レミリアの気まぐれから始まったサバイバルゲーム大会。
1チーム4人、4チームに分かれて互いを撃ち合う。
ちなみに、この大会での能力使用および、飛行は禁止。
最後に1人でも残っていたチームの勝利。
ルール違反をしたものは問答無用で映姫さまに説教されるので、あしからず。
これが、今大会のルールである。
外の世界とルールが違うじゃないかと思われるかもしれないが、ここは幻想郷。
ようするに、幻想郷独自ルールなのだ。
以下本編
夜、鬱蒼としげった森の中は、不気味なほど静まり返っていた。
だが、そんな静寂ももう終わりに差し掛かっているようである。
d「こちら、実況のハクタク。クロウアイ、現在の様子はどうだ?」
「こちらAWACSクロウアイ、各チームいまだ目立った動きは見せてません。」
「ふむ、それでは何か動きがあったら教えてくれ。それでは。」
「了解です。」
射命丸文は今回中継役として、ゲームフィールドの上空を飛んでいる。
ちなみに文は肩にTVカメラを担いでいる。もちろん、紫がスキマから取り出したものだ。
なるほど、確かに普通のカメラじゃ実況はできない。普通のカメラも持っているようだが。
「とりあえず、どうしましょうか。」
霊夢がメンバーに問いかける。
「じっとしてても始まらないぜ、攻撃は最大の防御なりってな。」
「いきなり出てっても包囲殲滅されるだけよ。すこしは考えなさいよ。」
「じゃあ、お前はどうするって言うんだ?」
「わたしは・・・他のチームが戦っているところを横合いから――」
「それは卑怯者のやり方だな。」
「何ですって!?」
魔理沙とアリスが言い争っていると、どこからか6㎜弾。
一発だけではない。何発もの6㎜弾が結界魔法少女チームを襲っていた。
「しまった、囲まれた!?」
「そのようですわね。」
「ちょっと紫、どうにかならないの?」
「どこから撃ってきてるのか分からないから無理よ。」
「ちぃっ、とりあえず隠れるわよ。」
霊夢の号令で、4人の人間と妖怪は草むらに姿を隠した。
結界魔法少女チームから離れて4~50mくらいの木の上。
先ほど、霊夢たちを狙撃していたのはレミリアだった。
夜の王である彼女にとって、このくらいの距離なら暗闇なんぞ関係ない。
ならば、当てるのも簡単ではないかと思うが、彼女の身体に対して得物が大きすぎたのだ。
そんな彼女の姿を見て、咲夜は心の中で鼻血を流していた。
「なかなか当たらないわねぇ、ああ、隠れられた。」
「お嬢様、こうなったら突撃して一気に片付けるのがよろしいかと。」
「そのほうが良いみたいね。咲夜、妖夢、霊夢たちに突撃を仕掛けるわよ。」
「「Yes,sir!!」」
「パチェはこの場で援護射撃、私たちに当てないでよ。」
「わかってるわ、レミィ。それじゃあGood Luck.」
「貴女こそ。」
そういって、紅い悪魔は従者と半人半霊を従えて結界魔法少女チームに向かっていった。
「(待っててね、霊夢。あなた一人だけ残して、じっくりネッチョリ墜としてあげる。)」
実は、このとき霊夢たちを狙っていたのは、スカーレット小隊だけではなかった。
そう、永琳率いる「ホテル・幻想」も結界魔法少女チームを狙っていたのだ。
「師匠、レミリアたちが霊夢たちに向けて突撃を開始しました。」
「あらあら、それじゃあ、あの2チームが潰しあってるところを攻撃しましょうか。」
「了解」
「やれやれ、まるで軍隊だね。なぁ、お前さんもそう思・・・」
「我的姓名華人小娘紅美鈴。我欲名前呼事也」
「戻って来い、戻ってくるんだ!」
「はっ、私は一体何を・・・?」
「何かにとりつかれてた。」
美鈴と小町が掛け合いをしているところにウドンゲの声が飛ぶ。
「スカーレット小隊、結界魔法少女チームと接触。両チーム、戦闘状態に突入しました。」
「ウドンゲ、やれるわね。」
「了解、任せてください。」
そう言うと、ウドンゲは自分の得物を構える。
「風向南、風速およそ0.5m、湿度75%・・・・」
どこかの13ですか?と思いたくなるようなことを呟きつつ、ウドンゲはスコープに獲物――レミリアの姿を捉えていた。
「その綺麗な顔、吹っ飛ばしてやるぜ!」
吹っ飛ばないし、狙撃でそんなに叫んだら相手に見つかってしまいますよ。
たのしい、楽しすぎる。
レミリアはそんなことを思っていた。
圧倒的な戦力を以って敵を潰すのはもともと好きだったが、今宵はいつもに増して楽しい。
相手は、霊夢率いる結界魔法少女チーム、弾幕戦ならこれほど厄介な相手はいないだろう。
だが、今日は弾幕ではない。サバイバルゲームなのだ。弾幕の変わりは6㎜のプラスチック弾。
それも、相手とこちらじゃ獲物が違う。
そう、スカーレット小隊の装備は全員、アサルトライフルやらサブマシンガンやらショットガンなのだ。
対する結界魔法少女チームの装備は全員がハンドガン。
「なによ、レミリアたちのあの攻撃、こっちじゃ歯が立たないじゃないのよ。」
「大丈夫よ、霊夢。もうすぐ、この状態も解消されるわ。」
「紫、どういうことだ?」
「見てなさいって。」
夜の王はその音を聞き逃さなかった。そして、とっさに上半身を反らせる。
その空間を一発の6㎜弾が通り過ぎていった。
「お嬢様、大丈夫ですか。」
「大丈夫よ。それより咲夜、妖夢。私の楽しみを邪魔した奴らを討ち取ってきなさい。」
「「Yes,sir!」」
闇夜に二人が消えていく。残されたレミリアはパチュリーと合流すべく来た道を戻っていった。
「回避された!?」
「さすがはお嬢様です・・・」
「あらあら。」
「それよりどうするんだい?メイドと剣士がこっちに向かってきてるぞ。」
「それでは、私がお相手しましょうか。」
「美鈴さん?貴女あの人が相手で大丈夫なの?」
「時間稼ぎぐらいはできますよぉ。」
「ふむ、アタイも残るよ。なんかアンタだけじゃ危なっかしい。」
「小町さんまで・・・。ウドンゲ、行くわよ。」
「了解です。師匠。・・・・美鈴さん小町さん、ご武運を。」
美鈴と小町は親指をたてる。ウドンゲはそれをただ眺めるしかできなかった。
「なるほど、貴女にはウドンゲが見えてたわけね。」
「そういうことよ。」
「しかし、助かったぜ。あのままだったらやられてたな。」
「霊夢だけは性的な意味でもやられそうだったけど。」
「・・・・・マジ?」
「レミリアのオーラに気づかなかったの?」
「・・・・とりあえず、固まっていたら危険ね。2手に分かれましょう。」
「じゃあ、私とアリスはペアでいいな。」
「(魔理沙と同じペア。魔理沙と同じペア・・・・)」
「OK。じゃあ分かれましょう。」
魔理沙、アリスの向かった先、そこでは他愛もない痴話喧嘩が繰り広げられていた。
「なんでこんな引きこもりニートなんかと同じ組なんだ。」
「なんでこんな礼儀しらずのモンペ娘なんかと一緒なんでしょう。」
「やめてくださいよ、姫様。妹紅も!今は勝負の途中なんですよ!」
こんなやり取りを見ていたチルノが物音に気づくのと、6㎜弾が頬を掠るのはほぼ同時だった。
「敵!?」
「そのようだな。数は・・・・2。」
「チルノ、とりあえず弾幕はって、敵の動きを止めて!」
「わかった。」
チルノが自分の身体には不釣合いな得物――BARを乱射する。
「どうするのよ魔理沙。相手は4でこっちは2!思いっきり不利じゃないのよ!」
「知るか!こうなったら・・・」
愚かだった、敵の火線に飛び出すなんて・・・
魔理沙が飛び出した瞬間、チルノたちからの集中砲火。
ちょっとこれ撃ち過ぎじゃないか?――魔理沙がそう思った瞬間、魔理沙の目の前にアリスが飛び出してきて魔理沙を突き飛ばした。
「アリス!?」
「・・・魔理沙のバカ・・・・。」
魔理沙の代わりとなったアリスは全身に6㎜弾の雨を浴びてその場に倒れた。
「やったか?」
「いや、人形遣いが魔理沙の身代わりになったわ。」
「ちょっと見てきます。」
「てゐ、待って。危ないよ。」
「大丈夫、大丈・・・・」
てゐは何が起きているか分からなかった。
目の前にいるのは魔理沙、背中には痛みを感じる。
そう、てゐは魔理沙の盾にされていた。
魔砲使いの少女は左手でてゐをホールドし、右手のデザートイーグルを乱射していた。
「これじゃぁ、あいつに当たらないな。」
「そうね、ここは一旦引きましょう。」
「てゐちゃん、ごめんね・・・」
そう言いのこし、チルノ、輝夜、妹紅は撤退していった。
アリス、てゐ 脱落
「アリス。・・アリス!!」
「なによ・・・五月蝿いわね・・・。」
「あぁ、よかった。生きてる。」
「プラスチック弾で死ぬわけないでしょう。まぁ・・・かなり痛かったけど。」
「ごめんな、私のせいで・・・」
「私に謝るなら、そこで気を失ってるウサギにも謝ってあげなさい。」
――実況席
「いやぁ、手に汗握る戦いですねぇ。特に魔理沙。あの瞬間彼女は真の恋の魔砲使いとなったのではないでしょうか?」
「なんかあの兎が思いっきり死亡フラグを立てていた気がしたんだけど・・・」
「幽香さん、それは気にしてはいけません。それはそうと、審判長。魔理沙のあの行為はセーフなんですか?」
「ルールに人を盾にしちゃいけないなんて書いてないなら、それはセーフです。人としてはあんまり許せませんけど。」
「なるほど、それでは現場にお返しします。」
――現場
「咲夜さん、ここから先は通しませんよ。」
「あら、美鈴。普段から門番の仕事も全うできないのに、私を止めることができるかしら?」
「あっちは始まったようだな、お前さん、確か妖夢と申したな。」
「私の相手は貴女ですか。」
ここは何としても時間を稼がなければいけない。小町と美鈴はそう誓っていた。
「(咲夜さんの懐に飛び込めれば何とかなるはず。)」
「(さぁ来なさい、美鈴。)」
互いに撃ちあいながら様子をみる。
「ここだ。もらった!」
「残念ねぇ・・・・」
「な・・・・に・・・?」
咲夜の懐に飛び込んだはずの美鈴は、胸部に走る痛みに驚いた。
「なんで?咲夜さんの武器はあんな近距離じゃ撃てないはず。」
「よく見なさいよ、美鈴。」
咲夜の手に握られていたのは、彼女の手にすっぽり入りきるほどのハンドガン――デリンジャー。
なるほど、流石は咲夜さんだ。――美鈴はそのまま地面に倒れこんだ。
「ごめんね、美鈴。あとで看病しに行ってあげるから。妖夢、終わった?」
「えぇ、たった今。」
「ひでぇ・・・アタイはなんの見せ場も無しかよ・・・」
小町は、美鈴が取った戦法と同じを受けてやられていた。
妖夢の得物と小町の得物では長さが違いすぎたのだ。
美鈴、小町 脱落
美鈴、小町から少し離れたところ
「師匠、美鈴さんと小町さんやられちゃいました・・・」
「あらあら。ならばウドンゲ、2人をやったメイドと剣士を狙撃しなさい。できるわね。」
「了・・えぐっ解・・ぐす。ふぅ・・・。有象無象の区別なく、私の弾頭は許しはしないわ。」
「・・・弾頭ないけどね。」
ウドンゲの放った二発の6㎜弾は、一発は確実に妖夢を捕らえ、もう一発は咲夜に回避された。
「一体どこから?」
「ウドンゲと永琳ね・・・。これでは狙い撃ちだわ。」
「すいません、咲夜。ここで休ませていただきます。」
「そう・・。ゆっくりお休みなさい。」
咲夜は妖夢に告げると、主のいる場所へと戻っていった。
妖夢 脱落
「メイドの撃破に失敗。メイドは撤退するようです。」
「レミリアたちに合流するのね。他の獲物を探しましょう。」
「・・・師匠、獲物ならあそこに。」
「でもここからじゃ狙いにくいわね・・・。囮作戦でいきましょうか。」
「囮って・・・まさか師匠!危険です!」
「大丈夫よ。相手はあの子だし。そ・れ・に、あの子が痛みでどんな顔になるか近くで見たいのよ(はぁと」
「(はぁと)じゃないですよ。」
「それじゃ、ウドンゲ。あとは頼んだわね。」
「はぁい・・・」
さらりと危ないことを言うものだ。
「どうしよう・・・二人とはぐれちゃった・・」
そう、チルノが一人でいるのは、輝夜、妹紅とはぐれたからなのだ。
「さびしいよぉ・・・。ううん、頑張らなくちゃ。」
「アタイ一人でも敵を倒して見せる。・・・あれは?」
チルノの視線の先には、永琳が一人で歩いていた。
これは好機とばかりに、チルノはその後をつけていった。
5分ぐらい歩いただろうか。森の中の開けた場所で、永琳は岩に座って微笑んでいた。
チルノはここで逃げておくべきだったかもしれない。
だが彼女は勝負を挑んでしまった。
「追い詰めたわよ、おばさん。」
「残念ねぇ・・・。貴女には悪いけど、――貴女はここでお終いなのよ。」
「でもその前に、私をおばさんって言ったことは謝って貰わないといけないわね。」
「とりあえず、そこに跪きなさい。」
怖かった。それでも、この人だけは自分で倒すんだ、と決めていたチルノは、この命令には従わなかった。
「そ、そんなこと言って――」
「跪け。」
永琳の冷たく鋭い言葉がそのまま弾丸になったかのように、チルノの右膝に6㎜激痛が走った。
「ッ・・・。こうなったらアンタだけでも。」
BARのトリガーに指をかける。だが、右手にも激痛が走り、得物を落としてしまう。
痛みに顔を歪ませているチルノに、永琳が微笑みながら近づいてきた。
しかしなんだろう、この子供が見たら泣きそうな微笑は。
「ごめんなさい、ごめんなさい、おば・・」
「あらあら。」
永琳はチルノの胸部を軽く足で押さえつけたまま、チルノの顔目掛けて6㎜弾を発射した。
「いいわよ、ウドンゲ。」
「師匠、まったく肝が冷えます。トリガーに指がかかりっぱなしですよ。」
「よくやったわ。あとでいっぱいネチョネチョしてあげる。」
「全身全霊を以って断らせていただきます。」
「残念ねぇ・・・」
「それはそうと、ちょっとやりすぎじゃないですか?顔まで撃って・・・」
「顔は撃ってないわよ。顔のすぐ横を撃ったのよ。」
「気を失ってるじゃないですか。」
「可愛かったわぁ(はぁと」
駄目だこりゃ。
「チルノー、どこだー。チルノー。」
チルノを呼ぶ声がする。
「師匠、姫さまと妹紅です。」
「丁度いいわね。一緒に片付けときましょう。」
「いた、チルノだ。」
「永琳、これはどうゆうこと?」
「何って姫様、これは勝負ですから。本気でぶつかるのが筋でございましょう。」
「なるほど。それでは、私たちも本気でぶつかっていきましょう。行くわよ、もこタン!」
「もこタンっていうな!・・・チルノの仇、取らせて貰う。」
「ふぅ、普段もこれぐらい仲良くしていただけたら良いのに。」
「「今日だけだ/よ!」」
「残念ですわ。」
数分後、倒れていたのは輝夜と妹紅だった。
「本気の永琳って恐いな・・・・。」
「私も久しぶりにみたわ・・・。」
「なんで負けたと思う?」
「貴女の狙いのつけ方が悪かったから。」
「お前だって永琳にばっか気ぃとられて、ウドンゲ狙わなかったじゃないか。」
「なによ、文句あるの?」
「大有りだね。」
「じゃあ、弾幕りますか。」
「弾幕ろうじゃないか。」
―――審判「ラストジャッジメント」
「あなた方はどうしてそう、いつもいつもいつもいつも喧嘩ばっかりするんですか!?」
「「ごめんなさい。」」
「たまには愛し合ったらどうなんですか!?」
「いや、それは殺し「殺し愛なんて認めませんよ。」」
「大体、お互いの理解が足りてないから喧嘩なんてするのです。」
「理解はしてるつもりですけど・・・」
「いいえ、できてません!互いを理解し愛し合う。これが貴女方のできる善行です。それでは。」
「行っちゃった・・・」
「どうするの?」
「理解しあうったってなぁ・・・」
「殴り合いは理解するのに入るのかしら?」
「殴り合い、そうだな。外の世界じゃ殴りあったあと、理解しあって仲良くなるって言うのもあるしな。」
「それでは・・・・」
「行くか・・・」
輝夜、妹紅 脱落
輝夜、妹紅と永琳、ウドンゲの戦いを遠くから見ていたチームが二つあった。
ひとつは結界魔砲少女チーム、もうひとつはスカーレット小隊である。
「これで、残るのはレミリアたちと永琳たちと私たちね。」
「霊夢、どうやらこの戦いを見てたのは私たちだけじゃないみたいよ。」
「あぁ・・・、レミリアたちも見てた。」
「となると、永琳たちを追うと奴らのカモね。」
「レミリアたちを狙うか。」
「そうしましょう。」
「お嬢様、霊夢たちが動き始めました。」
「こっちに向かってくるのね?」
「そのとおりです。」
「よろしい、ならば全身全霊を以って霊夢たちを相手しよう。」
「了解しました。」
あたりに響き渡るのは、モーターの音とガスの音。
その音を聞きつけて、永琳とウドンゲは音のするほうへ向かっていた。
「師匠、ちょっと危険じゃないですか?」
「ここで両者が潰しあっているところを叩けば、私たちの勝ちよ。」
「紫、大丈夫?紫!」
「大丈夫よ。霊夢、ちょっと当たっただけ。」
「感傷に浸ってる場合じゃない、来るぞ!」
「お嬢様、パチュリー様が!」
「うろたえないの咲夜!・・・パチュリーゆっくり休んで。」
「わかったわ・・・」
「また、あの兎か。咲夜、今度こそあの兎を叩き潰してきなさい。」
「Yes,Sir!」
「なんだ、咲夜が・・・はっはぁん。そういうことねぇ。」
「魔理沙、どうしたのよ?」
「霊夢、ここは任せたぜ!」
「あっ!ちょっと!!」
「敵影補足、その数・・・2!魔理沙と咲夜です!」
「仕方ないわ。ウドンゲ相手するわよ。ホテル・幻想は立ちふさがる何者にも容赦はしないわ。」
「不思議ねぇ・・・霊夢。貴女とこうして戦えるなんて。」
「レミリア、この大会は能力の使用は禁止されてなかった?」
「能力なんて使っていないわ、これは完全なる偶然。」
「偶然だろうと何だろうと、貴女を倒すだけよ。」
「いいわ、それでこそ私の霊夢よ!」
「私は誰のものでもないわ。」
「やれやれ、結局全員弾切れとはねぇ・・・」
「弾切れじゃ仕方ないわねぇ。」
「あらあらうふふ。」
「負けちゃいましたねぇ。師匠。」
魔理沙、咲夜、永琳、ウドンゲ全員がニヤけている。
「まぁいいわ、これでお嬢様と霊夢の戦いが全部見れるんだし。」
「あぁ、楽しみだな。」
巫女と悪魔の戦いは互角だった。
いや、悪魔のほうが得物の分少し有利だったのか。
「ほらほら、霊夢ぅ。どうしたの?それじゃ負けちゃうわよ!?」
「五月蝿いわねぇ!」
「(って言ってもなぁ・・・あの連射力じゃ撃ち負けちゃうし・・)」
「出てこないならこっちから行くわよ!」
「こうなったら一か八か!」
突撃しつつレミリアが得物を構える、霊夢はその瞬間を待っていた。
銃口が霊夢を向くその瞬間、一発の6㎜弾がレミリアの得物の中に消えていった。
「!?弾が詰まった!?」
「遅いわよ、レミリア。」
「しまった・・・・」
レミリアが霊夢の接近を認識した瞬間、レミリアには一発の6㎜弾が命中していた。
「クロウアイより、ハクタク。勝敗はついたようです。」
「ハクタク了解。」
「さて諸君、聞いたとおりだ。優勝は―――」
「―――結界魔砲少女チーム!!」
――その後 in紅魔館
その後、紅魔館では大規模なパーティーが行われた。
といっても、参加者の何人かが怪我をしていたり、魔法少女3人組が喧嘩をしていたり、輝夜と妹紅がお互いボコボコになって帰ってきて医務室に連れて行かれたりした。
「はい、美鈴。あーんして。」
「咲夜さん、自分で食べれますよ!」
「あら?美鈴は私のこと嫌い?」
「いえ、大好きです!」
「恥ずかしいじゃない。」
ここでイチャイチャする者一組。
「いやぁ・・・若いっていいねぇ。四季さまもそう思うでしょ?」
「若いって言いですねぇ・・・・」
「永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ・・・」
「あら、大分怯えられてるのね。」
「ひぃ!」
「そんな怯えなくて大丈夫よ。痛いのはほんの最初で、後は気持ち良いだけだから。」
「いやぁぁああああ」
「チルノ・・・かわいそう。」
「何言ってるのウドンゲ?貴女もよ?」
「え?っちょ、師匠、耳はやめ・・・」
「霊夢、そんなに食べるとお腹壊すわよ?」
「いま食べとかなきゃいつ食べるのよ?」
そんな、もうすぐ秋の幻想郷
1チーム4人、4チームに分かれて互いを撃ち合う。
ちなみに、この大会での能力使用および、飛行は禁止。
最後に1人でも残っていたチームの勝利。
ルール違反をしたものは問答無用で映姫さまに説教されるので、あしからず。
これが、今大会のルールである。
外の世界とルールが違うじゃないかと思われるかもしれないが、ここは幻想郷。
ようするに、幻想郷独自ルールなのだ。
以下本編
夜、鬱蒼としげった森の中は、不気味なほど静まり返っていた。
だが、そんな静寂ももう終わりに差し掛かっているようである。
d「こちら、実況のハクタク。クロウアイ、現在の様子はどうだ?」
「こちらAWACSクロウアイ、各チームいまだ目立った動きは見せてません。」
「ふむ、それでは何か動きがあったら教えてくれ。それでは。」
「了解です。」
射命丸文は今回中継役として、ゲームフィールドの上空を飛んでいる。
ちなみに文は肩にTVカメラを担いでいる。もちろん、紫がスキマから取り出したものだ。
なるほど、確かに普通のカメラじゃ実況はできない。普通のカメラも持っているようだが。
「とりあえず、どうしましょうか。」
霊夢がメンバーに問いかける。
「じっとしてても始まらないぜ、攻撃は最大の防御なりってな。」
「いきなり出てっても包囲殲滅されるだけよ。すこしは考えなさいよ。」
「じゃあ、お前はどうするって言うんだ?」
「わたしは・・・他のチームが戦っているところを横合いから――」
「それは卑怯者のやり方だな。」
「何ですって!?」
魔理沙とアリスが言い争っていると、どこからか6㎜弾。
一発だけではない。何発もの6㎜弾が結界魔法少女チームを襲っていた。
「しまった、囲まれた!?」
「そのようですわね。」
「ちょっと紫、どうにかならないの?」
「どこから撃ってきてるのか分からないから無理よ。」
「ちぃっ、とりあえず隠れるわよ。」
霊夢の号令で、4人の人間と妖怪は草むらに姿を隠した。
結界魔法少女チームから離れて4~50mくらいの木の上。
先ほど、霊夢たちを狙撃していたのはレミリアだった。
夜の王である彼女にとって、このくらいの距離なら暗闇なんぞ関係ない。
ならば、当てるのも簡単ではないかと思うが、彼女の身体に対して得物が大きすぎたのだ。
そんな彼女の姿を見て、咲夜は心の中で鼻血を流していた。
「なかなか当たらないわねぇ、ああ、隠れられた。」
「お嬢様、こうなったら突撃して一気に片付けるのがよろしいかと。」
「そのほうが良いみたいね。咲夜、妖夢、霊夢たちに突撃を仕掛けるわよ。」
「「Yes,sir!!」」
「パチェはこの場で援護射撃、私たちに当てないでよ。」
「わかってるわ、レミィ。それじゃあGood Luck.」
「貴女こそ。」
そういって、紅い悪魔は従者と半人半霊を従えて結界魔法少女チームに向かっていった。
「(待っててね、霊夢。あなた一人だけ残して、じっくりネッチョリ墜としてあげる。)」
実は、このとき霊夢たちを狙っていたのは、スカーレット小隊だけではなかった。
そう、永琳率いる「ホテル・幻想」も結界魔法少女チームを狙っていたのだ。
「師匠、レミリアたちが霊夢たちに向けて突撃を開始しました。」
「あらあら、それじゃあ、あの2チームが潰しあってるところを攻撃しましょうか。」
「了解」
「やれやれ、まるで軍隊だね。なぁ、お前さんもそう思・・・」
「我的姓名華人小娘紅美鈴。我欲名前呼事也」
「戻って来い、戻ってくるんだ!」
「はっ、私は一体何を・・・?」
「何かにとりつかれてた。」
美鈴と小町が掛け合いをしているところにウドンゲの声が飛ぶ。
「スカーレット小隊、結界魔法少女チームと接触。両チーム、戦闘状態に突入しました。」
「ウドンゲ、やれるわね。」
「了解、任せてください。」
そう言うと、ウドンゲは自分の得物を構える。
「風向南、風速およそ0.5m、湿度75%・・・・」
どこかの13ですか?と思いたくなるようなことを呟きつつ、ウドンゲはスコープに獲物――レミリアの姿を捉えていた。
「その綺麗な顔、吹っ飛ばしてやるぜ!」
吹っ飛ばないし、狙撃でそんなに叫んだら相手に見つかってしまいますよ。
たのしい、楽しすぎる。
レミリアはそんなことを思っていた。
圧倒的な戦力を以って敵を潰すのはもともと好きだったが、今宵はいつもに増して楽しい。
相手は、霊夢率いる結界魔法少女チーム、弾幕戦ならこれほど厄介な相手はいないだろう。
だが、今日は弾幕ではない。サバイバルゲームなのだ。弾幕の変わりは6㎜のプラスチック弾。
それも、相手とこちらじゃ獲物が違う。
そう、スカーレット小隊の装備は全員、アサルトライフルやらサブマシンガンやらショットガンなのだ。
対する結界魔法少女チームの装備は全員がハンドガン。
「なによ、レミリアたちのあの攻撃、こっちじゃ歯が立たないじゃないのよ。」
「大丈夫よ、霊夢。もうすぐ、この状態も解消されるわ。」
「紫、どういうことだ?」
「見てなさいって。」
夜の王はその音を聞き逃さなかった。そして、とっさに上半身を反らせる。
その空間を一発の6㎜弾が通り過ぎていった。
「お嬢様、大丈夫ですか。」
「大丈夫よ。それより咲夜、妖夢。私の楽しみを邪魔した奴らを討ち取ってきなさい。」
「「Yes,sir!」」
闇夜に二人が消えていく。残されたレミリアはパチュリーと合流すべく来た道を戻っていった。
「回避された!?」
「さすがはお嬢様です・・・」
「あらあら。」
「それよりどうするんだい?メイドと剣士がこっちに向かってきてるぞ。」
「それでは、私がお相手しましょうか。」
「美鈴さん?貴女あの人が相手で大丈夫なの?」
「時間稼ぎぐらいはできますよぉ。」
「ふむ、アタイも残るよ。なんかアンタだけじゃ危なっかしい。」
「小町さんまで・・・。ウドンゲ、行くわよ。」
「了解です。師匠。・・・・美鈴さん小町さん、ご武運を。」
美鈴と小町は親指をたてる。ウドンゲはそれをただ眺めるしかできなかった。
「なるほど、貴女にはウドンゲが見えてたわけね。」
「そういうことよ。」
「しかし、助かったぜ。あのままだったらやられてたな。」
「霊夢だけは性的な意味でもやられそうだったけど。」
「・・・・・マジ?」
「レミリアのオーラに気づかなかったの?」
「・・・・とりあえず、固まっていたら危険ね。2手に分かれましょう。」
「じゃあ、私とアリスはペアでいいな。」
「(魔理沙と同じペア。魔理沙と同じペア・・・・)」
「OK。じゃあ分かれましょう。」
魔理沙、アリスの向かった先、そこでは他愛もない痴話喧嘩が繰り広げられていた。
「なんでこんな引きこもりニートなんかと同じ組なんだ。」
「なんでこんな礼儀しらずのモンペ娘なんかと一緒なんでしょう。」
「やめてくださいよ、姫様。妹紅も!今は勝負の途中なんですよ!」
こんなやり取りを見ていたチルノが物音に気づくのと、6㎜弾が頬を掠るのはほぼ同時だった。
「敵!?」
「そのようだな。数は・・・・2。」
「チルノ、とりあえず弾幕はって、敵の動きを止めて!」
「わかった。」
チルノが自分の身体には不釣合いな得物――BARを乱射する。
「どうするのよ魔理沙。相手は4でこっちは2!思いっきり不利じゃないのよ!」
「知るか!こうなったら・・・」
愚かだった、敵の火線に飛び出すなんて・・・
魔理沙が飛び出した瞬間、チルノたちからの集中砲火。
ちょっとこれ撃ち過ぎじゃないか?――魔理沙がそう思った瞬間、魔理沙の目の前にアリスが飛び出してきて魔理沙を突き飛ばした。
「アリス!?」
「・・・魔理沙のバカ・・・・。」
魔理沙の代わりとなったアリスは全身に6㎜弾の雨を浴びてその場に倒れた。
「やったか?」
「いや、人形遣いが魔理沙の身代わりになったわ。」
「ちょっと見てきます。」
「てゐ、待って。危ないよ。」
「大丈夫、大丈・・・・」
てゐは何が起きているか分からなかった。
目の前にいるのは魔理沙、背中には痛みを感じる。
そう、てゐは魔理沙の盾にされていた。
魔砲使いの少女は左手でてゐをホールドし、右手のデザートイーグルを乱射していた。
「これじゃぁ、あいつに当たらないな。」
「そうね、ここは一旦引きましょう。」
「てゐちゃん、ごめんね・・・」
そう言いのこし、チルノ、輝夜、妹紅は撤退していった。
アリス、てゐ 脱落
「アリス。・・アリス!!」
「なによ・・・五月蝿いわね・・・。」
「あぁ、よかった。生きてる。」
「プラスチック弾で死ぬわけないでしょう。まぁ・・・かなり痛かったけど。」
「ごめんな、私のせいで・・・」
「私に謝るなら、そこで気を失ってるウサギにも謝ってあげなさい。」
――実況席
「いやぁ、手に汗握る戦いですねぇ。特に魔理沙。あの瞬間彼女は真の恋の魔砲使いとなったのではないでしょうか?」
「なんかあの兎が思いっきり死亡フラグを立てていた気がしたんだけど・・・」
「幽香さん、それは気にしてはいけません。それはそうと、審判長。魔理沙のあの行為はセーフなんですか?」
「ルールに人を盾にしちゃいけないなんて書いてないなら、それはセーフです。人としてはあんまり許せませんけど。」
「なるほど、それでは現場にお返しします。」
――現場
「咲夜さん、ここから先は通しませんよ。」
「あら、美鈴。普段から門番の仕事も全うできないのに、私を止めることができるかしら?」
「あっちは始まったようだな、お前さん、確か妖夢と申したな。」
「私の相手は貴女ですか。」
ここは何としても時間を稼がなければいけない。小町と美鈴はそう誓っていた。
「(咲夜さんの懐に飛び込めれば何とかなるはず。)」
「(さぁ来なさい、美鈴。)」
互いに撃ちあいながら様子をみる。
「ここだ。もらった!」
「残念ねぇ・・・・」
「な・・・・に・・・?」
咲夜の懐に飛び込んだはずの美鈴は、胸部に走る痛みに驚いた。
「なんで?咲夜さんの武器はあんな近距離じゃ撃てないはず。」
「よく見なさいよ、美鈴。」
咲夜の手に握られていたのは、彼女の手にすっぽり入りきるほどのハンドガン――デリンジャー。
なるほど、流石は咲夜さんだ。――美鈴はそのまま地面に倒れこんだ。
「ごめんね、美鈴。あとで看病しに行ってあげるから。妖夢、終わった?」
「えぇ、たった今。」
「ひでぇ・・・アタイはなんの見せ場も無しかよ・・・」
小町は、美鈴が取った戦法と同じを受けてやられていた。
妖夢の得物と小町の得物では長さが違いすぎたのだ。
美鈴、小町 脱落
美鈴、小町から少し離れたところ
「師匠、美鈴さんと小町さんやられちゃいました・・・」
「あらあら。ならばウドンゲ、2人をやったメイドと剣士を狙撃しなさい。できるわね。」
「了・・えぐっ解・・ぐす。ふぅ・・・。有象無象の区別なく、私の弾頭は許しはしないわ。」
「・・・弾頭ないけどね。」
ウドンゲの放った二発の6㎜弾は、一発は確実に妖夢を捕らえ、もう一発は咲夜に回避された。
「一体どこから?」
「ウドンゲと永琳ね・・・。これでは狙い撃ちだわ。」
「すいません、咲夜。ここで休ませていただきます。」
「そう・・。ゆっくりお休みなさい。」
咲夜は妖夢に告げると、主のいる場所へと戻っていった。
妖夢 脱落
「メイドの撃破に失敗。メイドは撤退するようです。」
「レミリアたちに合流するのね。他の獲物を探しましょう。」
「・・・師匠、獲物ならあそこに。」
「でもここからじゃ狙いにくいわね・・・。囮作戦でいきましょうか。」
「囮って・・・まさか師匠!危険です!」
「大丈夫よ。相手はあの子だし。そ・れ・に、あの子が痛みでどんな顔になるか近くで見たいのよ(はぁと」
「(はぁと)じゃないですよ。」
「それじゃ、ウドンゲ。あとは頼んだわね。」
「はぁい・・・」
さらりと危ないことを言うものだ。
「どうしよう・・・二人とはぐれちゃった・・」
そう、チルノが一人でいるのは、輝夜、妹紅とはぐれたからなのだ。
「さびしいよぉ・・・。ううん、頑張らなくちゃ。」
「アタイ一人でも敵を倒して見せる。・・・あれは?」
チルノの視線の先には、永琳が一人で歩いていた。
これは好機とばかりに、チルノはその後をつけていった。
5分ぐらい歩いただろうか。森の中の開けた場所で、永琳は岩に座って微笑んでいた。
チルノはここで逃げておくべきだったかもしれない。
だが彼女は勝負を挑んでしまった。
「追い詰めたわよ、おばさん。」
「残念ねぇ・・・。貴女には悪いけど、――貴女はここでお終いなのよ。」
「でもその前に、私をおばさんって言ったことは謝って貰わないといけないわね。」
「とりあえず、そこに跪きなさい。」
怖かった。それでも、この人だけは自分で倒すんだ、と決めていたチルノは、この命令には従わなかった。
「そ、そんなこと言って――」
「跪け。」
永琳の冷たく鋭い言葉がそのまま弾丸になったかのように、チルノの右膝に6㎜激痛が走った。
「ッ・・・。こうなったらアンタだけでも。」
BARのトリガーに指をかける。だが、右手にも激痛が走り、得物を落としてしまう。
痛みに顔を歪ませているチルノに、永琳が微笑みながら近づいてきた。
しかしなんだろう、この子供が見たら泣きそうな微笑は。
「ごめんなさい、ごめんなさい、おば・・」
「あらあら。」
永琳はチルノの胸部を軽く足で押さえつけたまま、チルノの顔目掛けて6㎜弾を発射した。
「いいわよ、ウドンゲ。」
「師匠、まったく肝が冷えます。トリガーに指がかかりっぱなしですよ。」
「よくやったわ。あとでいっぱいネチョネチョしてあげる。」
「全身全霊を以って断らせていただきます。」
「残念ねぇ・・・」
「それはそうと、ちょっとやりすぎじゃないですか?顔まで撃って・・・」
「顔は撃ってないわよ。顔のすぐ横を撃ったのよ。」
「気を失ってるじゃないですか。」
「可愛かったわぁ(はぁと」
駄目だこりゃ。
「チルノー、どこだー。チルノー。」
チルノを呼ぶ声がする。
「師匠、姫さまと妹紅です。」
「丁度いいわね。一緒に片付けときましょう。」
「いた、チルノだ。」
「永琳、これはどうゆうこと?」
「何って姫様、これは勝負ですから。本気でぶつかるのが筋でございましょう。」
「なるほど。それでは、私たちも本気でぶつかっていきましょう。行くわよ、もこタン!」
「もこタンっていうな!・・・チルノの仇、取らせて貰う。」
「ふぅ、普段もこれぐらい仲良くしていただけたら良いのに。」
「「今日だけだ/よ!」」
「残念ですわ。」
数分後、倒れていたのは輝夜と妹紅だった。
「本気の永琳って恐いな・・・・。」
「私も久しぶりにみたわ・・・。」
「なんで負けたと思う?」
「貴女の狙いのつけ方が悪かったから。」
「お前だって永琳にばっか気ぃとられて、ウドンゲ狙わなかったじゃないか。」
「なによ、文句あるの?」
「大有りだね。」
「じゃあ、弾幕りますか。」
「弾幕ろうじゃないか。」
―――審判「ラストジャッジメント」
「あなた方はどうしてそう、いつもいつもいつもいつも喧嘩ばっかりするんですか!?」
「「ごめんなさい。」」
「たまには愛し合ったらどうなんですか!?」
「いや、それは殺し「殺し愛なんて認めませんよ。」」
「大体、お互いの理解が足りてないから喧嘩なんてするのです。」
「理解はしてるつもりですけど・・・」
「いいえ、できてません!互いを理解し愛し合う。これが貴女方のできる善行です。それでは。」
「行っちゃった・・・」
「どうするの?」
「理解しあうったってなぁ・・・」
「殴り合いは理解するのに入るのかしら?」
「殴り合い、そうだな。外の世界じゃ殴りあったあと、理解しあって仲良くなるって言うのもあるしな。」
「それでは・・・・」
「行くか・・・」
輝夜、妹紅 脱落
輝夜、妹紅と永琳、ウドンゲの戦いを遠くから見ていたチームが二つあった。
ひとつは結界魔砲少女チーム、もうひとつはスカーレット小隊である。
「これで、残るのはレミリアたちと永琳たちと私たちね。」
「霊夢、どうやらこの戦いを見てたのは私たちだけじゃないみたいよ。」
「あぁ・・・、レミリアたちも見てた。」
「となると、永琳たちを追うと奴らのカモね。」
「レミリアたちを狙うか。」
「そうしましょう。」
「お嬢様、霊夢たちが動き始めました。」
「こっちに向かってくるのね?」
「そのとおりです。」
「よろしい、ならば全身全霊を以って霊夢たちを相手しよう。」
「了解しました。」
あたりに響き渡るのは、モーターの音とガスの音。
その音を聞きつけて、永琳とウドンゲは音のするほうへ向かっていた。
「師匠、ちょっと危険じゃないですか?」
「ここで両者が潰しあっているところを叩けば、私たちの勝ちよ。」
「紫、大丈夫?紫!」
「大丈夫よ。霊夢、ちょっと当たっただけ。」
「感傷に浸ってる場合じゃない、来るぞ!」
「お嬢様、パチュリー様が!」
「うろたえないの咲夜!・・・パチュリーゆっくり休んで。」
「わかったわ・・・」
「また、あの兎か。咲夜、今度こそあの兎を叩き潰してきなさい。」
「Yes,Sir!」
「なんだ、咲夜が・・・はっはぁん。そういうことねぇ。」
「魔理沙、どうしたのよ?」
「霊夢、ここは任せたぜ!」
「あっ!ちょっと!!」
「敵影補足、その数・・・2!魔理沙と咲夜です!」
「仕方ないわ。ウドンゲ相手するわよ。ホテル・幻想は立ちふさがる何者にも容赦はしないわ。」
「不思議ねぇ・・・霊夢。貴女とこうして戦えるなんて。」
「レミリア、この大会は能力の使用は禁止されてなかった?」
「能力なんて使っていないわ、これは完全なる偶然。」
「偶然だろうと何だろうと、貴女を倒すだけよ。」
「いいわ、それでこそ私の霊夢よ!」
「私は誰のものでもないわ。」
「やれやれ、結局全員弾切れとはねぇ・・・」
「弾切れじゃ仕方ないわねぇ。」
「あらあらうふふ。」
「負けちゃいましたねぇ。師匠。」
魔理沙、咲夜、永琳、ウドンゲ全員がニヤけている。
「まぁいいわ、これでお嬢様と霊夢の戦いが全部見れるんだし。」
「あぁ、楽しみだな。」
巫女と悪魔の戦いは互角だった。
いや、悪魔のほうが得物の分少し有利だったのか。
「ほらほら、霊夢ぅ。どうしたの?それじゃ負けちゃうわよ!?」
「五月蝿いわねぇ!」
「(って言ってもなぁ・・・あの連射力じゃ撃ち負けちゃうし・・)」
「出てこないならこっちから行くわよ!」
「こうなったら一か八か!」
突撃しつつレミリアが得物を構える、霊夢はその瞬間を待っていた。
銃口が霊夢を向くその瞬間、一発の6㎜弾がレミリアの得物の中に消えていった。
「!?弾が詰まった!?」
「遅いわよ、レミリア。」
「しまった・・・・」
レミリアが霊夢の接近を認識した瞬間、レミリアには一発の6㎜弾が命中していた。
「クロウアイより、ハクタク。勝敗はついたようです。」
「ハクタク了解。」
「さて諸君、聞いたとおりだ。優勝は―――」
「―――結界魔砲少女チーム!!」
――その後 in紅魔館
その後、紅魔館では大規模なパーティーが行われた。
といっても、参加者の何人かが怪我をしていたり、魔法少女3人組が喧嘩をしていたり、輝夜と妹紅がお互いボコボコになって帰ってきて医務室に連れて行かれたりした。
「はい、美鈴。あーんして。」
「咲夜さん、自分で食べれますよ!」
「あら?美鈴は私のこと嫌い?」
「いえ、大好きです!」
「恥ずかしいじゃない。」
ここでイチャイチャする者一組。
「いやぁ・・・若いっていいねぇ。四季さまもそう思うでしょ?」
「若いって言いですねぇ・・・・」
「永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ、永琳コワイ・・・」
「あら、大分怯えられてるのね。」
「ひぃ!」
「そんな怯えなくて大丈夫よ。痛いのはほんの最初で、後は気持ち良いだけだから。」
「いやぁぁああああ」
「チルノ・・・かわいそう。」
「何言ってるのウドンゲ?貴女もよ?」
「え?っちょ、師匠、耳はやめ・・・」
「霊夢、そんなに食べるとお腹壊すわよ?」
「いま食べとかなきゃいつ食べるのよ?」
そんな、もうすぐ秋の幻想郷
誤字を一つ
ブラックラグーンはわからないorz
個人的には、もうちょっとキャラクターの動きや心理描写を書いて欲しかったりしなかったり。
とにかく楽しませてもらいましたww
全体的に会話だけで流しすぎなので、
地の文を書き込めばもっと面白くなると思います。
楽しんでいただけたなら幸いです。
>台詞が誰が誰か分からなかったのが減点対象ではある。
>全体的に会話だけで流しすぎなので、
>地の文を書き込めばもっと面白くなると思います。
>個人的には、もうちょっとキャラクターの動きや心理描写を書いて欲しかったりしなかったり。
やっぱり、小説書くのって難しいですねぇ。
これからは、ここで言われたことを参考にもっといい作品が書けるよう頑張ります。
文にチルノの気絶写真とか撮らせておけば良かったなぁ。