Coolier - 新生・東方創想話

或る晴れた日。

2011/09/19 01:02:30
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「ふぅー、やっと着いた」


寂れた神社に少々疲れたような声が響く。声の主はこの神社の巫女さん、博麗霊夢であった。
その手には野菜や果物、魚に調味料が少々入った大きな袋。
どうやら買い出しに行っていたようだが、この言葉は厳密には正しくない。
彼女は基本的に金を払わないからだ。この部分のみ聞くとただ横暴なだけであるが、彼女の仕事である異変解決の礼として里の者が持たせてくれるという極めて合理的なシステムの結果である。
とはいえ、他の客が金を払って品物を受け取っている隣で貰っていくのはなかなか気が引ける。というよりも人外共にからかわれ続けてたりする彼女は里の者にくらい格好をつけたいのだ。そんなわけで、秘かに霊夢は必要最小限のものしか貰わないことにしているのだった。そりゃあ、まぁ。偶には少し多めに貰って行ったりもするのだけれど。里の者たちとしても、博麗の巫女が自分たちにしてくれることはこの程度で足りることでは無いのだがせめてこのくらい・・・とか思っているため実は何の問題も無かったりする。どちらにせよ、謙虚な人間たちである。これもこの幻想郷という特殊な地に暮らす影響なのかもしれない。


足だけで器用に靴を脱ぎ我が家に上がっていく霊夢。その足取りは軽い。襖を開けるため、少女には少々重かったであろう両手に持つずっしりとした袋を床に置く。
そろそろ秋めいてきたこの季節、肌寒いと感じる日も増えた。そろそろ布団を厚いものに変えようかな、などと平和な考え事をしていると、誰も居ないはずの部屋から不意打ち気味に声が聞こえた。



「あら、おかえりなさい」


慌てて襖を開くとそこには季節外れにもこたつに入った紫がいた。流石にこたつはまだ早いだろ。
はて、そんなことより部屋を出たときにはこんなものが置いてあっただろうかと一瞬霊夢は思案し、いやいやいやと即否定する。
取り敢えず霊夢は袋の中をガサゴソと漁り、今しがた貰ってきたばかりで手頃な大きさだったかぼちゃを思いっきり投げつけることにした。








サブタイトル案は「幼女ゆかりんって素敵」だったけど全く関係無かったから没。









ジョークとは思えない弾丸のような速度で発射されたかぼちゃであったが、残念ながら憎きスキマ妖怪の顔面にヒットすることはなく、射線上に開いたスキマの中へと飲み込まれるように今日の彼女の晩御飯からログアウトした。


「酷いことするわね、今日が何の日か知らないの?」
「知るか。つーかあんたはここで何してる」
「え?見て分からない?」
「ええ全く分かんない。なんで買い物から帰って来たら我が家の居間に見知らぬこたつがあってそこにあんたが居るのかしかも蜜柑まで食べてくつろいでやがるし畜生私にも一個下さいお願いします」

ドカドカと室内に入り込み、打って変わって下手に出る楽園の素敵な巫女。
ともすれば土下座でもしてしまいそうな勢いで紫に纏わり付く。背に腹は代えられぬ、里で色々と貰えるため餓死するほどではないが、賽銭も参拝客も少ない巫女さんの食生活は辛く厳しいのだ。最近は食べられる野草の区別がつくようになったり、他人(大概は妖怪なのだが)がつまみや何やらを持って集まってきたりするので以前と比べると随分とマシになったのではあるが。

そんな妖怪の一人、八雲紫であったが今日は珍しいことにいつもの胡散臭い笑みはなく、純粋に楽しそうであった。
何故なら今日は(外の世界で)俗に言う『敬老の日』だったからである。
当然『敬老の日』は幻想入りなどしていないためその事実を知るのは紫だけである。つまり、深い意味などあんまりない。ただそのことをネタにして少し霊夢をからかってやろうと考えわざわざ出てきたらしい。
と、妖怪賢者はちょっぴりお茶目な悪戯を思いつく。古くからの友人である亡霊嬢や小さな鬼には大した効き目は無いだろうが、この生娘になら十分だろう。少しばかりサディスティックな心をチラつかせ、蜜柑を摘んだ手を霊夢の目の前に差し出す。

「じゃあ・・・はい、あーん」
「くっ・・・この歳にもなってなんという羞恥プレイ」
「いらないなら別に構わないですわ。そんなことよりもね霊夢――」
「別にいらないとは言ってない!だから、えっと・・・」
「・・・あれ、続きは無いの?」
「ニヤニヤすんなっ・・・分かってるくせに」
「さてどうだか。この妖怪の賢者にお教えいただけるかしら?」


その後顔を真赤にして「汚いさすが賢者汚い」とか「くっそ!紫くっそ!」とかよく分からない悪態をついていたが、誰の目からどう見ても照れ隠しであると分かる仕草で、蜜柑と紫の指と顔とを順番に覗き見ることを数セット繰り返した。
なるほど、これが外の世界で俗に『つんでれ』と呼ばれるものなのね。なかなかどうして可愛いじゃないかと余計な知識が紫の超人的な頭を走る。

この間紫はずっと霊夢を見ていた。それはもう、じぃーっと、穴の空くくらい。霊夢が挙動不審になってしまったのは大体そんな理由である。
もちろん紫は気付いていながらもニヤニヤと笑っているだけであった。コロコロと表情が変わるのを見ているだけでも飽きさせない、それほど居間の彼女は魅力的だった。

だがしかし。
紫の作っていた愛しい娘を見るような優しい空気は霊夢のお腹が鳴る音で掻き消された。
「きゅぅ」なんて可愛らしい音だったからまだ良かったものの、「ぎゅるるるる」なんてのだったなら自殺ものだろう。少なくとも一週間は布団の中を住処にして絶対に頭を出さないこと請け合いだ。


「ふふふ、自己主張の激しいお腹だこと。流石は霊夢ね」
「うっさい!・・・って、あんたはどうするのよ。うちで食べてくの?」
「食事中の貴方を余すことなく視姦していいと言うなら座っているだけでも――」
「分かったわよ作ればいいんでしょ作れば」

口調は悪いが、台所に向かう途中彼女が仄かに頬を染めていたのを紫は見逃さなかった。
そしてやっぱり、楽しそうに笑うのだった。






「できたわよー、あんたも運ぶくらいはしなさいよね」
「はいはい」


台所からの声を受けて、頬杖をついていない方の手を気だるそうに振る紫。正直このモーションすら能力の発動には必要無いのだが、なんとなくそれっぽいという理由だけでいつの間にか紫の癖の一つになっている。
瞬間、台所にあった幾つもの茶碗や皿がこたつの上に移動していた。

相変わらず反則的に便利な能力だなーと霊夢は思う。詳しくは知らないながらもあの能力があればやりたいことの8割が実現し、やりたくないことの8割はやらないで済むのではないかとまで思っている。
まあ、それはそれで案外間違っていないのかもしれない。
果たして現世に住む者で『どこでも○ア』があったらなぁ、と願ったことの無い人間は居るのであろうか。いや、居ない。



「さてと、冷めない内に戴きますか」
「ええ、そうね」

紫は実に上手く箸を使う。
そんな割とどうでもいいことが霊夢の頭の中をぐるぐる回っていた。
妖怪は基本的に人間を喰うために箸は必要としないはず。それ以上に名の通り紫色のドレスに身を包み、紫色の瞳をし、綺麗な金髪を靡かせどう見てもこの国の人間ではない。や、もちろん人間なんてものでは全くないのだけど。その彼女がこれほどまで上手く箸を使っているのはなんだか可笑しい。
というか何よ。紫のことをじっくり見たことなんて無かったけど、物凄く美人だ。同性の私でさえドキッとしてしまうほどの美貌。いいなぁあのサラサラした髪羨ま――と、ここまで思考が至ったところで紫が問いかける。

「どうしたのかしら、私の何か顔についてる?」
「あっ、いや、何でもない。何でもないわよっ」
「・・・・・・?」

怪訝な顔をされた・・・が、どうやら気づかれてはいないようだ。目を逸らしてほっと一安心する霊夢。
そんな彼女の隙をつくようにして悲しげな笑みを浮かべる紫に、この時霊夢が気づくことはなかった。




食事もその片付けも終わり、少しのんびりとしていると、

「あら、今日は月が綺麗ね。私が出してあげるから月見酒と洒落こみましょ?」
「え、ええ」

縁側の方に突然ふらっと立ち上がって微笑みかける紫。
まだ座ったままの霊夢からは丁度紫の背に月の光が差し、金色の髪がいっそう美しく靡いて見える。その姿に再び見とれてしまった霊夢は反射的に答えを返していた。
そのまま縁側に腰掛けると同時にスキマから酒瓶と徳利を二つ取り出し、自分の隣をバンバンと叩きそこに座るよう促す。
なんとなく子供っぽい大妖怪のその仕草に、霊夢は苦笑いを返すしか無かった。




二人は縁側に座って天を見上げる。
今夜は満月ではなく、少しばかり欠けてしまっていた。
それでも月が綺麗、というのは空に雲がない為であった。



一杯。
二杯。


無言で酒だけが減って行く。
しかし、居心地の悪い沈黙ではなかった。

そして霊夢が、沈黙を破る。
それも、何時になく真剣かつ落ち着いた声で。

「何かあったの」
「・・・どうして?」
「勘よ」
「貴方のはよく当るわねぇ」

いつもの軽口を叩く時と同じ口調。けれども霊夢は、どこかが、何かが確実に違うことに気付いていた。そして、待っていた。紫が自ら続きを話すことを。言うまでもなく、この行為もまた勘から来るものであった。
悩みとはこちらから問いただすことに意味は無く、向こうから持ちかけてきてこそやっと自らが介入する意味があるのだ。一見しただけでは冷淡に思えるかもしれないが人間なんてそんなもの。助けを求められてもいない相手をどうしてわざわざ危険な目にあってまで救いに行ってやろうなどと思うものか。しかし霊夢はその巫女としての使命もあるのだろうが、一度助けを求められさえすれば必ず動く。
そんな霊夢が、自ら話題を振った。なかなかの異常事態である。
しかしそれも、紫の動揺に霊夢が気づく、という異常事態があってこそなのだが。


徳利の酒を飲み干してから、ゆっくりと紫は言葉を紡ぐ。

「ちょっとね。でも大丈夫、貴方は心配いらないわ」
「・・・・・・」
「いつもは藍に頼りっぱなしだけど、今度は私が動く。だから、何も心配することはない。全て私に任せなさいな」
「何よその死ににいくみたいな言い方は」
「・・・・・・」
「えっ!?」
「・・・なんてね。殺して欲しいものだわ。この大妖、『幻想の境界』八雲紫を殺せるものならばね」
「まあ・・・確かに。あんたは殺しても死ななさそうだわ」
「それに、いざとなったら貴方もいるのだし」
「冗談は止めなさい、あんたの後任なんて私には無理。博麗の大結界、あれを維持してるのは私だと思ってる奴が多いけど、その大部分はあんたにしか熟せない。私にできるのは本当に簡単な部分の修復と一部を緩ませることくらい。あんたが消えたら幻想郷は十日と持たないわ」
「それは貴方が知らないからよ。結界も、境界も、自分の能力のことさえも
「そりゃ知らないわよ、教えてもらってないもん」
「そりゃ知らないわよ、知ろうとさえしないんだもの」

ぐぬぬぬぬ、と睨みつけてくる霊夢をサラっと流す紫。
これ以上言っても無駄だと悟ったのか、溜息を付き早々と話題を無理矢理引きずり戻す霊夢。


「で、あんたは何をしようとしてるのよ」
「ヒ・ミ・ツ」

イラッ☆


「・・・聞き方を変えようかしら。あんたは何を企んでいるのかしら?」
「ヒ・ミ・ツ」

イライラッ


「・・・・・・もう一度だけ聞くわ。あんたは何をするつもりなのかしら?」
「ヒ・ミ―――」

ブチッ

「うがぁぁああああああぁぁぁああああああああああああああああああっっッッッ!!!」



いちいち小馬鹿にしたような態度と言葉のコンボでついに切れた霊夢が紫に襲いかかる。紫も嬉々としてその相手をする。
突如真っ暗な神社で幻想郷屈指の有力者同士が戦いを始め、華麗な弾幕が夜空を埋め尽くす。幻想郷の明日はどっちだ。





・・・。
一刻ほど経った後、静かになった境内にはクスクス笑う大妖怪とふてくされいむの二つの影。酔いもすっかり覚めてしまったため、飲み直そうかと再び縁側に座ったところである。
月明かりに照らされるぷぅーっと膨れたその頬をつついてみたい衝動に駆られた紫だが、流石にまた怒らせると面倒臭いので思い留まって空を見上げることにする。


「ああ、もうっなによ!」
「最近の若い子はすぐ怒るからお姉さん困っちゃうわ。一体全体何に怒ってるのよ」
「この世の理不尽さによ!なんであんたみたいなのがそんな強力な能力持ってるのか納得できない」

ぷっ、と紫は思わず吹き出してしまう。

「なによ」
「いや、まさか貴方にそう言われるとはね。ろくに修行もせず

グサッ。1HIT!

自分の能力の本質さえも理解せず

グサグサッ。2HIT!

才能だけに頼って能力を行使するような、貴方に」

グサグサグサッ。3HIT! Chain Combo Bonus! Damage+368Point!


一言一言わざわざ区切って言う紫の台詞回しに思わぬダメージを受け、これからは少しでも魔理沙を見習おうと決意する霊夢。彼女は何気に努力家なのである。

「うっ・・・い、今に見てなさいよ。完膚無きまでに退治してやるわ!」
「そうね。貴方がそのくらい頼り甲斐のあるようになれば、私も安心なんだけど」
「ダメよ」


紫は耳を疑った。まるで、自分の考えていることを悟られてしまったように思えたから。
恐る恐る、視線を月から隣に座る巫女に移す。
その表情は既に落ち着きを取り戻しており、その瞳には今の今まで紫が見ていた月が映っている。



「幻想郷にはね、あんたが居ないとダメなの」


恐ろしいまでに正確な直感力。
紫のようにあらゆる事を考慮した末の考えではなく、ただそんな気がしたというだけの事。
代々勘が強いとされる博麗の系譜であるが、この娘はその中でも更に特別だった。

――この娘なら大丈夫かもしれない。密かに強かな打算が紫の脳内で高速展開される。
これまでずっと練り続けてきた策の中で霊夢に関わる部分を素早く予測、再構築していく。


博麗霊夢が、境界の理へと至るその可能性を。


 彼女には酷なことかもしれないし、何より時間が足りなさすぎる。
 私でさえこの域に至ったのはほんの数百年前だというのだ。彼女がいくら才能を持っていたとしても、その理を知る私が教えるにしても、求められる解は『不可能』の三文字のみ。
 彼女が悪いわけでも私が悪いわけでもなく、物理的に無理なのだ。境界を知るためには莫大な知識と経験、それを得るために気が遠くなるほどの時間もまた必要。
 つまり、人間である彼女には転生を繰り返しでもしなければならない。もちろんそんな気も、時間も無い――


結局、紫は当初の案を採用するのが最善の一手であるとの結論に至る。

 まぁそれもまだ先の話だ。その時が来ればまた考えることにしよう。
 今は出来る限り結論を出す事を長引かせておきたかった。少しでも長く、この幸せな時間を皆と共に過ごしていたかった。
 ――いつの日か、私がこの手で愛する世界を殺さなければならないのだとしても
 


「もしあんたなんかよりずっと真面目で働き者の藍がその能力を持ってたとしても、あんたには敵わない。この幻想郷にはあんた以上の管理人なんてどこにも居ないの」
「ありがとうね。お世辞だとしても、嬉しい」
「お世辞なんかじゃない!」

強い口調。
少し煽った酒の力もあってか、今日の霊夢は自分の心に素直だった。
紫も少々面食らう。

「・・・少なくても私はそう思ってる」
「・・・・・・うん。ありがとう」


どうしてだろう。霊夢にはその理由がわからなかった。
その時紫は微笑んだのだ。とても哀しそうに、寂しそうに。いつか訪れるであろう別れの日に想いを馳せるかのような、遠い目で
きっと紫は気づいて欲しくなかったんだろう。でも、霊夢は気づいてしまった。ずっとずっと最強だと思ってきた八雲紫が、消え入りそうな表情をしていることに。



「ねぇ、紫」
「なぁに?」

その声は普段と同じものであったが、霊夢にはそれが必至で我慢して出されているように聞こえた。

「今日は・・・いかないで。ここに居て?」
「・・・・・・」
「あんたが何を考えて何に悩んでるのかなんて私には分からない。でもさ」

妖の視線の先には、憂いを帯びた横顔が。

「一人の辛さは分かるんだ。だから言わせてもらうけどね」

巫女は月を眺めながら、けれども紡ぐ言の葉は隣に座る妖に向けて。

「何でも一人で背負おうとしないで。あんたは一人じゃないないんだから。あんたが言えばここに住んでる奴らは誰だって手伝ってくれるわよ、きっと。もしそう望むなら、私でもいい。私にも出来ることがあるなら手伝ってあげるから」

 ああ、なんだ。
 自分の方から一方的に愛しているだけだとばかり思っていたのに。
 こういうのも悪くないかな。

「だから、そんな哀しそうな顔しないで」


 でも、ごめんなさい。それでも私は貴方達と、幻想郷セカイのために―――

喉まで出かかったその言葉は決して霊夢に届くことは無い。しかし紫は様々な感情を織りまぜ、誰よりも優しい表情で微笑む。




隣に座る人間の少女を見て大妖は思う。
人と、妖。決して交わることは無いはずの二つの種族。
しかし何故だろう。この娘を見ていると、まるでそんな境界など存在していないようで。
もしかすると、いつの日か。ただ隣で共にいるだけでも笑い合えるような、そんな私の幻想ユメ見る日が本当に来る気がして。
それだけでまだまだ私は頑張れる。

『敬老の日』が幻想入りするのはもう少し後でもいいか、と縁側から覗く綺麗な月を見ながら思うのだった。
いつの間にか眠っていたようだ。
多少の肌寒さと瞼越しに目を刺激する太陽光線を受けてから醒める。
一つ大きく溜め息をついてから、まだ半分寝惚けている状態にある脳で必至に記憶を辿って、昨日は何をしていたのか思い出そうとする。


えーっと、なんだっけ。
確か・・・そうだ。紫が来て色々からかわれたんだった。
それで、他には・・・ああ、そうだった。宴会の準備をしなくちゃ。



隣にいたはずの紫は既にどこかへ行ってしまったようだ。少しだけ寂しさを感じたが、気のせいだということにする。
そろそろ脳も覚醒してきたし起き上がろう・・・として、やっと後頭部の違和感に気づく。っていうか、なにこれ?痛っ!?寝違えた?
なんぞこれ!?と跳ね上がって自分が今まで寝ていた場所を確かめようとしたのだが、直後私を襲った首の痛みに後悔する。もっとゆっくり動くべきだったか。
まぁ、今更悔やんでも仕方ない。若干涙目で首をさすりながら視線を下ろす。


まず視界に映ったのは、縁側。OK何も問題はない。
その上にあったのは、今まで私が枕にしていたのは、昨日紫に向かってぶん投げたかぼちゃ




これはきっと目の錯覚であるはずだが、今の私には眼前にあるかぼちゃがドヤ顔でふんぞり返っているように見えた。



・・・紫には取り敢えず、できるだけ強烈なのを後で一発くれてやることにしよう。




~~~



充電中


>奇声を発する程度の能力 様
ご指摘ありがとうございました。
羽ばたく目玉焼き
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コメント



0.600簡易評価
2.90奇声を発する程度の能力削除
>いつもは籃に頼りっぱなしだけど
藍?
静かでとても良い雰囲気のお話でした
6.100名前が無い程度の能力削除
この二人はちょうどいい距離。
10.80名前が無い程度の能力削除
ギャグからシリアスへの移り変わりが唐突かなと思ったが、原作も色々唐突だったと考えればそんなに違和感無くなってきた
続くみたいなんで期待も込めて
11.100名前が無い程度の能力削除
○こでもドアの例えで隙間の便利さが簡単に理解できた

続編期待しています