Coolier - 新生・東方創想話

従者の後輩へ

2006/01/01 07:39:58
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春度を懸けた弾幕ごっこから数週間後。
十六夜咲夜に負けたあの日から妖夢は鍛錬の時間を増やしまた内容も格段に厳しいものにしていた。
基本的に妖夢の鍛錬は幽々子と過ごす時間ではないとき、つまり幽々子が寝ている時に行われる。
夜は丑三つ時、朝は日が昇る前から彼女は一日足りとも鍛錬を欠かさなかった。
尚且つ疲れの色一つ見せず幽々子の世話もしっかりやっていたので周囲を驚かせた。

しかしいくら妖夢が半霊の身と言えど半分は人間。そんな無謀ともいえる日も長く続かなかった。とある朝のこと…
「いただきます」
「はい、いただきます」
妖夢と幽々子の朝はこの挨拶から始まると言っても過言ではない。妖夢の作った朝ご飯を2人で食べる。メニューはまさに純和風。味噌汁と白いご飯、それに漬物など。
毎日似たようなメニューではあるがそれでも幽々子には違いがわかるらしくしっかり粒一つ残さず食べていた。
いつもならここで2人で食器を片付け朝ご飯の時間は終わるのだがその日は違っていた。妖夢が食器を片付けるため立ち上がろうとすると幽々子が止めるように手を出して口を開いた。
「ねぇ、妖夢今日のお味噌汁なんだか味がいつもと違わなかった?」
「そ、そうですか?でもそう言われると私もそんな気がします。これからは気をつけますので…」
「うん、お願いね。それじゃ洗い物済ませてしまいましょうか。」
妖夢が頷き食器を持っていく、その様子を見ながら幽々子は少し考え小さくため息をついた。
ガチャン!
後ろで大きい音がした。慌てて振りむくと妖夢が茶碗を割ってしまっていた。
「あ…すみません幽々子様」
弱弱しい声でペコリと頭を下げる。幽々子は妖夢の頭に手を置き微笑んで答えた、普段だったらお菓子の一つでも要求される場面なのだがその対応に妖夢は驚いた。
「気にしないの。こっちも片付けてしまいましょう。」
「あ、は、はい」
意外な反応にポカンとしていた妖夢はコクっと頷いて割れた茶碗を片付け幽々子は洗い物を始めた。


朝ご飯の後は幽々子に剣術指南、これも妖夢の定期的な習慣である。
先代庭師である妖忌の頃から指南の内容は変わらない、ひたすら素振り、もしくはひたすら指南役に打ち込みである。
そもそも幽々子はあまり剣術をやる意味は無い。それは妖忌も妖夢も幽々子も知っている。
幽々子の「死を操る程度の能力」さえあればまず大抵の妖怪、人間は相手にならないだろう。
だがそれでも何時からか、少なくとも妖夢が忘れてしまうくらい前から幽々子は妖忌から指南を受けていた。
妖忌が教えていた頃はそれはもう今では考えられないほど真面目に素振りも打ち込みもこなしていた幽々子であったが妖夢に代替わりしたとたん
「ねぇ妖夢今日の晩御飯は何にする?」
「ああ、そういえば今日は三姉妹のところに用事が…」
「今日の朝ご飯の漬物なんだけどね…」
「もうすぐお昼ね。お昼ご飯と言えば…」
「そういえば昨日霊夢から羊羹を貰ったの」
等とかなり他所事を話すようになり剣術指南の途中に雑談ではなく雑談の途中に剣術指南のようになっていた。無論妖夢はこの状況の改善を考えたり妖忌が見たらどんなに嘆くかというのを考えたが最近では半分諦めている。

幽々子が素振りをするのを見ながら妖夢は考える。最近まではそんなことも無く、幽々子の素振りを見て半人前の自分でもこれくらいならできるんだと軽い満足感を覚えていたが春先の戦い、紅魔館メイド長十六夜咲夜に負けて以来彼女は時折自分の剣術の腕について考えはじめていた、生真面目な彼女は考えれば考えるほど深みにはまり最近では自分は幽々子の庭師として相応しいのかどうか、それさえ考えていた

─私は今のままでいいのだろうか、あの時の咲夜さんは三姉妹や湖で弾幕勝負をして疲労はあった…それなのに無傷の私は負けてしまい…別ルートで進入した霊夢や魔理沙達と協力されて結局西行妖は咲かずじまい、幽々子様のお願いを果たすことを私は出来なかった。
先代妖忌から幽々子様のお世話を頼まれもう何年となるけれど私は世話係としてしっかり役目を果たせているんだろうか。いつも幽々子様と歩かせてもらっているけれど静止できたことは無くてお願いして止めてもらっている感じがあるし。
今朝もそうだったけれど最近では失敗が多くなってきた…無茶はしているつもり無いんだけれどやっぱり私未熟なのかな…。幽々子様に付き従う資格なんて…

「よ…妖夢…ねぇ、妖夢ってば」
声に気づきハっと顔を上げると幽々子が素振りを止めて妖夢の顔を見て口を開いていた。いつもよりかなり短い素振りの時間である。悩んで気落ちしていた妖夢もさすがにこれは頂けず瞬間的に
「幽々子さ──」
ま、駄目です。休憩はもう少しやってからですよ、と言葉を出そうとしたが次の言葉に妖夢は再び驚かされる。
「それじゃあ、今から打ち込むから妖夢しっかり受けてね。」
「は…あ、はい。わ、わかりました。」
正に目を白黒させて妖夢は剣を取る。
妖夢が覚えている限り幽々子が自分で打ち込みの練習をやると言ったことは無い。確かに幽々子に気迫を相手にぶつけるといった打ち込みは合わないように思えるので妖夢もなんとなく納得していた。
「それじゃ…行くわね」
ゆっくりと竹刀を妖夢に向け呟くように言う幽々子。それに応え小さく頷く妖夢。
「はぁっ!」
ゾっとするような気迫が打ち込まれるたび妖夢に向けられる。だが気迫は気迫、その気迫に耐え剣を受けるくらいなら半妖であり妖怪としての格が桁違いに違う妖夢にだってできる。
バシィッ、バシッ!と激しい音が何度も続く、普段なら一心に受けつづける妖夢だがその時の妖夢は焦っていた。

─幽々子様の腕前が私に追いついてきている…?

これが妖夢の気のせいなのかどうかは今は置いておこう。
妖夢は確実に幽々子の打ち込みを受け幽々子は再び打つ。打ち込みとして当然なのだがなんとなく妖夢はその繰り返しがずっと続くことに不安を覚え始めていた。
妖夢にとって剣とは主である幽々子を守るためにある武器であり自分が幽々子の傍にいてもいい理由の一つである。その剣が主に追いつかれつつあるというならば…

─私は幽々子様の傍にいなくてもよくなってしまったのだろうか?

そう思った瞬間、急激に思考のループが加速する。当然ループなので結果は出ない。ただ漠然と不安になっていく、どこまで考えても幽々子の傍にいる意義がぼやけて見えてきただけである。

「妖夢、危なっ…!」
ハっと目を見開けばそこには幽々子の振り下ろした竹刀が目の前に迫っている。考え込んでいたせいか上段に構えていた竹刀はあっさりと弾かれてしまっていた。とっさに構え直す。
と、そこにはほんの少し鈍い音を立て苦しい体勢ながら振り下ろされた竹刀を受ける妖夢がいた。

「妖夢、ごめんね…」
「いえ、私がぼんやりしていただけで幽々子様は何も…」
さすがに瞬間的に受けたせいか妖夢と言えどかなり無理をしたらしく運悪く人間側の手首を痛めてしまい結局あの後剣術は止め幽々子が包帯を巻き妖夢は休んでいた。
「さてと、これでお終い。ちょっと出かけてくるから留守番お願いできる?」
きゅっと包帯を結び立ち上がると幽々子は妖夢にそう言った。当然つい先ほどいためた腕の痛みはまだ引くわけも無いので
「ええ、大丈夫ですよ。ではその間に今日の晩御飯の仕込みを…」
「あ、いいのいいの。妖夢なんだか最近調子悪いみたいだし。…そうね、神社あたりから何か貰ってくるわ」
「でっ、でも…何もせずにじっと待つというのも…」
「いいのいいの、気にしないで。考えてみたら妖夢に暇を与えたこと無かったもの。だから怪我した時くらいは休んでいて」
勢い余り立ち上がりそうになる妖夢の肩に手を乗せ諭すように話し掛ける幽々子に妖夢は、
「はい、わかりました…」
としゅんとしながら答える事しか出来なかった。その様子を見て苦笑しながらも幽々子はかるく手を振り外へと出て行った。妖夢は落ち込んでいたせいで気づかなかったがその方向は博麗神社とは正反対の方向、紅魔館であった。

「と、いうわけなのよ。あなた達責任を取りなさい。」
 ピリピリした空気を飛ばしながらも微笑みながら扇で自分をあおぐ幽々子の姿が紅魔館にあった。
「咲夜、何でこの幽霊が入ってきているのかしら?門番は一体何を…」
「…すいません、お嬢様。門は現在この方が入ってきた勢いで半壊。美鈴はその時の衝撃で気絶しています。」
もう一つの主従、レミリア・スカーレットと十六夜咲夜はこの茶室に突然現れて最近の妖夢の様子を語りだした珍しい客人に少し驚きながらも普段の調子で話していた。

 尚、咲夜の言ったことは誇張ではなく真実であり、白玉楼からすこし離れてから幽々子は高速で移動。どこかの黒白には劣るもその速度は紅魔館の外壁をそれなりに崩す勢いだったという。

「それで、何で私たちがあなたのところの半人半霊のスランプ復帰を手伝わないといけないの?」
「だから先ほども言ったでしょう。あなたのところのメイドに負けたおかげで妖夢が自分のポジションを見失いかけているのよ。妖夢は妙なところで真面目すぎるの、私は妖夢以外の従者は考えてないけどあの子はそれが本当かどうかわからなくて不安でたまらないみたい。」
「ふぅん…まぁ気持ちはわからないでもないわ…咲夜はどう?」
 一度部屋を離れ幽々子の分の紅茶を淹れて持ってきた咲夜は突然話を振られて少し慌てた。すでに幽々子はお茶菓子に手をつけていた。
「えっ!?ま、まぁ確かにあの時二度も退けましたから…自信喪失してしまうのはしかたがないかもしれませんね。…それに主を守れなかったと言うのは従者としてはなかなか不安要素になってしまいます。」
 一度霧の事件でそれを経験している咲夜は後半淡々と語った。その淡々とした口調は室内の空気にも移り室内は一時静まる。幽々子は自分の茶菓子を食べ終わりレミリアの茶菓子に手を出していた。
このような問題の場合主が「大丈夫、あなたは私の従者だ。」と言ったところで解決するかどうかは疑わしい。ましてや妖夢は内面で考え込んでしまっている。自分から幽々子には心配をかけまいと話さないだろう。
「ではどうすれば…?」三人は考えこむ。
ほんの少し経ってからレミリアが口を開けた。
「…しかたないわね、咲夜。白玉楼に今から行ってきなさい。」
「やっぱりそれしかないのね。悪いわね、貸してもらうわ。」
幽々子も瞬時に意図を察したらしくレミリアと咲夜に丁寧にお辞儀をした。さすがにそこまで切り替えは出来ないのか咲夜一人置いてけぼりである。
「え、え?あ、あのー…私は…」
「こういうのは当事者同士で話すのが一番。そうよね、幽々子。」
「ええ、紫の持っていた書物にも『番長の称号を持つもの同士は殴りあった後には仲良くなる』と書いてあったから、きっとあなたたちもそのパターンなのね。」
 二人は完璧に咲夜に任せたらしく紅茶を飲んでいる。幽々子はどこからかどら焼きを出して食べていた。こうなった二人には何も通じないと察したのか一つ息をついて咲夜が一歩後ろに下がった。その背中にレミリアが声をかける
「大丈夫よ。私のメイド何年やっているの?一度失敗したくらいでへこたれている従者なんてさっさと叱ってまた紅茶を淹れに帰ってきなさい。」
立ち止まって咲夜は答えた。
「ええ、わかりましたお嬢様。」
後ろを向いていたが咲夜の顔は気のせいか微笑んでいたように見えたという。

 さて、咲夜が紅魔館を出たころもうすでに日は落ち白玉楼では妖夢が庭をウロウロしていた。気が気ではなかった。大妖怪と言えど妖夢にそのことは関係なく「幽々子お嬢様」なのである。
「幽々子様、どうしたんだろう、こんな時間に一人で。どこかでご飯をご馳走になっているのかな、それとも何かを拾い食い…いやそれはさすがにないか、でもそれならどうして…」
ブツブツ呟きながら縁側に座ったり立ち上がって空を見たりしている妖夢ではあったがどうにもじっとしていられない。
結局立て掛けて置いた楼観剣と白楼剣を取り暗くなった空を見上げる。と、そこには紅魔館のメイド十六夜咲夜が白玉楼に降り立とうとしていた。

「お嬢様のことが心配?」
微笑みながらゆっくりと咲夜が着地した。妖夢は怒ったような驚いたようないろいろな気持ちが混ざった表情で咲夜を見た。
「なんであなたがここにいるんですか…?」
「各方面からのお願いで来たの。最近絶不調らしいわね」
「関係ないじゃないですか、それを笑いに来たんですか?」
痛いところを突かれ妖夢は咲夜を睨んだ。咲夜には少し顔が赤くなっているようにも見えた。
「関係なくないわ、それを立ち直らせるのが今日の私の仕事。それに従者仲間が落ち込んでいるのは見捨てておけないしね。」
静かに笑う咲夜に対して妖夢は下を向いて震えている。
「何なんですかあなたは…ついこないだここまで乗り込んで半殺しにしたと思ったら今度は励ましに来たんですか。私の気持ちをいじくり回してそんなに楽しいんですか?」
声は静かだが妖夢の声は明らかに泣いていた。咲夜は、ふぅ、と一息ついて言葉を出す。
「別に楽しんでるわけじゃない、励ますというより叱咤しにきたのが正解ね。…まぁいいわ。あなた最近無理して特訓してるんでしょう。というこおとで今一度勝負しましょう、こんどはすぐ決着がつくように一撃で。」
いきなりの提案に不意を突かれ一瞬表情を崩す妖夢、だが咲夜がナイフを出したのを見るとゆっくり腰を落とす。
「本気…ですか?私だってあの時の私とは…」
「わかってるわ、だからこその提案よ。ともかく来なさい。成果を見てあげる。」
クイクイ、と挑発的にナイフを動かす咲夜を見てゆっくり息を吐き刀を構える妖夢。咲夜も微笑んでナイフを構える。空気が冷えて─張り詰める─。

 妖夢は走り出し、咲夜に向かっていく。それを迎撃するため咲夜はナイフを投げる。
ただ、ただ、それだけの動作に二人はどれだけ思いを込めただろう。
妖夢は気づいたらナイフが一本足に刺さっていた。

「また…私が負けてしまいました。」
一体どんな顔をしているのか予想がつく声で妖夢は言った。
妖夢は倒れた後駆け寄ってきた咲夜に、半霊部分に刺さったので手当てはいい、だが少し喋りたいことがある、といって現在背中合わせで喋っているところである。
「ええ、あなたはまだ未熟ね。」
「はっきり言いますね、これでももう何十年もやっているんですよ。私。」
「私はもう一体どれほどか解らない位やっている。…結局そういうことよ」
「年月の差ですか。でも早く一人前にならないと幽々子様にみすて…」
言いかけたとき咲夜が言葉をさえぎった。
「いや、少しだけ違うの。早くなくてもいいのよ、幽霊であるあなた達に時間は関係ないはずでしょう。あののんきな幽々子様はどれだけでも待っているに決まっているわ。そうじゃなければ一人の庭師をずっと傍に置いておくわけが無いでしょう。」
その言葉を聞くと妖夢はハっとした顔で振り返る。少しだけ目が濡れている。
「ほ、本当にそう思いますか?」
「ええ、そう思うわ。長年の経験からね。」
ハンカチを取り出し目の辺りを拭いながら咲夜は妖夢に言った。

「終わったみたいね…」
「ええ、終わったようね。」
屋根の上ではレミリアと幽々子が二人を見ていた。幽々子は羊羹を頬張っている。
「二人とも遅いですよ。妖夢は寝ちゃいましたよ。」
縁側から咲夜が声をかける、実践でも弁論でも負けてプレッシャーから解放されたのか妖夢は咲夜にいろいろな相談をしたり幽々子の話をし始めた。が、よほど疲れていたのかしだいにコックリコックリし始め結局今は咲夜の膝で寝ている。
「久しぶりにこんな安心した妖夢を見たわねぇ。」
「咲夜、ご苦労様。さすがはうちのメイドね。」
嬉しそうに幽々子が誇らしげにレミリアが言った。
「いえ、とんでもないですお嬢様。…まぁなんとなくわからないでもないですから。」
そう言い咲夜は妖夢の頭を撫でてやる。先ほどまでピリピリ自分にライバル心を向けていたとは思えないような寝息を立てている。ついおかしくなり小さく笑った。

「さて…今回の報酬として、そうねワインといいたいところだけど焼酎で我慢してあげる。酒蔵はどこ?」
「ちょ、ちょっと何言ってるのよ。私はそんなの聞いてないんだけど。」
「頼み事をした相手にはお礼をする。当然でしょう、さぁ案内しなさい。」
後ろではレミリアと幽々子が何やら言い争っているが咲夜は気にせず妖夢を起こさないようゆっくり顔を上げ空を見上げた。その日の月は紅くはなかったが銀とも取れる光を放っていた。
初めまして、零宮と申します。
せめて今年中にここに一本は投稿しようと思い頑張ってみました。真面目に考えた東方SSでは初めての長さです。

突貫工事過ぎたのか前半後半で主役が入れ替わったり心情変化などを急ぎすぎたのが反省点です。
もう少し背景描写なども混ぜれれば良かったかなぁと読めば読むほど考え直したりしています。

今後投稿させていただくこともあると思いますがどうかよろしくお願いします。
零宮
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コメント



0.1430簡易評価
7.50名前が無い程度の能力削除
頑張ってることは伝わるから、あとは数。
後ろなんか振り返らないでいっぱい書き続けること。
12.70MIM.E削除
妖夢の焦りや咲夜の膝で眠る様子などそのまじめさや子供っぽさが可愛いと思いました。
丁寧で素敵なお話だと思います。
26.70名前が無い程度の能力削除
これは・・・いいんじゃないですかね。
妖夢・咲夜さん・レミリア・ゆゆ様がとても自然。