熱気を帯びた、乾いた風に揺らされ、縁側の風鈴は、ちりん、とかわいらしい音をたてる。
その縁側に、私と魔理沙は、体を文字どおり大にして寝そべっていた。
「・・・・・・暑いぜ」
「・・・・・・暑いわ」
雲のない空からの日差しは強く、セミの声はやかましく、そして、なにより暑かった。
「・・・・・・・・・暑いぜ」
「・・・・・・・・・暑いわ」
「そうねぇ、確かにあついわ」
「・・・・・・って、紫、急に出てくると、びっくりするじゃない」
「びっくりだぜぇ・・・」
「あら、ごめんなさい」
「びっくりだぜぇ・・・・・・」
私と魔理沙の間に、いつの間にか、スキマ妖怪、八雲 紫も寝そべっていた。
「で、何の用なの」
私は、めんどくさそうに言った。
「あら、霊夢はせっかちねぇ・・・・・・。まぁ、いいわ。ねぇ、あなた達、明日ってどういう日か知ってる?」
紫は、何か秘密を言いたくて仕方ないという表情だ。
「ん、そうねぇ・・・・・・宴会なんか、明日やる予定あったかしら?」
「私の誕生日会でもいいぜ」
「あんたの誕生日会はずっと前にしたでしょ」
「何度あっても、いいものだぜ」
「そうだけど・・・・・・」
「はぁ・・・・・・あなた達、そうじゃなくて、空のことでよ」
紫は、少しがっかりしている。
「空?雲一つなく、これぞまさに、日本晴れ、というやつだな。だが、それがどうした?」
「昼の空じゃなくて、夜の空のことよ」
「そうねぇ・・・・・・確か、新月だったかしら」
私は、少し考えてから言った。
「それもそうだけど・・・・・・はぁ、もういいわ。明日は、流星群が一番綺麗に見れる日なのよ」
「龍凄軍って・・・・・・なに?どっかの新しい軍隊かしら」
「霊夢・・・・・・お前、流星群も知らないのか?」
二人は、あきれてこちらを見ている。
「うるさいわねぇ、知らないわよ、龍凄軍なんて」
私だけ知らないのは、ちょっと悔しかった。
「霊夢、流れる星が群れを成すで、流星群よ。そんな物騒な何とか軍じゃないわ」
「つまり、流れ星がたくさん見れるってことだ」
「流星群の期間には、ちょっと前から入ってたんだけどね。それが、明日の丑三つ時に一番多く見れるらしいの。これって、すてきじゃない」
紫は、ひどく楽しそうだ。
「それは、なかなかすてきね」
「でしょ、だから、今日の夜、みんなで流星群を見るわよ」
「紫・・・・・・おとといに宴会したばっかりよ」
「あら、宴会じゃなくて、天体観測よ」
紫は、すました顔だ。準備をして、片付ける側の事なんて、これっぽっちも頭に無いだろう。
「わかった、連絡はこの魔理沙様にまかせな」
いきなり立って、魔理沙は勝手に話を進めた。こいつもか。
「まかせたわ。あと、だからみんなに今のうちに昼寝でもしといてって言ってねぇ~」
「おう、私もさっさと連絡して、さっさと寝るぜ。それじゃ、じゃましたぜ」
そう言うと、魔理沙はすばやく箒に乗り、あっという間に視界から消えてしまった。
「あなたも早く寝なさいよ」
「うるさい」
「あら、一人じゃ寝れないの?添い寝でもしましょうか?」
「私が、あんたを眠らせましょうか?」
「あら、怖い」
「さっさと帰れ、このばか」
それじゃあ、またね、と言い、くすくす笑いながら、紫はスキマに戻っていった。
「はぁ・・・・・・しかたがない、か」
とりあえず、私も寝ることにした。
「それで、こうなるわけね」
「すごいだろ、私の腕は」
神社の前には、紅魔館、白玉楼、永遠亭のいつもの連中に加え、妖精やら記者やら人形遣いやら鬼やら騒霊やらでいっぱいだった。
空間はいじられ、広くひらけた場所には、ここにいる全員が入っても、ゆとりがまだあるような大きな敷物がひかれていた。
「フラン、この前みたいに、流れ星を壊したらだめよ」
「うん、わかったぁ~」
「ねぇ、永琳。妹紅とあの半獣は来てないの?」
「なんでも、姫様と一緒に星を見るくらいなら、死んだほうがましだと言って、来なかったらしいですよ」
「あら、どうやって死ぬのかしら」
「幽々子様!!夜雀は食べちゃだめって、言ってるじゃないですか!!」
「あら、妖夢、だいじょうぶよ、ちゃんと火に通すから」
「ひぃ~」
「・・・・・・うるさいわね」
「カオスだな・・・・・・」
セミの声より、こっちの方が騒々しい。
紫が、注目~、とか言いながら手をたたいて、のんびりと口を開く。
「じゃあ、そろそろ、見ましょうか。はい、みんな、寝ながら星を見ましょう」
みんな、いっせいにがさごそ動いて、敷物の上に寝る。
視界には、一本も木々がはいらなかった。
なるほど、空間を広げたのは、こういう理由もあるのか。
「なるほど、これなら首も疲れなくて楽だな」
「まぁ、確かにそうね」
腕を枕にして、私は、空を見た。
赤銅、乳白、黄、淡緑・・・・・・。
星々は、本当に様々な色と異なった光の加減で、真っ黒な闇にささやかな彩りを添えていた。
星々は、静かで、華やかだった。
月の光がなくてよかった、と私は思った。
『『『あっ・・・・・・』』』
一瞬だった。白い光は煌めき、落ちた。
まばたきしていたら、見逃していただろう。
静寂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・これで、終わり?」 私は、言った。
「いえ、これからよ」 彼女は、そう答えた。
そのとき、また流れ星が見えた。
今度は、淡い桃色の星で、夜空を駆けて、すぐ消えた。
「流星群ってのはね、普段はめったに見られない流れ星が、ひと時の間ならたくさん見れるってものなの。おそらくだけど、日が昇るまでに、あと20から30個位は見れると思うわ」
「つまり、連続して何個も流れるものじゃないのね」
「そうね、いつ流れるかなんて、わからないわ。だから、見逃さないようにじっと見るのよ」
目を凝らして、夜空を見る。
空は美しいままだ。
風が体をやわらかになでてゆく。
それは昼間の時と違い、涼しくて心地よかった。
虫の声が響く。
本当に静かだった。
時は、ゆっくり流れている。
・・・・・・・・・こう時間があると、いろんなことを考えてしまう。
過去の事、自分の生き方、これからの事・・・・・・。
そんな私の上を、流れ星は、何の前触れも無く、やってきては、消えてゆく。
「・・・・・・・・・こう時間があると、余計な事ばかり考えてしまうな」
魔理沙は、ぽつりとつぶやいた。そんな声に、パチュリーが答える。
「あら、じゃあ、こんなフォークロア知ってるかしら?」
「どんなのだ?」
「流れ星が見えている間に、三回願い事が言えると、その願いがかなうってお話」
「すごいなぁ、それ。じゃあ、例えば、もっと本が手に入りますように、とかか?」
「まぁ、それでもいいけど、流れ星は一瞬だから、もっと短い言葉の方がいいわね・・・・・・それに、そんなこと願う前に、図書館から持っていった本を返してよ」
あちこちで声があがる。
「酒!酒!酒!」
「私は、血、血、血、ね・・・・・・咲夜、時をとめるのは、無しよ」
「・・・・・・うぅ、わかりました」
「もっと強くなれますように、もっと強く・・・・・・」
「橙!橙!!!!橙!!!!!!!!!」
「肉、肉、人肉!」
「ともだち・・・ともだち・・・・・・ともだち・・・・・・・・・」
様々だ。顔を少しおこして、あたりを見る。
メイドは小さな声で何か言ってるし、アリスは、何かぼそぼそとを呪詛を唱えてるようにしか思えない。
魔理沙が、いきなり声をかけてくる。
「霊夢はなんだ?どうせ、腋だろ?」
「腋って、何よ。もっと別なのよ」
「じゃあ、なんだよ」
「・・・・・・・・・金」
「切実だな」「かわいそうです」「みじめね」「橙、見ちゃダメだ」「わきぃ・・・・・・」
「うっ、うるさいわね」
その時、一筋の光が流れた。
「ともだち!!!ともだち!!!!!!ともだちぃ~~!!!!!!!!!」
「酒!酒!酒!」
「・・・・・・胸、胸、胸」
「肉!肉!!人肉!!!」
「腋、腋、わきぃ~~~」
「橙!!!!橙!!!!!!!!!橙~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」
「金、金、金・・・・・・・・・って、誰よ、腋って言った奴は」
「あなたたち、そんな、別に声を出さなくても・・・・・・」
それからも、流れ星は、何度も黒い大空を、何度も何度も流れた。
声を出して願い事を言うやつは少なくなったが、みんな真剣に空を見ている。
きっと、心の中で様々なことを願っているのだろう。
私も自分の本当の願い事を考えながら、流れ星を待とう。
時間は、まだたくさんある。
空は美しい。
長い間、何度も見てきたが、飽きることは無かったし、これからも無いだろう。
「紫」
幽々子は、私の隣まで寝転がってきて、小さく声をかけてきた。
「何?」
私も小さく答える。
「みんなで見るってのも、なかなかいいわね」
「そう、ね・・・・・・」
流れ星は、あっという間だ。見えたと思えば、次の瞬間には、消えている。
彼らは、私達を喜ばせ、自分達はすぐに消えてゆく。
残るのは、私達と闇だけ。
辺りは、静寂になるだろう。
・・・・・・・・・それでも、私は、流れ星が好きだった。
一瞬でも、夜空を強い光で駆け抜ける、流れ星が好きだった。
「紫」
「何?」
「楽しいわね」
「ふふ・・・・・・ええ、楽しいわ」
白い流れ星が、夜空を流れ、少し尾をひいて、すぐ消えた。
その縁側に、私と魔理沙は、体を文字どおり大にして寝そべっていた。
「・・・・・・暑いぜ」
「・・・・・・暑いわ」
雲のない空からの日差しは強く、セミの声はやかましく、そして、なにより暑かった。
「・・・・・・・・・暑いぜ」
「・・・・・・・・・暑いわ」
「そうねぇ、確かにあついわ」
「・・・・・・って、紫、急に出てくると、びっくりするじゃない」
「びっくりだぜぇ・・・」
「あら、ごめんなさい」
「びっくりだぜぇ・・・・・・」
私と魔理沙の間に、いつの間にか、スキマ妖怪、八雲 紫も寝そべっていた。
「で、何の用なの」
私は、めんどくさそうに言った。
「あら、霊夢はせっかちねぇ・・・・・・。まぁ、いいわ。ねぇ、あなた達、明日ってどういう日か知ってる?」
紫は、何か秘密を言いたくて仕方ないという表情だ。
「ん、そうねぇ・・・・・・宴会なんか、明日やる予定あったかしら?」
「私の誕生日会でもいいぜ」
「あんたの誕生日会はずっと前にしたでしょ」
「何度あっても、いいものだぜ」
「そうだけど・・・・・・」
「はぁ・・・・・・あなた達、そうじゃなくて、空のことでよ」
紫は、少しがっかりしている。
「空?雲一つなく、これぞまさに、日本晴れ、というやつだな。だが、それがどうした?」
「昼の空じゃなくて、夜の空のことよ」
「そうねぇ・・・・・・確か、新月だったかしら」
私は、少し考えてから言った。
「それもそうだけど・・・・・・はぁ、もういいわ。明日は、流星群が一番綺麗に見れる日なのよ」
「龍凄軍って・・・・・・なに?どっかの新しい軍隊かしら」
「霊夢・・・・・・お前、流星群も知らないのか?」
二人は、あきれてこちらを見ている。
「うるさいわねぇ、知らないわよ、龍凄軍なんて」
私だけ知らないのは、ちょっと悔しかった。
「霊夢、流れる星が群れを成すで、流星群よ。そんな物騒な何とか軍じゃないわ」
「つまり、流れ星がたくさん見れるってことだ」
「流星群の期間には、ちょっと前から入ってたんだけどね。それが、明日の丑三つ時に一番多く見れるらしいの。これって、すてきじゃない」
紫は、ひどく楽しそうだ。
「それは、なかなかすてきね」
「でしょ、だから、今日の夜、みんなで流星群を見るわよ」
「紫・・・・・・おとといに宴会したばっかりよ」
「あら、宴会じゃなくて、天体観測よ」
紫は、すました顔だ。準備をして、片付ける側の事なんて、これっぽっちも頭に無いだろう。
「わかった、連絡はこの魔理沙様にまかせな」
いきなり立って、魔理沙は勝手に話を進めた。こいつもか。
「まかせたわ。あと、だからみんなに今のうちに昼寝でもしといてって言ってねぇ~」
「おう、私もさっさと連絡して、さっさと寝るぜ。それじゃ、じゃましたぜ」
そう言うと、魔理沙はすばやく箒に乗り、あっという間に視界から消えてしまった。
「あなたも早く寝なさいよ」
「うるさい」
「あら、一人じゃ寝れないの?添い寝でもしましょうか?」
「私が、あんたを眠らせましょうか?」
「あら、怖い」
「さっさと帰れ、このばか」
それじゃあ、またね、と言い、くすくす笑いながら、紫はスキマに戻っていった。
「はぁ・・・・・・しかたがない、か」
とりあえず、私も寝ることにした。
「それで、こうなるわけね」
「すごいだろ、私の腕は」
神社の前には、紅魔館、白玉楼、永遠亭のいつもの連中に加え、妖精やら記者やら人形遣いやら鬼やら騒霊やらでいっぱいだった。
空間はいじられ、広くひらけた場所には、ここにいる全員が入っても、ゆとりがまだあるような大きな敷物がひかれていた。
「フラン、この前みたいに、流れ星を壊したらだめよ」
「うん、わかったぁ~」
「ねぇ、永琳。妹紅とあの半獣は来てないの?」
「なんでも、姫様と一緒に星を見るくらいなら、死んだほうがましだと言って、来なかったらしいですよ」
「あら、どうやって死ぬのかしら」
「幽々子様!!夜雀は食べちゃだめって、言ってるじゃないですか!!」
「あら、妖夢、だいじょうぶよ、ちゃんと火に通すから」
「ひぃ~」
「・・・・・・うるさいわね」
「カオスだな・・・・・・」
セミの声より、こっちの方が騒々しい。
紫が、注目~、とか言いながら手をたたいて、のんびりと口を開く。
「じゃあ、そろそろ、見ましょうか。はい、みんな、寝ながら星を見ましょう」
みんな、いっせいにがさごそ動いて、敷物の上に寝る。
視界には、一本も木々がはいらなかった。
なるほど、空間を広げたのは、こういう理由もあるのか。
「なるほど、これなら首も疲れなくて楽だな」
「まぁ、確かにそうね」
腕を枕にして、私は、空を見た。
赤銅、乳白、黄、淡緑・・・・・・。
星々は、本当に様々な色と異なった光の加減で、真っ黒な闇にささやかな彩りを添えていた。
星々は、静かで、華やかだった。
月の光がなくてよかった、と私は思った。
『『『あっ・・・・・・』』』
一瞬だった。白い光は煌めき、落ちた。
まばたきしていたら、見逃していただろう。
静寂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・これで、終わり?」 私は、言った。
「いえ、これからよ」 彼女は、そう答えた。
そのとき、また流れ星が見えた。
今度は、淡い桃色の星で、夜空を駆けて、すぐ消えた。
「流星群ってのはね、普段はめったに見られない流れ星が、ひと時の間ならたくさん見れるってものなの。おそらくだけど、日が昇るまでに、あと20から30個位は見れると思うわ」
「つまり、連続して何個も流れるものじゃないのね」
「そうね、いつ流れるかなんて、わからないわ。だから、見逃さないようにじっと見るのよ」
目を凝らして、夜空を見る。
空は美しいままだ。
風が体をやわらかになでてゆく。
それは昼間の時と違い、涼しくて心地よかった。
虫の声が響く。
本当に静かだった。
時は、ゆっくり流れている。
・・・・・・・・・こう時間があると、いろんなことを考えてしまう。
過去の事、自分の生き方、これからの事・・・・・・。
そんな私の上を、流れ星は、何の前触れも無く、やってきては、消えてゆく。
「・・・・・・・・・こう時間があると、余計な事ばかり考えてしまうな」
魔理沙は、ぽつりとつぶやいた。そんな声に、パチュリーが答える。
「あら、じゃあ、こんなフォークロア知ってるかしら?」
「どんなのだ?」
「流れ星が見えている間に、三回願い事が言えると、その願いがかなうってお話」
「すごいなぁ、それ。じゃあ、例えば、もっと本が手に入りますように、とかか?」
「まぁ、それでもいいけど、流れ星は一瞬だから、もっと短い言葉の方がいいわね・・・・・・それに、そんなこと願う前に、図書館から持っていった本を返してよ」
あちこちで声があがる。
「酒!酒!酒!」
「私は、血、血、血、ね・・・・・・咲夜、時をとめるのは、無しよ」
「・・・・・・うぅ、わかりました」
「もっと強くなれますように、もっと強く・・・・・・」
「橙!橙!!!!橙!!!!!!!!!」
「肉、肉、人肉!」
「ともだち・・・ともだち・・・・・・ともだち・・・・・・・・・」
様々だ。顔を少しおこして、あたりを見る。
メイドは小さな声で何か言ってるし、アリスは、何かぼそぼそとを呪詛を唱えてるようにしか思えない。
魔理沙が、いきなり声をかけてくる。
「霊夢はなんだ?どうせ、腋だろ?」
「腋って、何よ。もっと別なのよ」
「じゃあ、なんだよ」
「・・・・・・・・・金」
「切実だな」「かわいそうです」「みじめね」「橙、見ちゃダメだ」「わきぃ・・・・・・」
「うっ、うるさいわね」
その時、一筋の光が流れた。
「ともだち!!!ともだち!!!!!!ともだちぃ~~!!!!!!!!!」
「酒!酒!酒!」
「・・・・・・胸、胸、胸」
「肉!肉!!人肉!!!」
「腋、腋、わきぃ~~~」
「橙!!!!橙!!!!!!!!!橙~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」
「金、金、金・・・・・・・・・って、誰よ、腋って言った奴は」
「あなたたち、そんな、別に声を出さなくても・・・・・・」
それからも、流れ星は、何度も黒い大空を、何度も何度も流れた。
声を出して願い事を言うやつは少なくなったが、みんな真剣に空を見ている。
きっと、心の中で様々なことを願っているのだろう。
私も自分の本当の願い事を考えながら、流れ星を待とう。
時間は、まだたくさんある。
空は美しい。
長い間、何度も見てきたが、飽きることは無かったし、これからも無いだろう。
「紫」
幽々子は、私の隣まで寝転がってきて、小さく声をかけてきた。
「何?」
私も小さく答える。
「みんなで見るってのも、なかなかいいわね」
「そう、ね・・・・・・」
流れ星は、あっという間だ。見えたと思えば、次の瞬間には、消えている。
彼らは、私達を喜ばせ、自分達はすぐに消えてゆく。
残るのは、私達と闇だけ。
辺りは、静寂になるだろう。
・・・・・・・・・それでも、私は、流れ星が好きだった。
一瞬でも、夜空を強い光で駆け抜ける、流れ星が好きだった。
「紫」
「何?」
「楽しいわね」
「ふふ・・・・・・ええ、楽しいわ」
白い流れ星が、夜空を流れ、少し尾をひいて、すぐ消えた。
次の作品を心待ちにしています^^よろしくです。
アリスに幸あれ!
そもそも行間を空けていれば記号自体必要もないかと…
漢字と平仮名の使い分けに統一性が無いのが気になりました
願い事にワロタ。
これからの作品に期待です。