Coolier - 新生・東方創想話

はっちゃけ1/1

2004/07/05 03:35:49
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 この作品は『人形のくれた奇跡』を先に読んだほうが話しのネタがわかります。
 ちなみに結構壊れているので、そう言うのがだめな人は、すぐに戻るをクリックしてください。
























「ふうっ・・・・」

 ここは紅魔館。
 メイド長である十六夜 咲夜は仕事をしていた。

「ようやく一段落ついたわね。」
「ごくろうさまです、咲夜さん。」
「貴方たちもごくろうさま。」
「はい。それにしても、今日はだいぶ気合が入っていましたね。何か良い事でもあったんですか?」
「いいえ、特にないわ。それじゃ悪いんだけど先に休憩させてもらうわ。後始末のほう頼める?」
「はい、わかりました。お疲れ様です。」
「ええ、夕飯はあなたたちに任せるから。」

 わかりました、とメイドが言うと、咲夜はいそいそと部屋に戻っていった。



























 紅魔館のメイド長、十六夜 咲夜の部屋。

「・・・・・・・・・・ふふふ。」

 奇妙な笑い声。
 今部屋に居るのは咲夜のみ。
 もちろん笑っているのは咲夜だ。

「ふふふふ・・・・・ははははは・・・。」

 何やらとてもヤバい感じの笑い声だ。
 先程よりも声のトーンが上がる。
 咲夜は、部屋にある大きめの箱を見ながら笑っている。

「ふっふっふ・・・あはははは・・・・あーはっはっはっはっは!!」

 うん、ヤバイね。
 咲夜は体中からどす黒いオーラを出している。
 目にいたっては桃源郷まっしぐら。
 このままいけば、間違いなく刑務所行き、または精神科病院行きだろう。
 咲夜が見ている箱には・・・・・




                  1/1スケールレミリア人形  アリスより

 と書かれていた。

「あーーはっはっは!!ついに・・・・ついに私はやったのね!!」

 先程の良い事があったのかと言う質問は、ずばりその通りだった。
 箱を見ながら歓喜の声を上げる。
 先程、アリスが紅魔館を訪ねて来て、これを届けてくれた。
 いわゆる、魔女の宅急便。
 ちなみに、誰にも知られないよう時間帯などは最初から決められていた。


「ふーー、まあ見ているだけじゃ意味ないし。さて、そろそろご開帳~~~~!」

 勢いよく箱を開ける・・・と言うよりこじ開ける。

「こ、これが・・・!?」

 そこにあったのは、間違いなくレミリア人形だった。
 一見、見ただけでは本人と間違ってしまいそうなほどそっくり。
 そこにあるのは咲夜が思ってた以上の代物だった。

「す、すばらしい!流石は本職が作ってくれただけの事はあるわね。私が作ったやつとは大違いだわ。さて、確か取り
扱い説明書があるってアリスが言ってたけど・・・・ああ、これね。なになに・・・・・」

                       十六夜 咲夜様へ

 とりあえず仕上がりました。写真しかモデルになる物がなかったので、本物とは少し違うかもしれませんが、そこは
ご了承ください。取り扱いについてですが特別注意するポイントはありません。放置する場所も適当でかまいません。
体が汚れてきたなと思ったら、お風呂に入れて綺麗にして上げてください。それで今回、ちょっとしたおまけを付けと
きました。それは喜怒哀楽、感情の変化です。咲夜さんがどのように扱うかによって、うれしい表情になったり、悲し
い表情になったりします。一度使って見ると分かりやすいです。ちなみに声はでません。

                     アリス・マーガトロイドより

「ふ~ん。感情の変化ねぇ。」

 そう言ってレミリア人形を見る。

「どのように扱うか、か。どうやったらいいかわからないけど、まあ適当にやってみるかな。それにしても・・」
『・・・・・・・』←レミリア人形
「ほんとに似てるわね。ちょっと背が0.37cm・羽の角度が0.2496°違うけど。」

 そう言ってレミリア人形の顔を覗き込む。

『・・・・・・・』
(肌の色・感触・顔の成り立ちなんかをここまで再現するとは。まさに瓜二つ・・・・。)

 じぃぃ―――――――――――――・・・・・
『・・・・・・・パチ』←ウインク

 ぶっしゅううううぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!←鼻血

 レミリア人形 絶命勝利!!!

 大量の血を出し、そのまま倒れこむ咲夜。

「ふ・・・・・ふふふふふ。なるほど、そう言う事だったの。」

 辺り一面に広がる血だまり。
 しいて言えば、この血を集めれば子供用のビニールプールが一杯になるぐらい。
 本来なら間違いなく出血大量で死んでいます。つか人間の体にそんだけ血ってあったっけか?

「さすが・・・・流石はアリス!!我が人生に一遍の悔いなし!!!」

 両手でガッツポーズをかます。
 きっと他の人なら、頼むから倒れててくれと言いたくなるだろう。

「さあ、早くこれで色々しなくてわ!!その前に部屋の掃除を。」

 ~~~~メイド掃除中~~~~

 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 ~~~~メイド掃除終了~~~~

「思ったより時間がかかったわね。まあ時間を止めておいたし、問題ないか。」

 これにて終了・・・・なんて事はできない。本番はこれからこれから。

「さて、これでやる事は後一つ。」

 クルッと首をレミリア人形に向ける。

「ふっふっふっふっふ。これで私の思うままにこれをイジれる。あんな事や、こんな事も・・・・はっ!?いかんいか
ん、つい涎が・・・さあお嬢様、お待たせにしました。十六夜 咲夜いかせてもらいます!いざ、尋常に勝負!!!」


そのままレミリア人形を抱えベットに押し倒ガチャ

「すいません。咲夜さん。ちょっと用事・・・・が・・」

 流石中国四千年の歴史←意味不明
 来るタイミングはピッタリである。

「え、え~と、その・・・あ、後でまた来ますので~、それでは失礼させて・・・」
「マチナサイ。」

 しかし、美鈴は回り込まれた!!
 エスケープ作戦は失敗に終わる。
 気が付いたら、咲夜は美鈴の隣にいた。

「・・・・見たわね・・・・・・。」
「い、いや、あの、その・・・・あはははは・・・・・。」

 思いっきり苦笑い。

「・・・・・・美鈴。」
「ハイ!何でございましょうか、咲夜様!?」

 ただ今の紅 美鈴忠誠心度 咲夜>レミリア
 今の咲夜は、フランですら裸足で逃げ出しそうなほど恐ろしい。

「ゆ、ゆるしてください!決して誰にも喋りませんから。だから、だから解雇通告だけは!!」
「・・・・アラ、別にそんな事しないわよ。だって門番がいなきゃ何かと不都合でしょ?あなたは紅魔館内でも強い方
だし。」
「そ、そうですか・・・。」

 助かったと心の奥底から安堵の息を漏らす。

「ええ、だから大丈夫よ。これからもがんばって紅魔館の門番を勤めてね。白玉楼の住人として。」
「それだけはいやああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!」

 解雇通告どころか死刑決定であった。

「・・・・・まあ、今回は許して上げるわ。幸せの絶頂だし、鍵をかけ忘れてた私のオチ度もあるし。」
「は、はあ、ありがとうございます・・・・。と、ところで、なんでお嬢様が咲夜さんの部屋に?」
「あら、そう見える?やっぱ本物そっくりだから間違うのかしら。よく見て御覧なさい。」
「は、はい。」

 そう言われたので、とりあえず観察をする。
 ・・・・・そういえば

「さっきから全然喋ったり、動いたりしないなと思ってましたが、これ人形ですか?」
「ええ、そうよ。」
「随分よく出来てますね。全然分かりませんでした。」
「知り合いの人形師に作ってもらったの。それにしてもちゃんと本物と偽者くらい見分けられなきゃだめでしょ。」
「す、すいません。だってあまりに似てたから。」

 と言うより、咲夜以外誰にも分からないのでは?

「まあ、分かったら早く出て行ってくれない?私はやらなきゃいけない事があるんだから。」
「は、はい。分かりました(やる事って、さっきの続きかな?)。」
「それと、分かってると思うけど誰かにこの事を喋ったら・・・・・」

   シャキーン←ナイフを数本だす

「華人小娘こと紅 美鈴、死んでも咲夜様との約束守らしてもらいます!!」
「ならいいわ、行きなさい。」
「ハイ!失礼します!!」

 美鈴はゴキブリ並の逃げ足で出て行った。

「やれやれ、とんだ邪魔が入ったわ。でもこれで邪魔者は消えたし、さあ、続きを!!!」

 さっさと続きの準備を始める。
 ちなみに、またしても夢中になってたせいで、鍵をかけ忘れてます。
















「ふーー。助かった・・・・。」

 咲夜の部屋から出た美鈴は、今度こそ安堵の息を漏らした。

「用事は・・・・後でいいか。別にたいした事でもないし。」

 とりあえず少し休もうとした時

「あれ、美鈴じゃない。こんな所でなにしてるの?」
「あ、妹様。どうも。」
「質問に答えてよ。もしかしてサボり?」
「ち、違いますよ。門番は交代しましたし、ちょっと咲夜さんに用事があっただけです。」
「ふ~ん。どんな?」
「たいした事じゃありませんので。それに色々とお取り込み中だったみたいですし・・・・。」

 ・・・・・・・あ

「へ~~、どんな事してたの?」
「(しまった)いや、別にたいして・・・あははは。」
「何、私に言えないとでも言うの?いい度胸ね。」

 一難さってまた一難とはよく言ったものだ。

「言えないの?」
「は、はい・・・・すいません・・。」
「あっそう、ならいいか。」

 よかった、あきらめて・・・

「私が直接見に行けばいいし。」
「それだけは止めてください!!お願いします!!」←マジ泣き
「なんで?」
「あ、あれです、その・・・そう、色々と忙しいみたいなんです!だから邪魔しちゃ悪いでしょ!!」
「別に咲夜の事情なんてどうでもいいんだよ。」

 さらっといい笑顔で流す。
 ここまであっさりしてると、逆にすがすがしい。

「それじゃ早速・・・」
「勘弁してください~~~~~!!!」

 必死である。

「何よ、さっきから。なんかムカツク。」
「た、たとえ妹様でも邪魔はよくありませんよ!」
「別に扉の隙間から覗くだけよ。」
「それがだめなんですってば!!」
「のぞむところよ!!!」

 めちゃくちゃ元気一杯です。

「さ、行こっと。いくら止めても無駄だからね。」
「そ、そんな~~~~!」

 まさに万事休すか!?

「さっきから何をしてるの、二人とも。」

 グッドジョブです、パチュリーさん。

「パチュリー、別になんだっていいじゃん。」
「だからお止めください!!」
「・・・はぁー、いったい何があったんですか?美鈴、説明頼める?」
「は、はい!」

 とりあえず今までの経緯をパチュリーに話す。

「・・・そう言う事。それなら妹様が悪いです。咲夜だって忙しいでしょうから邪魔するのはよくありません。レミィ
にも言いつけますよ?」
「えぇぇ~~~~・・・・・。」

 流石パチュリー様。あの妹様をこうも黙らせるとは。
 捨てる神あれば拾う神あり。
 これで私も救われる。

「ほら、早く行きましょう。余計な詮索はいけません。」
「うぅぅ~~。」

 ああ、なんて神々しい。
 まさに今のパチュリーは美鈴にとって天使です。

「パチュリー様の言う通りです。ほら、行きましょ「そういえば、美鈴が咲夜の部屋から魔理沙の呻き声、と言うより
甘~~い声が聞こえてきたって。」
「速攻・迅速かつ最速で調査する必要がありますね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ざ~ん~こく~なてんしのように~~~



天使は天使でも堕天使だった。

「ちょ、ちょっと、何でたらめ言ってるんです・・・・」
「美鈴!!どう言うことか説明して!?」
「いや、だから・・・・」

 あまりのパチュリーの形相に言葉がうまく出てこない。
 パチュリーはこれでもかってぐらいの魔理沙中毒だった。
 魔理沙のことになると見境なし。
 たとえ火の中、水の中、森の中、あれ、でも何処へでも魔理沙のためなら行く。
 まさに哀戦士ならぬ愛戦士って感じ。
 その事をフラン(つか紅魔館全員)が知っている。
 だからこそ利用したのだろう。
 魔理沙の話を売れば、間違いなく買うと予想して。
 結果は見ての通り、成功である。

「答えなさい、美鈴!!」
「だから、違うんです!それは妹様がかってに・・・・」
「だからさっきから真相を暴こうとしてるの。魔理沙に何かあったら困るでしょ?部屋に行こうとしたら全力で止める
から、何か隠してるんだよ。」
「まったくもってその通りですね。妹様、加勢させてもらいます。さあ、何を隠してるの、美鈴?」
「だか「さっさと答えなさい!!」

 発言権なし。
 しかも気付いたら・・・・・・

「早く答えなさい」←『レーヴァテイン』を首筋にあてながら。
「それが身のためよ?」←『賢者の石』用の本を展開中。
「・・・・・・・・」

 OK、よく考えるのよ、美鈴。
 まず私にある選択肢は二つ。

1:素直に話す

2:話さない

 まず1の場合。
 もしこれを選べば今の状況は脱出できるが、その後咲夜さんに殺される。よってDead End → そーなのか道場へ

 次に2の場合。
 間違いなく目の前の二人に殺されてしまう。よってDead End → 教えて!!知留野先生へ

 ・・・・・・・・・・・・・ちょっと待った。
 この選択肢ってもしかして今死ぬか、後で死ぬかとあんまり遜色ないのでは!?てゆうかまったく同じ!?
 ヤバイ。このままでは本当に白玉楼の住人になってしまう。(早くこっちに来なさい~~~)
 今声が聞こえてきたが無視することにしよう。
 く、こうなったら背水の陣で説得を・・・・・

    ドッカ~~ン!!

 突然の爆音。
 鉄のような音を立てて美鈴の首が後ろを向く。
 そこにはプスプスと煙を立てながら焦げている床があった。

「何かまだ悪足掻きしそうだったから。」

 恐るべしカン。

「「さあ、答えなさい。」」

 ・・・・・・はっはっは、もう笑うしかないっしょ。
 今のは最終警告だろう。
 つまり、次に喋らなかったら私があのようになると言うこと。

 結局私は・・・・・・・・・
 














ダダダダダダダダダダ ガチャ

「「咲夜。」」
「!!!??い、妹様にパチュリー様!?」

 あ~あ、ここでさっきちゃんと鍵をかけてりゃあ・・・・・・

「な、なぜここに!?」
「決まってるじゃん。それ。」

 パチュリーがうんうんと頷く。
 フランが指をさした所には、レミリア人形があった。
 どうやら、一通りやり終えた(何を?)後だったらしい。

「な、何故この事を・・・・ハッ!!」

 そこではっきりした。
 この事を知ってるのは咲夜以外にあと一人だけ。
 その人物は・・・・・・・

「・・・・・あはははは・・・・」

 扉の所で笑ってたり。
 結局喋ってしまった。
 やっぱ人としてちょっとでも長く生きたかったんだろう。

「その通り。全ての事は美鈴から聞いたの。」

 扉の前まで来ている(連行されて)美鈴は申し訳なさそうな顔をしていた。

「・・・・そうですか(美鈴、後でたっぷり料理して上げるわ)。それで何をしに?」
「ちょっとどんなのか、見せて貰おうと思ってね。」
「そうですか。わかりました。まあ立ち話もなんですからどうぞ中に。」
「「ありがと。」」
「・・・・・・・・・・」
「あら、どうしたの、美鈴?あなたも中に入りなさいよ。」
「い、いえ、私は・・・・」
「そうよ、折角なんだから美鈴も見物したら?興味あるでしょ?」

 妹様、それ確信犯ですか?

「妹様の言うとおりよ。こんな機会あんまりないわよ?」
「・・・・わかりました。お邪魔させてもらいます。(咲夜さん、手からナイフがちょっと見えてますよ~!)」

 三人が部屋に入ると、咲夜はテーブルにあった紅茶の準備をした。

「どうぞ、普通の紅茶しかありませんが、そこはご了承ください、妹様。」
「別にいいよ、ありがと咲夜。それより何かお菓子ない?」
「簡単な物ぐらいならありますが、もうすぐ夕飯にするのでお控えください。」
「えぇ~、ちょっとお腹すいてるのに・・・。で、今日の夕飯何なの?」

 暢気な会話。
 今のところ何事もない。
 このままの雰囲気でいってくれれば命だけは助かるかな、とちょっと期待がこもる。
 
「そうですね。本当は他のメイドたちに任せようかと思ったんですが、やっぱり私も作る事にしました。今日はお肉に
しようかなと思います。」
「お肉?」
「ええ、ついさっきいい肉が手に入りましたから。」

 ・・・・・・・・・ナンデスト?ツイサッキ?
 それって

(もしかして私の事ですかぁ~~~~!?)
「ふ~ん、どこのお肉?」
「中国産です。しかも希少品。」

 もはやストレート!?
 う~~ん、てっきり永夜抄の新スペルの実験台になるか、博麗神社への神風特攻三号機になると思っていたが・・・
 まずい、このままでは屍を越えてゆけじゃなくて、屍を食ってゆけになってしまう。
 じゃなくて~!私はまだ死にたくないです!!

「それは楽しみねぇ~。」
「そうですね。楽しみにさせてもらうわ。」

 あなたたちは本気で気付いてないんですか!?
 オマケに、私が死んでも誰も気付いてくれないかも・・・・・・(泣)

「そ、それより、そろそろ人形の説明を!」

とりあえず話題を変える

「そうね。そろそろあの人形の説明してくれる?」
「あ、はい、そうですね。と言っても、どこから説明しましょう?」
「まず、あれはどこで手に入れたの?」

 フランが尋ねはじめる

「あれは知り合いの人形師に作ってもらったんです。ほら、パチュリー様、この前人形が門前まで来たでしょ?」
「ああ、そういえばあったわね。あの人形の持ち主?」
「はい、そうです。助けたお礼に作ってもらいました。・・・・・・美鈴も覚えてるでしょ?」
「え、ああああああはい!あの時ですね。私がかってに歩いてきたとビックリした!」
「ええ、あの時は泣きついて来るから思わずナイフ投げそうになったわ。あれぐらいで驚いてるようでは門番失格ね。
そろそろ紅魔館から居なくなっちゃうかもしれないわね。」

 それって、この世からの間違いでは?

「す、すいません・・・・(どうしよ~~~~~~!!)」
「はぁ、まあそれはいいとして、本当にお姉様そっくりね。」
「確かに。ここまで一緒だと影武者にもなれるわね。」
「う~~~~ん・・・・・。ねえ咲夜。」
「はい、なんでしょ妹様?」
「これ作った人形師私にも紹介してくれない。」
「なぜですか?」
「そんなの決まってるじゃん。」

 なぜか顔をちょっと赤らめるフラン。

「その人形使いに魔理沙(1/1スケール)人形作ってもらうの!」
「んだとゴラァァーーーーー!!!」

 フランの発言に突然叫ぶパチュリー。
 パチュリーさん、キャラが変わってます。

「何よ、いいじゃない。」
「よくありません!!例え妹様と言えど、それは断じてゆるしません!!!」
「ふんだ!魔理沙が自分の物だとでも言うの?悪いけど私は引かないよ!!」
「そんなの関係ありません!魔理沙は産まれた時から私と結ばれる運命なんです!!」
「そんな嘘に騙されないよ。・・・・それにね・・・・・。」
「な、何ですか!!?」

妙に勝ち誇った顔。

「私、魔理沙の血飲んだ事あるんだから!!」←紅茶に睡眠薬を入れて、寝てる間に注射器で。自分で吸うと殺してし
まう危険性大だから。
「!!!!!!!」

 まるでタライでも頭にぶつかったような衝撃を受けるパチュリー。
 これで勝敗はきっしたと思いきや、そうは問屋がおろさない。

「く!っわ、私なんて魔理沙と一夜を共にしたんですから!!」

     ピシッ

 パチュリーの原爆発言に一瞬にして空間が凍りつく。

 ちなみに、一夜を共にしたと言うのは、図書館で、徹夜実験をした時(無理矢理)に一緒だっただけ。
 深い意味は一切ない。
 まあ、普通こんな言い方すれば勘違いするわな。

「・・・・・そう。だからって私が黙ってると思わないでよ?この場で壊してでも魔理沙はもらってやる。」
「望むところです。たとえ妹様と言えど、魔理沙は譲れません。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」

 二人の会話を呆然と眺める美鈴と咲夜。
 何か嫌な予感を感じる。

「あの、二人とも、争うなら外で・・・」
「無に消えるがいい、病弱娘!!」
「魔力の糧となるがいい、破壊娘!!」

 咲夜の発言は二人に届く前に終わった。
 一瞬にして修羅場とかした咲夜の部屋。
 二人が暴れれば暴れるほど部屋が散らかっていく。

「・・・・はぁ。後で掃除しなきゃ。」

 咲夜が呆れて溜息を吐く。
 こうなる事を予想していたようだ。
 ちなみにレミリア人形は時間を止めて回収していたり。

「・・・止めなくていいんですか?」
「今の二人に何をしても止まらないわよ。それともこの戦いに乱入する勇気ある?」
「いいえ、めっそうも・・・・・」

 私なんかがそんな事したら一瞬で消し炭になります。

「しばらくすれば収まるわよ。・・・・・それに今の私にとってもこの方が都合がいいし。」
「ギクッ。」

 しまった。
 この瞬間こそ逃げられる唯一のチャンスだったのに。
 二人が争っている間にこっそり逃げる事ができたはず。
 しかし、あまりの突然の出来事に完璧忘れてた。

「さ、咲夜さん、ちょっとまってください!確かに喋った私が悪いですけど、しょうがなかったんです!色々と事情が
ありまして・・・・・」
「いいわけ無用。約束を破った以上、あなたには死んでもらうわ。今あなたを殺っても二人が戦っている途中の事故と
して扱えるし。それ以前に考えてみれば、あなたがあの二人を連れてこなければこんな事も起こらなかったはず。そう
全ての元凶はあなたよ。」
「そ、そんな~~~~!」
「安心しなさい、遺言は聞いて上げないから。」
「全然安心できません!」
「それじゃあさようなら。姫の亡骸と仲良くね。」
「い~~~~や~~~~~!!」

咲夜のナイフが美鈴に向かって放たれようとしガチャ

「咲夜。」
「はい、なんでしょうか、お嬢様。」

 ・・・・・すばやい反応。
 部屋にはこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットが入ってきた。
 咲夜がレミリアの声に反応するタイム、0.01秒。
 しかもナイフまでしまってある。

「なんかさっきから騒がしいからどうしたのかと思って来たんだけど・・・・部屋に入った瞬間わかったわ。」

「うおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!」
「はああああぁぁぁぁぁーーーーー!!」

 レミリアが入ってきた事にも気付かず戦い続ける二人。
 さっきよりも状況が悪化してます。

「・・・・何でこうなったか教えてくれ・・ん?咲夜、後ろにあるの何?」
「!!??!い、いや、これは・・・・」

 どうやら本物のお嬢様の事で頭が一杯になっていたせいで、こっちの事は完璧忘れていたらしい。

「見せてもらえる?」
「あの、これはその「見せて。」

 顔がみるみる青くなっていく咲夜。
 しかし、お嬢様の命令、しかもばれてしまった以上、隠し通す事はできない。

「・・・・はい。」

 この世の絶望を全て悟った感じがする返事。
 もはや魂はここにないかも。

「・・・・・・・・・ふ~~ん。」

 自分そっくりの人形をよく考察する。

「・・・ずいぶんよく出来てるわね。咲夜が作ったの?」
「い、いえ。これは知り合いの人形師に・・・・・」
「そう。ここまで似てると気味悪いわね。」

 声に怒声が混じっているのに身震いをする咲夜。
 咲夜にとってレミリアが全てであり、どんな仕打ちを受けようとまったく気にしない。
 そのため、レミリアに嫌われる=死 という公式が咲夜に出来上がっている。

「す、すいません。もう「咲夜。」
「は、はい!」

 レミリアが咲夜の目の前まやって来る。
 思わず目を瞑る咲夜。
 もう終わりだと思っただろう。


  


   




   次のセリフを聞くまでは


「・・・・・がいいの?」
「え?」

 恐怖に怯えていた咲夜の体が緩んでいく。

「い、今なんと?」
「咲夜は・・・・実物よりも人形のほうがいいのと言ったの。」

 予想と大幅に違ったセリフに思わず頭が真っ白になる。

「近頃咲夜とあんまり遊んでないから、私寂しかったんだよ?咲夜に嫌われたのかと思って・・・。」
「そ、そんな事ありません!咲夜にとって、お嬢様が全てです!」
「じゃあ何で、私の人形があるの?」
「あ、あの、それは・・・・・お嬢様に対する気持ちが抑えきれなくて・・・。」
「じゃあ、咲夜は私が好き?」
「当然です。お嬢様以外、私には見えてません!!」
「・・・・・・・」

 その光景を呆然と眺める美鈴。
 またしても逃げるのをすっかり忘れてます。

(・・・・・ナンデスカ、コノテンカイ?)

「そう。・・・・・咲夜、今暇かしら。」
「は、はい。夕飯はほかのメイドに任せるつもりですし。」

 さっきと言ってることが違います。

「だったら、今すぐ私の部屋に来なさい。」
「今ですか?」
「そう、近頃私を寂しくさせた分と、人形に関してのお仕置きね。たっぷり可愛がって上げるわ。」
「は、はい!」

 さっきと一転して、ものすごい笑顔の咲夜さん。
 体中からオーラを感じますね。

「なら早く行くわよ。・・・・ところで美鈴、さっきからあなた何をしてるの?」
「え、いやそれは・・・・」

 突然話を振られて驚く美鈴。
 まさか咲夜さんに殺されそうになっていたとは言えない。

「用事がないなら早く仕事をしなさい、そろそろ交代の時間でしょ?特に今日は念入りに頼むわ。」
「は、はい。わかりました。」

 それは、これからする事に決して邪魔が入らないようにしろと言うことだろうか?

「なら、さっさと行きなさい。咲夜も行くわよ。」
「はい!」

 レミリアの後ろを犬のようについていく咲夜。
 部屋を出ようとした時

「美鈴。」
「は、はい。なんでしょう!?」

 いきなり振り向かれてビクッとしてしまう。

「・・・・今日の事は不問にして上げるわ。すごく機嫌がいいから。お嬢様に感謝しなさい。」
「え、あ、はい。ありがとうございます。」
「じゃあ仕事に行きなさい。私は忙しいから。」
「咲夜~~?何してるの?早く来なさい。」
「ハイ、お嬢様!すぐに♪」

 いそいそと部屋を出て行く咲夜。
 部屋で立ち尽くす美鈴。
 ・・・・・・・・・とりあえずこれは命が助かったと喜ぶべきなんだろうか?
 忘れ去られているレミリア人形はなぜか悲しそうな表情に見える。
 とりあえずまきぞえを喰わないよう部屋を出て行く事にした。


 だって咲夜の部屋では

「さっさとやられなさい!!」
「それはこっちのセリフです!!」

 今だに全力で戦いあうフランドールとパチュリーがいるし。
 これも愛ゆえの力だろうか?



 さらにお嬢様部屋前

「・・っ・痛い・・でもいいです、ご主人様~~~~~~~!!」

 犬咲夜さんにいたっては全快です。

 その部屋もさっさと通り過ぎて行く。

「・・・・・・・・・」

 突然始まって、終わった一つの事件。
 あまりに唐突すぎて逆に疲れた。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえず

「門番の仕事しよ・・・・・」

 結局美鈴にはそれしかできないし、しようとも思わなかった。

 本日も紅魔館は平和です。
・・・・ナニコレ?
自分で書いていてさっぱりわからなくなりました。
とにかく唐突だし・・・・。
あんまし面白くないし。
次回はもうちょっとがんばろ。
といっても、テストでしばらく書けませんが。

次は何になるだろう・・・。(罪の波紋は罰へ広がるの続き書こうかな?)
一応続編希望みたいな感想いただきましたし。(感想くれた人ありがとうございます)
でも一応私としては完結してたので難しいかな?

感想、特に誤字など教えてくれるとうれしいです。
MSC
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コメント



0.2650簡易評価
6.50電脳の狭間に生きる者削除
うんうん、昨夜さんはこうでなくちゃw(操りドール
しかし背が0.37cm・羽の角度が0.2496°違うって
分かる辺り、人間じゃn(殺人ドール
7.50いち読者削除
えーと、作者様、あなたは相当のアホウです(褒め言葉)。
マジでやるとは思ってませんでした>1/1スケールレミリア人形
なんというか、この長さで隅から隅までお馬鹿な作品というのも珍しいです。

あと、誤字脱字っぽいものの指摘を。
「間違のかしら」「めちゃくちゃやる吉」「紅魔間」「遺言が聞いて上げないから」「遜色なのでは」の5点。
8.80みょう削除
のわぁぁぁ(びったんびったんびったん(のた打ち回る音
咲夜さんはかっこいいイメージ先行気味なのでこれはものすごい補充です。
此処までノリノリのネタ入りギャグが違和感なくかけるのは凄いですし…。
あとさりげなく百合百合してるのももう。
三日間くらい困りません(何に
16.60sak削除
こーいう壊れたノリ、大好きですw。
19.-10通りすがりのSS読み削除
まず、偉そうに講釈垂れ流す事、御容赦下さい。
こういう風に受け取った人がいるという事も頭の片隅に置いて頂けると是幸。

文中に矢印を使うのは文字での表現を怠けているという風にしか取れないので止めた方がよろしいかと思います。
また、しばしば視点が三人称から一人称へ、そしてまた三人称へと変わり、しかもそれが唐突なので読んでいて所々で躓くような感覚でした。
後、地の文での登場人物へのツッコミが多すぎな気がします。もう少し読者にその場のおかしな空気を自由に読み取らせてくれた方が面白味が増したのではないでしょうか。
最後に、会話と地の文の割合が偏っている気がします。キャラ設定やネタは面白いと思いますので、もっとこの場の雰囲気を地の文のツッコミを減らしてその分を表現に回してくれればさらに楽しめたかと。

次回作に期待しています、頑張ってください。
21.40通りすがり削除
>通りすがりのSS読み
矢印は別にいいなのでは?軽いノリのSSなんだから、こういう表現手法はテンポを良くして、読みやすいです。専門書を書いてるわけじゃないんだから、重たい文字を沢山積もってもしょうがないと思いますけど?
あとしばしば視点が三人称から一人称へ、そしてまた三人称へと変わりのことですが、俺は何の違和感も無く読んでました。それはもう、あなたが言わないと気付かなかったぐらい。
ツッコミはともかくとして、会話と地の文の割合って…会話をこんなに沢山しない方がまずいでは?地の文、つまり説明文が増えれば増える程テンポがゆっくりとなり、そしてノリが悪くなる。この手のSSは最初から最後までハイテンションノリノリが命だと俺は思いますけど?
そして最後に、いくらなんでもマイナス点はないと思います。一般的に10点はもう「下手、読み価値が余り無い」で、0点はもう消えろという点数なのに、-10点で次回作に期待していますも何もないでは?
作者さんの気持ちも考えてください。
22.無評価ななし削除
少し見逃せない言葉が出てきてしまったのでしゃしゃりでます
なんとなく名前伏せて

>通りすがりさん

何のために各点数にこの点数はこんな感じ的なコメントがついているのか
-30点がついたとしてもそれ通り「あえて厳しく」という意味合いでいいのではないでしょうか。
あなたの言われる一般的はここに本当に当てはまるものですか?
本当にSSを書かれている人たちの立場に立ったら、「消えろ」などと安易に言えるものではないと思います。
そういう考え方の人もいるんだな、くらいでいいのでは?
正直、ここでたまにSSを書かせてもらっている私としては、厳しいコメントでもありがたいものですが(笑)
25.60RIM削除
やっぱり、レミリア萌えの咲夜さんはとても良い!
これで、れみりゃになったら、咲夜さんは恐らく出血死するなw
こういう壊れたノリは大好きですなw
31.30C.W.削除
点の数字より、その横にある文字を贈りたい。
「萌え~」 (´∀`*)
32.701東方ファン削除
咲夜の壊れ方とレミリアの反応が面白い
53.90メビウス削除
子供用ビニールプールが一杯になるくらいの鼻血って!w

良いですねぇ笑わせてもらいました
66.70名前が無い程度の能力削除
んだとゴラァァァ!wwww