「咲夜、咲夜~」
「はいはい只今」
レミリアの部屋の何も無い空間から咲夜が現れる。
「喉渇いた」
「紅茶でもお持ちしましょうか」
「んーん、直飲み」
そう言って腰掛けた天蓋つきのベッドの端を、ぽんぽんと叩くレミリア。
「お嬢様、それはお行儀が悪うございます」
「いーの、ほら早く」
言い出したら聞かない主人に苦笑して咲夜はベッドの隣に腰掛けた。
「それじゃ…」
そのまま咲夜をベッドに押し倒し、僅かにずらしたメイド服から覗いた、白く細い首筋に、
牙を突き立てんとしたまさにそのとき、なにやらぴかーんと閃いたらしい。
「あ、ちょ、お嬢様?」
ぺろぺろと首筋をなめるレミリアに戸惑う咲夜。
「私の口からいろいろ入るかもしれないから、ちゃんと消毒しておきましょうねー」
「いえ、その、私はいろいろ入っても丈夫ですので、っん…」
突然の行為に一気に主導権を持っていかれる咲夜。あ、これは昨日の夜の仕返しだと気づくも
時既に遅し。もはや首筋をなめるだけでなくあんなことやこんなことまでされつつある。
「ふふふ、良いではないか、良いではないか」
「あーれー、お嬢様お戯れを~」
「この柔肌が堪らんの…う?」
「…おじょうさ、ま?」
ふと止んだ口撃に怪訝な顔をして見つめる先には、本来そこに有り得ない隙間から覗く
一対の視線。
秒の間に隙間が閉じる。
『…………』
残された、硬直する二人。
「ということがあったのよ」
もしゃもしゃとえのきを頬張りながら紫。藍の作る鍋はとても美味しい。
「ですから紫様、あれほど出歯亀行為はおやめになるようにと…」
橙は一心不乱に(別途用意した)焼き魚を貪っている。その姿に多少癒されながらも、
相変わらずの主人に藍がため息をついたそのとき。
茶碗を持ちながらすっと紫が体を後ろにひいた。刹那、今まで紫がいた空間を、轟音とともに
マヨヒガの家の壁を吹き飛ばしてきた槍が飛びぬける。そのまままた壁を突き破りとんでいく。
ぱらぱらと崩れ落ちる壁の残滓から垣間見えるのは、紅い悪魔とその従者。
しばしの沈黙が続いた。
「…あんな私を知っていていいのは咲夜だけよ。この意味、解るかしら?」
いやな笑顔を浮かべるレミリアに、紫はのほほんと返す。それが始まり。
「あら、楽しい事はみんなで分かち合うべきじゃないかしら?」
「ちょ、紫様!すぐそうやって挑発するような事を」
「そこに直れ隙間妖怪!力尽くでも忘れさせてやるわ!」
「お嬢様、式神は私にお任せを」
「おーっほっほ、こっちよ紅い子悪魔さん?」
「ああああ、家が、直すの誰だと思って、って痛、痛?!咲夜殿、ナイフ当たってますよ?!」
「当ててんのよ」
「いたい、いたい、わーん藍さまたすけて~~」
「この、よくも私の橙に!そっちがその気なら…こっちも、最終奥義!テンコー!!」
紅魔ペア、余裕の勝利。
ふん縛られた3人の前に、レミリアが立つ。
「さてと、どうしてやろうかね?」
応えて咲夜、
「多少強引にでもいろいろ忘れていただくのがよろしいかと」
先ほどのレミリアとは違ったいやな笑み。
「咲夜も好きねぇ…」
うふふふと顔面からいろいろな汁をたらしながら式神ふたりに近づいていく咲夜、汗顔で見る
レミリア、対して隙間組は内心穏やかでない。
「えーと…咲夜殿?まず理知的な生命体として話し合う事を提案しますが」
「藍さま、怖いー」
「まぁ!私の責任は式神達がとってくれるのね。嬉しいわ」
「元凶は私が相手する、と咲夜にいってあるんでね」
「しょぼーん」
あまり気乗りしないが、しょんぼりする紫を担ぎ上げそのまま部屋から出ようとするその背に、
遂に恐怖に耐えかねたのか式神達の悲鳴が追ってきた。
「ちょ、咲夜殿?!なんですかその器具!ウェイト!ストップ!仕舞ってくださ、いやああああああ!!」
「た、たすけてゆかりさまーーーー!」
「橙、藍、諦めが肝心よ…少なくとも痛い事にはならないから」
「余計いやです、誰かお助け~~~~!!」
その後のことは知る由も無い、マヨヒガの住人たちは何があったか聞けば、頑なに口を閉ざすからだ。
幻想郷は今日も平和である。
蛇足
ところ変わって、気だるげな雰囲気漂う、パチュリーの自室。
「という事があったのよ」
「ふーん。面白いぜ」
くすくすと笑いながら、魔理沙の腕枕にほほをこすりつけるパチュリー。それを見て反対側で
フランもまねをする。
「あのお姉さまがね~。意外…くすくす」
後、フランによって紅魔館中に、魔理沙によって幻想郷中に、この一件は言いふらされる事になった。
Happy Ending 01
「はいはい只今」
レミリアの部屋の何も無い空間から咲夜が現れる。
「喉渇いた」
「紅茶でもお持ちしましょうか」
「んーん、直飲み」
そう言って腰掛けた天蓋つきのベッドの端を、ぽんぽんと叩くレミリア。
「お嬢様、それはお行儀が悪うございます」
「いーの、ほら早く」
言い出したら聞かない主人に苦笑して咲夜はベッドの隣に腰掛けた。
「それじゃ…」
そのまま咲夜をベッドに押し倒し、僅かにずらしたメイド服から覗いた、白く細い首筋に、
牙を突き立てんとしたまさにそのとき、なにやらぴかーんと閃いたらしい。
「あ、ちょ、お嬢様?」
ぺろぺろと首筋をなめるレミリアに戸惑う咲夜。
「私の口からいろいろ入るかもしれないから、ちゃんと消毒しておきましょうねー」
「いえ、その、私はいろいろ入っても丈夫ですので、っん…」
突然の行為に一気に主導権を持っていかれる咲夜。あ、これは昨日の夜の仕返しだと気づくも
時既に遅し。もはや首筋をなめるだけでなくあんなことやこんなことまでされつつある。
「ふふふ、良いではないか、良いではないか」
「あーれー、お嬢様お戯れを~」
「この柔肌が堪らんの…う?」
「…おじょうさ、ま?」
ふと止んだ口撃に怪訝な顔をして見つめる先には、本来そこに有り得ない隙間から覗く
一対の視線。
秒の間に隙間が閉じる。
『…………』
残された、硬直する二人。
「ということがあったのよ」
もしゃもしゃとえのきを頬張りながら紫。藍の作る鍋はとても美味しい。
「ですから紫様、あれほど出歯亀行為はおやめになるようにと…」
橙は一心不乱に(別途用意した)焼き魚を貪っている。その姿に多少癒されながらも、
相変わらずの主人に藍がため息をついたそのとき。
茶碗を持ちながらすっと紫が体を後ろにひいた。刹那、今まで紫がいた空間を、轟音とともに
マヨヒガの家の壁を吹き飛ばしてきた槍が飛びぬける。そのまままた壁を突き破りとんでいく。
ぱらぱらと崩れ落ちる壁の残滓から垣間見えるのは、紅い悪魔とその従者。
しばしの沈黙が続いた。
「…あんな私を知っていていいのは咲夜だけよ。この意味、解るかしら?」
いやな笑顔を浮かべるレミリアに、紫はのほほんと返す。それが始まり。
「あら、楽しい事はみんなで分かち合うべきじゃないかしら?」
「ちょ、紫様!すぐそうやって挑発するような事を」
「そこに直れ隙間妖怪!力尽くでも忘れさせてやるわ!」
「お嬢様、式神は私にお任せを」
「おーっほっほ、こっちよ紅い子悪魔さん?」
「ああああ、家が、直すの誰だと思って、って痛、痛?!咲夜殿、ナイフ当たってますよ?!」
「当ててんのよ」
「いたい、いたい、わーん藍さまたすけて~~」
「この、よくも私の橙に!そっちがその気なら…こっちも、最終奥義!テンコー!!」
紅魔ペア、余裕の勝利。
ふん縛られた3人の前に、レミリアが立つ。
「さてと、どうしてやろうかね?」
応えて咲夜、
「多少強引にでもいろいろ忘れていただくのがよろしいかと」
先ほどのレミリアとは違ったいやな笑み。
「咲夜も好きねぇ…」
うふふふと顔面からいろいろな汁をたらしながら式神ふたりに近づいていく咲夜、汗顔で見る
レミリア、対して隙間組は内心穏やかでない。
「えーと…咲夜殿?まず理知的な生命体として話し合う事を提案しますが」
「藍さま、怖いー」
「まぁ!私の責任は式神達がとってくれるのね。嬉しいわ」
「元凶は私が相手する、と咲夜にいってあるんでね」
「しょぼーん」
あまり気乗りしないが、しょんぼりする紫を担ぎ上げそのまま部屋から出ようとするその背に、
遂に恐怖に耐えかねたのか式神達の悲鳴が追ってきた。
「ちょ、咲夜殿?!なんですかその器具!ウェイト!ストップ!仕舞ってくださ、いやああああああ!!」
「た、たすけてゆかりさまーーーー!」
「橙、藍、諦めが肝心よ…少なくとも痛い事にはならないから」
「余計いやです、誰かお助け~~~~!!」
その後のことは知る由も無い、マヨヒガの住人たちは何があったか聞けば、頑なに口を閉ざすからだ。
幻想郷は今日も平和である。
蛇足
ところ変わって、気だるげな雰囲気漂う、パチュリーの自室。
「という事があったのよ」
「ふーん。面白いぜ」
くすくすと笑いながら、魔理沙の腕枕にほほをこすりつけるパチュリー。それを見て反対側で
フランもまねをする。
「あのお姉さまがね~。意外…くすくす」
後、フランによって紅魔館中に、魔理沙によって幻想郷中に、この一件は言いふらされる事になった。
Happy Ending 01
そんな私はマリアリ派。
魔理沙の情報は音速より早く、フランの情報はレミリアと咲夜のこれからは
見事に粉砕しつくすでしょう・・
情報を封殺しようとも隙間から漏れてることは自明か・・w
つーか蛇足の三人に何が!?
>no様
アリスは永で魔理沙と組んだじゃあないですか。
パチェにも幸せを分けてあげて!
実は私も隠れマリアリ派。
>てーる様
その後の咲夜およびレミリア像がどのようになったかはご想像にお任せします。
ろくなことになってないとは思いますが。
>ななし様
詳細は近日中に某所にて。
某所のアレか。いや当てるほどボリュームは無(ナイフ
2chだったら行けませんが。
>名乗らない様
メイド長はひんぬーではなくびぬーだと思うのですよ。
>ななし様
よくわからないときはgoogle先生にお伺いを立ててみるといいですよ
そして、器具とか痛くないこととかいったい何をサレテルンデスカ?
ところで、
こっちも、最終奥義!テンコー!!!111
の部分の111は何ですか?変換ミス??
または私のパソコンがいけないのか・・・。
こんな総製作時間20分のSSを読んでくださった皆様、点入れてくれた皆様、レス下さった皆様、本当に感謝です。
初投稿で不安だっただけに嬉しい( ´▽`)
>アリシア様
お嬢様は夜行性ということは、夜って我々にとっての昼なんですよね。
だからなんだとはいいませんけど。
>MSC様
ナニされるんでしょうね。口噤むところ見ると人に話せないことのようです。
あと「111」なんですけど、直しておきます…