Coolier - 新生・東方創想話

お寺の木に居る黒い奴

2022/09/12 00:31:37
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 その羽、人を刈って喰う為の鎌だから赤く染まってるんだろ。
聖さんに見られていて、僕らはいい気になっていたのかも知れない。僕の友達は黒い奴を指差して、たった今二人ででっち上げた都市伝説を叫んだ。奴と目が合った。
(その様に使ってやろうか。)
とたんに背後の空気が淀んで濁り、くうから現れたあいつが友達の喉元に鎌の先を引っ掛けた。体をこわばらせた友達をそのまま後ろから、腕と六本の羽できつく抱き締める。
窮屈な体勢の彼に耳元で少し囁いた後に、奴は僕の方に友達を突き放した。

 誰が喰ってやるか、このがきぃ、とんでもない早鐘打ってやんの。聴いたこと無いや。
黒いのはにやにやしながら言うと、そのにやついた顔のまま元居た木の枝に戻って行った。が、聖さんが歩いてくるのを見るや動揺して縮こまっていたので、その隙にそっと人里へ帰った。
後で何を囁かれたのか聞いたら、"食われたきゃもっと男前になってから来やがれ"とのことらしい。
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コメント



0.220簡易評価
1.50名前が無い程度の能力削除
なんか惜しい。あと少し付け加えればもっと面白くなりそう
3.100名前が無い程度の能力削除
短いながらも雰囲気や関係性が伝わってきました
8.80東ノ目削除
極端に短い作品というのは大抵要素や起伏に欠けるのですが、これは短いながらも要素が詰まっていて技巧を感じました