Coolier - 新生・東方創想話

紅魔館仁義なき戦い~前座~

2006/06/20 05:49:39
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それは暇つぶしが原因だったというのは、霊夢さんや紫様に言われて初めて知りました。
あの人の得意分野で勝つ人がいるなんて…驚きです。(事件後当事者の従者の一言)

『それでは~、今回のメーンイベント!!早食いバトルを開始しま~す!!』
司会進行の小悪魔の声がスピーカーから場内に響き渡る。その声を聞き場内各地から大歓声が沸き起こる。
此処紅魔館地下特別コロセウムでは幻想郷の人間、妖怪が入り混じっての賭け試合が行われている。発案者は
いわずと知れた紅月の主犯、レミリア・スカーレットなのだがこの際は頬って置くことにする。
なにせ、ほとんど娯楽のないこの幻想郷…こういった娯楽も食事並みに重要なモノとして今認識されつつある。
『場内の盛り上がりも絶好調!!!実況は私子悪魔、解説は幻想郷一の常識人、上白沢彗音さんでお送りします!!
では選手に登場してもらいましょう!!司会担当の萃香さん、よろしく!』

小悪魔からマイクを受けた(アツメタトモイウ…)伊吹 萃香が左手の瓢箪から酒を飲みつつ
「レディス~エンドジェントルメン?大変長らくお待たせしました。只今より早食いバトルを開始します!!」
場内から割れんばかりの大歓声が再び響く。ほろ酔い加減の翠香が左手を高らかに上げ、対戦者をコールする。
「赤コーナー!!ディフェンディング・チャンピオン!!!
大喰らい、腹ペコの亡霊!!西行寺家の党首にして、幻想郷一の食いしん坊~
 西ィ行ォ~~寺、幽々子ォ~~~~!!!!!」
宣言と共に赤色のコーナーポストにスポットライトが当たり、塩掬びを食べている幽々子がリングに姿を現す。
『彗音さん、流石幽々子さん、余裕ですね』
『そうだな、亡霊に胃袋はあっても底はないと紅魔館のメイド長が言っていたからな。どれだけ食べても問題ないんだろう』
ワァアァアァァァァ!!!!ユ・ユ・コ!!ユ・ユ・コ!!!萃香のコールに反応して全体の6割の観客が幽ヶ子コールを巻き起こす。
「青コーナー!月の姫!不幸(?)な蓬莱人、現在職募集中、幻想郷最強のニート
 蓬莱山、輝ゥゥゥ~~~夜ァ!!!!!」
コーナーポストに光が当たるとほぼ同じくし
いつもの姿格好をした輝夜が右手を高らかに上げ、自らの存在をアピールした。
姫様~~~~!!!あんな大食い亡霊には負けないで~!!!
永遠亭の人間(?)がエールを送るもそのその声も幽々子コールによってかき消された。
『さて…両者に食べていただくものは事前にアンケートを取ってすでに決定しています。それは!』
小悪魔の一声と共に紅魔館のメイドが大福餅と石焼の器に入った何かを運び込んでくる。
『幽々子選手は大福餅!もちもちの皮と中に詰まった大量の餡子が絶妙なハーモニーを奏でる一品!一皿約5個、普段の食事量から
すれば大した事は無いでしょう。対する輝夜選手は…石焼ビビンバと言われる食べ物だそうです、なんでも月の民の主食だとか
普段から食べなれているものを選ぶと言うことは余裕があるということなのでしょうか?』
両者の机の上にそれぞれの料理(?)が並ぶ。
『今回のルールは20皿を完食するまでのスピードを競います』
ちなみに当初は大食いを予定していたが、幽々子が無尽蔵に食べてしまいそうだったので急遽変更になったのである、理由は言うまでも無い。
「んじゃま…レディ・・・ゴー!!!」
萃香の掛け声と共に地獄の戦いが始まった。

大福餅を次々と口に運び、出された皿を綺麗にしていく幽々子に対して、輝夜は熱々のビビンバ…やはりペースは幽々子とは比べ物にならないほど遅い。
『おおっと!!幽々子さん…3皿目に突入だぁ!!流石に速い!それに引き換え、挑戦者の輝夜さんはいまだペースが上がらない!
それとも元々無謀な戦いだったから元々勝てる見込みなど無いのか?』
4皿目に手をつけつつ、幽々子は余裕の表情で輝夜を見やる。
「ふふふ…輝夜さん…。幾ら食べなれているものでも、熱々のものはこの試合には向いていないわね。せいぜい火傷をしないように気をつけることね」
「…ふぁだふぁだ、これがらよ…」
余裕綽々の幽々子、口いっぱいにビビンバを頬張る輝夜、普通の試合ならこの時点で勝敗葉見えていたのかもしれない。
だが、互いの特殊能力がある以上、最後まで目が離せない試合であることは観客も、試合をしている2人も良く解っていた。
そして試合は幽々子のペースのまま後半戦に突入した。
幽々子:12皿 輝夜:9皿
その差は若干縮まったと言えるが、輝夜も必死になった結果がこれだ。また徐々に離されるのは、観客たちにも眼に見えていた。
(このまま負けて、生き恥を曝すことなんて考えたくない!!…仕方ないわね、奥の手を使うわ)
輝夜が静かにセコンドとして佇む矢意永琳の方を見やる。
(姫様!?まさかあの禁忌を!覚悟を決められたのですね。…私はもう何も言いません)
永琳は静かに頷き、ゆっくりと一歩確実に輝夜の後方に下がった。
『?セコンドが下がりました。輝夜さん一体何をするつもりなのでしょうか?』
小悪魔の実況が会場狭しと響き渡る中、幽々子が14皿目を食し終わる。と同時に輝夜も10皿目を食べ終わり、と同時にビビンバの入っていた石の器を天高く投げた。
??????
会場内の人間、妖怪はその輝夜の奇怪な行動に一瞬目を奪われる、そしてその石の器は重力に従い落下し
見事に輝夜の後頭部を直撃した。
「へぶしぃ!!!」
奇怪な断末魔と共に輝夜が机に突っ伏す。だが次の瞬間にまばゆい閃光が辺りを包む。
「リザレクション!!!!」
蓬莱特有の力が輝夜を現世へと引き戻した。そして猛烈な勢いで一皿、二皿と口の中に流し込んで
「うぐぅ!!!」
今度は喉に詰まらせた。机に突っ伏したが
「リザレクション!!!」
復活した。
会場はその異様な光景に凍りつき、幽々子も横で繰り広げられるおかしな1人芝居に目を奪われていた。。
『なるほど…そういう事か』
今まで(あほらしく、勝負が見えていたから)コメントしなかった彗音が始めて口を開いた。
『どうしたんですか?彗音さん?何かに気付かれたんですか?』
『うむ、ところで小悪魔はリザレクションがどういうものか知っているか?』
『ええっと、魂を元の状態に戻すことで肉体も蘇生させるんですよね?』
一度リングの上で奇怪な断末魔をあげる輝夜を見てから
『少し違うが、まぁそんなものだ』
と応えた。
『それとこの輝夜さんが追いかけているのがどんな関係があるのですか?』
『お前の言うリザレクションは魂を元の状態に戻すといったな?空腹の状態の魂に戻せば、体はどうなる?』
『空腹のままになるんじゃ…あああぁあ…!!!ま、まさか!?』
『そう、どんなに食べても死ねば胃は空っぽだ。死に方が少しおかしいが…蓬莱人だから出来る正に荒業だな』
そんな解説をしている間に幽々子を追い越し、輝夜が16皿目に突入する。
「!!負けられないわよ、あんたなんかに!!!!」
幽々子も必死になって大福を平らげていくが、
「ふふふ…幽々子、少し気をつけたほうがいいでリザレクション!!!」
「あら、私の真似事かしら?一応何に何に気をつけたほうがいいのか聞いておいてあげるわ」
輝夜がにやりと笑い、
「私の食べているビビンバは喉に詰まりにくいが、貴方の大福はご丁寧に搗き立ての餅で喉に詰まりやすい…。
これだけ言えばリザレクション!!…何も言わなくてもいいでしょう?」
輝夜が18皿目を食べ終わる頃には、幽々子も16皿目を食べ始めていた。
(負けてたまるもんですか!!!!!)
詰まれた20個の大福を一気に口の中に放り込み、飲み込もうとしたとき、悲劇は起きた。
「ぐふぅぅぅ…おひゃ、おひゃ!!!」
椅子から転げ落ち、リング状で奇怪な動きを見せる幽々子に会場からなんともいえないため息が巻き起こる。
『おおっと、幽々子さん大福を喉に詰まらせてしまったようです。しかし彗音さん?』
『ん?なんだ』
『亡霊って喉に詰まらせることってあるんでしょうか?』
『目の前で詰まらせているから、食事をする亡霊は詰まらせることがあるんだろう…。もっとも食事をする亡霊自体はあれ一匹だろうがな』
冷静な解説の間も幽々子は転げ回り、ようやくお茶の入った急須に手を伸ばす。が
「あらぁ、ごめんなさぁい」
(わざと)体勢を崩した輝夜が(これまたわざと)急須をリングの外に転がしてしまう。
「もがぁ、もがぁあぁぁ!!!!!がぎゅやぁ!がぎゅやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
幽々子の断末魔がコロシアムに響き渡る。そのまま泡を吹きながら、幽々子が倒れこみ動かなくなる。幽々子が倒れると同時に医療スタッフの鈴仙が駆け寄り
「反応…なし、呼吸…無し、脈…無し、心音…停止…って良く考えたら幽々子は元々死んでいるじゃない。…レフリー!モウムリポ!」
『この勝負、リング名蓬莱山輝夜の勝ちとします…でいいよね?』
幽々子が次に意識を取り戻したのは、暗い常闇の地下室だった。
「…私の負け?そんな…!あんな卑怯なやり方で!」
幽々子の叫びが地下室一杯にこだまする。その刹那奥の闇の中からぼんやりと何かが現れる。
金髪、ステンドグラスのような翼、そして彼女を象徴する炎に包まれた魔剣『レヴァーティン』
そこにいたのは間違いなく最強最悪最大の悪魔の妹様フランドール・スカーレットその人だった。
『おもちゃ発見!!!えへへへ…遊びましょ!!!!』
無邪気な表情のまま炎を纏った剣が幽々子に振り下ろされた。
初の投稿になります。
一応タイトルのとおり前座なので続きを近々出す予定です。
高宮
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コメント



0.530簡易評価
4.無評価名前が無い程度の能力削除
最後まで書いてから投稿した方が良いと思うよ。
7.80どっかの牛っぽいの削除
内容文句なし
リザレクションの意外な使い方、やるなニート
9.無評価名前が無い程度の能力削除
頬って→放って
読み方は「ほうって」です。「ほおって」では有りません。筈。
ラスト、「無邪気な~振り下ろされた」。
能動と受動がまぜこぜです。
他にも気になる点は有りましたが、めんどいので誰かにお任せ。
12.40そんなSSが好き削除
こんなおざなりなリザレクションはじめてみたぜ。続き待ってます。
21.無評価名前が無い程度の能力削除
矢意?