Coolier - 新生・東方創想話

マリアリについて本気出して考えてみた

2011/07/22 01:27:50
最終更新
サイズ
7.66KB
ページ数
1
閲覧数
1603
評価数
15/71
POINT
3770
Rate
10.54

分類タグ

-注意-
タイトルと内容はそれほど関係ありません。




博麗神社の昼下がり。私たちは縁側でお茶を飲んでいた。

「ねぇ魔理沙」
「なんだぜ?」
「マリアリ……って知ってる?」

霊夢の口から聞いたこともない単語が飛んでくる。

「ん…なんだそれ?」
「いや、だからマリアリよ。」

だからわかんないって。

「初めて聞く単語だぜ。どういう意味だ?」
「魔理沙とアリスを足して略した言葉らしいわ。」

霊夢はお茶をずずっとすすり一呼吸おいてからそう答えた。

なるほど。それなら合点がいく。だけど。

「……だからなんなのぜ?」

ただ二人の名前を略した言葉に何の意味があるのか?

「厳密には、あなたとアリスが仲良くしている様子のことを指すらしいわ。」
「はぁ?」
「つまりいつものあんたたちの様子を、外の世界の住人はマリアリって呼んでるみたいね。」

そういうとまた霊夢はずずっとお茶をすすった。

なにがなんだかわからない。
その……私とアリスの関係を。

「なぁ「今の私たち」ってどういうことなんだ?」
「具体的に知りたい?」
「ん?ああ、一応聞いてみるぜ。」
「じゃあ」

そう言って霊夢は立ち上がると引出しから何冊か薄い本を取り出して
私に差し出した。
その本の表紙にはどれも、白と黒の配色が特徴的な魔女服を着た金髪の少女と
同じく金髪でカチューシャがトレードマークの青いワンピースに身を包んだ女性の絵が描かれていた。

「なんだこれ?私とアリス!?」
「外の世界の本。紫にもらったの。読んでみる?」

恐らく自分達をモデルにしたらしい人物が描かれた数冊の本。
私は恐る恐る手に取りページを捲っていく。


そこに描かれた内容


  一緒に異変を解決しにいく


ああ、まぁ何回かはあるな。目的が一緒になったりすることもあるし。
つかいっぱにされたこともあるけど。


  二人でティータイムを過ごす


うん、まぁあるな。あいつの作るお菓子おいしいし。
一緒に出掛けたときは必ずと言っていいほどごちそうになってるな。


  箒で二人乗りで宴会から帰る。


ああ、アイツ意外とお酒弱いからな。
鬼や天狗に飲まされすぎてクタクタになっちゃったアイツを送って行くこともよくあるからな。


「……あの子ホントはお酒強いのにね」
「なんか言ったか?」
「ううん、なんでもないわ。」

考えている事を読まれた気がした。
だって送ってくれって頼まれるのはホントのことだもん。

えーと……他には


  手を繋いで人里でお買い物


「ああ、あるあ……うぇ!?」
「どうしたの魔理沙?」
「い……いや、なんでもない……」
「そう」

平常心を装うが動揺は隠せていないらしい。
霊夢はお茶をすすりながらも口元はニヤニヤしている。
ちくしょう……。

先日二人で買い物には行った。
その時、確かに手をつないで歩いてたが……

「想像でしょ?外の世界の人の。なんでそんなに焦ってるの?」
「……へっ……べつに……焦ってなんかないぜ!」

また心を読まれた。
霊夢はいつから悟り妖怪になったんだ?

まぁいいや。とりあえず他の本を……と
新しく手に取った本からは何処となくさっきまで読んでいたものとは違う雰囲気が漂っていた。

「ん……R-18!?」
「ああ、成人向けね。春画本ってやつよ。」
「ああ、なるほど……え」

春画……つまり……えっち本ってこと……?

「いやなら無理に読まなくてもいいわよ。」
「え……あ……まってれいむ!」

本を取り上げようとする霊夢の手を思わず掴んでしまった。

「あ……」
「ふふふ。素直でよろしい。」

またやられた。

「ち……ちがうぞ。スケベ心とかじゃなくてこれは純然たる好奇心というやつでだな!」
「顔真っ赤にして言われても説得力ないわよ」

またニヤニヤと……
どこまでわたしをいぢめれば気が済むんだ……。

まぁいいとりあえず読んでみよう。えーっと


  キスをする


あ、え……うん。まぁ……したことあるけど……。

一旦喉を潤すためにお茶へ手を伸ばす。
うん少し落ち着いた、それにしてもすごくショックだ。
私たちの中のキスっていうものはお互いの唇に軽くチュってするのが当たり前という認識だったから……。
それにここに描かれている「私たち」のキスは、大人のキスってやつか。
してみたいけど……。アリスがいいよっていうかな……。


で……次は…………


「……っ!!」


「………………………………………………………………………」


「………………………………………………………………………」


「………………………………………………………………………」



ぱたん



「ど……どうしたの魔理沙!?」

何万光年か先から霊夢の声が聞こえてくる。

「ちょ……ほら……起きて!しっかりしなさい」

ぺしぺしと霊夢が私の頬を叩いているのがわかる。でもそんなことよりも頭が熱くて


そのまま私は意識を手放した





--------------------------------------------------------------------------------------------------



まずいことになった……。


魔理沙は私が渡した本を読んでいる最中に頭が茹ってしまったみたいだ。

顔真っ赤。魔理沙が初心なのは知ってたけどまさかこれほどとは……

とりあえず急いで台所に向かい氷を集める。
氷嚢を作って座布団を下にして寝ている魔理沙の頭の上に乗せてあげた。

「うーん……うーん……」

「しばらくはそっとしておいてあげた方が良さそうみたいね……。」

と、その前にアイツにこの事を知らせておく必要があるだろう。
目が覚めたら迎えに来てもらわなきゃ。

私は寝ている魔理沙のエプロンポケットを探った。

「あったあった。」

アリスの形をした手のひらサイズの人形
ちなみにアリスはこのサイズの魔理沙人形を持っている。
この人形は通信用に使えるらしく先日二人で(見てる側からはとても恥ずかしい)動作テストを行っていたのだ。

それを思い出したらちょっとイラッと来たのだが友人のよしみということで許してやる。

えと、とりあえずこの人形に話かければアリスに直通するはず。

「あー、アリス?聞こえる?」

待つことコンマ数秒で返事が返ってきた

「あ!魔理沙?ちょうどよかったわ?おいしいクッキー焼けたの。食べにくる?」

いつものトーンより若干高いアリスの声にまたイラッとしたが友人のよしみで許してやる。

「いやいや、わたしよわたし。」
「あ、れ……霊夢?え?なんで?」

この様子だと相当あわてている様子。都会派はアドリブが効かないみたいだ。

「ちょっと魔理沙が大変なことになっちゃったから。迎えに来てくれる?」
「え?魔理沙が!?どうしたの?」
「事情は後で話すから。じゃあよろしく。あとおいしいクッキーもお願いね。」

そう告げて私は通信を切った。
……なんだか疲れた。


それから数分後血相を変えたアリスがウチにやってきた。きちんとクッキー持参で。




------------------------------------------------------------------------------------------------------



魔理沙が倒れたと聞いて私は急いで神社に駆け付けた。
妖怪に傷つけられたのか、それとも悪い病気にかかってしまったのか。
正直気が気ではなかった。

神社についた後霊夢から今の魔理沙の容態の説明を受けた。

「えっと、本を読んでて熱中症にかかったと?」
「厳密には熱中症ではないとは思うけど……まぁ似たようなものよ。今は呑気にぐーすか寝てるけどね」

脱力した反面、安堵が大きかった。

居間へと通してもらうと
そこには座布団を枕にして安らかに眠っている魔理沙がいた。

「だいぶ顔色も戻ってきたみたいね。」
「もう……あんまり魔理沙をいじめないでよ」
「私はそんなことしていないわ。ただ」

そういって霊夢は私に一冊の薄い本を見せた。

「なにこれ春画?ってこれ私たち……!?」

描かれてる絵を見て少し驚いたが霊夢は「外の世界の本よ」と一言だけつぶやいて居間から出て行った。
興味本位で数ページ読んだら、魔理沙が「こんなふう」になってしまった原因がすぐに分かった。

「……たしかにこの子にはまだ刺激が強いのかもね。」

眠っている魔理沙の頭を優しく撫でてあげると、くすぐったそうに嬉しそうに「うにゃう」とうなった。

「……ここまで、はまだちょっと早いけど……」

魔理沙の顔が近くなるにつれて胸の辺りが熱くなってくる。

「大人のキスくらいは……」
「ありすぅ……」
「っ!!」

魔理沙の目が静かに開いた。

「魔理沙……起きてたの?」
「……ちょっと前から。なぁアリス。」
「なぁに?」
「わたしは……アリスがいいなら……その……」

また顔を赤くして、少し涙目になっている魔理沙が可愛くて

「いい?」


私が訪ねると魔理沙はこくりと頷いて目を閉じた。


バレていないはず。私も魔理沙と同じくらい顔が赤くなっていることに







その日私たちは初めて大人のキスを交わした。




------------------------------------------------------------------------------------------------------



霊夢は空気を読んでいた。

ふすまの向こうで麦茶を持ったまま二人の様子を見守る霊夢は
穏やかかつクールな気持ちでこう呟いた。




「家でやれ」
いつでも同じところ(ちゅっちゅ)にいきつきます。

それでは読んでくださった方。ありがとうございました。
次回作もよろしければ是非
SWI
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.2310簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
だいたい合ってたのかwwwwこれは良いマリアリ
8.100名前が無い程度の能力削除
顔が熱くなるな
10.100名前が無い程度の能力削除
ちゅっちゅ
14.100名前が無い程度の能力削除
ナイスマリアリ。
そして霊夢w
18.100奇声を発する程度の能力削除
朝から良いの読ませて貰いました
23.90コチドリ削除
まりありはべりいまそかり。

東方文法においてはゆかれいむに次ぐ重要な活用形だと私は認識しております。
にしてもなんだこの女子会は。ニヤニヤが止まらんではないか。
ちゅっちゅに特化させたこの作品、そして作者様の姿勢。清々しくて好きだぜ。
25.100名前が無い程度の能力削除
ちゅっちゅ
26.90名前が無い程度の能力削除
最後の一言のインパクトがw
29.100名前が無い程度の能力削除
どうあがいてもマリアリ……っ!
33.90名前が無い程度の能力削除
家でやれ
43.100名前が無い程度の能力削除
ラスト一行に、世界の真理が書いてあるな。
46.90月宮 あゆ削除
魔理沙の純粋さ
アリスの声のトーンが上がるシーンなど2828するシーンが多々あり読み応えがありました。

第三者から見るとまさに「家でやれ」それに尽きます。
51.100名前が無い程度の能力削除
なんだこれ面白いw
自分達を題材にした本が存在してる嫌悪感とか考えちゃだめだよな
初心な魔理沙が可愛かったです
54.100名前が無い程度の能力削除
もうこれが中間報告でおk
67.100非現実世界に棲む者削除
マリアリフィーバー!