私は、人間をずっと愛していたはずだった。
ある人が私に、言った。
「嬉しいことがあったから僕のために笑ってくれ」と
私は、息が切れるまで彼に笑いを与えた
またある人はいった。
「悲しいことがあったから私のために泣いてくれ」と
私は、体のすべての水分が無くなるまで彼女に涙をこぼした
そしてある人は言った。
「とても嫌なことがあったから俺のために怒ってくれ」と
私は、脳みそが沸騰するまで彼と怒り続けた
それをずっとずっと繰り返し、気づいたときには一人で感情を表せなくなっていた。
彼女と彼女の彼女が望まない家族ごっこ遊び
彼女からの愛が欲しい、ほかは何もいらない
彼女だけでいい、ほかは何も望まない
1
「 久しぶりね 」
「 あ、腋巫女 」
「 強奪少女 」
「 あんたら、私をなんだと思ってるのよ ・・・」
博麗の巫女は、頭に青筋を浮かべている
私は、ソファーに寄っかかったままだ
「 これ食べますか? 」
不意に横からお姉ちゃんがお菓子を持って出てきた
多分これはあれだろう、最近幻想郷でも名前をちょくちょく聞くようになったモンブランとかいうやつだろう
私は、結構嫌いじゃなかったと思う・・・
「 これどうしたの? 」
最近名前を聞くようにはなったが、まだ地底では発売されてなかったはずなんだけど
「 が作ってくれたんです 」
「 あぁ、なるほどね 」
さすが、お菓子だけはくわしい
あれっ、
「 でもよく作ってくれたね?あのめんどくさがりの が 」
お姉ちゃんは、モンブランを私と、霊夢の前へ置く
「 霊夢が来るから、作ってと言ったら文句を言いながら作ってくれましたよ 」
まあ、心の中では、かなりグチグチ文句を言ってましたけど、お姉ちゃんがぼそっと言う
確かに、 ならいいそうだと思った
霊夢は私たちの話をほどほどに聞き流しながらバクバクとモンブランに食らいつく
いつかの時、私は幸せが欲しいと に言った。
は顔色ひとつ変えずに、あんたは十分幸せだと答えた
が言うには、私は鈍感すぎて目の前の幸せに気付けてないということ
この時私は思う。
気づかない幸せは、本当の幸せというのだろうか。
少なくとも私の答えは、NO だった。
「 で、何時になったら貴方は帰るのですか? 」
お姉ちゃんが、霊夢に文句を言う
それもそうだ霊夢はさっきモンブランを食べてから1時間以上ここにいるのだ
きっとお姉ちゃんも痺れを切らしているのだろう
「 うるさいわねえ、客人くらいちゃんともてなしなさいよ 」
「 客人ならちゃんと用事を持ってきてください。」
なんだか、二人共険悪ムードになりそうな予感だ
「 何言ってんの、用事ならちゃんとあるじゃないwww 」
「 面白そうだから来たって、そんなのあの泥棒魔法使いと一緒じゃないですか 」
「 あんなのと一緒にしないでよ!! 」
「 じゃあ、同じことしないでくださいよ!! 」
ギャイノ、ギャイノお姉ちゃん達が騒ぎ出す
すごく嫌な予感が当たりそうだったから、私は能力を使って部屋から逃げ出そうと試みた
案の定、客間は大爆発を起こした
□ □ □
誰か私の昔話を聞いてくれないかな?
本当にちょっとだけ前のこと
まだ私たちが家族じゃなかった頃のこと
私はお姉ちゃんが大好きだった、でもこれがそう言う好きじゃないことは知っていた
お姉ちゃんは私が好きだった、だけどお姉ちゃんの好きはそう言う好きだった
この時私が大人でいたならばまだ自体は丸く収まったかもしれない
でも私はお姉ちゃんの心を知って拒絶した
そして、第三の瞳を失った
それから、私たちの関係は、簡単に壊れたんだ
□ □ □
目が覚めると私は、大広間のソファーで寝かされていた
隣には が座っていて眉間に大きなしわを寄せている
目の前にはお姉ちゃん達がちょこんと正座をしていた
「 ほんと派手にっやったわね、もしかしてわざと? 」
がすこぶる皮肉っぽく言う
確かに爆発したのは客間なのに大広間もところどころ壊れている、もともとのもあるけど・・・
「 霊夢のせいです 」
「 さとりのせいよ 」
お姉ちゃんと霊夢が一斉に声を揃える
喧嘩するほど仲がいいってこうゆうことなのかな?
「 それは、多分違うと思うわ 」
あ、 に心読まれた
私は、体をくねらせて の膝へ倒れるいわゆる膝枕と言うやつだ
すると、 が頭を撫でてくれる、私の心が少しだけフワッとする
くすぐったそうに笑うと、 も笑いかけてくれた
横を向くとお姉ちゃんが羨ましそうに私を見ていた、えへへ良いだろう の膝枕だぞ
でもここは私の特等席だからお姉ちゃんなんかには渡さないよ
私は、 にバレないようにアッカンベーした
ざまあみろ
私は、 の膝の上でにししとわらった。
2
とりあえず、霊夢には家に帰ってもらった
が「 家荒らしたんだからとっとと帰れ 」って言ったら渋々帰っていった
だから今日も5人で夕飯を食べるお姉ちゃんと、お燐と、お空と、私と、 で
おうちは、明日直してもらうんだってさ
勇儀さんたちは仕事が早いからすぐ終わるんだって が言ってた
そうやって私たちは楽しいおしゃべりの時間を過ごす
きょうもみんなとたべれてたのしかった
うん、いいことだよね
私は、部屋のいつもの場所に座ると に紅茶を入れてもらった、ちなみに はコーヒーの方が好きらしい
前にお姉ちゃんがあんなの泥水だと言ったら、問答無用で殴られてた
「 バカだよねぇ 」
「ん?、何か言いましたか? 」
おねえちゃんの地獄耳
「 なんでもないよーだ 」
私は、お姉ちゃんに、いーってしてそっぽを向いた
「 姉妹ゲンカはよそでやりなさいよ 」
が私の横に座る
「 なんですか、 はこいしの味方するんですか 」
お姉ちゃんがまた恨めしそうに私を見る
「 そんなこと誰が言ったのよ、私は誰の味方でもないわよ 」
「 それでも、心の中ではそう思ってます 」
「 じゃあそうなんじゃない? 」
はおねえちゃんを軽くあしらう
「 ああもう !! 」
お姉ちゃんがずんずんと足音を鳴らしながらソファーのところまで来た
「 そんなこと言う人は、こうです 」
ぐしゃぐしゃー
お姉ちゃんが私の髪と の髪を掻き回した
また、ひとつ笑い声が地霊殿に響く
□ □ □
いつからだろうか?
私が、笑うようになったのは
この時間を幸せだと感じるようになったのは
これを心だと感じるようになったのは
満たされるようになったのは
誰のおかげ?
だれのおかげ?
だれのおjvj3vgsdk?
わかんないや
□ □ □
私は、冷え切った の体をギュッと抱きしめた
背中に腕を回すと痛々しい傷が、傷のあとのゴツゴツしたところが私の手に触れていく
その傷を指先でなぞると の身体がビクリと震えた
だけど は抵抗しない、その傷をつけたのは私だっていうのに
だから虐められるんだよ
でも大丈夫 をいじめる奴らは私が全部やっつけてあげる
私は、 が逃げないように深く抱きしめた
首の首輪が邪魔だったけどちゃんと夢に落ちることはできた
最初に に首輪をつけようと言ったのはお姉ちゃんからだった
私は少しだけ考えた、だって何だかペットみたいだし
でも今思うと、 を私に殺させないための盾だったのかも
この首輪の鍵の場所は知らないから
私が首を絞めて を殺そうとするのを止められる
だって、 は私の手で殺さなきゃいけないんだもん
3
ああ、また愛しい一日が始まろうとしている
きっと瞳を開ければ隣に がいてくれるだろう
私は、ゆっくりと瞼をあけた
でも隣にそれらしき体温と人影はなかった
「 え 」
私は、ベットの上を見回した
だが誰もいない
私は部屋の周りを見回した
だが誰もいない
私は言葉が廻らなかった
なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、
ただひたすらおなじ事を考える
わたしはいきおいよくへやをとびだした
そしてちれいでんをくまなくめぐった
わたしは をみつけた
わたしがいつもいるそふぁーでたいくずわりしていた
わたしは に、にっこりとわらう
「 こんな所に居たんだ、探しちゃったよ 」
私は の喉に手を近づける
そしてその手に力を込めた
の喉がゴホっと音を鳴らす
「 ねえ、私言ったよねずっと一緒にいようって、忘れてたのかなぁ? 」
手の力をさらに強める、だが は抵抗しない
このままだと確実に は死んでしまう
も解ってるはずだ
それでも、 は笑っている
の首がメキメキ泣き出した
「 今度からこんなことしない? 」
これが最後の仏の顔
は少しだけ反応した
私はそれを確認すると首の手を離して の胸にに倒れ込んだ
の首には紫の跡がついている
「 絶対に絶対だよ本当に絶対ねわかってるよね 」
じゃないとまた殺すからね
私がそう言って の服を握り締めると は背中に腕を回してきた
「 ほんと今日は のせいで疲れた 」
朝から走ったせいでまぶたが重い
は私が夢に落ちるまで背中をポンポンしてくれた
私は、 の疲れた息遣いを聞きながらまぶたを閉じようとしていた
あれ?
そういえばなんで の首輪外れてたんだろ?
今の私にそれを聞く気力はない
私は、まどろみへとおちた
昔に何十人も誰かが死んだ事件なんて起きてないです
首輪の鍵のありかはこいし以外誰も知りません
は地霊殿に住んでいません
はもともと私たちの家族です
こいしは に暴力なんて与えません
とこいしはずっと離れています
はこいしが大嫌いです
私は が大嫌いです
さてどういうことでしょう?
くらやみでだれかがないていた