Coolier - 新生・東方創想話

日常

2009/07/10 10:11:06
最終更新
サイズ
4.02KB
ページ数
1
閲覧数
878
評価数
1/11
POINT
260
Rate
4.75

分類タグ

天界の天人。
地上のモノからすれば、それこそ日々が祭日のような暮らし。
加え、自由に学を積むことも出来る。
得難い甘美な生活。
その実そう思っていられるのも束の間。
否、甘いが故に瞬く間に飽きを感じてしまうのかも知れない。
そんなことを考えながら、天子は地上へと向かう。二度崩壊した博麗神社を目指し。
緋想の剣は、持たなかった。



「こんにちは」
「あら、わざわざ天界からご苦労様。また痛い目にでも会いたいの?」
さらりと微笑みながら霊夢は天子を迎えた。割と本気だろう。そして誰が相手になるのか気になる。
「結構ですわ。否定の意味で」
「そう。じゃお土産持ってきて出直しなさい」
「いやらしいのね」
「お茶出してあげるから、今度からそうしてくれるとありがたいわ」
「それはどうも。心掛けます」
天子は縁側に座り、霊夢を待った。

「で?何しに来たの?」
茶を淹れた湯飲みを差し出し、天子と並ぶように霊夢も座った。
「ちょっとした退屈凌ぎに」
「・・・魔理沙でも来れば、相手して貰うんだけどねぇ」
「ぞっとしないわね」
「よく言うわ・・・。って、今日はあの剣持って来てないんだ」
「そう言えば、地上には貴方以外にも中々の力を持つモノが多くいるのね」
「ええ、面倒な連中だわ」
霊夢は苦笑いをしながら言う。
「死神もお迎え役はよく相手にしたものだけど、船頭役は初めてだったわ」
「船頭・・・ああ、小町かしら。本当にサボマイスタね・・・」
「問題児なんですか」
「貴女と同じでね。閻魔もちゃんと教育しなさいっての」
天子は一考して、尋ねた。
「彼女は何処にいるの?」
「あいつの所へ挨拶に行くの?」
「ええ」
「強いて言うなら三途の川かしらね。何処か別のところにも足を運んでそうだけど」
「そうですか。お茶、ありがとう」
「気が早いわね。ま、行ってらっしゃい」
「また機会があれば、天界のお土産を差し上げましょう」



三途の川。
霊夢の言った通り、小町はそこにいた。岩を背もたれにして川原で眠っている。
なるほど問題児だと天子は思った。
天子が歩み寄り、ある程度の間になると彼女は天子に気付く。
「おや、腐れ天人様じゃないか」
「その節はどうも。サボマイスタさん」
「誰の受け売りだいそりゃ・・・」苦笑する小町。
「さて、誰かしらね」
「此処に来たなんて、いよいよ渡る気にでもなったかい?」
爽やかな笑顔で小町は言う。死ぬか?という意味だ。
「ええ、それも面白いと思って」
「ほう」
小町は立ち上がり、身体を天子へと向ける。
「ただ・・・」
天子は不敵な笑みを浮かべる。
「自分より弱い存在に、逝かされるのは癪だわ」
互いの距離は小町の10歩と言ったところか。
「言うじゃないか。あの時負けた上、今は剣もないときてるのに」
だが小町は一瞬でその間を詰めるだろう。
「あれが私の本気だと思って?」
小町は鼻で笑う。まだ一切の間を詰めない。
「上等上等。お迎えさんがあの程度で伸されるようじゃ、あたいも悲しいってもんだ」
どちらかと言えば、自分より霊夢の方が小町に似ている。そんな事を思い、天子は掌を小町へと向けた。
「ルールは要らないわね?」
自分で言い、天子は身を硬くした。これで死ぬかも知れない。
「勿論。最期に言っておいてやろう。地獄は甘くない」
小町は鎌を構えた。その刹那、天子は眼が、脚が震え
「楽しみだわ」
自分が敗北する光景を思い浮かべてしまった。
「それじゃ」
小町がその場から消える。
― 鎌の間合いより遠くへ
鎌が振り下ろされる。
― 撃て、脇腹へ刺せ!
石を叩く音と、ゲッと小さな嗚咽がクリアに聴こえる。
― まだ止まれない、止まるな!
脇腹に要石が刺さった小町。一瞬天子と目が合う。
緊張感が高まる。
が、気付いた。
― 石を叩く?
小町から気が抜けるのが、天子には分かった。
「あんたもか?」
やや苦しげに、小町は笑う。
彼女が何を言っているのか一瞬考え、要石を当てた部位を言っているのだと理解した。
鎌の先端は、天を指している。
「・・・何それ」
「ちょっとお仕置きと思ったけど、中々素早いもんだね」
「私をからかっていたと?」
「お前さんもだろう?脇腹に一度入れて、次に決めるつもりだったのなら別だけどさ」
天子は舌打ちする。
「・・・飛んだ茶番だわ」
「そう言わない。あたいが勝手に殺すとマズいんだ」
「もし私が僅かに怯んだ貴女に止めを刺したら?その前に逃げ果せたとでも?」
「どうだかねぇ・・・」小町は川原へ座った。
「ま、死に急ぐもんじゃない。悪さしない限りその時まで生きるが得さ」
「そうね。少なくとも、貴女を殺してからこの川を渡りたいわね」
「おっかないもんだ。あたいはお前さんを殺せやしないってのに」
「それは貴女の為?私の為?」
「どっちかねぇ」
「・・・興が醒めた。帰る」
「あたいもそろそろ仕事に戻るか」
天子は小町へ背を向ける。
「今度は差し入れでも持ってきておくれよ」
天子は微笑む。
「そうしますわ」
やだ、なにこのgdgd・・・
天子の口調は安定させた方がよかったかなぁ。。。
sssof4s
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.210簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
ここからどうなるのかな、というところで終わってしまったので残念です。完結編か別の作品でまたお会いしたいです。
6.50名前が無い程度の能力削除
うん、流れじたいは悪くないと思った。もう少し地の文を多くした方が情景が伝わると思いますよー。
それと、三点リーダーは使ったほうがいい気がします。・・・だとなんだかそこが太字になってるみたいで、そこに目が行ったりするので。私だけかもしれませんが。

そして、続編期待! と言ってみる。
8.無評価sssof4s削除
やだ、評価貰ってる…

>>2
ありがとうございます。
ずっと前に友達に、オリジナルのSSで「後日談みたいなのは蛇足」って言われて読者の方に投げてみました。
…でもこれはそもそも本編が短いですね。。。

>>6
ありがとうございます。
上のSSで付け加え、「描写がくどい」って言われてこれも読者の方に投げてみました。
…でもこれは本当に少ないですね。
書いてる時は頭の中で状況がイメージで出来上がっちゃうから、その調整が大切ですね。。。
それと、・・・だと確かに太いですねw