妖怪達には悩みや不安なんて何にもなくて、思うがままに日々をすごしているだけ――里の人間はよくそんな風に勘違いをしているけれど、まぁ、そんなこたぁ無い。
「神様仏様聖様……あぁ私はどうしたら~」
深夜の陰気な墓場の片隅で、そんな唸り声をあげてるなんてドツボだ。そうは思いながらも、幽谷響子はまた呻く。どうしよう、どうしよう……。
その晩は小雨が降っていて、暗闇の底に沈んだ墓場は、小川の流れるような寂しい雨音に包まれている。
用具置き場の粗末な屋根は、雨粒から響子を守ってはくれているものの、彼女の悩みを聞いてくれはしない。深夜をまわって、時折あたりに人魂や自縛霊がふらふらと現れるが、彼らは彼らで悩みを抱えている。響子の肩に寄り添ってくれる者は、今のところ一人もいなかった。
一滴の雨漏りが頭上に落ちて、響子の獣耳がぴるんと震えた。
「あぁん? 響子ったら何してんの?」
顔をあげると、暗がりの中、立ち並ぶ墓石の向こうに宮古芳香の姿があった。
腕をぴんと前に伸ばしたキョンシースタイルで、顔だけこちらにむけた様子がなんだか可愛い。雨の中にたたずむ彼女は、髪の毛や御札から雫がたれ落ちているけれど、気にしていないようだ。肌に張り付いた髪の毛がどことなく色っぽい。
粗末な石畳で膝を抱えて小一時間、ようやく自分に気づいてくれる妖怪が現れた。それがなんだか嬉しくて、響子はくしゃりと顔面を崩した。笑ったつもりだけれど、ちょっと涙目だったかもしれない。
「宮古ちゃーん……」
ついすがるような声を出してしまった。
宮古は少しぎょっとして、
「ど、どしたのさ」
「ふぇ~ん……」
なんとなく捨て猫の気持ちを理解したような気がした。こっちを向いてよ、気づいてよ、見捨てないで。
「何だか知らないけど……」
と、何度か跳ねて、響子の方に体の向きを変える。芳香は響子に手をさしのべてくれるようだ。湿った墓場の静寂に、地を蹴る音がリズムを刻んだ。そうして響子の隣にまでやってくると、石畳の上に乾いた足音を立てながら、180度向きを変える。芳香が跳ねるたびに、水滴がぱらぱらと響子に降り注いだ。
「御札はがして」
と、響子を見下ろして言う。
「え? けど芳香ちゃん、お仕事が」
なんて、わざとらしい気の使い方をしてみる自分が、少し浅ましい。
「あー、見回りの最中にシクシク泣いてる不審者を発見したから、様子を伺いに来たのだ」
「泣いてないもん」
響子はちょっと唇を尖らせて、芳香が隣に来てくれた事への喜びを口元から隠した。隠す必要があるのか、ふと考えたりもするけれど。
よいしょと立ち上がって、芳香の濡れきった帽子を取ってやる。芳香に言われた通りに額の御札を剥がす。
すると芳香は、
「お、うー」
と、糸の切れた人形みたいにその場にふにゃりとへたり込んだ。
普通キョンシーというのは御札をはがすと凶暴になるものだけれど、芳香の場合は逆に体の力が抜けて、首から上しか動かせなくなるそうだ。
本人は、
「あんま気にしてないけど」
響子も気にしてはいなかった。変わり者はどこにでもいる。
それにむしろ、二人でお喋りするときには都合がいいくらいだ。そのおかげで一緒に並んで座れるのだから。
響子は再び石べたに腰を下ろして、それから芳香の肩に腕を回した。脱力した芳香の体は、導かれるまま響子の肩に枝垂れかかる。雨水が服にしみこむけれど、そんなの気にしない。芳香がもぞもぞと頭を動かすと、濡れた髪の毛が響子の頬を撫でる。同時にふわりと金木犀の香りがした。最近はお肌のケアにくわえて死臭防ぎの香水にもこっているらしい。
「それでー? 今をときめく山彦妖怪様がこんな場末でどーしたの?」
「義理と人情の板ばさみ」
「あぁん?」
「どうしようどうしよう。うう」
芳香がちょっと不機嫌そうな声色で、響子の頬にぐりぐりと頭突きをした。
「せっかく心配してやってんだから、さっさと話せー」
「心配してくれるんだ」
「うっせ」
芳香の髪の毛がさらに強く頬に擦りこまれる。
「いたいー」
肩を遠ざけると、芳香の頭突きはなすすべもなく空周りした。芳香が大人しくなると、響子は再び肩を抱いた。互いつむじが触れあう。
墓地に降りしきる雨音の中に、すぅすぅ、と芳香の鼻息がかすかに聞こえる。側に芳香がいてくれる事が嬉しい。もう一人じゃない。
「ナズーリンさんと星様の事でちょっとね――」
「やぁ響子ちゃん。おはよう」
寅丸星との毎朝の挨拶は、単調な箒がけ作業を少しだけ楽しくしてくれる。まだ薄暗い早朝、経をあげるためにお堂へ向かう星は、その道すがらにいつも声をかけてくれるのだ。
「おはよーございます! お勤めごくろーさまです!」
箒をきゅっとにぎりしめ、元気よく頭を下げる。星はいつものようにボーイッシュなカッコいい笑みを浮かべ、軽く手を降ってくれた。たったそれだけのほんの短いやりとり。けれどその何気なさがまた良い。お堂へ向かう星の大きな背中を、響子はぽわわんとした桃色のほっぺたで見送った。
「星様は素敵だなぁ」
背が高くて妖力も強いけど、性格は優しくてとても落ち着いている。おまけに男性的な美貌をも備えていて、憧れをもとめる幻想郷の乙女達の間で人妖問わずかなりの人気を博している。毘沙門天の化身だというのもまた高ポイント。知り合ったのはまだ最近だが、仏門に帰依してから、ぽつぽつと言葉を交わす機会が増えた。しっかりしているようで意外とおっちょこちょいな面があったりする事も知った。今や響子も星に憧れる乙女の一人である。
ぽーっと後姿を見つめていると、星が前触れなく振り返った。目が合って、心臓が跳ねる。
「えっ」
そしてまっすぐ響子に近づいてくる。妄想ではない。
「わ、うわ、わ」
星の穏やかな瞳はまっすぐに響子をとらえている。その瞳に見入られた響子は、逃げ出す事もできず、目をそらすこともできず、早まる己の鼓動を感じながら、ただただ立ち尽くしていた。
とうとうお互いの手が触れるほどの距離に近づいた。背の高い星と、小柄な響子にはかなりの身長さがある。ドキドキしながら、響子は星の顔を見上げた。
星は落ち着いた笑みを浮かべて語りかけてきた。
「山彦サービスはどう? 上手くいってる?」
「あ、えと、その」
星の魅力の一つは、相手がどんなに取り乱していても、穏やかにそれを受け止めてくれるところ。響子がなんとか言葉をまとめようとアワアワしている間も、星はふんわりと微笑んだまま、せかす事もなく、じっと言葉を待ってくれる。包み込まれているような安心感があって、気持が安らぐ。
「はい。あの、皆さんのおかげでとっても評判が良くて」
「私達は最初の宣伝をしただけ。頑張ったのは響子ちゃんだよ」
「そんな。そもそも聖様が考えてくれたからこそ」
「たしかに聖がいなければ、このサービスは無かったかもね。けれど、響子ちゃんがいなければ、やはり同じ事でしょう? それぞれが立派に己の役割を果たした結果だよ」
偉い偉いと、星が頭を撫でてくれた。じわぁとしびれるような暖かさが脳天から四肢の先に広がってゆく。喉をごろごろされるネコってきっとこんな感じなんだろうなぁ……。
「それで、私も一つ山彦をお願いしていいかな?」
快感の波に脳がトリップしていて、すぐにはまともな返事ができなかった。
「……はぅふ……え!? あ、はい! それはもちろん!」
いつになく胸が躍る。サービスの性質上、他人の秘めた思いに触れる機会が多い。憧れの星様の心の内を聞けるなんて!
「たいした事じゃないんだけど、ナズーリンにいつもお世話になっているお礼を言いたくてね。もちろん普段から伝えてはいるんだけど、良い機会だから私も流行にのってみようと思って」
「はい、はい! 是非お手伝いさせてください」
どうせならもっと深い秘め事を聞きたかったけど、星のお手伝いをできるのらば不満はない。あえて言うなら、いいなぁナズーリンさん、というところだが。
「えと、じゃあ日取りと合言葉とかを……」
そんな響子の乙女心に気づいてるのかいないのか、星はやっぱり穏やかに微笑んでいる。そんな星にふと、笑ってないでもっと頭を撫で撫でしてよ! なんてもどかしさを抱いてしまって、響子は自分のとんちんかんな感情にこっそり赤面するのであった。
「やぁ響子、ちょっといいかい」
どこか落ち着かない様子のナズーリンが、突然響子のネグラにやってきたのは、その日の夕刻だった。ナズーリンには山彦サービスの関係で結構お世話になっている。たずねてきてくれたのは素直に嬉しかった。
空の色を一瞥してから、響子は元気にこんばんわした。
夕陽はほとんど空の彼方に追いやられ、山中はもう、景色も音も、妖怪の支配する暗い世界に変っている。風に木々がそよぐ音も今は、人をさらっていきそうな不気味な波の音。
「わー、ナズーリンさんがここに訪ねてきてくれたのは始めて」
「うん。まぁちょっと、ね」
と、声や視線がやっぱりどこか落ち着かない。いつもは必要以上に落ち着きはらっていて、ちょっとツンとした感じさえあるのに。
「今日、ご主人から幽谷響山にさそわれたんだ」
ご主人とはもちろん寅丸星のことで、幽谷響山とはこの付近でもっとも山彦を得やすい山の名だ。山彦伝心サービスを利用する者はそこからヤッホーをする。
「うん。今日の朝、星様、山彦サービスに申し込みしてた」
「そうか。やっぱりか。で、相手は、私か?」
「そうだよ」
「で……どんな内容なんだい?」
「え」
どうやら、ナズーリンの訪問を素直に喜ぶわけにはいかないようだった。
「ナズーリンさん、それは……」
山彦サービスは、一つには強い信頼でなりたっている。山彦サービスを行うにあたって、自然と響子にはたくさんの秘密があつまってくる。もし響子がそれらを許可なく誰かに漏らしたのならば、サービスあっというまに見向きもされなくなるだろう。
『天狗、またいかなる者は幽谷響子への探りをいれるべからず』という規則を発して、命蓮寺は響子を守ってさえいる。そして何より、サービス立ち上げ時、そういう事態を見越して保護を提案したのはナズーリン自身のはずなのだが。
響子の沈黙の抗議は、ナズーリンにはっきりと届いていた。
「もちろん、簡単に明かせないのは承知している。けど……今回は特別なんだ」
「どういうこと?」
「私も丁度、山彦サービスをお願いしようとしてたんだよ。……ご主人に対してのね」
そのことが何か関係あるのだろうか? 順番に山彦すればそれで済む話だけれど……。
響子が首をかしげると、ナズーリンはその疑問を受け取って、ちょっと顔を俯かせた。それは、恥じらいに見えた。
「私ね、ご主人に……告白しようと思って……」
「え」
響子は目を丸くした
山彦サービスにおける告白の意味は、たいてい一つしかない。ちょっと大胆な、愛のひけらかしだ。勇気はいるけど、見返りは大きい。山彦の範囲を広げれば、唾をつけたことを皆に周知できるし、また、行為自体が当人の度胸と想いの強さを示す証拠となる。もちろん残念ながら撃沈する場合もあるけれど、意思を示した勇気を認めて、皆慰めてくれるそーだ。それをきっかけに別のロマンスが始まることもあるとかないとか。
さておき、ナズーリンが告白にそうやって大胆になることは意外だった。策略を巡らす印象を持っているせいか、もっとこっそりと愛を告げるタイプかと思っていた。
ちなみに嫉妬や妬ましいというような気持ちはない。もちろん星には憧れているが、それは尊敬しているとかそういう意味であって、星が誰かと結ばれるのなら、その時には心から祝福するつもりだ。
沈黙に耐えられなくなったのか、ナズーリンがあれやこれやと早口にまくし立てる。
「いやもちろん、だからってご主人が依頼した山彦の内容をこっそり聞いていい理由にはならないのは分かってる。でも、でも不安なんだっ」
「はぁ、えっと……何が?」
「だってもしかすると、ご主人は自分に好きな人ができた事を、私に伝えようとしているのかもしれないだろ!?」
高ぶったその口調と、何重にも捻くれたその仮定のおかげで、ナズーリンが何を言っているのか、すぐには理解できなかった。
「……はい?」
「聖と深い仲になった事を打ち明けようとしているのかもしれないし、寺とはまったく関係ないところの人を好きになったりしたのかも……」
「え、えーと……」
「そんなところに私がご主人に告白をしたりなんかしたら、バカみたいじゃないかっ」
「……」
なんというか、ナズーリンはいつも沈着冷静で、人がぎょっとするような策謀を巡らせているという印象があったのだけれど、それがボロリボロリと崩れていく様をまのあたりにしているような。
ちょっとでも人を見る目があれば、星がナズーリンを誰より大切にしているのは明らかなのだ。ちょっとぬけたところのある星の事をナズーリンは普段から良く助け、二人はおしどりように仲むつまじく聖に使えている。星に憧れている乙女達だって、星のナズーリンに対する視線があまりにも優しくて素敵すぎて、もはや嫉妬もできないくらいなのだから。
そりゃ、星が他の誰かに心をうばわれる可能性は0ではないけれど……よくもそんな、深読みを二回も三回もこじらせたような事を考えられるものだ。響子は逆に感心してしまった。
「ご主人に何を言われるのかが心配で心配で、山にさそわれてからもう何も手につかないんだっ」
けれども、恋心というのはそういうものかもしれない。
ロッドをぎゅうっと握って、苦悩とほのかな赤に表情を染めるナズーリンの姿に、ふと親近感を覚える。自分と同じくらい身長が小さいのに、賢くて力のある人、と距離を感じてはいたけれど、それがぐっと近づいたようにさえ感じる。ナズーリンの不安を早くとりのぞいてあげたい。今の自分にはそれができるのだ。
「わかりました。今回だけは特別ですよ」
「本当か!」
「ナズーリンさんは恩人だし、それに、結局は星様の言いたい事はナズーリンさんに伝わるわけだし。今回だけは早く伝えてあげないと、ナズーリンさんが辛そうだから」
「あ……ありがとう響子!」
その心底すくわれたような笑顔は、響子が始めてみるナズーリンの女の子らしい顔だった。
「えっとね、星様の依頼はね……」
――合図:『いつも無くし物ばかりしてごめんね』
山彦:『ナズーリンのために私、もっと頑張りますから』――
告げられる瞬間、ナズーリンは破裂寸前の風船のように顔を緊張させていたのだが、
「なんだ、普通だなぁ」
説明を聞き終えると同時に、プシューっと空気がぬけて、見る間に脱力していった。その様子があんまりにも可愛らしくて、響子はつい笑ってしまった。
「ね、心配することないでしょ?」
「そのようだね。……ははっ、そうか、ご主人……」
さっきまでナズーリンを襲っていた不安は、きっと想像以上に彼女を苦しめていたのだろう。解き放たれたナズーリンの笑顔は先ほどとはもう見違えていた。体に妖力が満ち溢れていて、その小さな体が一回り大きくなったようにすら感じられる。
「それで、ナズーリンさんの山彦はどんなのにしよっか?」
ナズーリンの力になれたことを嬉しく思いながら、響子は親しげ笑みを浮かべ――そしてギョッとした。
ナズーリンの瞳に、見るものの背筋をヒヤッとさせるような、冷徹な知性の輝きが灯っている。どうやら賢将ナズーリンは、すっかりその勢いを取り戻したようだ。
「まぁちょっと耳を貸したまえよ」
「え、え」
「私に良い考えがあるんだ」
半ば無理やりに肩を引き込まれて互いの体を密着させられる。響子の耳にナズーリンが口元を潜めた。まるで、悪巧みをする妖怪二人組み。
――不安がらせておいたほうがよかったかも……。
なんて思っても今更後の祭り。ナズーリンは響子の耳にそっと悪事を持ちかける。
「ご主人の山彦に、今から言う私の言葉を返してほしい」
「えぇ!?」
驚いて、ナズーリンの体押し離す。ナズーリンは不敵な笑みを浮かべて、その瞳は本気だった。
「だ、だめだよそんな! 山彦の内容を勝手に変えるなんて絶対にだめ!」
「内容を変えてしまうわけじゃない。ちょいと順番を前後させるだけさ」
「山彦はきまった言葉が返ってきてこそ山彦なんだから、順番を変えたら内容が変ったと一緒だもん! そんなの山彦じゃない!」
響子は幽谷響としての自分に誇りを持っている。ささやかな能力ではあるけれど、それで皆の素直な気持を繋ぐ手伝いをしてきた。だからこそ、山彦に細工はしたくない。
ナズーリンは一旦響子の体から手を離して、響子に思考の猶予を与えるためか、静かにゆっくりと言った。
「いいかい? これは、他愛のないちょっとしたサプライズさ。もう一度説明するよ」
――合図1:(星の声)『いつも無くし物ばかりしてごめんね』
山彦1:(ナズーリンの声)『いいんだよご主人。それより、これからも一生、私にご主人の無くし物を探させてくれないか』
合図2:(ナズーリンの声)『返事はどうなんだい、ご主人』
山彦2:(星の声)『ナズーリンのために私、もっと頑張りますから』――
「という感じだね」
ナズーリンは少し恥ずかしそうにではあるが、大戦略を発表するかのように、堂々と説明してのけた。
「勝手にそんなことしたら星様に申し訳が」
「私がお願いしたことは後でちゃんとご主人に伝えるよ。ねぇ響子。私はきっとこの企みは上手くいくと信じてる。それに、失敗しても私一人がバカをみるだけさ」
――ナズーリンの言う通り、この企みは成功するだろう。星は少し驚いた後、きっとナズーリンを許すに違いない。かといって、山彦に不正をするのはやはり嫌だ。
「さっきまで、星様に他に好きな人がいるんじゃないかって、あんなにびくびくしてたくせにい」
「疑ってしまう理由があったからね。けれど響子のおかげでそれは解決した。今の私はもう、前に突き進むのみだよ!」
ナズーリンは冷静沈着な策略家――その印象はやっぱり間違っていたのだ。表面上は見えても、実はこんなに情熱的な一面をもそなえていたんだ。
「というわけで、じゃあよろしくね!」
「ええ!? ちょ、ちょっとー!? ナズーリンさーん!?」
なんという事だろう。ナズーリンは響子の返事を待たずに強引にその場から飛び去ってしまった。追いかけて抗議すべきなのだろうけれど、今のナズーリンの様子ではどう訴えたって意見を覆せそうにない。
呆然と立ちすくんだまま、小さくなっていくナズーリンの姿を追いかける。とうとう夜空の闇にその姿が消えて、響子は、どうしようどうしよう、と一人山中で頭を抱えた。
勝手に山彦を変えるなんて、やっぱり響子にはできない。
ああどうしよう!
しまいには小雨まで降り始めて――。
「――というわけなの。どうしよう宮古ちゃん……」
ようやく話を終えて、響子は大きく溜め息を吐いた。芳香はところどころで相槌を打ちながら、良く話を聞いてくれていた。
「んー」
と煮え切らない声の芳香。まぁ、無理もないよね、と思う。自分だってこんなに悩んでいるのだから、今しがた話を聞いたばかりの芳香にさらっと答えを出せるはずもない。
それでも、芳香に聞いてもらえた事で、ほんの少し気持が軽くなったような気がする。響子は一緒に悩みを共有してくれる相手がほしかったのだ。
聞いてくれてありがと――響子がそう告げようとしたときだった。
芳香はちょっと首をかしげて、実にあっけらかんとした口調でサラっと述べた。
「えーっと、今の話でなんか悩む事あった?」
「はぁ!?」
響子は芳香の肩に掴みかかり、能天気なその顔を思いっきり左右にシェイクしてやる。
「もぉ! 私の話ちゃんと聞いてたの!?」
「うお~、や~め~て~」
芳香の声が小規模なドップラー変動を繰り返す。
こきゃっ、とセロリを割ったような音とともに、芳香の首が変な角度に折れ曲がった。
「首の骨が折れた。何すんのよー」
「宮古ちゃんが悪いんじゃん! せっかく話を聞いてくれたと思ってたのに、馬鹿!」
「落ち着きなって。話はきいてたさ……。だってねぇ、賢将殿の言うとおりにすれば、それでいいじゃん。絶対上手くいくと思うけどなぁ」
「そりゃ、私だって上手くいくとは思うけど……でもやっぱり、勝手に山彦を変えるのはよくないと思うし……」
響子は山彦をするために存在する幽谷響なのだ。意図していない言葉が返ってくるのは山彦ではなくて、それはもやは怪奇現象。幽谷響としての感性が本能的な嫌悪感を感じてさせしまうのだ。道理に反していると感じてしまう。
「うーん。響子は真面目だなぁ」
芳香の頭が、ごろん、と響子の肩にもたれかかった。首の骨が折れたから、支えていられないのだろう。まぁそのうち治る。
そして芳香は、納得のいかない響子に対してきっぱりと言った。
「あのね、寅丸殿はニブチンなんだよ」
「……はい?」
突拍子もない芳香の言葉に、響子は目をきょとんとさせる。
「おまけに唐変木の木偶の坊だ」
憧れている人物を貶されて、少しむっとする。芳香が何を言いたいのか、さっぱり分からない。
「いきなり何よっ」
「だからぁ、それくらいびっくりさせてやったほうが良いってこと」
「よくわからないんだけど」
芳香はギョロリと目だけを響子に向けて、じれったそうな口調でいった。
「あのねー、これまで賢将殿がどれだけ寅丸殿にアプローチしてたか知ってる? なのに寅丸殿ったらぜーんぜん気づきやしないんだから」
「そ、そうなの? ていうか宮古ちゃんは良くそんな事を知ってるね」
「キョンシーネットワークは伊達じゃないのだよ。ほんと、見ててかわいそうなくらいなんだから! 賢将殿もそれでとうとうしびれを切らして、そういう強引な手段にでたのね。だからね、むしろそれぐらいやっていいと思うよ? 既成事実をつくっちゃうみたいな事をね! 響子の気持は分かるけど、今回は特別なケースじゃないかな。それくらいあからさまにやんないと、あの鈍いお方には気持ちが伝わらないんだよ」
『気持が伝わらない』というのは見過ごせないポイントだ。誰かの心の架け橋になるという事は、響子が得た新しい喜びなのだ。それが叶わないというのは非常に大きな問題である。
思ってもいなかったアプローチに響子の気持がはじめて揺らいだ。芳香の言うとおり、特別なケースだとすべきなのだろうか……。
「宮古ちゃんは、本当にそう思う? そうするべきだって」
芳香は、響子の肩にズリズリと強く頬擦りをした。多分、頷いたのだろう。
「ええもちろん。気持ちをちゃんと伝えるためだもの。もしこの事で寅丸殿が響子に文句を言ってきたら、私、文句をいってやるわよ。あんたがドテチンなのが悪いんでしょーかってね!」
「ド、ドテチン……」
あの毘沙門天の化身をそんな風に表現するとは。人が違えば評価も変るものだ、と響子はなんだか感心してしまっていた。
ともあれ、響子の心にあった迷いは、少しずつ晴れはじめている。
「そっかー、今回はそれでいいのかなぁ」
ふと胸が寂しくなって、芳香の体をキューっと抱き寄せる。何かを抱いているとなんとなく落ち着くものだ。
「っていうか、ところでさ」
と響子の胸元で、芳香。
「あんた、二人の山彦の依頼内容を私に漏らしちゃってるけど、それっていいの? 人に漏らしちゃいけないんじゃなかったっけ」
「本当はだめだけど、宮古ちゃんは私の悩みを聞いてくれた唯一の人だから、特別」
芳香はなにやら頭をもぞもぞとさせたあと、
「特別か。そっか。えへへ」
とむず痒そうに笑ったのだった。芳香は普段はちょっとがさつだけど、そうやって笑うと可愛い。
小雨はまだ降り続いているけれど、二人でこうやって肩を並べて雨音を聞いていると、もう、さっきまでみたいに辛くはなかった。
星とナズーリンに山彦を伝えるその日。響子は山中で二人の合図を待ちながら、まだ少しの迷いを抱えていた。本当にこれでいいのか、という気持は、完全には消えてくれない。とは言え大方の気持は固まっているのだ。山彦としての本能は相変わらずチクチクとした拒否感をもたらしているが、もう、割り切るつもりだ。
木々の間に空を見上げる。青と白とは五分五分だ。少々雲は多いけれど、まぁ、晴れといってよいのだろう。すぅっと一息、土の臭いを香った。ふと、金木犀の香りを得た気がした。
『やっほ~~~!』
二人分の叫び声が山に届いた。
きた!
星とナズーリンだ。
駆け出して、開けた斜面に出る。眼下には山の裾野に緑の絨毯が広がり、それはそのまま、向かいに連なる幽谷響山脈を駆け上がっている。空を切り取る山脈の淵を見つめ、響子はすうっと息を吸い込んだ。
山彦の予備動作を始めた事で、全身の細胞が喜びの声を上げる。心に抱えていた不安や悩み事さえが、薄れてゆく。
響子は叫ぶ。その瞬間、意識はあらゆる懸念から解放される。
――Yahoo!!
山彦は、響子そのものだ。幻想郷の大気の中に、自分自身が広がっていくのを感じる。偉大な自然の一部になれた心地よさに、しばし思考すらを放棄して溺れる。
『いつも無くし物ばかりしてごめんね~~~!』
と、さっそく星の声。快感に僅かな罪悪感が混じる。けれど響子はもう悩まない。彼女はすでに決断している。
響子は両手を空に広々と掲げ、小さな体にゆっくりと山の息吹を吸い込んでゆく。妖気と練成されたその空気は、響子の体内で山彦となった。もう後戻りはできない。
肺は十分に山彦で満たされている。響子は大きく口を開け、そして叫んだ――。
――――――。
「やぁ。響子ちゃん。おはよう」
いつもと何も変らない、優しい口調の星の挨拶。それを聞けたとき、響子は心底ほっとしたものだ。もしかすると挨拶してもらえないんじゃないか、と気もそぞろで、今朝の箒がけはいつもの3割減の進み具合。
挨拶もいつもより控えめになってしまう。
「お、おはよーございます」
朝ぼらけの中に浮かぶ、星の温和な笑顔。響子はそれに救われて、ようやく不安から解放されたように感じる。ふと気づいたのは、星の首もとにかけられている蒼いひし形のペンダント。
「ああ、これ?」
響子の視線に気づいて、星がそれを持ち上げる。
「ナズーリンからの贈り物なのですよ。おそろいのペンデュラムだそうです」
朝日は山に遮られ、まだ空はぼんやりとしているけれど、じきにペンデュラムを輝かせるに違いない。
ナズーリンと星が一緒に朝日を浴びたなら、それは一対の連星のようにとてもとても綺麗にきらめくのだろう。
ナズーリンの企てはやっぱり成功したのだ。
「あの、星様」
「うん」
「星様にいわれたとおりの山彦を返しませんでした……ごめんなさい」
「ああ。あの時はちょっと驚いたけど」
と星は苦笑する。
やっぱり困らせてしまったかな、とちょっと心配になる。
「ナズーリンが言わせたんでしょう? それに随分と強引だったらしいね。ごめんね」
「いえ、そんな」
箒をきゅっと握って、俯く。やはり迷惑だったのだろうか。山彦を変えるべきではなかったのだろうか……。
そんな後悔が僅かに頭をもたげはじめた。けれどそれは、星の大きな手の平によって永遠に封じこめられた。星がやんわりと、響子の頭をなでてくれたのだ。
「そうだ響子ちゃん。これを預かっていてくれないかな?」
星は袖から数珠を取り出して、響子に託した。
「これは?」
ちょどその時、山陰からまばゆい朝日が昇り始めた。
「これからはね、毎日必ず一つ、頑張って無くし物をすることにしたの。あとでナズーリンがきたら、渡してあげてね」
「あぁ……!」
降り注ぎはじめた眩しい陽の中で、星が微笑んだ。清冽な陽を浴びて煌くその笑顔は、まさしく毘沙門天のごとく神々しい。
その首元で蒼く輝くペンデュラムは、何よりの宝物を見つけたのだ。
闇夜の雲は、得体の知れない何かの影を思わせて、そしていやに早く流れた。うねうねと延びてきたそれに月は隠され、山中は完全な闇に包まれる。それならいっそ、と響子は目を瞑った。四足獣の密やかな吐息、虫音……どこか遠くの鳥の甲高くて長い鳴き声。光は消えても、世界は音に満ちている。
それらの音に耳を傾けるのが、響子は好きだった。
月がまた現れて、遠くの山の淵が夜空を切り取った。ふと芳香の顔を思い浮かべた。そうしたらなんだか一人でいるのが寂しくなった。響子は夜空に飛び立って、墓場にむかった。このごろ、時々そういうことがある。
「山彦サービスを始めて、いろんな人と知り合えたけど、時々なんだか寂しい気分になるの」
「ふぅ~ん」
夜の墓場で二人きり……というわけにはいかない。人魂、幽霊、ゾンビに妖怪。夜の墓場は意外とにぎやかだ。そのにぎやかしさに芳香と二人で埋没していると、安心する。
キョンシー跳びで墓場を見てまわる芳香に並んで、ぷらぷらとだべり歩き。
「なんで?」
「んーとねー」
重苦しい雰囲気ではない。酒のつまみに心の内をちょいと明かすような、重くて軽い二人の会話。
「私に山彦を頼みに来てくれる人はいっぱいいるけど、私にたいして想いを投げかけてくれる人はいないんだもん。私も誰かに好きって言われてみたいなぁ」
「そーなんだ」
「そーなんです」
タン、タン、と墓場に足音を響かせながら、芳香の澄ました顔の裏で、何がしかの感情が動いている。響子は芳香のそういう間をなんとなく感じられるようになっていた。だから黙って、芳香の言葉を待つ。
「そっかー。そんな風に思ってたんだ」
「うん」
「私もちょっと愚痴るけどさ。響子がどんどん有名になっていくのは、なぁーんか寂しかったよ」
「え? どうして?」
「だってさ、いろんな知り合いが増えて、今度博麗神社の宴会にだって誘われてるんでしょ? なんか、しがない妖怪二人、こーやって夜の墓場でぶらぶらお喋りすることもなくなっちゃうのかなぁって。響子が遠くへいっちゃうような気がしてた」
「そうだったんだ」
「そうだったんです」
いつもの芳香はどこか飄々としていて、そういう繊細さとはあまり縁がなさそうだと思っていたから、少し意外だった。だから余計に、芳香が自分にたいしてそんな感情を抱いてくれたことが、素直に嬉しい。
「だから、こないだ寅丸殿と賢将殿のことで悩みを打ち明けてくれて、ちょっと嬉しかった」
芳香が、にへへっと、やんちゃな笑い方をした。
「それに、言っちゃ悪いけど、今そうやって響子が寂しがってるの見てると、なんか安心しちゃうよ」
「えー。ひどいー」
口ではそういうものの、響子の頬はどうしても笑みを浮かべてしまう。山彦サービスを始めて、誰かの想いに触れる事は多々あれど、それはあくまで自分じゃない誰かへの想い。羨ましいなと眺める事しかできなかった。けれど今芳香の言葉は、他の誰でもない響子自身に向けられているのだ。
心の底にうずうずとした衝動が湧きあがって、響子はえいっと芳香の前に伸びた腕にしがみついた。お神輿を担ぐようにして、頬を触れさせる。
「お、おうお? 何すんのよーまた骨が折れるー」
「えへへー」
芳香の腕は冷たく、そしてやっぱり、金木犀の香りがした。
「そういえばさ」
と芳香。
「なぁに?」
「響子は自分の気持ちを山彦にしたことはあるの?」
「え?」
「誰かの声を反射させるんじゃなくてさ、響子自身が山に向かって何かを叫んだこと、あるのかなって」
「……」
長い思考の途絶があった。芳香のそれは、山彦としての存在の盲点を突く言葉だった――。
「――ない、かも」
呼吸を忘れる。ない、間違いなく、一度もない。幽谷響が何かを叫ぶ時、それは常に山彦である。すなわち、山彦の元となる他者の言葉が必要だ。まったく別の場所にあった二つの思考が、今、結びつこうとしている。
自分から何かを叫ぶだなんてことは……響子はこれまでの生涯で、真実一度も考えた事がなかったのである。つまり、自分の言葉を、気持を、一度も叫んだことがない――。
――いったいそんな自分に、誰が気持を向けてくれるのか。
「宮古ちゃんって、すごい!」
「おわ!?」
響子は思い余って、芳香の体に抱きついていた。
「そうだよ! なんでわからなかったんだろう!」
「え? え? え?」
芳香はキョンシースタイルで固まったままで、目を白黒させている。その二の腕とおっぱいに挟まれながら、響子は気が触れるような歓喜に襲われていた。
「まずは自分から気持ちを伝えなきゃ! 誰かの声を待ってるだけじゃ!」
「うおう……響子がおかしくなっちゃった……」
芳香はきっと、自分が響子にどれだけ大切なものを伝えたのか、さっぱり理解していないに違いない。
それでも響子は、芳香にちゅうしてしまいたいとさえ思った。
――邪魔がはいらなければ、本当にちゅうしていたかもしれない。
「やぁ二人とも。お取り込み中のところ悪いんだが」
突然すぐ近くから、ナズーリンの声がした。
「え!?」
と、芳香は跳びのいてしまった。人に見られるのが恥ずかしかったのだろう。
見ると、すぐ近くの暗がりに、ナズーリンが立っていた。ロッドを構えて、ちょっとニヤニヤしていた。なんのことはない、今朝がたに星が響子に預けた数珠を――星が「無くした」数珠を――探しに来たのだ。
ナズーリンはすぐに去っていったけれど、芳香は妙に照れてしまって、もうさっきみたいな雰囲気には戻らなかった。
このとき響子は初めて自分の中に黒い感情を得ていた。
邪魔しないでよね!
あくる日の昼過ぎ、響子は久方ぶりに幽谷響山に立った。山彦に思いをたくそうとする者達が立つ、この場所に。
天高く、雲はながれ、山はそこにある。幽谷響山の山頂に立つと、自身の体がまるで青空に溶けていくようだ。視界を遮るものはなく、大地には緑の山々が、天には青く透明な空が、はてのない展望を与えてくれる。谷を挟んだ対面には同じく緑に覆われた山が鎮座している。響子がネグラにしている山だ。普段自分が歩き回っている山の地形が、外見からよく分かる。
風が一陣駆け抜けて、響子の耳をなでた。
風は冷たくて、心の高揚を癒してくれる。自分の気持を声にして叫ぶ――たったそれだけの事なのに、心がこんなに高ぶるなんて。普段山彦を返すだけの響子には新鮮な驚きだった。むしろそれを知らなかった事に、罪悪感すらを感じる。山彦サービスをお願いしにくる人たちの、切なる気持ちを、はたして自分はちゃんと理解していたのだろうか……。
だからこそ今から、叫ぼう。山彦ではない自分自身の言葉を。この場所に立ってようやく、心の中にあったいくらかのためらいが、すぅっと消えていった。
響子は大きく息を吸って、肺に空気を溜めた。体内と妖気と混合させ、特大のチャージドヤッホーを練る。今から叫ぶ声は、山彦ではない。山彦の元になる、源の声なのだ。それを思うだけで、何か、不思議な気持になってしまう。幽谷響の自分が、山彦でない言葉を叫ぶなんて。
何を叫ぶかは、最後まで迷った。けれど、素直な言葉を叫べばそれでよいのだ。心の内を探って、誰かに伝えたい気持ちをすくった。わりとあっさりと、その言葉は見つかった――。
「宮古ちゃんすき~~~!」
山彦に、自分の思いを託す。山彦はただ言葉を返すだけではないのだと気づかせてくれた友人への、感謝の気持ち。
360度に広がるチャージドヤッホーは、響子の想いを幻想郷中に拡散してゆく。妖怪の山、博麗神社に守矢神社、人里、そして命蓮寺、今この瞬間、自分の言葉は大空を駆け抜け続けている。
「私、幽谷響に生まれてきてよかったな」
自身の能力に、響子は心から喜びを感じていた。
間をおかず、そこら中から山彦が返りはじめている。
――宮古ちゃんすき~~~!
――宮古ちゃんすき~~~!
――宮古ちゃんすき~~~!
お前の気持はちゃんと届いたよ! そんなメッセージが込められているような気がして、顔がほころんでしまう。
ふとそんな山彦達の中に、
――う~お~! や~め~ろ~!
という必死な声を聞いたような気がして、響子は口元に手をやって小さく笑った。山彦はまだ、続いている。
「めちゃめちゃ恥ずかしかったんだから!」
その夜は墓場で芳香にすごく怒られたけれど、結局すぐに許してもらえた。
またその日からは、芳香の強い希望によって、宮古ちゃんじゃなくて芳香ちゃんと名前を呼ぶことになった。
明日もう一度叫びなおそうかな。
響子はこっそりと、そんな事を思っていた。
みんなが可愛すぎて生きるのがつらい
またおまえかw
しかし、「物を無くす→失せ物を探す」が愛の確認作業だったとは
早くもオマケや続編を期待しています。
転結がどんな話になるのか、楽しみに待たせていただきまする。
次回作も期待してます!
っていうかこのシリーズ永遠に続けばいいんじゃないですかぁ?(´f`)
今から次が楽しみすぎて仕方が無い!
ナズ星と思いきや響芳もあってしかも甘くて美味しかったです。
KASAさんの響子も次でラストか・・・
「使えている」は「仕えている」のほうが合ってるかなと。まあ役に立つって意味があるので間違いではないでしょうけどね。
あと、星のセリフで「ペンデュラム」でなく「ペンディラム」になってます。
誰だ?田中芳樹って?
しかし、このシリーズが次回で終わりっぽいのが残念です。
でも期待して待っております。ヤッホッホー。
次で最後のようで残念です。もう幻想郷中のカップルはみんな響子ちゃんのところに行けばいいよ。
芳香ちゃんの口調かわいいな~。
ファイア!
何度も申し訳ない。
田中芳樹知らない23!お兄さん!イゼルローンに送ってやるぜ!