▽
「んん~?朝か・・・」
とりあえず霧雨 魔理沙の一日は「私は妖怪とは違う」という名文の元、早寝早起きは特別なことが無い限り常識の範疇である。弾幕を避けるコンディションは良いほうが断然いいとのこと。健康優良児だった。手癖は悪いが。
パジャマのようなものから着替えると普通の魔法使いの服装に。どこが普通かはご想像にお任せしますがそういう肩書きが本人の誇りでもあります。
「今日も弾幕だ!!」
彼女は元気だった。
「紅魔館に行くのもいいが、霊夢をからかうのもいいな。そういや霊夢は普段なに食ってるんだ?そういう私もだが」
自分の今朝食べたものが思い出せないのはともかく、人と一緒に朝食をとるという習慣が絶えて久しいであろう魔理沙はどうでもいい疑問を口にした。
「よぉー。霊夢いるか~」
神社に着いた魔理沙の呼びかけに返事は無い。
「霊夢~」
賽銭箱の前に立って、裏手に回ろうとした魔理沙の視界に少女が飛び込んできた。
「・・・?」
明らかに自分の視点より低い位置にある顔がどう見ても見覚えがあるような気がするのはなぜだ?と思う間もなく、なぜかうれしそうな小さい顔が抱きついてきた。
「まりさ!!遊びに来たの!?」
「????!」
「何して遊ぶの!!」
「(ナニコレ???)あ~、えーっとお前は本物の霊夢か?」(子供は好きじゃないんだが・・・)
「ほんもの・・・?」
きゅん☆
「?????????」
首をかしげて邪気が無い瞳に混乱する魔理沙。落ち着け、とりあえず落ち着け。
「あ~・・・じゃあなにか昨日変なものを食べなかったか?(よし、セーフ){意味不明}」
「うーん・・・お昼に境内を掃除した後、お饅頭をいっぱい食べた!」
(おかしい・・・小さくなっただけではなく邪気が無い・・・)
「コレは異変なのか?饅頭で?」
「ねぇ、お茶でも飲む?」
「あっ・・・ああ、昨日飲んだやつじゃない茶葉ならいただこう」
「お菓子も持ってくる!」
放り出していた今の身の丈に合わない箒を抱えなおして縁側に子供らしくジャンプして上がるチビ霊夢。4頭身ぐらいだとさりげなく考察する魔法使い。
「弾幕をしかけてみるか?いやしかし妖怪が霊夢に化けてなんの得があるんだ?修行を積んだ得のある巫女でもないのに・・・それとも・・・いやなんかドキッときたとかそういうのではなく・・」
「あら、そこの魔法使いさん何をしてらっしゃるの?」
待っている間にさりげな~く、他人に対してひどいことを呟いていた魔理沙へ今しがた来たといわんばかりの顔でいつもどおり胡散臭い境界の妖怪が話しかけた。
「むっ。お前さんの仕業では」
「いやね、私も知らないわ。というより何の話?私は起きたばかりなの」
「嘘はいかんぞ。霊夢がロリ化した話。」
「あぁ!」
「やっぱり」
「なにそれ?」
「はぁ?とぼけるのか」
「不可逆を可逆にしてなおかつ人間に拒絶反応も無く自由自在に固定化適応させるのはとっても難易度が高いの。粉みじんにするほうが早いかしらね。巫女程度には洗濯機型渦巻き回転弾幕のほうがましよ」
「(弾幕含めて)実験動物にされたとか?」
「私の力にどうして前準備が必要なの?」
「・・・・(会話なのかこれは?)」
「それより霊夢がどうしたっていうの?見てみたいわぁ」
「まぁ、もともと東方はロリ気味だし、今更年齢下げても関係ないか」
あははははとなぜか一緒に笑う人妖の二人。
「そちゃですよ。」
キラキラキラ☆
「まぁ!台詞がひらがな表記ね!まぶしいわ!」
「確かに。文章で精神年齢をあらわそうとすると結構難しいんだ。ロリの声優でもいれば話は別だが」
「・・・?・・・・紫だ!!!’オミヤゲ’なぁい?」
いまさらですがお茶を運んできたチビ霊夢にはこの内容は分かっていません。
「とっても可愛いわねぇ・・・生八橋でも買ってくるんだった・・・」
「やっぱり妖怪好みのイベントか!」
「霊夢ちゃん。ごめんなさいね・・・お菓子が無いから代わりにコレをあげる」
なぜか紫はどこからともなく出てくる怪しい隙間から・・・・
「じゃじゃーん!妖怪版’く○ひ○危○一○’!!」
あからさまに海賊版っぽいデザインだと思うのはドラム缶より大きいぐらいの大きさだからだろう。人形が入るべきところにはちょうどよく人間一人分が入りそうだ。
「ということはもしかして・・・・」
「大丈夫よ。ちゃんとオリジナルを意識して、アタリのところに剣が刺さったら人形(この場合人間?)がばねで飛び出す仕組みになっているから。もちろん拷問器具じゃあないわ。」
「のるの?」
「うん。乗るのよ~真ん中にね」
「早速遊ぶノリになってるが大丈夫なのか?」
「ほらコレをね、穴にさしていくのよ。アタリに刺さるとね・・・」
「どかん!」
「可愛いわ・・・・食べちゃいそう☆」
「コラコラいかんだろ」
ちゃっかりお茶とせんべいにありついた魔理沙をよそに13本目にしてガチッと嫌な音がした。なぜか電子音で猫踏んじゃったが鳴り響く。
「・・・・・・・」
「私の見た限り何も起きないな」
「故障かしら?」
「?」
びよよよよーん
「あら?」
きらーん(光点)
「・・・・・」
「・・・・・・・・」
「飛んで行ったな」
「そうね」
「なんか言っとくか?」
「キュン☆」
「やっぱり嘘くさいな」
ロリ東方 第一話 「完」
第二話?
「・・・・・・・懐かしい気もするがいいのか?こんなんで?」
「べつにいいんじゃあないのぉ。あたしはかわいく見えるよん☆」
「さりげなく何を誘拐して言える言葉だ」
「門番」
「もしかして赤くて」 「広くて」 「なんか前科があって」 「姉妹が住んでて」 「湖の近くにあって」
「そうだよ」
ずっこけるモーションでおどけてみたもののメイドより役に立ちそうにない護衛に価値があるかどうか考えてみたら優先順位は低いだろう。南無。
「初めてその鎖が役立つところを見たが妖怪でいいのか?」
「だって、可愛いじゃあん!」
鬼が人攫いをする動機は決闘の人質というより利己的に「欲しい」からではないかしらと考え頭が痛いと訴える魔理沙。
「びえーん」
「これこれ泣くな」
「子供の扱いが好きだからか?」
「ぐすっ」
「どれくらい昔か忘れたけどぉ・・・うーん。仲間が赤ん坊をさらった時、なんかあやした気がする。あれは可愛かったなぁ・・・★」
「捕虜の扱いがアットホームだな」
「でしょ!女子供は可愛いの攫うと、身内とか許婚とか名乗るのがいっぱいやってくるんだよ!!あんまり可愛いと惚れちゃって嫁にするだのなんだの言い出すヤツもいたね」
「・・・・なるほど。さすが生きる日本昔話」
「ほれほれ一杯飲めぇ、寿司食いねぇ」
「んじゃ、お言葉に甘えて」
「アンタじゃないよ」
「ぷふぁ・・・ぐぅ」
「子供に飲ませたら一発だろうが」
「国際捕虜人権保護条約には違反していないんだなぁこれが」
「そういう誘拐犯も子供にしか見えなかった」
「あのメイド来るかなぁ」
そういって向けた視線の先には永夜抄主人公メンバーの人間組が幼児化した姿で相変わらず五字切り(←おまじないの一種だと思ってください)の練習をしていた。霊魂を漂わせていたりメイド服を着たりしている幼女が混じっている。そのうち飽きて人生ゲームを始めた。
「あたし酔ってるのかなぁ。あそこで人生ゲーム始めた子供たち全員どっか見覚えがあるよ」
言ってる最中にルーレットを回しているちびっ子メイドがコマを3マス動かした。
「なんだこれ・・・・・」
思わず顔を覆う魔理沙
「なんかいった~?」
「いやなにも」
「暗くなる前に早く帰るんだよ~」
小鬼はひょうたん片手におぼつかない足取りで立ち去っていった。引きずられている小型門番の頭に音も無くナイフが刺さっていた気がしたが、気がつかない様子で魔理沙の前を通り過ぎた。
「・・・・帰るか」
第二話 あるいは迷子を拾いまくった日 完
第三話
「あらまぁ、わざわざ妖夢を届けに来てくれたのね」
「ああ・・・・というか」
「何を持っているの?」
「だから」
「おはじき?へぇ。キレイねぇ・・・・」
「その」
「お礼にこの菓子折りを持っていってあげなさい。みんなウチの子になるわよ。ストリ・・・・いえなんでもないわ」
「イヤイヤイヤそれは絶対にいかんだろうが」
「魔法使いさんにも一つね」
「結構です」
冥界 西園寺邸 縁側にて
とりあえず。なぜか幼児化したちびっ子に含まれなかった魔理沙が空飛ぶ子供たちを引率いて集団帰宅を開始したのだが一番に西園寺邸へと向かう一同(笑)。
「まさかお前さんじゃなかろうな。死蝶の術の掛け損ないじゃあるまいし」
「あら、惜しいわ」
「怪しいぜ」
「この琥珀、欠けてて中にどんな虫がいたのかわからないわね。反魂の術を使ってみようかしら」
「おいおい。私は無視ですか」
「お行儀の悪いお客さんに尽くす愛想はありませんよ」
突如として暗雲立ち込める嫌な雰囲気。畳を走り回る幼児たちが楽しそうに騒ぐ音が遠くに聞こえる・・・というかまだいたのか。
「け、けんかはいけません!」
今まで黙っていたチビ妖夢が剣を抜いて精一杯声を張り上げる。
「おじょうさまもきゃくじんにぶれいを、はたらくのはだめです!」
「妖夢・・・ごめんなさいね」
「ううむ・・・・」
「いくらるすちゅうにおやつをたべられたからといっても、だめなものはだめです!」
「ああ、そういうことか」
「そうよぉっ!食べ物の恨みは怖いのよ!こんなに可愛い妖夢がせっかく買って来てくれたのに!最近デビューした妖怪菓子職人の新作だったのよ!!」
「食い物の話になるとまともな情報を話すのはやめてくれ・・・・」
「きょうはみんなでなべといたしましょうお嬢様」
「とってもいい提案ね!」
「おっ。じゃ私も」
「ともだちがまた一人増えるわよ妖夢。砒・・・なんでもないわ」
「・・・・・・」
「とても怪しく聞こえるのは私だけか?」
(幼児になったら、どうしてこんなにまともなんだ?主人の制御ができてるし)
「今日は頑張るのよ、妖夢」
「はい、お嬢様!」
(分かった。どっちも本当は子供なんだ)
「何か言った?」
「いーえなんにも」
第三話 鍋奉行パーティー(予定) 完
第四話
「あら、お買い物?幽ヶ子?」
「紫も?」
「傍から見ると、とってもお似合いの親子に見えるわ」
「そんな事言ってぇ。あなたの服装、怪しくてよく分からないからそのコメントもよく分からないわ」
「手なんかつないじゃって。」
「可愛いでしょう☆」
「なにを買いに来たの?」
「この子がね。お出かけしたいって言うのよ。スペルカードとか使えないぐらいちいさな子供だから安全なところでお買い物しようってことになったの。そういう紫もどういう経緯?」
「私も同じようなもんよ。たまにはいいことしたくなったの。」
「また嘘吐いて」
「あなたもね」
女二人、上品に笑うラスボスクラスの人外の存在たち。人間の里に来るのはいいが(?)あまりにも異様な光景に気づくことができる証拠はおそらく幽霊二人組みの周りを漂う人魂だけだろうか。巫女服を着た幼女を連れている時点で既にあやしいが、背格好のうかがえない服装で幽霊と一緒に談話という特徴からしてすでに通りには人っ子一人いない。まっとうな動物と人間は危機感を覚えて逃げ出す。
「紫様。いかがしてこのようなところへ・・・」
と言いながら近寄ってきていた藍は足元に突如として出現した隙間に落ちて見えなくなった。
「危なかったわぁ。危うく人間じゃないってばれるところだった」
「大丈夫よ紫。もうばれてるから」
「まぁ、わかってるけどね」
「いいの?あの狐はあなたのものでしょう?」
「悪い子にはお仕置きよ」
「世の真理ね」
「紫~。おなか減った」
「わたしもです。幽ヶ子さま」
常連として油揚げを買いに来ていた藍が、全く住民の違和感無く里の通りを歩いていたことに紫がなぜかイラッときたのでボッシュートしたのは誰も興味が無い。というか誰も知らない。
「ヤツメウナギの屋台でも行く?」
「飲食店はあれぐらいしかないから」
「そうしましょう」
と、歩きかけて幽ヶ子は人差し指をあごに当てて振り向いた。
「そういえばなんで巫女なんか連れてるの?」
「だって可愛いんだもん☆」
「年不相応に見えるわ」
「いやぁね。それはどっちの意味かしら?」
「くるくるーっと」
第四話 ショッピング失敗 完
いーえっくす 1
氷の精霊。チルノはいつもとは違うところをうろついていた。
「おかしい・・・」
習慣としていつも巡回しているなわばりに見慣れない小さなシルエットが跳びまわっていて、それは気のせいか知らない相手ではないという気もしていた。
相手は追いかけられていることに気がつくまでもなく飛行している。
樹海と見間違うほどにうっそうとした森の中を飛び、高速で飛行する追走劇はあっけなく終わった。
「な、なんだいこりゃ!」
見覚えのある紅白の衣装を着た自分と同じぐらいの背丈の女の子が木の幹に激突して気絶していた。
どう見ても巫女の妹といった存在には見えないぐらい瓜二つなのだが
「だ、誰だオマエ!あたいの縄張りで気絶なんかしちゃって!」
気絶する権利も許されていないらしい。
チルノは警戒心から距離をとった。
「う、うぅん・・・」
たんこぶになったところを抑えながらもぞもぞと起き上がった幼女の目から涙が流れた。途端にチルノは罪悪感におそわれた。
「・・・」
まだ油断は出来ないのだが構えた両腕は既に下されていた。
「・・・」
じわり、とたんこぶを確認してまた涙を流し、ひきつった表情で声を出して泣くのを我慢している紅白幼女の姿を見てチルノはさらにズキッとくるものを感じた。
このままどうすればいいかは分からないが周囲のことも目に入らないままに痛みを我慢している相手をじっと眺めてから。
「・・・・・あたいの目の前で泣くんじゃないよ・・・」
氷の小さいかたまりを右手のひらに作り出して座り込んでいる幼女に差し出す。
「これをたんこぶに当てな。ちょっとはマシになるから」
きょとん、と今初めて気がついたといった表情で女の子は泣き止む。
「いいから当てるんだよ!」
しばらくぼんやりと氷のかたまりをたんこぶに当ててから溶けるころには女の子(霊夢??)は涙のあとも乾いていた。
「ほれ、これやるよ」
ポケットから何かを取り出してそれを宙にほうりなげて、それを凍結させたと思いきやチルノの手には青いアイスが握られていた。
「アタリ棒はサービスだよ・・・・・だから、その」
続きは恥ずかしくてチルノにはすぐに言えないセリフだった。泣かせたのは自分だという負い目を感じているらしい。
うなずいて大人しくチルノ特別製アイスをもふもふと食べる女の子。(しつこいようだがチビ霊夢)
「泣くんじゃないよ」
とぼそっと付け加えた。
「おねえちゃんありがとう」
と、こちらもぼそっと返事を返した。
「?!」
(これが・・・・・子分!?)
てくてくと手を振りながら森の向こうへと去っていく紅白の女の子の姿を確認もせずにチルノは自分の世界の中(なわばり)で感動の余韻に浸っていた。
「あたい・・・」
ぐっと握り締めた手。決意に満ちた眼差し。凛とした瞳。
「幻想郷最強はやめたっ!」
なにすんの?
「子分を作るぞっ!!!」
(劇画調)
いーえっくす 1 チルノ感動する。決意編
「んん~?朝か・・・」
とりあえず霧雨 魔理沙の一日は「私は妖怪とは違う」という名文の元、早寝早起きは特別なことが無い限り常識の範疇である。弾幕を避けるコンディションは良いほうが断然いいとのこと。健康優良児だった。手癖は悪いが。
パジャマのようなものから着替えると普通の魔法使いの服装に。どこが普通かはご想像にお任せしますがそういう肩書きが本人の誇りでもあります。
「今日も弾幕だ!!」
彼女は元気だった。
「紅魔館に行くのもいいが、霊夢をからかうのもいいな。そういや霊夢は普段なに食ってるんだ?そういう私もだが」
自分の今朝食べたものが思い出せないのはともかく、人と一緒に朝食をとるという習慣が絶えて久しいであろう魔理沙はどうでもいい疑問を口にした。
「よぉー。霊夢いるか~」
神社に着いた魔理沙の呼びかけに返事は無い。
「霊夢~」
賽銭箱の前に立って、裏手に回ろうとした魔理沙の視界に少女が飛び込んできた。
「・・・?」
明らかに自分の視点より低い位置にある顔がどう見ても見覚えがあるような気がするのはなぜだ?と思う間もなく、なぜかうれしそうな小さい顔が抱きついてきた。
「まりさ!!遊びに来たの!?」
「????!」
「何して遊ぶの!!」
「(ナニコレ???)あ~、えーっとお前は本物の霊夢か?」(子供は好きじゃないんだが・・・)
「ほんもの・・・?」
きゅん☆
「?????????」
首をかしげて邪気が無い瞳に混乱する魔理沙。落ち着け、とりあえず落ち着け。
「あ~・・・じゃあなにか昨日変なものを食べなかったか?(よし、セーフ){意味不明}」
「うーん・・・お昼に境内を掃除した後、お饅頭をいっぱい食べた!」
(おかしい・・・小さくなっただけではなく邪気が無い・・・)
「コレは異変なのか?饅頭で?」
「ねぇ、お茶でも飲む?」
「あっ・・・ああ、昨日飲んだやつじゃない茶葉ならいただこう」
「お菓子も持ってくる!」
放り出していた今の身の丈に合わない箒を抱えなおして縁側に子供らしくジャンプして上がるチビ霊夢。4頭身ぐらいだとさりげなく考察する魔法使い。
「弾幕をしかけてみるか?いやしかし妖怪が霊夢に化けてなんの得があるんだ?修行を積んだ得のある巫女でもないのに・・・それとも・・・いやなんかドキッときたとかそういうのではなく・・」
「あら、そこの魔法使いさん何をしてらっしゃるの?」
待っている間にさりげな~く、他人に対してひどいことを呟いていた魔理沙へ今しがた来たといわんばかりの顔でいつもどおり胡散臭い境界の妖怪が話しかけた。
「むっ。お前さんの仕業では」
「いやね、私も知らないわ。というより何の話?私は起きたばかりなの」
「嘘はいかんぞ。霊夢がロリ化した話。」
「あぁ!」
「やっぱり」
「なにそれ?」
「はぁ?とぼけるのか」
「不可逆を可逆にしてなおかつ人間に拒絶反応も無く自由自在に固定化適応させるのはとっても難易度が高いの。粉みじんにするほうが早いかしらね。巫女程度には洗濯機型渦巻き回転弾幕のほうがましよ」
「(弾幕含めて)実験動物にされたとか?」
「私の力にどうして前準備が必要なの?」
「・・・・(会話なのかこれは?)」
「それより霊夢がどうしたっていうの?見てみたいわぁ」
「まぁ、もともと東方はロリ気味だし、今更年齢下げても関係ないか」
あははははとなぜか一緒に笑う人妖の二人。
「そちゃですよ。」
キラキラキラ☆
「まぁ!台詞がひらがな表記ね!まぶしいわ!」
「確かに。文章で精神年齢をあらわそうとすると結構難しいんだ。ロリの声優でもいれば話は別だが」
「・・・?・・・・紫だ!!!’オミヤゲ’なぁい?」
いまさらですがお茶を運んできたチビ霊夢にはこの内容は分かっていません。
「とっても可愛いわねぇ・・・生八橋でも買ってくるんだった・・・」
「やっぱり妖怪好みのイベントか!」
「霊夢ちゃん。ごめんなさいね・・・お菓子が無いから代わりにコレをあげる」
なぜか紫はどこからともなく出てくる怪しい隙間から・・・・
「じゃじゃーん!妖怪版’く○ひ○危○一○’!!」
あからさまに海賊版っぽいデザインだと思うのはドラム缶より大きいぐらいの大きさだからだろう。人形が入るべきところにはちょうどよく人間一人分が入りそうだ。
「ということはもしかして・・・・」
「大丈夫よ。ちゃんとオリジナルを意識して、アタリのところに剣が刺さったら人形(この場合人間?)がばねで飛び出す仕組みになっているから。もちろん拷問器具じゃあないわ。」
「のるの?」
「うん。乗るのよ~真ん中にね」
「早速遊ぶノリになってるが大丈夫なのか?」
「ほらコレをね、穴にさしていくのよ。アタリに刺さるとね・・・」
「どかん!」
「可愛いわ・・・・食べちゃいそう☆」
「コラコラいかんだろ」
ちゃっかりお茶とせんべいにありついた魔理沙をよそに13本目にしてガチッと嫌な音がした。なぜか電子音で猫踏んじゃったが鳴り響く。
「・・・・・・・」
「私の見た限り何も起きないな」
「故障かしら?」
「?」
びよよよよーん
「あら?」
きらーん(光点)
「・・・・・」
「・・・・・・・・」
「飛んで行ったな」
「そうね」
「なんか言っとくか?」
「キュン☆」
「やっぱり嘘くさいな」
ロリ東方 第一話 「完」
第二話?
「・・・・・・・懐かしい気もするがいいのか?こんなんで?」
「べつにいいんじゃあないのぉ。あたしはかわいく見えるよん☆」
「さりげなく何を誘拐して言える言葉だ」
「門番」
「もしかして赤くて」 「広くて」 「なんか前科があって」 「姉妹が住んでて」 「湖の近くにあって」
「そうだよ」
ずっこけるモーションでおどけてみたもののメイドより役に立ちそうにない護衛に価値があるかどうか考えてみたら優先順位は低いだろう。南無。
「初めてその鎖が役立つところを見たが妖怪でいいのか?」
「だって、可愛いじゃあん!」
鬼が人攫いをする動機は決闘の人質というより利己的に「欲しい」からではないかしらと考え頭が痛いと訴える魔理沙。
「びえーん」
「これこれ泣くな」
「子供の扱いが好きだからか?」
「ぐすっ」
「どれくらい昔か忘れたけどぉ・・・うーん。仲間が赤ん坊をさらった時、なんかあやした気がする。あれは可愛かったなぁ・・・★」
「捕虜の扱いがアットホームだな」
「でしょ!女子供は可愛いの攫うと、身内とか許婚とか名乗るのがいっぱいやってくるんだよ!!あんまり可愛いと惚れちゃって嫁にするだのなんだの言い出すヤツもいたね」
「・・・・なるほど。さすが生きる日本昔話」
「ほれほれ一杯飲めぇ、寿司食いねぇ」
「んじゃ、お言葉に甘えて」
「アンタじゃないよ」
「ぷふぁ・・・ぐぅ」
「子供に飲ませたら一発だろうが」
「国際捕虜人権保護条約には違反していないんだなぁこれが」
「そういう誘拐犯も子供にしか見えなかった」
「あのメイド来るかなぁ」
そういって向けた視線の先には永夜抄主人公メンバーの人間組が幼児化した姿で相変わらず五字切り(←おまじないの一種だと思ってください)の練習をしていた。霊魂を漂わせていたりメイド服を着たりしている幼女が混じっている。そのうち飽きて人生ゲームを始めた。
「あたし酔ってるのかなぁ。あそこで人生ゲーム始めた子供たち全員どっか見覚えがあるよ」
言ってる最中にルーレットを回しているちびっ子メイドがコマを3マス動かした。
「なんだこれ・・・・・」
思わず顔を覆う魔理沙
「なんかいった~?」
「いやなにも」
「暗くなる前に早く帰るんだよ~」
小鬼はひょうたん片手におぼつかない足取りで立ち去っていった。引きずられている小型門番の頭に音も無くナイフが刺さっていた気がしたが、気がつかない様子で魔理沙の前を通り過ぎた。
「・・・・帰るか」
第二話 あるいは迷子を拾いまくった日 完
第三話
「あらまぁ、わざわざ妖夢を届けに来てくれたのね」
「ああ・・・・というか」
「何を持っているの?」
「だから」
「おはじき?へぇ。キレイねぇ・・・・」
「その」
「お礼にこの菓子折りを持っていってあげなさい。みんなウチの子になるわよ。ストリ・・・・いえなんでもないわ」
「イヤイヤイヤそれは絶対にいかんだろうが」
「魔法使いさんにも一つね」
「結構です」
冥界 西園寺邸 縁側にて
とりあえず。なぜか幼児化したちびっ子に含まれなかった魔理沙が空飛ぶ子供たちを引率いて集団帰宅を開始したのだが一番に西園寺邸へと向かう一同(笑)。
「まさかお前さんじゃなかろうな。死蝶の術の掛け損ないじゃあるまいし」
「あら、惜しいわ」
「怪しいぜ」
「この琥珀、欠けてて中にどんな虫がいたのかわからないわね。反魂の術を使ってみようかしら」
「おいおい。私は無視ですか」
「お行儀の悪いお客さんに尽くす愛想はありませんよ」
突如として暗雲立ち込める嫌な雰囲気。畳を走り回る幼児たちが楽しそうに騒ぐ音が遠くに聞こえる・・・というかまだいたのか。
「け、けんかはいけません!」
今まで黙っていたチビ妖夢が剣を抜いて精一杯声を張り上げる。
「おじょうさまもきゃくじんにぶれいを、はたらくのはだめです!」
「妖夢・・・ごめんなさいね」
「ううむ・・・・」
「いくらるすちゅうにおやつをたべられたからといっても、だめなものはだめです!」
「ああ、そういうことか」
「そうよぉっ!食べ物の恨みは怖いのよ!こんなに可愛い妖夢がせっかく買って来てくれたのに!最近デビューした妖怪菓子職人の新作だったのよ!!」
「食い物の話になるとまともな情報を話すのはやめてくれ・・・・」
「きょうはみんなでなべといたしましょうお嬢様」
「とってもいい提案ね!」
「おっ。じゃ私も」
「ともだちがまた一人増えるわよ妖夢。砒・・・なんでもないわ」
「・・・・・・」
「とても怪しく聞こえるのは私だけか?」
(幼児になったら、どうしてこんなにまともなんだ?主人の制御ができてるし)
「今日は頑張るのよ、妖夢」
「はい、お嬢様!」
(分かった。どっちも本当は子供なんだ)
「何か言った?」
「いーえなんにも」
第三話 鍋奉行パーティー(予定) 完
第四話
「あら、お買い物?幽ヶ子?」
「紫も?」
「傍から見ると、とってもお似合いの親子に見えるわ」
「そんな事言ってぇ。あなたの服装、怪しくてよく分からないからそのコメントもよく分からないわ」
「手なんかつないじゃって。」
「可愛いでしょう☆」
「なにを買いに来たの?」
「この子がね。お出かけしたいって言うのよ。スペルカードとか使えないぐらいちいさな子供だから安全なところでお買い物しようってことになったの。そういう紫もどういう経緯?」
「私も同じようなもんよ。たまにはいいことしたくなったの。」
「また嘘吐いて」
「あなたもね」
女二人、上品に笑うラスボスクラスの人外の存在たち。人間の里に来るのはいいが(?)あまりにも異様な光景に気づくことができる証拠はおそらく幽霊二人組みの周りを漂う人魂だけだろうか。巫女服を着た幼女を連れている時点で既にあやしいが、背格好のうかがえない服装で幽霊と一緒に談話という特徴からしてすでに通りには人っ子一人いない。まっとうな動物と人間は危機感を覚えて逃げ出す。
「紫様。いかがしてこのようなところへ・・・」
と言いながら近寄ってきていた藍は足元に突如として出現した隙間に落ちて見えなくなった。
「危なかったわぁ。危うく人間じゃないってばれるところだった」
「大丈夫よ紫。もうばれてるから」
「まぁ、わかってるけどね」
「いいの?あの狐はあなたのものでしょう?」
「悪い子にはお仕置きよ」
「世の真理ね」
「紫~。おなか減った」
「わたしもです。幽ヶ子さま」
常連として油揚げを買いに来ていた藍が、全く住民の違和感無く里の通りを歩いていたことに紫がなぜかイラッときたのでボッシュートしたのは誰も興味が無い。というか誰も知らない。
「ヤツメウナギの屋台でも行く?」
「飲食店はあれぐらいしかないから」
「そうしましょう」
と、歩きかけて幽ヶ子は人差し指をあごに当てて振り向いた。
「そういえばなんで巫女なんか連れてるの?」
「だって可愛いんだもん☆」
「年不相応に見えるわ」
「いやぁね。それはどっちの意味かしら?」
「くるくるーっと」
第四話 ショッピング失敗 完
いーえっくす 1
氷の精霊。チルノはいつもとは違うところをうろついていた。
「おかしい・・・」
習慣としていつも巡回しているなわばりに見慣れない小さなシルエットが跳びまわっていて、それは気のせいか知らない相手ではないという気もしていた。
相手は追いかけられていることに気がつくまでもなく飛行している。
樹海と見間違うほどにうっそうとした森の中を飛び、高速で飛行する追走劇はあっけなく終わった。
「な、なんだいこりゃ!」
見覚えのある紅白の衣装を着た自分と同じぐらいの背丈の女の子が木の幹に激突して気絶していた。
どう見ても巫女の妹といった存在には見えないぐらい瓜二つなのだが
「だ、誰だオマエ!あたいの縄張りで気絶なんかしちゃって!」
気絶する権利も許されていないらしい。
チルノは警戒心から距離をとった。
「う、うぅん・・・」
たんこぶになったところを抑えながらもぞもぞと起き上がった幼女の目から涙が流れた。途端にチルノは罪悪感におそわれた。
「・・・」
まだ油断は出来ないのだが構えた両腕は既に下されていた。
「・・・」
じわり、とたんこぶを確認してまた涙を流し、ひきつった表情で声を出して泣くのを我慢している紅白幼女の姿を見てチルノはさらにズキッとくるものを感じた。
このままどうすればいいかは分からないが周囲のことも目に入らないままに痛みを我慢している相手をじっと眺めてから。
「・・・・・あたいの目の前で泣くんじゃないよ・・・」
氷の小さいかたまりを右手のひらに作り出して座り込んでいる幼女に差し出す。
「これをたんこぶに当てな。ちょっとはマシになるから」
きょとん、と今初めて気がついたといった表情で女の子は泣き止む。
「いいから当てるんだよ!」
しばらくぼんやりと氷のかたまりをたんこぶに当ててから溶けるころには女の子(霊夢??)は涙のあとも乾いていた。
「ほれ、これやるよ」
ポケットから何かを取り出してそれを宙にほうりなげて、それを凍結させたと思いきやチルノの手には青いアイスが握られていた。
「アタリ棒はサービスだよ・・・・・だから、その」
続きは恥ずかしくてチルノにはすぐに言えないセリフだった。泣かせたのは自分だという負い目を感じているらしい。
うなずいて大人しくチルノ特別製アイスをもふもふと食べる女の子。(しつこいようだがチビ霊夢)
「泣くんじゃないよ」
とぼそっと付け加えた。
「おねえちゃんありがとう」
と、こちらもぼそっと返事を返した。
「?!」
(これが・・・・・子分!?)
てくてくと手を振りながら森の向こうへと去っていく紅白の女の子の姿を確認もせずにチルノは自分の世界の中(なわばり)で感動の余韻に浸っていた。
「あたい・・・」
ぐっと握り締めた手。決意に満ちた眼差し。凛とした瞳。
「幻想郷最強はやめたっ!」
なにすんの?
「子分を作るぞっ!!!」
(劇画調)
いーえっくす 1 チルノ感動する。決意編
もうちょいテーマを明確に書いてみてはいかがでしょ?