博麗神社一角、そこでは宴に飽きた者と、また好奇心に溢れた者が集まっていた。
毎日続く宴会に新しい趣向を取り入れたのは八雲紫だった。
「暇よねぇ。…じじ抜きでもしましょう?」
参加者に声を駆け回り、集まった四名。
今宵の宴は一味違うらしい。
「では、私がルールを説明します」
紫はこっそり設えていた椅子に腰を降ろした。
「ちょっと!じじ抜きのルールぐらい皆知ってるわよ」
不満の声を上げたのはレミリア。
早くじじ抜きをしたくて仕方が無いらしい。
「あらあら、少しぐらい我慢しなさいな」
横でトランプを弄くりまわしていたのは永琳だ。
紫が参加者探しをしていた時に唯一自ら声を掛けてきた人物だった。
「あーら、数百年も生きたくせにじじ抜きさえ知らないの?」
「そこ、喧嘩しないでよ。…ルール分からない人いる?」
一帯が静寂に包まれた。
紫はウンウンと頷き、満足そうに口を開いた。
「そう。…でも私たちのじじ抜きはただのじじ抜きじゃないの。八雲紫改訂版の『幻想じじ抜き』よ」
参加者はそれぞれ「はぁ?」「何それ?」といった声を上げる。
「じゃぁ、説明するわね。基本的なルールは通常通り、ただし幻想じじ抜きではそれぞれに役職についてもらいます。役職は『王様』『賭博者』『聖職者』の三つです」
「うん?私たちは四人よねぇ?」
素っ頓狂な声を出したのは幽々子だ。
「役職が一つ足りないじゃない」
「一人だけ無職なの。…で、勝った順に『王様』『賭博者』無職『聖職者』になってもらいます。で、それぞれの役職ごとにじじ抜きのプレイ中に制約や特権が発動します」
「残念ね。吸血鬼とか亡霊とかの方が面白そうなのに…」
「そこの吸血鬼、少しは静かに出来ないの?」
「うるさい。ただの薬師風情が図に乗るんじゃ…」
「はいはい、二人とも落ち着いてー」
幽々子は愉快愉快とばかりに扇子で半分顔を隠してニタニタしている。
「…では次に役職の制約などについて説明します。『王様』は一番最初にトランプを配ったときにそれが不満だった時、一度だけやり直すことができます。その代わり『王様』はその能力を使ったときに自らの手でジャック、クイーン、キングのカードを捨てることが出来ません」
「メリットに対してデメリットが大きすぎない?」
「最初に私もそう思ったけれど、ここに揃っているのは幻想郷の猛者ばかり。嫌なら一位を回避する方法も取れるし、それにリテイクによるメリットは計り知れないわ」
「…なるほど。そういう事ね」
「では次、『賭博者』はじじ抜きの『じじ』…つまり一枚だけ抜かれたカードの正体を知ることが出来ます。…その代わり、四位になったときに悲惨な目に会うけどね。これについては後に説明するわ」
「ふーん、随分といい職じゃない」
「でもその一枚を知ったからといって有利に進むとは限らないわねぇ。…結局時の運任せなのよねー」
「…さっきからアンタ、目が笑ってないのよ…」
レミリアは幽々子を鋭くにらみつける。
「あらあら、怖いわねぇ…」
幽々子の目が一瞬スッと細くなったのを、永琳だけが見ていた。
「最後、『聖職者』ね。これは自分が捨てたハートの枚数に応じて得点が増えていく職業なんだけど…後で説明するわ。じゃあ次、得点について。自分があがった時にまだあがってない人の手札の合計枚数が得点として加算されるわ」
「早くあがれば早いほどいいってワケね」
「ご明察。…で、ここで『賭博者』のデメリットが出てくるわけ。四位になったとき、その時一位の人が得た得点の二倍分だけ自分の点が引かれるわ」
「一位が10点なら20点マイナスって事ね」
「『聖職者』は捨てたハートの枚数に応じて増えていくって言ったわよね。一位の時に一枚か二枚なら変わらないけど三枚から六枚なら1.5倍、七枚から十枚なら2倍、十一枚から十三枚なら3倍に増えるわ。…ただし、一枚も捨てなかった場合も2倍になるからね。それと、スペードを捨てたときは捨てたハート一枚分が無かったことになるわ。この場合、零枚での2倍も無くなるから気をつけなさい」
「逆転は可能だけど確率は低い…狙うなら零枚での2倍かしらね。ふん、面白そうじゃない」
「皆、ルールは分かったかしら、それでは第一回戦、始めるわよ」
・分かりやすいルール説明
自分の順位に応じて以下の職業に就く
1位:王様
メリット:トランプを配ったとき、一度だけリテイクが出来る
デメリット:能力を使用時ジャック、クイーン、キングを捨てられない
2位:賭博者
メリット:『じじ』が何のカードか分かる
デメリット:四位の時、一位の得点の二倍分マイナスされる
3位:無職
特にメリットやデメリットはない
4位:聖職者
メリット:一位であがったとき捨てたハートの枚数(以下)に応じて得点倍増
スペードを捨てたときは一枚につき捨てたハートの枚数を-1換算する。
0枚→2倍
1~2枚→1倍
3~6枚→1.5倍
7~10枚→2倍
11~13枚→3倍
デメリット:なし
例:ハートを四枚、スペードを二枚捨てたとき
この能力に適応されるハートを捨てた枚数は2枚とし、得点は増えないものとされる
得点は自分があがった時に、まだあがってない人の持っている手札の枚数と同じ分だけ増加する。
毎日続く宴会に新しい趣向を取り入れたのは八雲紫だった。
「暇よねぇ。…じじ抜きでもしましょう?」
参加者に声を駆け回り、集まった四名。
今宵の宴は一味違うらしい。
「では、私がルールを説明します」
紫はこっそり設えていた椅子に腰を降ろした。
「ちょっと!じじ抜きのルールぐらい皆知ってるわよ」
不満の声を上げたのはレミリア。
早くじじ抜きをしたくて仕方が無いらしい。
「あらあら、少しぐらい我慢しなさいな」
横でトランプを弄くりまわしていたのは永琳だ。
紫が参加者探しをしていた時に唯一自ら声を掛けてきた人物だった。
「あーら、数百年も生きたくせにじじ抜きさえ知らないの?」
「そこ、喧嘩しないでよ。…ルール分からない人いる?」
一帯が静寂に包まれた。
紫はウンウンと頷き、満足そうに口を開いた。
「そう。…でも私たちのじじ抜きはただのじじ抜きじゃないの。八雲紫改訂版の『幻想じじ抜き』よ」
参加者はそれぞれ「はぁ?」「何それ?」といった声を上げる。
「じゃぁ、説明するわね。基本的なルールは通常通り、ただし幻想じじ抜きではそれぞれに役職についてもらいます。役職は『王様』『賭博者』『聖職者』の三つです」
「うん?私たちは四人よねぇ?」
素っ頓狂な声を出したのは幽々子だ。
「役職が一つ足りないじゃない」
「一人だけ無職なの。…で、勝った順に『王様』『賭博者』無職『聖職者』になってもらいます。で、それぞれの役職ごとにじじ抜きのプレイ中に制約や特権が発動します」
「残念ね。吸血鬼とか亡霊とかの方が面白そうなのに…」
「そこの吸血鬼、少しは静かに出来ないの?」
「うるさい。ただの薬師風情が図に乗るんじゃ…」
「はいはい、二人とも落ち着いてー」
幽々子は愉快愉快とばかりに扇子で半分顔を隠してニタニタしている。
「…では次に役職の制約などについて説明します。『王様』は一番最初にトランプを配ったときにそれが不満だった時、一度だけやり直すことができます。その代わり『王様』はその能力を使ったときに自らの手でジャック、クイーン、キングのカードを捨てることが出来ません」
「メリットに対してデメリットが大きすぎない?」
「最初に私もそう思ったけれど、ここに揃っているのは幻想郷の猛者ばかり。嫌なら一位を回避する方法も取れるし、それにリテイクによるメリットは計り知れないわ」
「…なるほど。そういう事ね」
「では次、『賭博者』はじじ抜きの『じじ』…つまり一枚だけ抜かれたカードの正体を知ることが出来ます。…その代わり、四位になったときに悲惨な目に会うけどね。これについては後に説明するわ」
「ふーん、随分といい職じゃない」
「でもその一枚を知ったからといって有利に進むとは限らないわねぇ。…結局時の運任せなのよねー」
「…さっきからアンタ、目が笑ってないのよ…」
レミリアは幽々子を鋭くにらみつける。
「あらあら、怖いわねぇ…」
幽々子の目が一瞬スッと細くなったのを、永琳だけが見ていた。
「最後、『聖職者』ね。これは自分が捨てたハートの枚数に応じて得点が増えていく職業なんだけど…後で説明するわ。じゃあ次、得点について。自分があがった時にまだあがってない人の手札の合計枚数が得点として加算されるわ」
「早くあがれば早いほどいいってワケね」
「ご明察。…で、ここで『賭博者』のデメリットが出てくるわけ。四位になったとき、その時一位の人が得た得点の二倍分だけ自分の点が引かれるわ」
「一位が10点なら20点マイナスって事ね」
「『聖職者』は捨てたハートの枚数に応じて増えていくって言ったわよね。一位の時に一枚か二枚なら変わらないけど三枚から六枚なら1.5倍、七枚から十枚なら2倍、十一枚から十三枚なら3倍に増えるわ。…ただし、一枚も捨てなかった場合も2倍になるからね。それと、スペードを捨てたときは捨てたハート一枚分が無かったことになるわ。この場合、零枚での2倍も無くなるから気をつけなさい」
「逆転は可能だけど確率は低い…狙うなら零枚での2倍かしらね。ふん、面白そうじゃない」
「皆、ルールは分かったかしら、それでは第一回戦、始めるわよ」
・分かりやすいルール説明
自分の順位に応じて以下の職業に就く
1位:王様
メリット:トランプを配ったとき、一度だけリテイクが出来る
デメリット:能力を使用時ジャック、クイーン、キングを捨てられない
2位:賭博者
メリット:『じじ』が何のカードか分かる
デメリット:四位の時、一位の得点の二倍分マイナスされる
3位:無職
特にメリットやデメリットはない
4位:聖職者
メリット:一位であがったとき捨てたハートの枚数(以下)に応じて得点倍増
スペードを捨てたときは一枚につき捨てたハートの枚数を-1換算する。
0枚→2倍
1~2枚→1倍
3~6枚→1.5倍
7~10枚→2倍
11~13枚→3倍
デメリット:なし
例:ハートを四枚、スペードを二枚捨てたとき
この能力に適応されるハートを捨てた枚数は2枚とし、得点は増えないものとされる
得点は自分があがった時に、まだあがってない人の持っている手札の枚数と同じ分だけ増加する。
最後のあたりで、残っているのがジジのカードと、ジャック、クイーン、キングの三種類しかない。
という状況になった場合、手札からその三種を捨てられない王様は敗北が決定してしまいます。
ジジ抜きはババ抜きと同じく、一番最初に抜けた人が一位(つまり勝ち)それから人数によりますが二位三位~の勝ち組がいて、最後カード一枚だけ持っていた人が明確な負けになるゲームですよね?得点が入るということは連戦が最低条件。そして最初は階級が決まってないので皆様無職から・・・?
どの道かなり長くなりますよ?省略が殆どになると折角のルールが薄らぎますし。
王様のデメリットは結構キツイですね。最初は運のみなので、初手上がりは皆様狙えますし。
うむぅ。
評価は完結してからしますね。
こんな中身がスッカスカなんじゃ「ぼくのかんがえたあたらしいジジ抜き」のルールをお披露目したいだけだと思われても仕方ない
投稿して他者に公開するだけの意味があるのか考えて欲しい
聖職者が一番の博打打ちに見えますが・・・
というより、ジジ抜きで勝つために必要なのは運のみといってもいいぐらいです。ババ抜きなら相手の顔色を窺いつつ、カードを選ぶことも可能ですが。運ゲームは順位操作すらできない・・・戦略が立てられないゲームです。
よってレミリアが優勝します。運命操作