~季節は冬ということにして下さい~
とある吹雪の日、紅魔館の門番である紅美鈴は凍えていた。
「何故こんなことに…」
彼女は呟いた、その理不尽さに。
実のところ、彼女は今日紅魔館でぬくぬく過ごしている筈だった。
「あの時昼寝さえしなければ…もう少し真面目にやっていれば…」
今日が休日のである彼女が働いている理由、それは先程の呟きから分かるように「仕事をサボりすぎたので、その分休みをつぶされた。」である。
「お嬢様も何故コート、マフラー、手袋の使用禁止にしたんですかー…」
~その頃レミリアの部屋~
「ねーねーお姉さま~。何でめーりんにあんな条件つけたの~?」
「面白いからよ。」
「厨二病の次はサディズムか姉上。全く、私も最悪な姉を持ったものだ…」
「!?」
~そして紅魔館の門~
「た…助けて…」
気がつくと彼女はただの雪山と化していた。
手を擦って熱い吐息を吹きかけても吐息は一瞬にしてフロストコラムスへと変わってしまい、効果を失うどころか悪化させている。
某マッチ売りの少女のように火をつけようと思っても、雪でマッチが湿ってしまい使い物にならなくなってしまっている。
香霖堂で購入した「魔法瓶」というものは中に入っている液体の温度を保つとの事なので温かい紅茶を入れてきたのだが、雪に埋もれて場所が分からなくなってしまっている。
そのとき、彼女は合計3つの選択肢があった。
1.勇敢な門番である紅美鈴は完璧な生存法を思いついて生き残る。
2.館の人たちが助けに来てくれる。
3.現実は非情である。
望ましいのは1か2。しかしこのままでは確実に3となってしまう。
「私…このまま死ぬのかな…」
彼女のとりえの一つであるポジティブさがどんどんネガティブさに蝕まれている。
「死ぬ前にもう一度キムチ入りのあっつい豆腐チゲ食べたかったなー…」
彼女がそう言った瞬間、何も無いところから謎の人物が現われた。
「チゲは韓国料理よこのサボり魔!!」
そうしてその人物は美鈴に鋭いツッコミを入れた。
「咲夜さん!!」
そう、その人物とは紅魔館の完全で瀟洒なメイドこと十六夜咲夜であった。
「全く…寒さで自分の祖国の料理も忘れたか…」
「いやいやいや、あくまでも中華風妖怪なので祖国が中国な訳じゃないですって!!」
「あら、つっこむ勇気と元気があるならせっかく持ってきた差し入れは要らないわね。」
「すみませんでした。お許しください。」
彼女は雪に埋もれた状態で土下座をした。
彼女はここでとある熱された鉄板の上で土下座をさせられた男の事を思い出し、同情した。
しかし、彼女の願いは届かず、瀟洒なメイドは消えてしまった。
ひきつけてから落とす、この悲しさや空しさを彼女は体と精神の両方で味わった。
~ベランダ~
悪魔の妹フランドール・スカーレットはそのやり取りを見ていた。
「めーりんかわいそう…」
彼女は思った。そして決意した。
「よし…早速準備だ。」
そうして彼女は館に戻るのであった。
~しつこいようですが、門です~
「…」
遂に彼女は何も反応を示さなくなっていた。空ろな目で遠くを見ていて、完全に目が死んでいた。震えもせず、呟きもせず、ほぼ一つの置物と化していた。
「めーりん!!起きてよめーりん!!」
「妹様!?何故こkくぁwせdrftgyふじこlp」
あまりにも動いてなかった為、口が固まっていて上手く言葉を発すことができず、正体不明の言葉が彼女の口から出てきたのである。
「ちょ!?めーりん落ち着いて落ち着いて!!」
~命蓮寺縁側~
「小傘、何か呼ばれた気がする。」
「空耳だよぬえたん。」
「そうか…空耳か…」
~MONDES~
「えへへ~。どう?暖かい?」
「ええ、物凄い暖かいですよ妹様。わざわざ来てくださってありがとうございます。」
「妹様なんて堅苦しい呼び方じゃなくていいよ。お願いだからフランって呼んで。」
「分かりました、フラン様。」
「ほら、紅茶のおかわりあげる。」
今、彼女達は周りの雪をすべてどけて、日傘という名の雪避けの下でおやつをしている。
お互いの首には一本のマフラーが巻かれていて、お互い寄り添う形となっている。
「ねーねーめーりん。」
「何でしょうフラン様。」
「なでなでして~。」
「いいですよ~。」
「えへへ~。ありがとう~。」
「どういたしまして。」
途中からこのようにとても甘い状態が続いていて、吸血鬼の姉のほうが死にかけたのはこれまた別の話。
「いくら周りが寒くとも、優しさというのはいつでも暖かいものですね~。」
「そうだね~。」
最初は吹雪だった天候も彼女達によって穏やかな雪へとかわっていた。
最初は3だったはずの選択肢が2になったように…
とある吹雪の日、紅魔館の門番である紅美鈴は凍えていた。
「何故こんなことに…」
彼女は呟いた、その理不尽さに。
実のところ、彼女は今日紅魔館でぬくぬく過ごしている筈だった。
「あの時昼寝さえしなければ…もう少し真面目にやっていれば…」
今日が休日のである彼女が働いている理由、それは先程の呟きから分かるように「仕事をサボりすぎたので、その分休みをつぶされた。」である。
「お嬢様も何故コート、マフラー、手袋の使用禁止にしたんですかー…」
~その頃レミリアの部屋~
「ねーねーお姉さま~。何でめーりんにあんな条件つけたの~?」
「面白いからよ。」
「厨二病の次はサディズムか姉上。全く、私も最悪な姉を持ったものだ…」
「!?」
~そして紅魔館の門~
「た…助けて…」
気がつくと彼女はただの雪山と化していた。
手を擦って熱い吐息を吹きかけても吐息は一瞬にしてフロストコラムスへと変わってしまい、効果を失うどころか悪化させている。
某マッチ売りの少女のように火をつけようと思っても、雪でマッチが湿ってしまい使い物にならなくなってしまっている。
香霖堂で購入した「魔法瓶」というものは中に入っている液体の温度を保つとの事なので温かい紅茶を入れてきたのだが、雪に埋もれて場所が分からなくなってしまっている。
そのとき、彼女は合計3つの選択肢があった。
1.勇敢な門番である紅美鈴は完璧な生存法を思いついて生き残る。
2.館の人たちが助けに来てくれる。
3.現実は非情である。
望ましいのは1か2。しかしこのままでは確実に3となってしまう。
「私…このまま死ぬのかな…」
彼女のとりえの一つであるポジティブさがどんどんネガティブさに蝕まれている。
「死ぬ前にもう一度キムチ入りのあっつい豆腐チゲ食べたかったなー…」
彼女がそう言った瞬間、何も無いところから謎の人物が現われた。
「チゲは韓国料理よこのサボり魔!!」
そうしてその人物は美鈴に鋭いツッコミを入れた。
「咲夜さん!!」
そう、その人物とは紅魔館の完全で瀟洒なメイドこと十六夜咲夜であった。
「全く…寒さで自分の祖国の料理も忘れたか…」
「いやいやいや、あくまでも中華風妖怪なので祖国が中国な訳じゃないですって!!」
「あら、つっこむ勇気と元気があるならせっかく持ってきた差し入れは要らないわね。」
「すみませんでした。お許しください。」
彼女は雪に埋もれた状態で土下座をした。
彼女はここでとある熱された鉄板の上で土下座をさせられた男の事を思い出し、同情した。
しかし、彼女の願いは届かず、瀟洒なメイドは消えてしまった。
ひきつけてから落とす、この悲しさや空しさを彼女は体と精神の両方で味わった。
~ベランダ~
悪魔の妹フランドール・スカーレットはそのやり取りを見ていた。
「めーりんかわいそう…」
彼女は思った。そして決意した。
「よし…早速準備だ。」
そうして彼女は館に戻るのであった。
~しつこいようですが、門です~
「…」
遂に彼女は何も反応を示さなくなっていた。空ろな目で遠くを見ていて、完全に目が死んでいた。震えもせず、呟きもせず、ほぼ一つの置物と化していた。
「めーりん!!起きてよめーりん!!」
「妹様!?何故こkくぁwせdrftgyふじこlp」
あまりにも動いてなかった為、口が固まっていて上手く言葉を発すことができず、正体不明の言葉が彼女の口から出てきたのである。
「ちょ!?めーりん落ち着いて落ち着いて!!」
~命蓮寺縁側~
「小傘、何か呼ばれた気がする。」
「空耳だよぬえたん。」
「そうか…空耳か…」
~MONDES~
「えへへ~。どう?暖かい?」
「ええ、物凄い暖かいですよ妹様。わざわざ来てくださってありがとうございます。」
「妹様なんて堅苦しい呼び方じゃなくていいよ。お願いだからフランって呼んで。」
「分かりました、フラン様。」
「ほら、紅茶のおかわりあげる。」
今、彼女達は周りの雪をすべてどけて、日傘という名の雪避けの下でおやつをしている。
お互いの首には一本のマフラーが巻かれていて、お互い寄り添う形となっている。
「ねーねーめーりん。」
「何でしょうフラン様。」
「なでなでして~。」
「いいですよ~。」
「えへへ~。ありがとう~。」
「どういたしまして。」
途中からこのようにとても甘い状態が続いていて、吸血鬼の姉のほうが死にかけたのはこれまた別の話。
「いくら周りが寒くとも、優しさというのはいつでも暖かいものですね~。」
「そうだね~。」
最初は吹雪だった天候も彼女達によって穏やかな雪へとかわっていた。
最初は3だったはずの選択肢が2になったように…
百合についてはさておき、先程も述べた様に本作には核がない。メッセージ性のあるものである必要は無いが、日記でもない限りやはり何を中心とするかは必要だろう。
背景の色については、個人的に見やすくて良かった。レミリアのキャラクターについても前作からブレず、愛嬌が感じられる。ただ、これは長年言われている事だが、果たして東方でやる必要があるのか、そして読んで面白いかを客観的に見た上で投稿した方がいいだろう。はっきり言わせて貰うと、どこに面白いポイントがあるのか分からなかった。