私は人の心を覗けるので、誠にそこらの妖怪、人間、その他意識を持った生き物達に迷惑がられているのですが、そんな私もあなたのお役には立てないかと思いたち、考えること約三十秒。
あなたのお悩み事、解決いたします。
えーと、まぁ、人のお悩み事を勝手に覗いてしまう私はこの程度のことしかできない訳で。
とはいうものの、悩みを抱えた妖怪がいないと、話にならないので少しぶらついてみますか。
◆
お、記念すべき初悩み事です。
ふむ、ふむ。
「私の友達が馬鹿で⑨で困っています。
このままでは、私の友達がいたるところで損をしているではないかと思い、もっと賢くしてやりたいなぁと思っているのです。
ですが、私がどうにかしてやれる問題ではないため、私のご主人様に相談してみたりもするのですが、私のご主人様は全く気にも留めてくれません。
もう友達が心配で夜も眠れません。
このままでいいのでしょうか・・・?」
おや、これは心外。
全く気に留めていなかったとは失礼な。
ですが、きっちり夜も寝ているあたり、針小棒大なことを心の中で悩んでしまっているのはよくありません。
ということで解決策を授けましょう。
と言っても私が誰であるかはあまりばれないほうが良いかもしれません。
仮に、もしあなたの友人が馬鹿ではなくなったする。。
あなたの思う賢いような人になってしまった場合、どうなるでしょうか、想像してほしい。
例えば、あなたがその友人に会いに行くと、あなたの友人は何やら難しい本を読んでいる、と思うやいなや地上の図書館に駆け出し、その図書館の主となにやら話している。
あなたは、その友人と遊びたい気分なので、その話し合いにいれてもらおうと声をかける。
あなたの友人はとっても人がいいので、その話し合いに入れてくれるだろう。
しかし、言っている内容が意味不明、これは本当に日本語なのか。
そもそも、さっきから言っている事についてもし結論が出たからと言って、それがなんなのであろうか。
そんなことよりも今日の晩御飯のレシピを考えたほうがよっぽど有意義なのではないのだろうか・・・などと考えている内に眠ってしまい、目が覚めるとその友人が隣で本を読んでおり、それでもその友人は人がいいので、あなたにはこの話の面白さがわからない、とは言わずに、先程話していたことについて、多分私にとってもわかりやすく説明してくてくれる。
しかし、そもそもわかりやすくなったからと言ってあなたにとってそのことはさほど大事なことではないので、その話が退屈で仕方がない。
それでも一生懸命説明してくれている友人を前に寝てしまってはいけないので、なんとなく話に相槌を入れるのだが、賢い友人はその気持ちでさえ見抜き、やんわりと説明を切り上げてくれる。
そうすると、あなたはなんともいえない罪悪感に苛まれ、次第にその友人を自ら避けることになり、そのうち生きがいの一つであった友人とのコミュニケーションが減り、欝になって先程言っていた、あまり気にかけてくれないご主人に迷惑をかけるのだ。
つまり、あなたの友人の魅力は馬鹿であるところであり、それが賢くなると、また違った魅力が出てくるのは勿論なのだが、あなたの面倒見が良い性格上、頼られるのがこの上なく楽しい、嬉しい、ので、このままのほうがいいということである。
あなたは、馬鹿な友人をよく知っているので、なおさら頼られないことに対してストレスを感じてしまう。
それから、友人が馬鹿で損をしているのではないか、という心配ではあるのだが、確かに損をしていることが多々ある。
友人の心を私はよく知っているため、言わせてもらうが、あなたの友人は損をしたことも全力で楽しんでいる。
もちろん、困ったこともあるが、その時は頼れる友人がいるのであまり悩んでもいない。
だから、あなたは友人が馬鹿なことで悩むべきではない。夜もよく眠りなさい。
あ、あとご主人はあなたが思っている以上にあなたに気をかけているので、今後はもっと敬うように。
と手持ちの半紙に書き、留めておいた。
◆
地上に出て、しばらく歩くこと30分。
どこかに飛び去る人影から悩み事に臭いがするので、追跡しましょう。
お屋敷に到着。
さて、あなたのお悩みは・・・
「私の性格をなんとかしたいです。
というのも、私は人の失敗が、特に自分の部下の失敗が許せません。
例えば、私の部下はよく眠ってしまうのですが、これが何度も繰り返しあると、今ではもう間髪言わずに眉間にナイフを投げつけてしまいます。
暴力で私の部下の性格がどうにかなるとは思えず、やめよう、やめようと思っているのですが、つい勢いでやってしまいます。
その他にも、私の部下はちょっとした失敗が多く、私の主が許すようなことも、私はなにかしら罰与えてやりたくなっていることに気づきます。
この性格どうにかなりませんか?」
これは、誰にも相談できないだろうなぁ。
あなたの性格では特にだなぁ。
とにやにやしながら、筆を取った。
私も簡単に人の失敗を許せない。
大体の人は人の失敗を目の前で見せられるといらっと来ます。
特に身近にいるような人だったりするとなおさらです。
だから、あなたの性格が特別に嫌らしい訳ではないでしょう。
しかしながら、あなたは人一倍に許せないという。
私が思うに、あなたは非常に優秀な人だ。だから、それゆえに人の失敗が許せないに違いない。
つまり、どういうことかというと、例えば私が人の失敗を見てしまった場合に、その人を責めたとしましょう。するとその人は、お前だって失敗がないことはあるまい、この前だってお前を許してやったではないか、などと言い訳をし、それはもっともだと私は納得。
ですが、あなたの部下は、特に言い訳をしないのではないのだろうか。
それは、あなたの部下が言い訳をしない特別に素晴らしい人だというわけではなく、ただ、言い訳ができないのである。
というのも、理由は簡単だ。
先程も書いたとおり、あなたが非常に優秀・・・いや、非常に優秀というよりはもはや完璧の域に達しているからなのである。
つまり、あなたに失敗がないため、あなたさまも失敗しているじゃあございませんか、などとは言えない訳なのである。
逆にあなたの心の中は、また皿を割りやがったな、私がいつ皿を割ったというのだ。そもそも、お前には努力が足りない。私は皿を割らないように、どれだけ努力したと思っているのだ。ここにおいてある皿の大きさ、形、枚数、全てを把握した後、実際に水に濡らす等する前に手に持ってみる。それから自室で割れないプラスチック製の皿を高速で洗う練習だって何年も続けている。もし仮に落ちても、確実に拾って見せている。
というのに、お前はなんだ。何度も失敗した挙句、ごめんで済ませやがる。謝るだけで努力をしないとは許すまじ失態。ナイフよ刺され。
となるわけである。
これを防ぐためにはどうすればいいのか。
答えは簡単だ。
あなたも失敗すればいいのだ。
あなたにも主がいるようなので、それほど大失態をするわけではなく、俗に言うチャーミングな失敗をするのである。
周りの者は、普段失敗しないあなたも失敗するのかと親近感を覚え、以前より仲良くなるに違いないし、あなたも人の失敗が許せるようになるに違いない。
◆
問題の部下は眠っていた。
流石です。
おお、この悩み事は・・・なんというか素敵だなぁ。
「自分の性格をなんとかしたいです。
というのも、私は驚くほど失敗をしてしまいます。特に寝てはいけないときに寝てしまうあたりです。
例えば、待ち合わせの時間に遅れてしまったり、なにかに夢中になってしまって、自分のやるべきことをやらずに、自分の上司に仕事がまわっていたり・・・。
このおっちょこちょいな性格どうにかなりませんか?」
相思相愛・・・ではありませんが、すれ違いというかなんというか。
私も失敗をする。
というより、一部の人間を除いて普通は失敗をしてしまうものだ。
よって、あなたは失敗をすることを恥じる必要はあまりない。
が、あなたの場合は失敗を繰り返す傾向にある。
これは、非常によくない。
想像してほしいのだが、前を見ずに歩いて木に激突してしまった。頭が痛いので、頭をさすりながら歩いていると前が見えないので、また木に激突。これはなんということか、天のいる神様が私になにかしているのではないかと疑念に思い、天を睨みつけながら歩いていると顎を木にぶつける。次第にだんだん怖くなってきて、目をつぶって歩くことにした。すると(最初に戻る)。
あなたはこれを見て、こいつはなんと阿呆なことをしているのだろう、と思うだろうが、あなたの失敗はまさにそれだ。
だが、あなたは失敗を繰り返してしまっている。
それはなんとなれば、それを失敗と思っていない部分が心のどこかにあるからなのだろう。
だが、悩んでしまっているのは、主にそのことで上司に迷惑をかけるからだ。
失敗とは思っていない分、改善しようという気持ちも沸き起こらないし、その結果、失敗を繰り返す。
さっきの例えでいうと、木に激突するのだが、全く痛くないので無視してしまっても問題ない。つまり失敗とは思っていないのだ。
これを解決するには、例えば寝てしまうことを失敗と認めることなのだろうが、その点あなたは本当に起きなければならないときは起きる自信を持っている。
これを失敗と認めるにはなかなか難しい。
でも上司に迷惑をかけたくない。
自分が上司に迷惑をかけてしまう、という事を認める事から始めるのはいかがだろうか。
あなたが仕事で迷惑をかけてしまうことは確定している。
そうすることにより、上司の負担が増える。
では、仕事意外の事で上司の負担の軽減を図るべきだ。
その上司が完璧すぎて仕事では手も足も出せないなんて事態が発生するかもしれない。
その場合は、仕事意外の所で、上司のストレスを癒す、等手段を講じてみるとよいかもしれない。
◆
おっと、悩みがなさそうなあなたも悩みがある様子。なになに・・・。
「お酒をつい飲んでしまいます。私はお酒に強いほうなのですが、こうも毎日飲んでいると、自分自身を制御できていないような気がして不安です。」
・・・。
なんというか、らしい悩みです。
そもそも悪の根源があなたの友人の鬼のような気がしてならないんですが・・・。
あなたはお酒が大好きなのであろう。
私も大好きだ。
だから、あなたの気持ちがよくわかる。
あなたのお酒を飲むときの動機を全て排除すれば、即ち飲まない。
例えば、なんとなくなにもすることがないからお酒でも飲もうかな。お、そういえばこの前もらったワインが・・・。
例えば、喉が渇いた。お酒でも飲もうか。こういう時は熱燗に限るぜ。
例えば、ああ、友人にあんなことを言われた。やってられん。やけ酒だ。
例えば、仲間の宴会に招かれた。こんな時は飲まざるをえんな。たはは。飲めや歌えや。
例えば、お酒が飲みたい。そうだ、飲もう。
といったような感じだ。
まぁ、つまり、簡単に言うなれば、私達は生きる上で呼吸をして暮らしております。
また酒呑みにとって、お酒を飲むことは呼吸に等しいのだ。
だから、本当にお酒を飲まないようにするには、最終手段にうつるしかない。
即ち、お酒を飲みに飲みに飲みに飲みに飲みまくる。
更に飲んで飲んで飲んで飲んで、そろそろやばいかなぁと思いだした辺りで度数が高いお酒を中心に飲みまくる。
翌日、激しい二日酔いと共に、嘔吐感などが襲ってくる。
その間はお酒を飲みたいとは思えないでしょう。
うん。解決してない。
解決にはなっていないが、これで少しはお酒を飲みまくっている自分に対する悩みは減るだろう。
そもそも、ここの住人にお酒が嫌いな者などいないので、その悩み自体解決不可能な問題じゃないのかなと思っちゃったり。
◆
おや、先程の自分の性格が許せない人とは違って、今度は部下を真面目に働かせたいと来ましたか。
「私の部下が、サボタージュの達人です。
どうにか働かせようと色々としているのですが、彼女曰く、仕事をサボタージュするのは生きがい、とまで言い出すんです。
私はどうにかしてやりたいのです。
私にとっても、彼女にとっても、サボタージュはやめたほうがいいと思うのです。
しかし、どうにも解決策が思いつきません。」
あなたも理解できると思うのですが、どのような人も妖怪も神も、面倒臭いものは面倒臭いのです。
というか、本当に面倒くさい時はめんどいと言います。めんどい。
あなたは部下が仕事をサボタージュする理由として、めんどい、と部下が思っているのが8割で、後は意固地になっていたり、彼女が一度サボタージュをしてしまって、なんというか、ここまでサボタージュしてしまったし、もうやめるということは、私そのものをやめるということなのではないか、などというのが2割、と考えているのだと思う。
が、彼女は違う。
まぁ、簡単に言うと、あなたにかまってもらえるのが嬉しいかまってちゃん成分7割。そもそも仕事よりサボタージュのほうが楽しいというのが3割と言った感じです。
まぁ、そこはあなたお得意の説教でもかましてやりましょう。
やりたいことだけやっていきていけると思うなよ。
やりたいことをやるために、やりたくないことをやってみんな生きていってるでしょう?
と言ってやってください。
つまり、あなたの部下はサボタージュをあなたとのコミュニケーションの一貫としてサボタージュしちゃってるんです。
ですが、彼女の性格上、あなたが突き放してしまうと、さらに気分が優れなくなって、サボタージュというよりは、仕事をやる意味を失ってしまって、そもそも仕事をやめる、余った時間でそのへんをうろついた挙句、生きる意味を失い、三途の川にダイブしてしまう可能性がある。
よって、突き放すのは非常に危険である。
では、どうすればいいのか。
あなたが彼女を見放したという訳でもなく、また仕事をしたほうがあなたがかまってくれる状況にしてしまえばいいのです。
つまり、あなたは、サボタージュしろ!と命令するのです。
すると彼女は初めは戸惑い、命令通りサボタージュするでしょう。
そうするとあなたは彼女を業務的に褒めまくります。
そうすると、彼女はなんだか、軽く怒られているほうが、感情的なあなたが見れるので、今度は真面目に仕事しだします。
あなたはとっても嬉しいでしょうが、そこは我慢して、軽く叱ってやりなさい。
◆
なんというか、みなさん自分の事で悩むというよりは、他人の事について悩んでいる方が多い。
しかも、それでいてその人悩んでいる部分を愛しているのに、自分を騙して悩んでいらっしゃる。
「私はいたずらが大好きなので、友人によくいたずらをするのです。
もちろん、後には引きずらない程度の物を多めにしています。
私の友人と私はそういういたずらする、される関係に慣れていたので私は心配していなかったのですが、この前やりすぎてしまってから私の友人は口を聞いてくれなくなりました。
ですが、絶対に謝りたくありません。
謝らずに解決するいい方法はありませんでしょうか?」
あなたは友人とのコミュニケーションの一部分として、悪戯をしてきた。
その友人は、とても良い人のようで、悪戯をあなたのコミュニケーションとして受け取ってくれた。
素晴らしい友人だ。
だが、これはいかん。
というのも、いたずらというのは、あなたは楽しいが、やられる側はとてもびっくりするし、苦しいことが多い。
それが、落とし穴の下にフカフカクッションを用意していたとしてもだ。
・・・と言いたいのは山々なのではあるが、見たところあなたの友人はもはや悪戯を悪戯とはとっていない。
つまり、友人はあなたと会話するが如くいたずらを受けていたということになる。
一種のドMとも言えるかもしらん。
しかしながら、いたずらのプロフェッショナルであなたがいたずらの加減を間違えた。
そうすると友人は怒って、口をきかなくなった。
それは、友人の悪戯だ。間違いない。
そこらは私を信用してほしい。
人の心を見ぬく技術に長けているのだ。
あなたは、人に弱みをみせるのが非常に恥ずかしい。
であるからして、謝りたくもないし、自分から向こうにアクションを仕掛けたくない。
だが、友人はそろそろあなたが友人に悪戯しないので、物足りなく感じてきている。
話を戻すが、友人の悪戯はきっとあなたが謝ると、そこまで怒っていないことを表明して、あなたの恥ずかしがる所を楽しむ、という、まぁ、なんというか、お茶目な目論見を立てているのである。
だから、あなたから動かないと話は動かない。
いつかは向こうも折れるだろうが、あなたは一刻も早くこの問題を解決したいようなので、打開策を授ける。
まず、あなたから友人に謝るのだ。
といっても、これは嘘で、あなたは友人がなんちゃって、と言う前に落とし穴に突き落とすなり、なんなり、あなたお得意のいたずらを仕掛けてやれば良い。
つまり、あなたは一応謝りはしたが、それは、あなたの友人のその態度が悪戯であることを見抜いての謝りであって、また、あなたに悪戯するための謝りであるのだ。
そうすれば、あなたの友人はあなたを追いかけてくれるだろうから、全力疾走すればよいのだ。
◆
ついにやってきてしまった。
これは難しい。
私がこの悩みを解決するのに悩んでしまいそうだ。
「サイキョーすぎてこまる」
ううむ、どう困るかも読み取れないし、よって非常に難しい問題ではあるのだが、なんとか解決してみせよう。
あなたはさいきょうであるのに、こまっている。
これはおかしなことではないだろうか。
というのも、さいきょうであることはわるいことではないはずである。
なのにわたしさいきょうでこまったなぁ、よわったなぁ、となるのはひじょうにおかしなことだとおもうのだ。
つまり、さいきょうであることになやんでいることはなんらかのげいいんがあるはずだ。
いろいろなりゆうがかさなって、こまっているのだとおもうが、もっともおおきいのは、
さいきょうであるわたしのそんざいりゆう
だろう。
えーと、つまり、わたしはさいきょうなのに、わたしがさいきょうなことが、やくにたっていないきがする。
ということだ。
さいきょうのゆうこうかつようほうほうをかんがえることで、あなたのそのこまったなぁというきもちはきえるはずなのだ。
わたしがここで、かつようほうほうをいってもいいのだが、やはりそこはじぶんでかんがえるのがたのしいだろうから、わたしはあえてだまっておくことにする。
◆
この悩み事を抱えているキャラクターが多そうなので、まとめて解決したいと思います。
「自機になりたい」
ははぁ。
私もです。
ふむ、やはり、自機は魅力的だ。
誰もが憧れる自機。
それを一部の人が独占してしまうのは非常によくないと思う。
せめて、サポートでもいいから出してくれ。
非常によくわかるその気持ち。
が、実際に自機になるにもどうすればいいのかわからない。
そんな人の為に自機になるための方法を教えようと思う。
まず、第一に自機になりたいと強く思うことが必要だある。
全く欲しいと思わない者の所に自機は舞い込んでこない。
が、この文章を読んでいる大半の者は既に強く自機になりたい願望があるように思う。
では、何故なれないのか。
それは、あなたの自機になりたい願望が周りの者に伝わっていないからである。
あなたは、例えば次元を超えた存在の者があなたを見つめていたとしても、一瞬で自機になりたいと思っていることを悟らせることが必須である。
そうでないと、自機になることはない。
では、具体的にどうすればいいのか。
プロモーションをもっと過激にするのである。
例えば、ああ!(なんとも言えない悲壮感を漂わせながら)どうして私は自機になれないのだろうか!と道端でシャウトしてみたり、もしくは一歩歩くたびに、ジキ、ジキ、ジキ、と呟いてみたり、それから、三度の飯より自機がいいと嘆いてみたり、スペルカードに自機にまつわるなにかを登場させてみれば、周囲の者はいい加減に自機と喚き散らすのをやめさせたくなり、もしくは、自機の自分の身の恐怖を感じて、自機を譲ってくれるだろう。
と殴り書きした紙をどこに貼ればいいんでしょうか・・・。
これは困りました。
◆
「この幻想郷という土地で科学に手を出してしまっていいんでしょうか。
私は科学が大好きで、色々と開発してきたのですが、ここまで来て、この場所で科学の発展を促すのはいけないことなんじゃないか、と思うようになりました。
このまま続けて、幻想郷から私が消えてしまったりしないでしょうか?」
そういえば、この妖怪の作るモノは興味があるのですが、まだ詳しく見てないので、いつか見てみたいですね。
科学とは一体なんぞや。
そもそも、科学がどこからどこまで科学と言えるのかが確かではない。
それは例えば、姿が見えなくなる機械などであろうと考えるのが、普通の考えなのかもしれない。
だが、科学というのはもっとずっと昔から主に人間が発展させてきた。
例えば、農耕というのは既に科学だ。
自然をコントロールして、人工的に操作しているのだから、科学以外のなんでもないだろう。
それにだ、私達妖怪の能力というのさえ、科学といえるかもしれない。
空を飛ぶ、という行動は、自然のルールに反しているだろう。
鳥は?
鳥は翼をはばたかせて空を飛んでいる。
これも科学ではないのか?
と、まぁ科学を語るには私にもいささか知識が足りないのでなんとも言えないのだが、とりあえず、あなたが追い出されることはないだろう。
というのも、あなたが作ったモノは全て外の世界では実現できないようなものばかりなので、幻想郷にふさわしいと聞いたことがあるからである。
こんなことを論じている前に、あなたから科学を、発明を奪ってそれでもあなたがいきいきと生きていけるか、ということを考えて、追い出される覚悟で色々なモノを発明していってほしいと私は思う。
◆
幻想郷というのはいささか閉鎖的だと前から思っていました。
そうでないと幻想郷を保てないからと納得していましたが、こういう悩み事があると、もう少し開放的にならないかな、なんて思ってみたり。
「元々住んでいた現代が、時々懐かしくなって、稀に、衝動的に戻りたくなって、辛くなる。
もう、昔住んでいた所を忘れたい。」
あなたが生まれた場所はどこですか?
と私が今聞いたとする。
それから、10年後のあなたに
あなたが生まれた場所はどこですか?
と聞いたとしても、答えは変わらないだろう。
つまり、故郷は永遠に変わらない。
故郷はあなたの一部としてあなたと共に生き続ける。
故に、故郷は大切にしないといけないのだ。
多分あなたが戻りたくなるのは、向こうでやりたいことがあったり、誰でも感じる郷愁というものなのだろう。
だが、あなたはそこに戻れない。
すると苦しいので、忘れたくなる。
だが、本当にそれでいいのか、ということを考えてみて欲しい。
あなたは故郷のことを今でも思い出せるのだろう、その記憶を大切にして欲しい。
どうしても行きたい、というのならば、小説を読むといいだろう。
思考は光よりも速い、という言葉も私の好きな小説から学んだ言葉なのだが、実際にそのとおりだと思う。
思考はどこでも、いつでも、瞬間的に、思い浮かべた所へ連れていってくれる。
小説は誰かの思考だ。
だから、小説を読むことで、その人の思い浮かべる所へあなたを連れていってくれるという訳だ。
ここには大きな図書館がある。
そこにあなたの故郷についての小説があるかもしれない。
◆
ああ、疲れた。
そろそろもどろうかしら、と思いながらも今日アドバイスを与えた人や妖怪がどうなっているのか見たくて、少し寄り道をして帰る。
ん?あれは・・・ここの主ですね。
・・・主がゆえの悩み事が多く持ってらっしゃるようで、これを見逃す訳にはいけません。
「私には人間の友達がいます。
が、私の寿命の考えると、私より早く逝ってしまうことは明らかです。
その時のことを思うと辛くてたまりません。
私も一緒に死のうかと思いましたが、私には大切な妹がいますし、人間以外の友人もいます。
どうすればいいのでしょうか。」
大切な妹・・・か。
未来のことを考えず、今だけ見て行動する奴は阿呆である。
が、未来のことを考えて、今を全く考えない奴はもっと阿呆である。
というのも、未来というのは今を越えてやってくるので、今をどうにかしないと未来なんてやってこないからである。
だから、未来の事を考えて、悩む、なんてことはあなたを苦しめるだけだ。
未来のことがどうなるかはわからない、とは言ったものだが、まさにそのとおりで、明日あなたが人間より死ぬかもしれないのである。
が、逆に人間が死んでも、なんらかの形で私たちが会えるかもしれない。
もちろん死というのはそんなに軽いものではないので、会えるから今のうちに殺したろ、なんて思ったかもしれないが、それは違う。
生きているうちは精一杯生きるべきだ。
また、あなたは精一杯友人を大切にして、といっても甘やかしたりする、ということではなく、全力で友人と接してやるのだ。
もちろん、人間の友人ばかりではなく、昔からの友人や、大切な妹さんにも気をかけることを忘れてはいけない。
簡単に言うと、精一杯頑張ること以外私たちにできることはない。
また、それで結果が変わることの確証はないが、それでも精一杯頑張るしかないのだから、頑張ろう。
私も頑張りますから。
私も頑張りますから。
◆
はぁ、本当に今日はつかれた。
それに、結局私のアドバイスがどうなったのかわからない。
もしかしたら、逆に悪い方向へ行ってないかしら、と不安になってみたり。
自分の事も他人にアドバイスするときみたいに考えることができたらいいのに。
もう寝よう・・・。
◆
◆
朝、目が覚めると、机の上に見慣れない紙が。
人の心が読めてしまう、というのは、やはり、読まれる側にとっては迷惑なことです。
でも、迷惑をかけあうのはいつものことじゃないですか。
私達も今度迷惑をかけにいきますから、その時まで覚悟しておいてください。
あなたのお悩み事、解決いたします。
えーと、まぁ、人のお悩み事を勝手に覗いてしまう私はこの程度のことしかできない訳で。
とはいうものの、悩みを抱えた妖怪がいないと、話にならないので少しぶらついてみますか。
◆
お、記念すべき初悩み事です。
ふむ、ふむ。
「私の友達が馬鹿で⑨で困っています。
このままでは、私の友達がいたるところで損をしているではないかと思い、もっと賢くしてやりたいなぁと思っているのです。
ですが、私がどうにかしてやれる問題ではないため、私のご主人様に相談してみたりもするのですが、私のご主人様は全く気にも留めてくれません。
もう友達が心配で夜も眠れません。
このままでいいのでしょうか・・・?」
おや、これは心外。
全く気に留めていなかったとは失礼な。
ですが、きっちり夜も寝ているあたり、針小棒大なことを心の中で悩んでしまっているのはよくありません。
ということで解決策を授けましょう。
と言っても私が誰であるかはあまりばれないほうが良いかもしれません。
仮に、もしあなたの友人が馬鹿ではなくなったする。。
あなたの思う賢いような人になってしまった場合、どうなるでしょうか、想像してほしい。
例えば、あなたがその友人に会いに行くと、あなたの友人は何やら難しい本を読んでいる、と思うやいなや地上の図書館に駆け出し、その図書館の主となにやら話している。
あなたは、その友人と遊びたい気分なので、その話し合いにいれてもらおうと声をかける。
あなたの友人はとっても人がいいので、その話し合いに入れてくれるだろう。
しかし、言っている内容が意味不明、これは本当に日本語なのか。
そもそも、さっきから言っている事についてもし結論が出たからと言って、それがなんなのであろうか。
そんなことよりも今日の晩御飯のレシピを考えたほうがよっぽど有意義なのではないのだろうか・・・などと考えている内に眠ってしまい、目が覚めるとその友人が隣で本を読んでおり、それでもその友人は人がいいので、あなたにはこの話の面白さがわからない、とは言わずに、先程話していたことについて、多分私にとってもわかりやすく説明してくてくれる。
しかし、そもそもわかりやすくなったからと言ってあなたにとってそのことはさほど大事なことではないので、その話が退屈で仕方がない。
それでも一生懸命説明してくれている友人を前に寝てしまってはいけないので、なんとなく話に相槌を入れるのだが、賢い友人はその気持ちでさえ見抜き、やんわりと説明を切り上げてくれる。
そうすると、あなたはなんともいえない罪悪感に苛まれ、次第にその友人を自ら避けることになり、そのうち生きがいの一つであった友人とのコミュニケーションが減り、欝になって先程言っていた、あまり気にかけてくれないご主人に迷惑をかけるのだ。
つまり、あなたの友人の魅力は馬鹿であるところであり、それが賢くなると、また違った魅力が出てくるのは勿論なのだが、あなたの面倒見が良い性格上、頼られるのがこの上なく楽しい、嬉しい、ので、このままのほうがいいということである。
あなたは、馬鹿な友人をよく知っているので、なおさら頼られないことに対してストレスを感じてしまう。
それから、友人が馬鹿で損をしているのではないか、という心配ではあるのだが、確かに損をしていることが多々ある。
友人の心を私はよく知っているため、言わせてもらうが、あなたの友人は損をしたことも全力で楽しんでいる。
もちろん、困ったこともあるが、その時は頼れる友人がいるのであまり悩んでもいない。
だから、あなたは友人が馬鹿なことで悩むべきではない。夜もよく眠りなさい。
あ、あとご主人はあなたが思っている以上にあなたに気をかけているので、今後はもっと敬うように。
と手持ちの半紙に書き、留めておいた。
◆
地上に出て、しばらく歩くこと30分。
どこかに飛び去る人影から悩み事に臭いがするので、追跡しましょう。
お屋敷に到着。
さて、あなたのお悩みは・・・
「私の性格をなんとかしたいです。
というのも、私は人の失敗が、特に自分の部下の失敗が許せません。
例えば、私の部下はよく眠ってしまうのですが、これが何度も繰り返しあると、今ではもう間髪言わずに眉間にナイフを投げつけてしまいます。
暴力で私の部下の性格がどうにかなるとは思えず、やめよう、やめようと思っているのですが、つい勢いでやってしまいます。
その他にも、私の部下はちょっとした失敗が多く、私の主が許すようなことも、私はなにかしら罰与えてやりたくなっていることに気づきます。
この性格どうにかなりませんか?」
これは、誰にも相談できないだろうなぁ。
あなたの性格では特にだなぁ。
とにやにやしながら、筆を取った。
私も簡単に人の失敗を許せない。
大体の人は人の失敗を目の前で見せられるといらっと来ます。
特に身近にいるような人だったりするとなおさらです。
だから、あなたの性格が特別に嫌らしい訳ではないでしょう。
しかしながら、あなたは人一倍に許せないという。
私が思うに、あなたは非常に優秀な人だ。だから、それゆえに人の失敗が許せないに違いない。
つまり、どういうことかというと、例えば私が人の失敗を見てしまった場合に、その人を責めたとしましょう。するとその人は、お前だって失敗がないことはあるまい、この前だってお前を許してやったではないか、などと言い訳をし、それはもっともだと私は納得。
ですが、あなたの部下は、特に言い訳をしないのではないのだろうか。
それは、あなたの部下が言い訳をしない特別に素晴らしい人だというわけではなく、ただ、言い訳ができないのである。
というのも、理由は簡単だ。
先程も書いたとおり、あなたが非常に優秀・・・いや、非常に優秀というよりはもはや完璧の域に達しているからなのである。
つまり、あなたに失敗がないため、あなたさまも失敗しているじゃあございませんか、などとは言えない訳なのである。
逆にあなたの心の中は、また皿を割りやがったな、私がいつ皿を割ったというのだ。そもそも、お前には努力が足りない。私は皿を割らないように、どれだけ努力したと思っているのだ。ここにおいてある皿の大きさ、形、枚数、全てを把握した後、実際に水に濡らす等する前に手に持ってみる。それから自室で割れないプラスチック製の皿を高速で洗う練習だって何年も続けている。もし仮に落ちても、確実に拾って見せている。
というのに、お前はなんだ。何度も失敗した挙句、ごめんで済ませやがる。謝るだけで努力をしないとは許すまじ失態。ナイフよ刺され。
となるわけである。
これを防ぐためにはどうすればいいのか。
答えは簡単だ。
あなたも失敗すればいいのだ。
あなたにも主がいるようなので、それほど大失態をするわけではなく、俗に言うチャーミングな失敗をするのである。
周りの者は、普段失敗しないあなたも失敗するのかと親近感を覚え、以前より仲良くなるに違いないし、あなたも人の失敗が許せるようになるに違いない。
◆
問題の部下は眠っていた。
流石です。
おお、この悩み事は・・・なんというか素敵だなぁ。
「自分の性格をなんとかしたいです。
というのも、私は驚くほど失敗をしてしまいます。特に寝てはいけないときに寝てしまうあたりです。
例えば、待ち合わせの時間に遅れてしまったり、なにかに夢中になってしまって、自分のやるべきことをやらずに、自分の上司に仕事がまわっていたり・・・。
このおっちょこちょいな性格どうにかなりませんか?」
相思相愛・・・ではありませんが、すれ違いというかなんというか。
私も失敗をする。
というより、一部の人間を除いて普通は失敗をしてしまうものだ。
よって、あなたは失敗をすることを恥じる必要はあまりない。
が、あなたの場合は失敗を繰り返す傾向にある。
これは、非常によくない。
想像してほしいのだが、前を見ずに歩いて木に激突してしまった。頭が痛いので、頭をさすりながら歩いていると前が見えないので、また木に激突。これはなんということか、天のいる神様が私になにかしているのではないかと疑念に思い、天を睨みつけながら歩いていると顎を木にぶつける。次第にだんだん怖くなってきて、目をつぶって歩くことにした。すると(最初に戻る)。
あなたはこれを見て、こいつはなんと阿呆なことをしているのだろう、と思うだろうが、あなたの失敗はまさにそれだ。
だが、あなたは失敗を繰り返してしまっている。
それはなんとなれば、それを失敗と思っていない部分が心のどこかにあるからなのだろう。
だが、悩んでしまっているのは、主にそのことで上司に迷惑をかけるからだ。
失敗とは思っていない分、改善しようという気持ちも沸き起こらないし、その結果、失敗を繰り返す。
さっきの例えでいうと、木に激突するのだが、全く痛くないので無視してしまっても問題ない。つまり失敗とは思っていないのだ。
これを解決するには、例えば寝てしまうことを失敗と認めることなのだろうが、その点あなたは本当に起きなければならないときは起きる自信を持っている。
これを失敗と認めるにはなかなか難しい。
でも上司に迷惑をかけたくない。
自分が上司に迷惑をかけてしまう、という事を認める事から始めるのはいかがだろうか。
あなたが仕事で迷惑をかけてしまうことは確定している。
そうすることにより、上司の負担が増える。
では、仕事意外の事で上司の負担の軽減を図るべきだ。
その上司が完璧すぎて仕事では手も足も出せないなんて事態が発生するかもしれない。
その場合は、仕事意外の所で、上司のストレスを癒す、等手段を講じてみるとよいかもしれない。
◆
おっと、悩みがなさそうなあなたも悩みがある様子。なになに・・・。
「お酒をつい飲んでしまいます。私はお酒に強いほうなのですが、こうも毎日飲んでいると、自分自身を制御できていないような気がして不安です。」
・・・。
なんというか、らしい悩みです。
そもそも悪の根源があなたの友人の鬼のような気がしてならないんですが・・・。
あなたはお酒が大好きなのであろう。
私も大好きだ。
だから、あなたの気持ちがよくわかる。
あなたのお酒を飲むときの動機を全て排除すれば、即ち飲まない。
例えば、なんとなくなにもすることがないからお酒でも飲もうかな。お、そういえばこの前もらったワインが・・・。
例えば、喉が渇いた。お酒でも飲もうか。こういう時は熱燗に限るぜ。
例えば、ああ、友人にあんなことを言われた。やってられん。やけ酒だ。
例えば、仲間の宴会に招かれた。こんな時は飲まざるをえんな。たはは。飲めや歌えや。
例えば、お酒が飲みたい。そうだ、飲もう。
といったような感じだ。
まぁ、つまり、簡単に言うなれば、私達は生きる上で呼吸をして暮らしております。
また酒呑みにとって、お酒を飲むことは呼吸に等しいのだ。
だから、本当にお酒を飲まないようにするには、最終手段にうつるしかない。
即ち、お酒を飲みに飲みに飲みに飲みに飲みまくる。
更に飲んで飲んで飲んで飲んで、そろそろやばいかなぁと思いだした辺りで度数が高いお酒を中心に飲みまくる。
翌日、激しい二日酔いと共に、嘔吐感などが襲ってくる。
その間はお酒を飲みたいとは思えないでしょう。
うん。解決してない。
解決にはなっていないが、これで少しはお酒を飲みまくっている自分に対する悩みは減るだろう。
そもそも、ここの住人にお酒が嫌いな者などいないので、その悩み自体解決不可能な問題じゃないのかなと思っちゃったり。
◆
おや、先程の自分の性格が許せない人とは違って、今度は部下を真面目に働かせたいと来ましたか。
「私の部下が、サボタージュの達人です。
どうにか働かせようと色々としているのですが、彼女曰く、仕事をサボタージュするのは生きがい、とまで言い出すんです。
私はどうにかしてやりたいのです。
私にとっても、彼女にとっても、サボタージュはやめたほうがいいと思うのです。
しかし、どうにも解決策が思いつきません。」
あなたも理解できると思うのですが、どのような人も妖怪も神も、面倒臭いものは面倒臭いのです。
というか、本当に面倒くさい時はめんどいと言います。めんどい。
あなたは部下が仕事をサボタージュする理由として、めんどい、と部下が思っているのが8割で、後は意固地になっていたり、彼女が一度サボタージュをしてしまって、なんというか、ここまでサボタージュしてしまったし、もうやめるということは、私そのものをやめるということなのではないか、などというのが2割、と考えているのだと思う。
が、彼女は違う。
まぁ、簡単に言うと、あなたにかまってもらえるのが嬉しいかまってちゃん成分7割。そもそも仕事よりサボタージュのほうが楽しいというのが3割と言った感じです。
まぁ、そこはあなたお得意の説教でもかましてやりましょう。
やりたいことだけやっていきていけると思うなよ。
やりたいことをやるために、やりたくないことをやってみんな生きていってるでしょう?
と言ってやってください。
つまり、あなたの部下はサボタージュをあなたとのコミュニケーションの一貫としてサボタージュしちゃってるんです。
ですが、彼女の性格上、あなたが突き放してしまうと、さらに気分が優れなくなって、サボタージュというよりは、仕事をやる意味を失ってしまって、そもそも仕事をやめる、余った時間でそのへんをうろついた挙句、生きる意味を失い、三途の川にダイブしてしまう可能性がある。
よって、突き放すのは非常に危険である。
では、どうすればいいのか。
あなたが彼女を見放したという訳でもなく、また仕事をしたほうがあなたがかまってくれる状況にしてしまえばいいのです。
つまり、あなたは、サボタージュしろ!と命令するのです。
すると彼女は初めは戸惑い、命令通りサボタージュするでしょう。
そうするとあなたは彼女を業務的に褒めまくります。
そうすると、彼女はなんだか、軽く怒られているほうが、感情的なあなたが見れるので、今度は真面目に仕事しだします。
あなたはとっても嬉しいでしょうが、そこは我慢して、軽く叱ってやりなさい。
◆
なんというか、みなさん自分の事で悩むというよりは、他人の事について悩んでいる方が多い。
しかも、それでいてその人悩んでいる部分を愛しているのに、自分を騙して悩んでいらっしゃる。
「私はいたずらが大好きなので、友人によくいたずらをするのです。
もちろん、後には引きずらない程度の物を多めにしています。
私の友人と私はそういういたずらする、される関係に慣れていたので私は心配していなかったのですが、この前やりすぎてしまってから私の友人は口を聞いてくれなくなりました。
ですが、絶対に謝りたくありません。
謝らずに解決するいい方法はありませんでしょうか?」
あなたは友人とのコミュニケーションの一部分として、悪戯をしてきた。
その友人は、とても良い人のようで、悪戯をあなたのコミュニケーションとして受け取ってくれた。
素晴らしい友人だ。
だが、これはいかん。
というのも、いたずらというのは、あなたは楽しいが、やられる側はとてもびっくりするし、苦しいことが多い。
それが、落とし穴の下にフカフカクッションを用意していたとしてもだ。
・・・と言いたいのは山々なのではあるが、見たところあなたの友人はもはや悪戯を悪戯とはとっていない。
つまり、友人はあなたと会話するが如くいたずらを受けていたということになる。
一種のドMとも言えるかもしらん。
しかしながら、いたずらのプロフェッショナルであなたがいたずらの加減を間違えた。
そうすると友人は怒って、口をきかなくなった。
それは、友人の悪戯だ。間違いない。
そこらは私を信用してほしい。
人の心を見ぬく技術に長けているのだ。
あなたは、人に弱みをみせるのが非常に恥ずかしい。
であるからして、謝りたくもないし、自分から向こうにアクションを仕掛けたくない。
だが、友人はそろそろあなたが友人に悪戯しないので、物足りなく感じてきている。
話を戻すが、友人の悪戯はきっとあなたが謝ると、そこまで怒っていないことを表明して、あなたの恥ずかしがる所を楽しむ、という、まぁ、なんというか、お茶目な目論見を立てているのである。
だから、あなたから動かないと話は動かない。
いつかは向こうも折れるだろうが、あなたは一刻も早くこの問題を解決したいようなので、打開策を授ける。
まず、あなたから友人に謝るのだ。
といっても、これは嘘で、あなたは友人がなんちゃって、と言う前に落とし穴に突き落とすなり、なんなり、あなたお得意のいたずらを仕掛けてやれば良い。
つまり、あなたは一応謝りはしたが、それは、あなたの友人のその態度が悪戯であることを見抜いての謝りであって、また、あなたに悪戯するための謝りであるのだ。
そうすれば、あなたの友人はあなたを追いかけてくれるだろうから、全力疾走すればよいのだ。
◆
ついにやってきてしまった。
これは難しい。
私がこの悩みを解決するのに悩んでしまいそうだ。
「サイキョーすぎてこまる」
ううむ、どう困るかも読み取れないし、よって非常に難しい問題ではあるのだが、なんとか解決してみせよう。
あなたはさいきょうであるのに、こまっている。
これはおかしなことではないだろうか。
というのも、さいきょうであることはわるいことではないはずである。
なのにわたしさいきょうでこまったなぁ、よわったなぁ、となるのはひじょうにおかしなことだとおもうのだ。
つまり、さいきょうであることになやんでいることはなんらかのげいいんがあるはずだ。
いろいろなりゆうがかさなって、こまっているのだとおもうが、もっともおおきいのは、
さいきょうであるわたしのそんざいりゆう
だろう。
えーと、つまり、わたしはさいきょうなのに、わたしがさいきょうなことが、やくにたっていないきがする。
ということだ。
さいきょうのゆうこうかつようほうほうをかんがえることで、あなたのそのこまったなぁというきもちはきえるはずなのだ。
わたしがここで、かつようほうほうをいってもいいのだが、やはりそこはじぶんでかんがえるのがたのしいだろうから、わたしはあえてだまっておくことにする。
◆
この悩み事を抱えているキャラクターが多そうなので、まとめて解決したいと思います。
「自機になりたい」
ははぁ。
私もです。
ふむ、やはり、自機は魅力的だ。
誰もが憧れる自機。
それを一部の人が独占してしまうのは非常によくないと思う。
せめて、サポートでもいいから出してくれ。
非常によくわかるその気持ち。
が、実際に自機になるにもどうすればいいのかわからない。
そんな人の為に自機になるための方法を教えようと思う。
まず、第一に自機になりたいと強く思うことが必要だある。
全く欲しいと思わない者の所に自機は舞い込んでこない。
が、この文章を読んでいる大半の者は既に強く自機になりたい願望があるように思う。
では、何故なれないのか。
それは、あなたの自機になりたい願望が周りの者に伝わっていないからである。
あなたは、例えば次元を超えた存在の者があなたを見つめていたとしても、一瞬で自機になりたいと思っていることを悟らせることが必須である。
そうでないと、自機になることはない。
では、具体的にどうすればいいのか。
プロモーションをもっと過激にするのである。
例えば、ああ!(なんとも言えない悲壮感を漂わせながら)どうして私は自機になれないのだろうか!と道端でシャウトしてみたり、もしくは一歩歩くたびに、ジキ、ジキ、ジキ、と呟いてみたり、それから、三度の飯より自機がいいと嘆いてみたり、スペルカードに自機にまつわるなにかを登場させてみれば、周囲の者はいい加減に自機と喚き散らすのをやめさせたくなり、もしくは、自機の自分の身の恐怖を感じて、自機を譲ってくれるだろう。
と殴り書きした紙をどこに貼ればいいんでしょうか・・・。
これは困りました。
◆
「この幻想郷という土地で科学に手を出してしまっていいんでしょうか。
私は科学が大好きで、色々と開発してきたのですが、ここまで来て、この場所で科学の発展を促すのはいけないことなんじゃないか、と思うようになりました。
このまま続けて、幻想郷から私が消えてしまったりしないでしょうか?」
そういえば、この妖怪の作るモノは興味があるのですが、まだ詳しく見てないので、いつか見てみたいですね。
科学とは一体なんぞや。
そもそも、科学がどこからどこまで科学と言えるのかが確かではない。
それは例えば、姿が見えなくなる機械などであろうと考えるのが、普通の考えなのかもしれない。
だが、科学というのはもっとずっと昔から主に人間が発展させてきた。
例えば、農耕というのは既に科学だ。
自然をコントロールして、人工的に操作しているのだから、科学以外のなんでもないだろう。
それにだ、私達妖怪の能力というのさえ、科学といえるかもしれない。
空を飛ぶ、という行動は、自然のルールに反しているだろう。
鳥は?
鳥は翼をはばたかせて空を飛んでいる。
これも科学ではないのか?
と、まぁ科学を語るには私にもいささか知識が足りないのでなんとも言えないのだが、とりあえず、あなたが追い出されることはないだろう。
というのも、あなたが作ったモノは全て外の世界では実現できないようなものばかりなので、幻想郷にふさわしいと聞いたことがあるからである。
こんなことを論じている前に、あなたから科学を、発明を奪ってそれでもあなたがいきいきと生きていけるか、ということを考えて、追い出される覚悟で色々なモノを発明していってほしいと私は思う。
◆
幻想郷というのはいささか閉鎖的だと前から思っていました。
そうでないと幻想郷を保てないからと納得していましたが、こういう悩み事があると、もう少し開放的にならないかな、なんて思ってみたり。
「元々住んでいた現代が、時々懐かしくなって、稀に、衝動的に戻りたくなって、辛くなる。
もう、昔住んでいた所を忘れたい。」
あなたが生まれた場所はどこですか?
と私が今聞いたとする。
それから、10年後のあなたに
あなたが生まれた場所はどこですか?
と聞いたとしても、答えは変わらないだろう。
つまり、故郷は永遠に変わらない。
故郷はあなたの一部としてあなたと共に生き続ける。
故に、故郷は大切にしないといけないのだ。
多分あなたが戻りたくなるのは、向こうでやりたいことがあったり、誰でも感じる郷愁というものなのだろう。
だが、あなたはそこに戻れない。
すると苦しいので、忘れたくなる。
だが、本当にそれでいいのか、ということを考えてみて欲しい。
あなたは故郷のことを今でも思い出せるのだろう、その記憶を大切にして欲しい。
どうしても行きたい、というのならば、小説を読むといいだろう。
思考は光よりも速い、という言葉も私の好きな小説から学んだ言葉なのだが、実際にそのとおりだと思う。
思考はどこでも、いつでも、瞬間的に、思い浮かべた所へ連れていってくれる。
小説は誰かの思考だ。
だから、小説を読むことで、その人の思い浮かべる所へあなたを連れていってくれるという訳だ。
ここには大きな図書館がある。
そこにあなたの故郷についての小説があるかもしれない。
◆
ああ、疲れた。
そろそろもどろうかしら、と思いながらも今日アドバイスを与えた人や妖怪がどうなっているのか見たくて、少し寄り道をして帰る。
ん?あれは・・・ここの主ですね。
・・・主がゆえの悩み事が多く持ってらっしゃるようで、これを見逃す訳にはいけません。
「私には人間の友達がいます。
が、私の寿命の考えると、私より早く逝ってしまうことは明らかです。
その時のことを思うと辛くてたまりません。
私も一緒に死のうかと思いましたが、私には大切な妹がいますし、人間以外の友人もいます。
どうすればいいのでしょうか。」
大切な妹・・・か。
未来のことを考えず、今だけ見て行動する奴は阿呆である。
が、未来のことを考えて、今を全く考えない奴はもっと阿呆である。
というのも、未来というのは今を越えてやってくるので、今をどうにかしないと未来なんてやってこないからである。
だから、未来の事を考えて、悩む、なんてことはあなたを苦しめるだけだ。
未来のことがどうなるかはわからない、とは言ったものだが、まさにそのとおりで、明日あなたが人間より死ぬかもしれないのである。
が、逆に人間が死んでも、なんらかの形で私たちが会えるかもしれない。
もちろん死というのはそんなに軽いものではないので、会えるから今のうちに殺したろ、なんて思ったかもしれないが、それは違う。
生きているうちは精一杯生きるべきだ。
また、あなたは精一杯友人を大切にして、といっても甘やかしたりする、ということではなく、全力で友人と接してやるのだ。
もちろん、人間の友人ばかりではなく、昔からの友人や、大切な妹さんにも気をかけることを忘れてはいけない。
簡単に言うと、精一杯頑張ること以外私たちにできることはない。
また、それで結果が変わることの確証はないが、それでも精一杯頑張るしかないのだから、頑張ろう。
私も頑張りますから。
私も頑張りますから。
◆
はぁ、本当に今日はつかれた。
それに、結局私のアドバイスがどうなったのかわからない。
もしかしたら、逆に悪い方向へ行ってないかしら、と不安になってみたり。
自分の事も他人にアドバイスするときみたいに考えることができたらいいのに。
もう寝よう・・・。
◆
◆
朝、目が覚めると、机の上に見慣れない紙が。
人の心が読めてしまう、というのは、やはり、読まれる側にとっては迷惑なことです。
でも、迷惑をかけあうのはいつものことじゃないですか。
私達も今度迷惑をかけにいきますから、その時まで覚悟しておいてください。
そういう手法なんだしょうけど個人的には不完全燃焼。
本当に隠しておきたい悩みに踏み込まないのであれば、アリだと思う。
他人様の悩みに答えを出す人は、共感と鈍感が同居している必要があるんじゃないかと俺は思う。
おっかねぇもんな、答えを提示するのは。それが正解かなんてわからんのに。
でもお茶を濁してばかりもいられんもんね。まっこと人の世は難しいですわ。あ、妖怪の世もね。
部下を真面目に働かせたい上司さんへの答えには、「なるほど」と。
サイキョーすぎてこまってる娘さんにはただただ笑わせてもらった。
そして人間の友人を持つお嬢様への答え。
同意。それしかねぇもんよ。
綺麗事かもしれんけど、頑張るしかねぇもんよ。
適度にサボタージュを挟みつつネ。
文章のご指導ありがとうございます。
なるほど、綺麗な日本語に治せますね。
誤字等の指摘は有り難いのですが、多分修正はしません。
自分への戒めとして晒しておきます。
その他評価してくださった方、コメントくださった方ありがとうございます。
最後の文章は好意的に受け取っておきます。
結果はまあ個人個人の受け止め方だから書かなくて正解だったと思う。
さとりの行為がお節介かどうかは評価の分かれるところ。
さとりんかあいいw