Coolier - 新生・東方創想話

ちゃいなだいありー

2006/10/06 09:09:43
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○月×日
 うららかな春の日の午後。戻ってきた春の日の午後。
 私はぽかぽか陽気に包まれながら流れる雲を見つめていました。
 気持ちのいい日です。まるで私の未来を祝福しているかのよう。こんな日は気持ちも自然と優雅になっちゃう気がします。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
 さわやかな挨拶が澄み切った青空にこだまします。
 紅魔館のお庭に集う乙女の一人が今日も天使のような無垢な笑顔で背の高い門を潜り抜けようとしています。
 そしてぽかぽか陽気は文字通り肌を焦がす熱風となり、優雅な気分は瞬時に掻き消えてしまいました。
「邪魔するぜ♪」
 魔理沙さんです。
 いきなりマスタースパークです。問答無用でマスタースパークです。
 挨拶代わりに恋符なんて、いったいどんな思考回路をしているのでしょう?
 直撃を受けて動けない私を尻目に魔理沙さんは「パチェいるか~? いないわけないか~」とご機嫌な様子で屋敷の中に飛び去っていきました。
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・
 今月これで8回目です。ほぼ毎日です。
 そして毎回ほぼ瞬殺です。3分保ったことないです。門番の意味、ありません。
 別に魔理沙さんや霊夢さんの来訪を阻害するつもりはありませんが。それでも戯れで吹っかけてくる喧嘩を買うことすらできないのはいかがなものでしょう。
 無能な自分に腹が立ちます。そしてじわじわと危機感が募ります。
 役に立たない私をお嬢様が何時までもこの館に置いておく必要があるのでしょうか、と。
 そういえばお嬢様の私を見る目が最近冷たいような気がします。
 咲夜さんの口からお小言以外の台詞を聞いた覚えがありません。
 まずいです。やばいです。
 このままでは何時暇を出されてもおかしくはありません。
 紅魔館の門番でない私は最早私ではありません。この世界に存在している意味すらありません。
 だってこの場所が私のすべてなのですから。真紅の姫君にお仕えすることこそが私のすべてなのですから。
 早急に汚名を返上する必要があります。そのためには強くならなきゃ。
 薄れゆく意識の中で、私はそんなことを思いました。


 ○月×日
 今日から私は生まれ変わります。そう心に誓った朝の空はどんより曇っていました。いきなり決意が鈍りそうです。
 いえいえ、そんなことでめげてはいけないわ、美鈴。
 気を取り直して特訓です。まずは基礎となる身体能力の向上を目指します。
 手始めに館の周りを10周! 何があっても折れることの無い不屈の足腰を作り上げるのです!
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・
 紅魔館が如何に巨大な屋敷であるかを忘れていました。
 行けども行けども壁ばかりです。お嬢様の肌のように白い外壁が果てしなく続いています。
 どこまで続いているのでしょう。永遠の屋敷は別の場所でしょうに。
 3周が限界でした。妥協ではありません。サボりでもありません。ただ思惑と著しく異なっていた、それだけのことですはい。
 呼吸を整え次は技を磨き上げます。私の取り得は体術。新しいことに取り組むよりも今の自分を高めることが向上への早道です。
 これでもちゃんと考えてるんですよ。
 背筋を伸ばして姿勢を整え、気合一声、正面に正拳、そして上段蹴り!
 これを千回、今度はちゃんとやり遂げます、それ一、二、三!
 お腹の底から声を出して、一、二、三、一、二、三!
 
「うるさいわよ中国」

 咲夜さんに怒られました。どうやら私の声が屋敷の中まで聞こえていたようです。
「すみません」
 深々と頭を下げる素直な私。最近謝ってばかりです。咲夜さんは怪訝そうな表情で私を一瞥するとすぐに姿を消しました。
 とんだご迷惑をかけてしまいました。もう少し声を顰めることにしましょう。
 それにしても咲夜さん。何度も言うようですが私の名前は中国ではありません。
 私は紅美鈴。紅魔の館の来訪者を告げる美しき鈴です。
 こんなにも素晴らしい名前があるというのにどうして皆さん、妙なあだ名で呼ぶのでしょう?
 名前と見た目以外には私の中にチャイナっぽい部分はないつもりなのですが。
 まあいいです。すべては私の不徳が招いたこと。今に見ていてください、必ず名前に相応しい立派な門番に生まれ変わってみせますとも!
 特訓を再会です。何回目からだっけ? 100は越えたと覚えがあるのですが。
 この際だからリセットしちゃいましょう。甘えを許さず最初から、私の決意は生半可なものではないのです。
 それイーリャンサン、イーリャンサン!

 ・・・・・・あれ?


 ○月×日

 本日の特訓のノルマを午前中のうちにこなし、私はふと考えました。
 身体を鍛えるのも結構ですけど、果たしてそれだけでよいのでしょうかと。
 「力」とは持っているだけでは意味がありません。重要なのはその使い方なのです。
 つまり戦うための「知識」もまた、今の私には必要ではないかと思い至りました。
 知識といえばあの人です。私は図書館へと向かいました。
 一心不乱に書物に目を落としていたパチュリー様は私がやってきたことに気がつくと密かに眉を顰めます。読書の邪魔をされたくなかったのでしょうか。
 でも私が「門番として何か参考になる文献はありませんか」と尋ねると、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに顔を輝かせて何冊かの読本を持ってきて下さいました。
 一番上の一冊を手に取ります。そしてパラパラと目を通します。活字は正直苦手なのですがそうも言っていられません。
 でも読み進めていくうちに私は没頭していました。それは正に私にぴったりの文献だったのです。
 それは一人の門番の物語でした。定めにより主の住まう屋敷の門を警護する一人の男性の物語。
 彼は特別な存在でしたが、特別な力を持っているわけではありませんでした。
 でも彼は己が極めた技のみでその名を天に轟かせ。そして最後まで忠実で優秀な門番であり続けたのです。
 感動しました。涙が出ました。
 私は彼を尊敬します。私も彼のようになりたい。

 佐々木小次郎。彼は素晴らしい門番です!

 その後更にパチュリー様から勧められた「ゲートキーパーズ」を全読破。
 ゲートキーパーズなのに能力発動のかけ声が「ゲートオープン!」なのはどうなのでしょうとかユリ子ちゃんかわいい、とか思いながらひたすらにむさぼり読みました。気がつけばとっぷりと日が暮れていました。
 目も疲れたしお腹も減ったので今日はここまでにしよう、と図書館を出ると玄関付近でばったりと霊夢さんと出会いました。
 咲夜さんに見送られて、どうやらこれからお帰りのようです。

 ・・・・・・え? 今から、「お帰り」・・・・・・?

「誰もいなかったから。勝手に入らせてもらったわよ」
 意地悪そうににやにやと笑う霊夢さん。脂汗がどっと噴き出ます。
 私は機械仕掛けのようにギリギリと首を回して咲夜さんに視線を移しました。
「・・・・・・職場放棄とはいい度胸してるわね、中国」
 はうわ、絶対零度の冷たい視線! チルノちゃんもびっくりのブリザードです!
「い、いえ、あのその」
「・・・・・・北京ダックって知ってる?」
 ナイフが煌きます。知っています。鶏の皮を調理する中華料理です。
 私は脱兎の如く逃げ去りました。その時の私はおそらく幻想郷の最速を越えていたでしょう。


 ○月×日

 先日の失態は反省文の提出だけで許してもらえました。流石レミリアお嬢様、懐が広くていらっしゃいます。
 でも持ち場を離れて読書に耽っていたというのは事実。大反省です。今度から休憩時間か就寝前に借りて読むことにしましょう。
 さて。本日は真面目に門番です。いや今までは不真面目だったというわけではないのですけど。
 兎に角頑張らなくちゃ。お嬢様のためにも自分のためにも。
 今までの反省を生かして、せめて気持ちだけでも何人たりとも門を通さぬ心意気で!

 ・・・・・・その時の私に出会うことができるならば、言ってやりたいです。
 そうやって入れ込みすぎるから、取り返しのつかない大失敗を犯してしまうのだと。

 それは夕方過ぎのことでした。珍しくそれまでに一人の来客も現れませんでした。
「失礼する。レミリア・スカーレット嬢はご在宅か」
 見覚えの無い男性でした。でもめちゃくちゃ胡散臭い男性でした。
 最近暖かくなってきたというのに足元を隠すくらいの真っ黒なコート。同色の帽子で顔が半分見えません。
 しかも極めつけはお供に引き連れている蝙蝠の大群。これを妖しいと言わずして何と言いましょう。私は思わず身構えます。
「事前にアポイントを取られていない方はお通しできないことになっております。また日を改めて下さいませ」
 最近は突破されてばかりですけれどね。
「緊急の用事なのだ。至急取次ぎを願いたい」
 一見丁寧な物腰ですけれど。でもその目は完全に私を見下しています。気に入りません。
「ご用件でしたら私がまず伺います」
「お前のような下女では話にならん。いいからレミリアを呼んでこい」
 かちーん。
 何でしょう、この言い草。
 私を下女扱いもさることながら、よりにもよってお嬢様を呼び捨てにするなんて!
「それともお前の主は客人一人出迎えることが出来ぬか。ふん、『スカーレット・デビル』とは礼節を知らぬが故に付けられた仇名か」
「お話になりませんね」
 決定です。大決定です。この男は間違いなく敵です。
 レミリアお嬢様を侮辱する輩は、誰であろうと決して許しはしません。
 門番大原則ひとーつ! 紅魔の館に仇成すものは、即刻全力をもって排除すべし!
「どうしても通りたければ、この私を倒してからどうぞ」
 挑発的に拳を突き出し構えを取ります。瞬時に男の顔色が変わりました。
「馬鹿馬鹿しい」
 それでも男は辛うじて体裁を取り繕います。そうすることで自分は格上だと見せ付けたいのでしょう。ふん、チンケなプライドですこと。
「どうしました。よもや下女一人あしらえぬような御方がレミリア様にご面会できる資格があるとでも?」
「どのような理屈だ。実に下らない。まさかこのような不遜の輩に門番を任せているとは。やはりレミリアの程度が知れるというも――」
 皆まで言わせはしませんでした。
 次の瞬間、私の拳が男の顔面を捉えていました。
「ぐはっ!」
 あっけなく男は吹き飛びます。二回転して顔から地面に激突。お供の蝙蝠がキイキイと集まります。
「――貴様如きがお嬢様を語るな」
 完全に頭に血が昇っていました。
「貴様如きが容易く口にして良い名ではない! 我が主は運命すらも奏でる、高貴なる紅魔の姫君なるぞ!」
「あ・・・・・・う・・・・・・」
「不遜はどちらだ汚れし輩よ! そうして地べたを這いずる貴様がお嬢様に相応だと思うてか!」
「お前・・・・・・こんなことをして、ただで済むと・・・・・・」
「頭を揚げるな、泥を舐めていろ! そうして口腔から堕落しなく血を垂れ流しながら無様に敗走するがいい! それが貴様にはお似合いだ!」
 お嬢様のために。
 すべてはレミリアお嬢様のために。
 この男に、この男にだけは門を潜らせるわけにはいかない。
 ただ、それだけ。
 本当にそれだけの想いだったのです。
 
「美鈴! あなた何をやっているのっ!」

「! 咲夜さ――」
 咲夜さんが屋敷を飛び出してきました。私の脇を駆け足ですり抜けて、男の身体に手を添えます。
「申し訳ありません、申し訳ありません! 我等の門番が、とんでもないご無礼を――」
 男に肩を貸しながら、咲夜さんが私をきっ、と睨みつけます。その表情に皮肉など一欠片もありません。
「――困ったことをしてくれたわね、美鈴」
 それは本当に困った顔でした。久しぶりに呼ばれた私の名が、刃となって私の身を切り刻みます。
 漸く。頭が冷静になってきて。
 私はとんでもないことをしてしまったのだと思い知りました。
 レミリア様の大事な客人。それがどんなに許し難い男でも客人は客人。
 その客人を私は、私は――
「何処の世界にお客様を問答無用で叩きのめす門番がいるの」
 私の周りには問答無用で門番を叩きのめすお客様ばかりですが。なんて皮肉を言える雰囲気ではありません。
「咲夜さん、私――」
「これ以上の発言は許しません。あなたの処遇は追って伝えますから自室で待機していなさい。さ、どうぞこちらへ」
 処遇。
 ああ、そうだ。これは罰が必する過ちなんだ。
 後悔してももう遅すぎます。私は咲夜さんと、咲夜さんに担がれながらなにやら文句を並び立てる男の背中を。
 ただ、呆然と。立ち尽くしたまま見つめることしかできませんでした。


 深夜。私は住み慣れた自室をそっと後にしました。
 あれから誰も何も言ってきません。私の処遇はおろか、あの男がどうなったかも誰も教えてくれません。
 でも、あれだけの失態をやらかした後です。私のクビはもう確定でしょう。
 だから私は自ら出て行くことを決めました。
 無責任で身勝手だとは思うけれど。このままではあまりにも辛すぎるから。
 荷物は着替えが少しだけ。元より無趣味な女です。荷造りには手間取りません。
 足取り重く廊下を歩き。かつての職場であった玄関へと向かいます。
 すると。
「あら、美鈴」
「!」
 最後に一番逢いたくて。そして一番出会いたくない人物に出会ってしまいました。
「お、お嬢様・・・・・・どうして」
 深夜は吸血鬼の時間帯。ですから起きていらっしゃること自体は不思議ではありません。
 でもお嬢様のご自室は遥か屋敷の奥。なのにこんなところにどうして?
「少し喉が渇いてしまって」
 はあ、さいですか。それでも厨房とはまったく逆方向から出ていらした気がするのですが。ああ、成る程。あちらには咲夜さんのご自室があるのでした。
「貴方こそどうしたの? こんな時間に」
「い、いえその」
 慌てて荷物を後ろに隠します。何をやっているのでしょうか。
 正直に言えばいいでしょうに。正直に言うしかないでしょうに。
「ふ、うん――まあ、いいわ。それよりも」
 どきり。私の心臓が跳ね上がります。お嬢様がさも愉快であったと言わんばかりに。
「傑作だったわね。夕刻のアレ」
「!」
 どうしたってその話題になるのは必然でした。枕の言葉が何やら予想と違っていましたが瑣末なことです。
「も、申し訳ありませんでした!」
「え?」
 深々と頭を下げます。
「申し訳ありませんでした申し訳ありませんでした申し訳ありませんでした!」
「ちょ、ちょっと、美鈴・・・・・・?」
 何度も何度も。ただただ平身低頭。どれだけ詫びても償うことなどできませんが、それでも私にはこうすることしかできなかったから。
「責任を取って私は出て行きます! 長い間お世話になりました!」
 涙が、零れます。敬愛するお嬢様の顔に泥を塗ってしまったこと。それがどうしても自分では許せなくて。
 それでもどうしていいかわからなくて。だから消えてしまいたかった。
 こんな自分が、レミリア様の側にいることが我慢できなかった。
 でも、それでも。
 いざ御身を目の前にすると。この御方と別れることがどうしようもなく辛くて悲しくて。
 私はただ、涙に暮れることしか出来なかったのです。
「・・・・・・顔を上げなさい」
 どれくらいそうしていたでしょう。呆れたようにため息をつきながら、お嬢様は呟きました。
「お嬢、さま・・・・・・」
「許さないから」
「そう・・・・・・でしょうね・・・・・・」
「出て行くなんて許さないから」
「・・・・・・え?」
 今、何と仰いましたか?
「貴方は耳まで使えないの? 私の許可無く勝手に出て行くなんて許さない、と言ったの」
 ならば、許可を下さい。どうかお嬢様の手で私を裁いて下さい。
「だから、どうしてそうなるの。いいから顔を上げなさい」
 お嬢様の言葉に私は抗う術を持ちません。ぼやけた視界に真紅の瞳が映ります。
「そもそも。許す許さない以前に貴方に行動の決定権など無いの。貴方は私の所有物。モノが勝手に出て行くなんてことが有り得て?」
 すわ、何と傲慢な物言いでしょう。でも恐ろしいまでの説得力を感じます。
 そう、それでこそレミリア・スカーレット。私がすべてを捧げて悔やまぬ姫君であらせられるのです。
「そして逆もまた然り、よ。私が貴方の所有者である以上、私は貴方のすべてを受け入れる。それが失態であろうとも」
「・・・・・・」
 いつしか。息をすることさえ忘れていました。それほどに私はお嬢様に魅入られていたのです。
「貴方の無能も。貴方の無様も。未熟も欠落もそれが咎であろうとも。何一つこの紅魔の姫を揺るがすことはない。だから」
 だから。その続きを、望んでも良いのでしょうか。
「勿論よ。胸を張りなさい紅美鈴。貴方はこの館の門番。それ以外の何者でもないし何者にもなれないわ」
「私を・・・・・・許していただけるのですか」
「だから許すも何もないと言っているじゃない」
「ありがとう・・・・・・ございます・・・・・・」
 また涙です。今日の私は本当に無様です。
 でもそれで良いのだと言っていただけました。私はこれからも、私のままで良いのだと。
 それからお嬢様は私が落ち着くまでずっと側にいてくださって。そして期を見計らって夕方の件の顛末を話してくださいました。
「あの男は遠方の吸血鬼の一族の一人でね。尤もあちらが中心部らしいんだけど」
 どうやら吸血鬼の寄合のようなものが定期的に開かれているらしく、それにまったく参加しようとしないお嬢様に業を煮やして使者としてやってきたらしいです。
「権威を掲げて互いに慰め合う実に下らない会合よ。それがわかってるから出席する気にもならなかったの。何より面倒臭いし」
 実にお嬢様らしい解答ですね。
「どういう意味よ――まあ、とにかく不愉快な男だったわ。『若輩故にこのような場で貴方は存在を示す必要がある』だの、『何時までも遊戯に興じる身分ではありますまい?』だの。あまりにも不愉快だったから再生不可能なくらいの肉塊にまで切り刻んでやったわ」
 うわ。いいんですか、それって。
「いきなり拳を叩き込んだ貴方に言われたくはないんだけど。咲夜も言ってたわよ。『門番としての対応には問題があったけど美鈴は間違ってはいなかった』ってね」
 あはは。そーなんですか。
「そういうこと。だから何も気にすることなんてないわ。貴方は今まで通り明日から職務に励みなさい」
 はい、勿論です!
「その身が朽ちる、最後の瞬間まで。貴方は私のために在り続ける。そう在り続けなければならない。そのことだけはようく自覚すること。いいわね?」
 はい、勿論です! 私は紅魔館の門番、紅美鈴です!
「よろしい。それじゃ私は部屋に戻るわ。貴方ももう休みなさい。明日も早いわよ」
「はい! ありがとうございました!」
 深々と一礼します。お嬢様は満足そうに頷くと、小さな羽根を上機嫌に揺らしながら去って行かれました。


 そして今。私も部屋に戻りこうして日記を書いています。
 長くて大変な一日でしたけど、何とか笑い話で済むことができました。
 やはり私はまだまだ修行が足りません。お嬢様にああは言われましたけど、それでも未熟なままでいるべきではないと思います。
 私はもっと強くなります。紅魔館の門番として恥じぬよう。これからも精進を続けたいと思います。
 とりあえずの目標! 魔理沙さん相手に10分以上保つこと!
 ・・・・・・ちょっと志が低い、かな?

 それでは本日はこの辺で筆を置きたいと思います。
 おやすみなさい。明日もいい日でありますように。


 ~おしまい~







 


 今回が初投稿になります。
 皆様の目にどんな風に映るのか、楽しみでもあり不安でもあり。
 設定等に齟齬が無ければ良いのですけれど。
desio
[email protected]
http://www.k4.dion.ne.jp/~touhoubb/
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コメント



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28.80Admiral削除
GJ!美鈴。
良いお嬢様、良い門番でした。
31.80kikutu削除
佐々木小次郎が門番って・・・
Σ(・Д・) フェイトですか!?
33.80削除
美鈴は小次郎を目指せる。

…たとえば微妙に出番の少ないところとか。
34.70名前が無い程度の能力削除
イーリャンサン吹いたwwww これだけで花丸あげますっ
45.90時空や空間を翔る程度の能力削除
紅美鈴
佐々木小次郎を間違って理解・・・
門番ではないのに・・・・・