ち、近づいてー!
オリンがぁ 決めたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
135.100名前が無い程度の能力削除
古明地さとりとこいしちゃんの掛け合いがとても面白かったです。