Coolier - 新生・東方創想話

四季映姫のややいつもと違う日常

2007/11/27 10:18:10
最終更新
サイズ
5.95KB
ページ数
1
閲覧数
591
評価数
8/31
POINT
1490
Rate
9.47
/*注釈
 脳内設定とかありますので、そのあたりは勘弁してください…
*/


「ふぅ…やっとキリがついた」
そうため息混じりで声をもらしたのは、やや小柄の少女、四季映姫・ヤマザナドゥである。
彼女は数多い閻魔のうちの一人で、幻想郷を担当しており、幻想郷に住むものにとっては最も縁がある閻魔である。
「小町の代わりの子がやってきて数日、仕事がはかどっているけど何か物足りない…。
けど、何が物足りないのかしら…」
そう、現在小町は不在なのである。ことは数日前─


「映姫さま~」
声を上げてやってきたのは小野塚小町、三途の河で船頭をやっている死神である。
「あら小町、珍しいわね。あなたが自分からここにやってくるなんて」
「えぇまぁ…」
小町はやや苦笑いをして相槌をうった。
「それで、今日はちょっと用事を伝えにきました」
「どんな用事かしら?」
「えっと、少しばかりここを空けます」
その言葉を聞いて、映姫やや困り顔で眉を顰めながら、
「小町…あなた普段から仕事をサボり気味なのに、さらにここを空けるというのですか…
いいですか、小町。あなたは、」
「ちょ、ちょっと待て欲しいです。話を最後まで聞いて欲しいです」
「ん…?」
映姫は説教を途中で止められた不満と、小町の用件がまだなことに疑問を持ち複雑な顔をしました。
「えっと…」
小町は懐から四つ折の紙面を出し、映姫に渡しました。
映姫は紙面を読みつつ首を傾げました。
「死神研修会…?」
「はい、死神たちが集まって仕事内容の確認をするんです。その間、ここを離れますけど代わりの死神がやってきますので、その子があたいの代役をしますので。」
「なるほど、そういうことね。けど、用件は先に言いなさい。」
その数日後、小町は意気揚々と死神研修会へと出かけていった。


「ん~、本当に何が足りないのかしら…」
真剣な面持ちで悩むが、思いつくわけもなくわずかな休憩時間も過ぎていった。
「映姫さま~、次をお連れしました。」
「え…あぁ、ありがとう。あなたは働き者ね」
「いいえ~、これくらいは当然ですよ~」
小町が怠けすぎなのかしら…、と思ってしまったが別の考えも浮かんだ。
「そうだ、今日はこれで最後にして後は休憩にしましょう。」
「え…いいんですか?まだたくさんいますよ?」
「いいのよ、たまには休憩も必要だし、最近ずっと机に向かっていたから私も外に出てみたいわ」
「映姫さまがそうおっしゃるなら…」
「さぁ、あなたは今から休憩時間よ。私はこれを終わらせてから休憩に入るわ。」
そういうといつもの机に戻り仕事を始めた。
「それでは、失礼します。」
小町の代役の子は几帳面に礼をして退室していった。
「それじゃ、私も仕事を終わらせますか」

─数時間後
「ん~、終わったぁ」
伸びをしながら呟き、やや硬くなった体をほぐしつつ、軽めに出かける準備を始めた。
「さて、どこに行こうかしら。たまには自由気ままに飛んでみようかしら。そうしたら少しはわかるかしら」
そういうとそのまま出かけていった。


「意外と計画性もなく飛ぶのって難しいのね…」
映姫が考えたもう一つのことは、小町が普段どこでさぼっているかである。
そのために自分も自由気ままに飛んでみようと思ったのである。
そうすることで少しは小町がどこでサボっているかがわかるかもしれないと考えた末に休憩なのだ。
「とりあえずは静かなところを目指しましょう」

いろいろ飛び回った末たどり着いたのは博麗神社であった。
しかし、普段は必ずと言ってもいいほど誰かはいるの神社は現在無人。主であるはずの博麗霊夢すらもいない始末である。
「どうしたのかしら、誰もいないなんて珍しい…私が来たから隠れているのかしら」
そういいながらぐるりと神社を一周し、鳥居のところに戻ってきた。
「しかたがない、少し話し相手が欲しいので待たせてもらいましょう」
そういうと縁側と歩いていき、腰を落とした。
「今日はいい天気ね、最近少し寝不足だったから、少し寝かせてもらいましょう…」
陽気に中てられてしまい、すぐにうとうとし始めてしまい、すぐに意識は途絶えました。

─夕刻
「あら……閻魔さまが寝てるわ」
神社の主である博麗霊夢は、ふもとの里まで買い物へ行っている最中だったのだ。
本来は魔理沙か萃香あたりがいる縁側に、珍しく映姫がいたものだからひどく驚いた様子だった。
「ん…博麗の巫女…帰っていたのですか」
「いえ、今帰ってきたばっかり。それで、いつからいたの?」
霊夢は野菜などが入った紙袋を置くと隣に腰掛けた。
「どれくらい寝ていたのかしら、少なくともこんなに日が傾いてなかったわ…」
「そんなにも居たの…」
「うろつくのも退屈になったので、少しばかり話相手が欲しくなって寄ったつもりだったのに、陽気に中てられて寝てしまったわ…」
「よほど疲れていたのね。ついでだからご飯でも食べていかない?ご馳走するわ」
「いいえ、さすがに長時間空けるのは忍びないので戻ります。」
「そう?少し残念ね…」
少しも残念そうな顔をしないで霊夢は室内へ入っていきました。


─彼岸
「ようやく戻ってきた…」
霊夢の誘いを断り、急いで帰っているところに不意に声がかかった。
「あれ、映姫さま?何をしていらっしゃるんですか?」
「え…小町?!」
死神研修会へ行っていた小町である。
「あなたもう帰ってきたの?まさか、サボって追い出されてんじゃないでしょうね」
「そんなことないですよ…それにちゃんと紙には今日までって書いてたじゃないですか」
そう言われて映姫は紙面に書いてあった内容を思い出した。
「そ、そういえば…」
「物忘れなんて映姫さまにしては珍しいですね、よほど仕事をしていらっしゃったのですね」
「いいえ、そんなことないわ。あなたの代わりの子がしっかりと働いてくれたおかげで、しっかりと仕事をこなせたのですから。そもそもあなたは普段から仕事をサボりすぎ…で…」
ここでふと気づいたのである。
「…っと、どうしたんですか?」
小町の不思議そうな顔を見て、考え付いたもの。
ここ数日物足りなかったのは、小町への説教であった。
普段からの小町への説教が、映姫にとっては日常に欠かせないものになっていたのである。
そんなことがすぐに思いつけなかった自分自身にやや嫌悪を抱きながら、やや満足してこう言った。
「いいわ小町、今日はここまでしといてあげる。」
「え…映姫さまが説教をしないと…?」
小町はよほどのことなのか、一歩引いてリアクションをとった。
「その代わり!!明日からはいつも通りの説教が待っていますのでサボらないようね」
映姫がそういうと、小町は満足顔で
「説教はともかく、サボらないようには努めます。」
と言った。
映姫のいつもと違う日常はたった数日だったが、違うから発見できたものもあった。
「(たまには小町のことも大目にみることにしましょう…)」


─余談
「そうだ、映姫さま」
「どうしたの、小町?」
「閻魔たるものが寝ているときよだれを垂らしているのはどうかと思いますよ?」
一枚の写真を手渡しながらそういった。
「な…」
そこには陽気の中ややよだれを垂らしながら寝ている映姫の姿であった。
「小町…この写真は?」
「え?帰りに文屋にもらいましたが?」
「そうですか…」
あの天狗…許さない…、と心に誓った映姫である。
「小町、帰ったら説教よ」
「えぇ?!そんな八つ当たりですよ!」
「黙りなさい!」
「きゃん!」
これが彼女達の日常である。
初SSになります。

書くきっかけは単純ですが言いません…
むしろ言えません…;;

仕事中に構想を考えて帰ってきて書いてみたら意外と筆が進みました。
こういった文章を書くのは本当に初めてなので文章として成り立っていないところなど多々あると思いますが
読んでいただけると幸いです。
鰯缶
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.910簡易評価
1.60名前が無い程度の能力削除
その写真を私に渡すことがあなたにできる善行で(ラストジャッジメント

いいとは思うんですが、『ですます調』とそうでない表現があって、ちょっと違和感がありました。
もう少し推敲しておくといいと思いますよ。
2.50Fe02削除
感情描写がよく表現できていると思います。
また場面転換するときも自然に読み進めることができました。

ただ名前が無い程度の能力さんの指摘したとおり、
文体の統一がなされていないことや、状況描写に違和感を感じました。

小町のさらっとした告白がグッド!
7.50名前が無い程度の能力削除
展開に必然性が無いというか、なんでそうなるか、という理由付けが納得出来ないというか。
あと、小町の代わりの子が空気過ぎてかわいそうというか。

小町の代わりの子から小悪魔っぽいオーラを感じた俺ガイル
9.80名前が無い程度の能力削除
素直に面白いと思いました。
よだれを垂らしたカリスマのない映姫様は良いです……。

文章は数をこなせばもっと上手になりますよ、頑張って。
19.70名前が無い程度の能力削除
ところでよだれを垂らしながら寝ている映姫様はどこでもらえr(十王裁判
26.90名前が無い程度の能力削除
敬語と普通言葉をまぜると原作映姫様っぽくなりますね~
いい感じ。
28.90名前が無い程度の能力削除
面白かった
写真を買い取った、と言えば百合要素追加でお得な気分
29.90名前が無い程度の能力削除
映姫さまかわいい。
>私が来たから隠れているのかしら
なんて台詞はとても好きです。