Coolier - 新生・東方創想話

少女密室 The day after-あの日から

2008/04/26 12:52:31
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*鬱作品です。苦手な方は戻るを。


少女密室 The day after~あの日から~


静かなる空間、静かすぎて自分の血流音が耳に響いてしまうぐらいの無音な密室。
唯一その自身の体内以外から発生する音としては、紙をたまに擦る無機質な音のみ。
ここはヴワル大図書館。動を完全に除外し、静のみを閉じ込めた密室。

この密室の中、それでも一応生物はいる。
埃が積もった絨毯でも、埃を一切舞わせず脚を進め、彼女が宙を飛んだとしても空気の流れを一切変えない。
本来生物は動であるはずなのに、動を省いたその動き、静しか持たない日陰の少女。
小さな体躯に次々と本から眼を経由して得られる無数の知識を、全て余すことなく溜め込んでいく。
その知識の宝庫である彼女の名前はパチュリー・ノーレッジ。この大図書館の主だ。
そして静である役割を保ちながら無数の本を管理するもうひとつの生物──彼女の名は不明である。
契約を結んだものにしか名は明かさず、その契約主ですらその正式な名前では呼ぶことは滅多にない。
一応名は不明ではあるが、ここの主パチュリーは彼女の事を小悪魔と呼称しているため小悪魔なのであろう。

動である大きな扉の向こう側と違い、
どんなに埃がつもろうとよほどでなければ掃除をしない。
埃を立てる動がこの密室ではほぼ存在しないからだ。
時間と空気が静止したような世界。
知識の吸収を遮るものは何もない密室。
動はいらない。静だけでよい。形となった知識だけでよい。変動する知識ほど無駄なものは無い。

光は本を傷めてしまうが故に小さな窓が本棚の置かれていない開けた空間に一つあるだけであり、
本棚付近にはランプが置かれてはいるが、最低限の光しか灯さないその密室は
本を読む環境としては少し薄暗いと感じるだろう。
その小さな窓は僅かな採光及び動である世界の時を知るための役割であって、決して外部との出入り口ではない。
出入り口では無いのだからそこから騒音も、埃を巻き上げる原因も、時間を破壊する類の物は
決して入ってこないはずである。

あの日からだ。
窓はいつのまにか出入り口となっていて、
静である空間が歪められて、
本を見るための眼が睨むということを覚えさせられて、
静寂を破る音に、騒音と叫びと私の歯軋りと鼓動の項目に増えて、
本棚にはいつのまにか通気口が施され、
私の脳内には知識と悩みが混ざるようになり
知識の宝庫にマナーも知らない無知が紛れ込んだ日。
あの日からだ。


紅い霧をだし、外部と接触を持ってしまったあの日。
この図書館は紅い館の一部であるが、その城主によって日を遮るように紅い霧をだしたあの日である。
それがなければ私はいつまでも本を読むことを楽しめただろうし、それを遮られることについての苦痛も味わう
必要は無かっただろう。
だが別にその苦痛によって城主に反感の意を持つわけではない。
理由は知っているし、私自身もその件については否定しなかった。



だけどあの日から、私に不満、怒り、苦痛、その類すべてを土産として持ってくる鼠が現れた。
部外者ならこの館の門番にあしらわれてここまで辿り着かれることは無い。
辿り着いたとしても私の知識を魔力と変えてぶつけるだけで簡単に追い返すことが出来る。
もう二度と来る気が起きないよう、恐怖を植えつけて追い返す。
当然、あの日偶然紛れ込んできた鼠に対してもそのような処置を取った。
もう来ないだろう、来れないだろう。そしていつもの密室に戻したはずなのに……
数日経ったらまた来た。
その時はもっと酷い目を遭わせて追い返してやった。追い返した筈なのだ。
数日経ったら平気な顔でまた来た。
白黒の衣を身にまとう少女。
なぜ来るの? 常に陽の笑顔を持ち歩いて。
私は彼女に好意なんて一度も持った事が無い。
当然の事だ、貴重な時間や大切な愛読書を悉くもってかれて、好きになるはずがない。
馴れ馴れしいのが特に気に障るわ。

今日も来た。静寂を騒音で崩してから、私の時間を奪いにかかる。
「おっす、パチュリー、また本を盗みにきたぜ」
(盗みに? 堂々と言うものなの?それは。 羞恥心というものがないの?)
「む、なんだ? 挨拶ぐらいしてくれたっていいだろ?」
(挨拶? あなたのそれが挨拶とでも言うの?)
「それでな、今日はチルノが蛙に──
(そんな貧相で役に立たない知識なんていらないわ、ここをなんだと思っているの?)
「あとな、アリスが服をだな、前後逆に──
(そんな知識、いつ使うのよ。私は使える知識が欲しいの。)
「ん? パチュリー? 聞いてないのか? おーい」
(五月蝿い!!!! 名前を気安く呼ぶな!!! 本を読んでいるでしょう? わかるでしょう?)
「むぅ、まさに本の虫…か、じゃ遠慮せず持っていくぜ」
(ありえないありえないありえない非常識よありえないありえない)
「お、この本いいな、これ借りるぜ」
(っ──わ た し が い ま よ ん で た 本 で しょ う !!!)
「死んだら返すぜ、じゃぁな」
(くっっっうううううううう!!!!ぁあああああもおおおおおおおおおおお)
「待ちなさい!!!貴女にはマナーというものが無いの?いつもいつもいつも!!!他人に迷惑かけてると思わないの?
私の邪魔をしないで!!私のものを持っていかないで!!!私の時間を壊さないでよっ!!!!!」

ついに切れてしまった。私自身喘息に遮られずここまで言葉を並べられるとは思ってなかった。
私が彼女に浴びせる始めての怒声。私のこんな小さな体躯のどこから出るのだろうかと言う叫び
白黒魔女はうろたえる。私の本気の怒り。それを始めて目撃したのだから。
「う……あ……悪かった………謝るぜ……すまない」
様子から見て心から反省しているようだ。だがそれだけで私の怒りが収まるとでも?
「悪いと思っているのに何故するの? 貴女は馬鹿かしら? 言われなきゃ気付けないの?
謝るんだったら初めからしないでよ!! 人間というのは本当に愚劣な生き物ね!!! 畜生以下の生き物よ」
「な、なんだよ、そこまで言う必要ないだろ?」
「そこまで言われるほどの行為を貴女がしているという事に気付かないの? 貴女は本当に馬鹿なのね!!
やっぱり人間はただの餌になるのが一番いいのよ、いえ餌の価値ほどもないわ。とにかく目障りよ!!!!」
「あーわかったよ、帰るぜ、フン!」
「明日奪ったもの全て持ってきなさい!! それとも死んだら返すって事は貴女を殺せばいいのかしら?」
「はぁ…………明日また来るぜ」
そういうと開けた大穴から魔理沙は空に掻き消えていく。

あいつの最後のため息。あれが特に癪に障った。怒りをぶちまけたい。
だけどここでぶちまけては愛読書が全て灰だ。
抑えるしかない。落ち着かなければ。
だが、しばらく本も読めそうに無いこの心身状態をどう落ち着かせろと……

「あ、あの、パチュリー様、お言葉ですがさっきのは言いすぎじゃないのかと……」
小悪魔だ。無利益なはずなのに必死に私の為に働いてくれる優秀な司書だ。私は彼女が嫌いではない。
だがタイミングが悪かった。
「五月蝿いわね!! あなたも私の読書の時間を邪魔するというの?」
本以外に怒りをぶつけてしまいたい。その時に現れてしまったのだから。
「あ、いえ、そういうわけでは……」
気迫に押され尻すぼみになる語尾
「じゃぁどういうわけなの? あなたが時間を取り戻してくれるとでも言うの? 出来ないなら邪魔なだけよ!!」
止まらない。言葉の濁流が小悪魔を飲み込む。全てをぶつけてしまう。
「い…、う…ちが……」
小悪魔は軽く痙攣し、言葉にすらならない。それでも彼女は私の言葉を受け止める。
「違う? なら貴女は仕事だけ黙ってやっていればいいの!! 私の事を心配する必要なんて無いわ! 邪魔よ!!」
──…しまった。私の事をいつも心配してくれる唯一の友に…
「う、あ……失礼しました…」
小悪魔は一礼した後私に背中を向けると、本棚の奥のほうに全く音を立てず飛んでいった
振り向き様に一瞬涙目になるのも見てしまった。
イライラする。腹が煮えくり返る。虫唾が走る。白黒魔女にも。小悪魔に非難を浴びせた私自身にも。

今日は何もする気にならない。なったとしても集中できない。何も手につかない。 あぁもう!
何も考えたくない。考えるたびに、白黒とさっきの私が脳裏に蘇る。
怒りはどうやって打ち消す? 消極的に解決するとしたら、寝る。ただそれだけ。時間により薄めてもらうしかない。
私はベッドに潜り込む。私の体躯には大きすぎるベッドに。その中心に蹲る。シーツを握り締め、歯を立てて。
喘息は起きない。こんなにも心臓が喚いているというのに。喘息で余計に怒りを蓄積させる事はなかったが、
その怒り自体既に溢れそうだ。限界だ。何かにぶつけないと……
私はシーツを引き裂き、噛み千切り、怒りを少しでも減らそうとシーツがシーツで無くなるまで繰り返す。
口の中に鉄の味が広がる。シーツであったものに紅い染みが広がる。
歯軋りによるものか、今の行為によるものか、歯茎から血が滲み布切れを汚していく。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああ………………………………………………………………………
…………………………………………ハァ…ハァ…ハァ……ハァ……ハァ………ハァ…………ハァ………

少しは怒りが収まった。脳が冷えていく感じがわかる。肩で呼吸を整えながらいつもの冷静さを取り戻してく。
視界に映る、シーツではないもの。所々が赤々と血が滲んでいる布切れ。
「ちょっとメイド!シーツが汚れたわ、取り替えて頂戴!!」
今日の私はよく叫ぶ。それでいて喘息がこないのが不思議なくらいだ。
「は、只今」
私の声が室内に響き渡り終えると同時に彼女は瀟洒に現れる。
「お待たせいたしました」
彼女が現れたことを脳が認識し終わらないうちに既にシーツは取り替えられていた。
「失礼いたします」
千切れた布切れや血痕を全く残さず、それを私が確認し終わる前に彼女は既にその場からいない。
十六夜咲夜。彼女はメイドの中でも突飛して優秀だ。能力故か、性格故か、両方が相俟って
どこにも無駄が無いメイド。今の私の気分にはピッタリだ。
少しずつ鼓動が遅くなっていく。落ち着いていく。この程度なら寝る事ぐらいは可能だろう。
口の中に鉄の味がする、まずはうがいをしてから──
視界の隅にうがい用の水が入った容器等一式が眼に映る。さっきまでは無かったのに……─あぁ、彼女ね。
確かに血に汚れたシーツを何も思わず取り替えるはずもない。無言の配慮。無音の配慮。
…………ふぅ。
私はため息を一つ。それで殆どの怒りが消えたように感じる。さっきまでの怒りは何だったのか、それを思わせる
ぐらい私の周囲に纏う空気は冷えており、落ち着きを取り戻していた。
私はうがいを済ますとベットに潜る。相変わらずこのベットは大きい。……まぁ寝るとしますか


私は読書をする。いつもの日常だ。昨日暴れたせいなのか、落ち着いて読書が出来る。
いつもと変わらないペース。同じリズムでページを捲る音。日常だ。
日常のはずだった。
コンコン。と大きな扉──図書館の入り口をノックする音がまたも静寂を破る。
「パチュリー様、お客様をお連れいたしました」
客? ……あぁ、あいつか
「入りなさい」
「失礼します」
大きな扉が開かれる。2つに割れていく扉から二つの影が現れる。
普通のメイドと白黒魔女だ。白黒の帽子は脱いで片手に抱えており、
反対の手には大きく膨らんだ風呂敷が。多分あの中は本だろう。私の。
白黒は入り口で一礼をし、私の元に歩いてくる。音をなるべく出さないように慎重に。
私と机を挟んで反対側に立つと白黒は口を開く
「パチュリー、昨日は本当にすまなかった。この通りだ。許してくれ」
………フン
深々と頭を下げた白黒に対し、そう一言だけ返す。
頭を上げた白黒は手荷物を持ち上げ
「これが今まで借りた全ての本だ。ちゃんと全てある。汚してもいないし大切に扱ってきた」
「あ、お預かりいたします」
小悪魔が横から近寄り、風呂敷を丁寧に受け取るとまた本棚の影に隠れてしまった。
私は白黒を細い眼で睨みつける
「だから何? 当然でしょう? 借りたものを返すなんて。偉そうに。そもそも貸し出したりなんかしてないんだけど」
気迫に押されてか白黒の眼が私の視線から一度逃れる。が、すぐに私の眼を見つめなおし
「だから…今までの事は本当にすまないと思ってる」
「あっそう。じゃもう二度と来ないで頂戴。目障りなの。邪魔。失せなさい。もう二度と近寄らないで」
こいつの顔は頭にくる。顔を見ただけで虫唾が走る。
「そうか……わかった。帰るぜ………」
一礼し、私に背中を向け歩き出す白黒。音もなく、魔理沙であるべきの荒っぽさはどこにもない。
しかし丁度そこから扉までの中間辺りで白黒は足を止め背中を向けたまま何かを呟く
「私は……私の中のパチュリーはもっと別の人だと思ってた」
当然この無音の密室では口からの呟きも鼓膜に届く。
呟きか? 独り言か? ………違う。その台詞は私に対してだ。密室の中で声をだすなら届く相手は決まっている。

っ───最後の最後まで!!!!!!
私は今まで読んでいた本、手に持ったままだった愛読書、それをその憎き背中に向かって思いっきり投げつけた。
厚い本の角が白黒の背中に当たり、地面に乾いた音と共に埃を舞わせ落下した。

「さっさと帰って!!!!!!! 消えて!!!!!! 二度とその気持ち悪い顔見せないで!!!!」
私の怒声が図書館内に響き渡る。メイドはすくんで身体を強張らせている。対する白黒は………
私と眼を合わせずに落ち着いた様子でその本を拾い上げ、簡単に埃を払うとメイドに渡し
「少しページが折れてしまったみたいだ。すまない」
とメイドに声をかけ、また歩き出す。
口の中が鉄の味だ。喘息ではない。
白黒は大きな扉をくぐると同時にもう一度足を止め、図書館側に向きを変える。
一礼するとまた廊下の方に振り向き、背を向けたまま
「じゃあな…………、さようなら、パチュリー」
と残し、廊下の明るい光に包まれていく白黒。

…ハァ…ハァ…ハァ……ハァ……ハァ………ハァ…………………ハァ…
私はまた肩を震わせ息をしていた。呼吸が落ち着いてくるとまだ立ちすくんだままのメイドを睨みつけ
「何してるの、さっさとその本を渡しなさい!!!」
「ひ、ひあ、はぃ~~~」
メイドは私の愛読書である本を半ば投げ出すように机に置くと
「ひ、ひつれいひまひた~~~」
既に言葉ですら無くなっているが、パタパタと小走りで扉の向こうに駆けていき入り口を閉めつつ消えていく。
プチッっと廊下から漏れる光が完全に遮断される。

動を追い出した。完全なる密室だ。
……これでいつもの静けさが取り戻せたわけだ。
…ハァ………………ハァ…………………ハァ………
まだ私自身はいつもの調子ではない。
息も荒いし、鼓動も響く。
私は左側にある椅子を数歩歩いて蹴り飛ばす。よく白黒が座ってた椅子だ。
当然蹴った足に野次を飛ばすかのように痛みが走る。それが私の怒りをさらに増長していく。
背もたれの部分を両手で掴み、振り回し、反動をつけて地面に叩きつける。それを幾度と繰り返す
「くそっくそっ、人間の癖に!!!まだ数年しか生きてない人間の癖に!!生意気なのよっ!!!!!!!」
最初のうちは耐えていた椅子も、やがて脚が折れ、座する場所は罅が入り、椅子ではないものに
なっていく。近くの本棚にぶつけ、棚から本が雪崩の様に落ちてくる。関係ない
「うあああぁぁぁぁあああああああ」
力いっぱい床に叩きつける。大きな音と共に椅子を持っていた手が軽くなる。
ついに背もたれの部分と座する場が分断され、周囲に木の破片が飛び散った。
ハァ…ハァ……ハァ…………ハァ………………
やっぱり今日も落ち着いて本を読めそうに無い。ならば、寝る。それが一番消極的に解決する方法だ。
壊れた椅子や本は司書に任せればよい。早く……早く日常へ……



昨日の椅子は片付けられており、別の新しい椅子がその場所に収まっていた。床や本棚についた傷さえも
完全に修復されていた。
私はいつもの席で、昨日とは違う本のページを捲り続ける。静かな図書館。響くのは紙が擦れる音のみ。
静寂な時間。ゆったりと、そして時間という概念すら必要ない空間。密室であることの意義が満たされていく。
今日は何も起こらなければいいのだけれ──
コンコン 「パチュリー様、お客様がお見えになりました」
─やっぱり誰かが邪魔するのね。
客?白黒だったらもう二度と太陽を拝めなくしてやってもいいかもしれない。
「はぁ………いいわ、はいりなさい」
「失礼します」
大きな扉、それでいて無音で開く図書館の入り口。廊下の眩しい光を背後に並ぶ二つの影。
片方は普通のメイド。片方は……
「失礼します、パチュリー」
入り口で一礼してから入室してくる空色の服。七色人形師アリス・マーガトロイドである。
静かに歩み寄ってきたアリスに対し、眼を細くし睨みつけながら口を開く
「………貴女まで何の用かしら」
私は彼女の事は嫌いではない。礼儀正しい上に、他人への心遣いがとても丁寧なのだ。
偶に手作りのお菓子を持ってきてくれるときもある。彼女の手菓子は美味で幻想郷でも有名だ。
だが、やはり昨日の今日だ。私の機嫌がいいわけない。藪蛇というように当然話題は…
「あの…魔理沙の事なんだけど、パチュリーの機嫌をとても損ねてしまったと聞いたわ。
そのことについて、私からも謝ろうと思って来たの。あの魔理沙の性格を助長させたのは私の責任でもあるし…」
「何を言ってるの、貴女は関係ないでしょう? なぜ謝る必要があるの」
「魔理沙はまだこの世に生を受けてまだ10年ちょっとしか経ってないの。それでいて人間の宿命である寿命の
短さをあの若さで背負っている。常に死は目の前にあるのよ。魔理沙はその短さに焦っていると思うの。
魔導書を盗んでいくのもそのせいね、一々許可を貰っていったらあっという間に寿命が尽きてしまう……
それにたった数十年借りるだけ。妖怪である私達にとってはとても短い時間よ。
魔理沙はああ見えて心配りが出来るほうなのよ。だから私は心配ないって思って見逃してきたの……
それが貴女の機嫌を損なう原因となってしまったわ。だから私にも責任はあるの。ごめんなさい。」
アリスが心から謝罪をしてくる。アリス自身は何も落ち度は無いはずなのに。
だけど魔理沙の名が出てきたせいで、やはり私の苛立ちは募ったままだった。
「あっそう。何が言いたいの? 私達のほうが長く生きてるんだから寛大な心で見逃せと? そういう事?
それともこんな事で怒る私の心があの人間よりも狭いとでもいうの? そういうわけなの?」
「違うわ、そうじゃないの。私が言いたいのは──
アリスは必死にそれを否定しようとする、が、私の怒りは止まらない。収まらない。募るのみ。
「どう違うというの? 貴女が言っているのはそういうことでしょう」
「違うの、聞いて──
私は聞く耳を持たない。持つ必要が無い。アリスの言葉を次々と遮っていく
「人間の寿命が短いのだったら、本を読む必要なんてないじゃないの。どうせすぐ死ぬんだし。
無駄になるだけよ。迷惑がかかるだけ。そういう事だからもう二度とあの白黒をこの館に近づけないで頂戴ね。
それと………──貴女も二度とこないで頂戴」
私は細い眼でアリスに怒りをぶつける。
アリスは蒼い眼で私を睨む。
暫くの沈黙。静寂。無音な図書館に一瞬戻る。
だがすぐにそれはアリスの声によって掻き消される。
「そう、わかったわ。私は貴女の事を尊敬していたのだけど見当違いだったようね。…─じゃぁ失礼するわ」
アリスは一礼すると私に背中を向け、静かに大きな扉へと向かう。
硬直しっぱなしだったメイドもその様子をみてそそくさと図書館と廊下を繋ぐ扉を開ける。
アリスはその境目─入り口の辺りで身体をこちらに向け一礼すると、
「失礼したわ。────さようなら、パチュリー」
と残して廊下の光に消えていった。
メイドも同時に廊下側へ出て行き、静かに扉を閉める。
プチッっと廊下の光を扉が切り離す。

なんなのよ……何故みんなして私の時間を邪魔するの?私は本を読みたいだけなの。
一人にして頂戴よ!!!!
棚の影から覗いていた小悪魔を睨みだけで追い払う。
本も満足に読めない時間に襲われ続けた為に中々苛立ちが収まらない。
それでも今日は寝るわけにはいかない。失った時間を取り戻さなくては。


あの日以来、私は必死にページを捲りつづけた。それを邪魔するものも現れなかった。
いつもの図書館。規則的に紙を擦る音だけが図書館に響く。小悪魔も私の見えないところで仕事をしている。
落ち着いて本から知識を吸収することができる。知識、知識、知識。誰にも負けないほどの知識。
人間じゃ一生を捧げても得られないような膨大な知識。私の時間。誰にも侵されてはいけない時間。
私は黙々とページを捲り続けた。
戦闘の知識。病の知識。呪術の知識。陰陽五行の知識。歴史の知識。
古今東西代わらぬ静の知識を、手当たり次第脳に刻んでいく。

そう、私はこの日常をずっと望んでいた。誰にも邪魔されず、時間にも惑わされないこの日常を。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

「小悪魔、紅茶を用意して頂戴」
ふと喉がカラカラになっていることに気付いた。
「わかりました、パチュリー様」
棚の奥から小悪魔が出てきて大きな扉から図書館の外へ。
私は黙々とページを捲り続ける。
紅茶セットを盆の上に乗せた小悪魔が数分もしないうちに戻ってきた。
既に準備は出来ていたのだろうか。紅茶と一緒にクッキーまで用意されていた。

「どうぞ召し上がってください、パチュリー様」
紅茶を注がれ、クッキーが乗ったお皿を静かに机の上に置かれる。
私は紅茶を一口飲み、喉を潤すと皿の上のクッキーに手を伸ばす。
とても綺麗で繊細な形を成しているクッキー。この館にここまで器用な子、いたかしら。
一つ掴み、口元へ手繰り寄せると芳醇な香ばしい香りが鼻を撫でる。
……香ばしい香り。……香ばしすぎる。
私は小さな口を開いてゆっくりと齧る。
サクッと心地良い音を立てて、口の中に零れていく。
…………美味しい。……………いえ、美味しすぎる。この味は───

私はクッキーが乗ったお皿を掴むと、思いっ切り投げ飛ばし小悪魔の顔に叩き付けた
「こんな不味い物!! 食べられるわけ無いでしょう!!!! 貴女は何を考えているの!!!!!」
小悪魔の顔に叩きつけられたクッキーの崩れた破片が飛び散り、落ちた皿が音を立てて割れる。
「余計な事はしなくていい!!! 貴女は仕事だけやってればいいのよ!!!!! そうでなければ邪魔なだけ!!!!!!」
クッキーの破片が顔にこびりついた子悪魔の表情は、既に涙目ですらなかった。
「フグッ…………ヒッグ………………うあああああああああああああああん」
目から大量の雫を濁流させ、私に背中を向けると大声で泣き喚きながら大きな扉の外へ逃げていった。

机の上や私の足元に散らばるクッキーの欠片と白い破片。
私が怒ったのは味が不味かったからではない。美味しすぎるあのクッキー。あれは──
─アリスが作ったものだ。
それが癪に障った。外部の物を持ち込んだアリスに。私の事を嘲笑うかのようなこの味に。

「メイド!! さっさとこれを片付けて!!!」
またしても叫ぶ。図書館内には誰もいないが、あのメイドなら聞こえるだろう
「は、畏まりました。直ちに」
彼女が瀟洒に現れると同時に、既に床や机の上は片付いていた。
「お待たせいたしました。パチュリー様」
いつもながら行動が早い。そしていつもなら一礼してから瞬時に立ち去るのだが…
今回だけは中々立ち去らない。私はそれを訝しげに見やると彼女はいつもとは違う台詞を私に投げた。
「パチュリー様、お言葉ですがさっきの行為は──
「っ──五月蝿いわね!!! 貴女も仕事だけやっていればいいの!!!! 仕事以外では私に関わらないで頂戴!!」
苛立ちが溢れてしまった私は口答えをする咲夜の言葉を遮って怒声を返す。
メイド長、咲夜の口から出た言葉。仕事とは関係ない言葉。まるで私が悪いかのような口ぶり。
それが余計に怒りに触れた。
「どうしたの!! 邪魔よ!!! さっさと仕事に戻りなさい!!!」
怒声を浴びせられた咲夜は表情を微塵にも変えずに
「そうですか………失礼しました。パチュリー様」
と言うと、瞬時に姿を消した。

この部屋にはもう私しかいない。それでも何かを打ち付ける様な音がテンポ良く響く。
この一定の間隔で聞こえる音は……─私の鼓動だ。肩で息をしている私のものだ。
次第に音が小さくなっていく。それにつれて図書館は静寂を取り戻していく。
いつもの図書館に近づいていく。
私は一度だけため息を零し、椅子に座りなおしてから読みかけの本のページを捲っていく
いつもの図書館に戻った。
一定の間隔で紙を擦る音しか聞こえない図書館に。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

あの日から随分日が経った様な気がする。でも外の世界なんて関係ない。
古今東西の知識がここにある。私はそれを吸収していくだけだから。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

あの日から小悪魔の姿が見えない。きっと棚の奥で仕事をしているんだろう。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

誰もが持ってないほどの大量の知識。何も知らないものはないと言えるほどの知識。
知識知識知識知識知識。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

「小悪魔、紅茶を用意して頂戴」
ふと喉がカラカラになっていることに気付いた。
私の声が図書館に響き渡る。
………
出てこない。
「小悪魔、何をしてるの、紅茶よ、紅茶を持ってきなさい!!」
渇きすぎた喉がヒリヒリと痛む。
………
それでも小悪魔は出てこない。
「役に立たない子ね。いいわ、メイド!メイド!」
………
誰も来ない。
あの瀟洒なメイドがこない
仕方ないわね……

私は廊下と図書館を繋ぐ大きな扉を開けると、丁度目の前の廊下を掃除していた普通のメイドに声をかける
「そこの貴女、貴女でいいわ、紅茶を持ってきて頂戴」
メイドは私の声に気付き、顔を上げて驚いた表情を見せる。
「えっと……パチュリー様…ですか?」
その顔はいつもここを掃除しているメイドではなかった。
このメイドは見たことがない。新米かしら。私の事を知らないみたいだし。
「そうよ、さっさと紅茶を持ってきなさい」
「あ、はい、わかりました」
一礼しメイドはパタパタと背中を向けて掛けて行く
私はその姿を見送ると席に戻り、黙々とページを捲り続ける
私は黙々とページを捲り続ける
私は黙々とページを捲り続けた
私は黙々とページを捲り続ける
数分経ってからメイドが来たようだ
「失礼します……パチュリー様。紅茶をお持ちしました」
「入りなさい」

今回はクッキー等は無く、以前と香りが僅かに荒っぽい紅茶だけだ。
私は机に置かれた紅茶を一口のみ喉を潤すと、退室しようとするメイドに声をかける
「貴女、ここの司書をやってみる気はない?」
「司書……ですか?」
「そうよ、今の司書は役に立たないみたいだから代わりにどうかしら」
「今の…………司書?」
メイドの一つ前の答えと、疑問の口調が違う。
「小悪魔の事よ、最近仕事もしてないみたいだし解雇しようかと思ってるの」
メイドは首を傾ける。
「小悪魔……さん?」
「新人だからまだ知らないのね、ここの司書をやっている子よ」
「いえ…私は結構前から働いておりますけど……
 その……パチュリー様はご存じないのですか?」
何を?そもそも貴女は新人じゃないの?なら小悪魔の存在知っててもいい筈──
「小悪魔様は随分前に亡くなられましたよ?」

…………………は?
最近まで働いていた気がするのに…多分。
……………いつ亡くなったの?知らないわよ…………
あの小悪魔が? そこまで寿命は短く無い筈だけど………
誰かと勘違いしてるのかしら。まぁいいわ、どうせ役立たずだったし。
「そう。そうだったわね。じゃあ貴女がこれから司書を務めなさい」
「あ、はい、それは構いません。では異動の件をフランドール様に申請してきます」
駄目だこのメイド。
「ねぇ…………普通申請するならメイド長の咲夜じゃないの?」
「え? あぁ、パチュリー様はこれもご存じないのでしょうか? 咲夜様も随分と前に亡くなられまして、
それ以来、人事の事はメイド長ではなく城主様が仕切るようになりました」

…………咲夜も? 確かに人間の寿命じゃいつ死んでもおかしくないけど……
その事も問いただしてみると、吸血鬼となってしばらくは働いていたのだが、時間操作の反動で結局
早死にしてしまったそうだ。人間ではない吸血鬼の身体には拒絶反応が起こり負担が大きすぎたようだ。
………だけど…やはりこのメイドは駄目だ。別のメイドにしよう。
「貴女、やっぱり司書はいいわ。言っておくけど城主はレミリアよ? フランドールじゃないわ」
「……いえ、今の城主はフランドール様ですけど」
……このメイド、さっきから嘘を並べているんじゃないのかしら?
あんな性格のフランが城主? 冗談でしょ???
「その……大変申し上げにくいのですが、パチュリー様は何もご存知でないのでしょうか?」
何も知らないのか、そう言われた。知識の宝庫、知識の大図書館と呼ばれる私に対して。
だが確かに知らないものは知らない。ここは素直にメイドに城内の事を問いただしてみることにした。

私が読書をしている間、思っていたよりも随分と時間が過ぎていたらしい
外の世界はめまぐるしく変わっていた。
レミリアは城主を引退し、フランドールに任せることにし、フランドールもレミリアを凌ぐほどの
カリスマ性を発揮させたらしく、今や紅魔館だけでなく幻想郷全体も仕切っているそうだ。
…え? 幻想郷全体?

「あ、パチュリー様、その事については外をご覧になったほうがよろしいかと思います。」
私は廊下にある見晴らしがいい窓の元に歩み寄ると外を眺める。
本来だったら眩しく私の肌を刺すような日差しが差し込んでくるはずなのだが……
外の世界は紅色に染められていた。……─そうこれは随分昔にもあった光景。
あの日。私が機嫌を損ねる原因を作った紅い霧だ。
こんな事をしたら真っ先に巫女が飛んでくるのではないかと。以前の歴史の繰り返しとなるではないか。

「いえ、フランドール様はその巫女を吸血鬼に変え配下に加えました。その後、レミリア様は巫女と一緒に
その神社に住んでいるそうですよ」
レミリアがしたくても出来なかったことを、フランは容易く遂行させた。簡単だ、宴会で酔った巫女を
襲ったのだから。
レミリアは多少その事に不満を覚えたが、レミリアの為にフランがやったことなのだし、その巫女と
一緒にいられる時間が増えた事が嬉しかったようで結局問い詰めたりはしなかったそうだ。
博麗大結界も有効で、なおかつこの紅い霧も同じような結界の役割を果たしているらしい。


城主になる以前から徐々にカリスマ性を現してきたフランは、部下に的確な指示を飛ばし
その発言力たるや城主であったレミリアを凌ぎ、メイド全員にも絶大なる支持を受けいまや城主となったのだ。
城主となり、さらにカリスマ性を発揮させたフランは他所の地にも手を下していき、次々と侵略していったそうだ
というと……?
「そうです。今やこの幻想郷は全て紅魔館の敷地であり、フランドール様のものなのです」

全て……?

え、じゃぁ…アリスは? どのくらいの時が経っているかわからないが、私が生きているという事は
同じ魔女なのだし寿命的には生きているはずだ。あのしつこい生命力をもつ素早い白黒もちゃっかり生きてそうだ。
「ねぇ、アリスや魔理沙はどうなったのかしら。魔法の森に住んでる魔女の事よ」
「はい、幻想郷史上最幸なカップルだと謳われたあのお二人の事ですね」
は?
「で、どこにいるの?」
「随分前に亡くなりましたよ。………──というか殺しました。私達が」
「本当に幸せそうな家族だったんですけどね、フランドール様がそれはもうあっさりと」
………

全て紅魔館の敷地?

でも……流石に兎の館や冥界は…
「さっきも言いましたが配下にしたのではなく、全て紅魔館のものなのです、
以前の住人は誰も、どこにも生きてはいませんよ」
あ、あの巫女は例外ですけど。と付け足す。


「パチュリー様は読書の邪魔をされるのがとてもお嫌いと聞きました。」

「特に外部の物との接触を嫌がるとも伺っております。」

「よかったですね、パチュリー様。これでずっと邪魔されずに読書が出来るんですよ。」

「館の者にもパチュリー様の邪魔をしないようにと、フランドール様に頼み込んでおきましたから
安心して読書を続けてください」

「ちなみに私、本が大好きですから司書なら喜んで引き受けますけど、どうですか?」

「前世も本を大量に扱ってまして、慣れてますから」

「あ、もちろんパチュリー様の邪魔はしませんよ」

「前世のミスは絶対犯さないつもりですから。」

「信頼ないですか? なら私の前世、教えましょうか?」




「大図書館の司書ですよ」




「それにしてもパチュリー様、そんなに知識を溜め込んで一体何に使うつもりなんですか?」





私は知識の宝庫、動かない大図書館であったはず。誰よりも知識を溜め込んでいたはず。
でも、私は何も知らなかった。私の知識は、無知だった。

知識を求められたのにそれはどこにも書かれていない本。
古今東西どころか古の事しか書かれていない本。
この幻想郷では必要とされなくなった本。

それが私。

あの日から。
密室にしたあの日。
他人を拒絶したあの日。
時間を切り離したあの日。
外界との接触を断ったあの日。
親しい者の存在を殺したあの日。
私が読書以外の全てを拒否したあの日。

あの日から………私は存在を失っていたのね。

メイドからも誰からも見放されたのね。
幻想郷にも見捨てられたのね。
時間にも見捨てられたのね。
知識も全て役に立たない。
私は無知識な少女。
誰の為に私は。
何が故に私は。
読書をしたの。
あの日から。





私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

私は黙々とページを捲り続ける。私は黙々とページを捲り続けた。
私は必死にページを捲りつづけた
私は黙々とページを捲り続けた。私は黙々とページを捲り続ける。
私は黙々とページを捲り続けた。

規則正しく紙を擦る音が図書館内に響き渡る。
書物に目を落とす魔女がいる。
でももう彼女の虚ろな目は
文字を読み取っていない。
知識を欲していない。


あの日から……




「パチュリー様、もう誰にも邪魔はさせませんから、いつまでも読書していてくださいね」


私は黙々とページを捲り続けていく



少女密室 The day after~あの日から~  終 
初投稿となります、緑々です。
キャラ設定の細かい所は知らないので、なんとなくこんな感じかと思い書き上げました。
これは私の黒歴史になる所存です。

もう少し表現を上手に伝えれたらと思いますが、
ゴテゴテとつけすぎて逆に伝わらなかったかもしれません。
フラグも地味に立てているのに利用しなかったりと、私は何をしたかったのでしょう
句読点はパチュの心理を表すため、あえて増やしました。

孤独なパチュを外界に出そうと試みる魔理沙やアリスをもう少し上手く表現したかったのですが
文才が(ry

初、ですので至らない所を指摘してくれると有難いです。
緑々
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コメント



0.1150簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
くらっ!いや当然、作者様は狙ってやったのでしょうが。

自分の中のパチュリー像も近いものはありますね。自分の知識に自信があるだけに他人の意見に耳を貸さない辺りなどはイメージそのままです。
咲夜ですらパチュリーを心配している感じなのにレミリアが現れなかった事に少し違和感が……パチュリーとは付き合いが長く性格などを把握しているからか?
とりあえずフラン、マジ外道。

紅魔郷後、何も変わらなかった紅魔館ENDといった所でしょうか。


文章で気になった事が幾つか。

所々で句点が抜けている場所があるので見直したほうが良いかと。
また、「」内の最後には句点は必要ないです。
!に全角と半角があるのですが……?

参考にしていただければ幸いです。
2.80野狐削除
なるほど……。確かに解釈としては間違ってませんし、方向性も納得がいきます。パチュリーの性格も、こういう話でしたらまぁ納得します。
しかしまぁお嬢様が一回、名前だけでしか登場しないのが納得いきませんね(汗
あの二人は親友なのに、このお話では触りも書かれていないのがなんとも……。

パチュリーの性格には突っ込みたいところもあるのですが、作品の趣旨に反するのでそこは考慮し評価対象外ということで、この点数をば。
3.70名前が無い程度の能力削除
小悪魔、そこまでするか
4.80名前が無い程度の能力削除
ダークだぜ……だがそれがいい
5.100名前が無い程度の能力削除
なんという心地よい暗さだ
『深み』に特化した話の作り方は大好きです
6.90名前が無い程度の能力削除
こういうの、好きです
7.20名前が無い程度の能力削除
パチュリーから知性のひとかけらも感じられなかった。あと魅力も。
9.90500削除
面白いです。気がつけば読み終えていました。
12.80煉獄削除
暗い・・・暗いですね。しかし引き込まれました。
外界と接触するのを拒絶したパチュリーは今までにどれだけの時間が
流れていたのかも解らず、気づいたときにはその溜めた知識も無駄になり
時の流れに置き去りにされた存在となったんですね。
もし、パチュリーが外との接触を拒絶しなければこんなことにはならなかったんでしょうが・・・・。
悲しいことではありますよね。
13.-30名前が無い程度の能力削除
らしくて良いですね。特にパチェは魔女のなんたるかを体現しているかのようです。
ちょっと暗いのが個人的にマイナスですが、十分楽しめました。
次も期待しています。
14.100名前が無い程度の能力削除
あぁ、心が暗く沈んでいく。こんなSSが私は読みたかった!!
淡々さが暗い部分を強調し、暗さがまた淡々とした文章を際だたせています。
15.100名前が無い程度の能力削除
やられた…
小悪魔がいい仕事をしすぎてる…
最近ハッピーエンドものが多くて飽食気味だったのでとても楽しめました。
16.80名前が無い程度の能力削除
運命はパチュリーに復讐した
ダークでしたが中々GJ
なんか「世にも奇妙な話」みたいです
17.90名前が無い程度の能力削除
おー。これは面白い。
パチュリーの、彼女らしさが出ていて良かった。
妹紅、輝夜、永琳はどうしたんだろうと思ったけど。
妹様頑張るなぁw
18.70名前が無い程度の能力削除
小悪魔の愛が痛い・・・というか痛いし怖いし
20.80名前が無い程度の能力削除
ひでえ、ひどいけどよかった
おそらくだいぶ年月がたったのだろうなと思っていましたが、幻想郷がここまで変わってしまうとは
少々いき過ぎな感があるとは思いましたが、しかし裏を返せばいき過ぎれば本当にこうなりそうだな
2次設定のパチュリーがいかに幸せなことか・・・
21.無評価緑々削除
>2008-04-26 05:50:19
「」の最後の句点や記号の半角全角は以降気をつけます
指摘ありがとうございます
>野狐
レミィが親友という事を絡めたほうがもっと良い作品だったかもしれません
レミィはフランより地位が下になり、酷い仕打ちをしてしまいましてレミファンの方には申し訳ないです。
指摘ありがとうございます
>煉獄
まさにその通りです。私の文でも伝わってくれて嬉しい限りです。

ここで全て表記しきれませんが、皆様の感想や指摘を次回以降にも活かそうと思います。ありがとうございます。
鬱作品しかかけませんが…
22.70名前が無い程度の能力削除
後半部分の解釈次第では、説得じゃ聞き入れないだろうパチュリーにお灸を据える為に、レミリアが館ぐるみでとったお芝居ともとれますね
パチュリーは時間の感覚がおかしくなっているし、レミリアは会いに来ない、幻想郷の現状も伝聞でしかなくどこか無理のある内容も混じっている
これでレミリアが霊夢とは話をつけた上で、館の周囲にだけ濃い目に紅い霧を発生させていたとすれば…
23.80名前が無い程度の能力削除
いてぇ
どんどん不幸が連鎖してやがる
26.50名前が無い程度の能力削除
どうしても気になることがあるんだ
結界を司ってるもう片方、紫は?
27.70名前が無い程度の能力削除
確かに原作でも魔理沙がやってる事自体はパチュリーからしたら
迷惑以外の何物でもないよなぁ・・・(性格うんぬんは別として)
>私の中のパチュリーはもっと別の人だと思ってた
のセリフも前後の会話からしたら「パチュリーからだったら盗んでも文句言われないだろう」
としか普通取れないしw

ただ他の方も指摘している通り、フランが都合良過ぎる、レミリアが何もしてない点がマイナスという事で。
28.90てるる削除
暗いですね~・・・
ですが、こういった作品は大好きです。

私も、邪魔されるのを嫌う人間ですから、ものすごい共感を覚えてしまうんですよね~。

いくらなんでも少々突飛と言うか、無理の多いところもありましたが、楽しめました。

次回作も頑張ってくださいね~
30.90イチゴ削除
暗い話ですが欝話とも前記されているので納得です
もし魔理沙のことを本当に嫌いだったらこんな感じでしょうね
31.80名前が無い程度の能力削除
甘いものは好きだけどたまには苦いものも食べたくなるんだぜ
32.70名前が無い程度の能力削除
小悪魔、お前の仕業かぁぁぁっ!!

ただ既に言われとりますが、やっぱ住民抹殺は強引な気が
力量的にな~
33.70名前が無い程度の能力削除
 ありえない話ですが、これはこれで良いんじゃないかと思います。
 フランドールがえらく活躍しすぎのような気がしますが、あんがい小悪魔がそそのかしたのかも、とか思ったりしました。
 ところで最近パチュリーが居る図書館に名前は無いと話を聞き、確かに文化帖、求問史紀でその事を確認して以来「ヴワル図書館」という名に違和感を感じるようになっております。
34.80名前が無い程度の能力削除
軽くホラーですがこんなのもありかな?
35.90名前が無い程度の能力削除
次回も期待しています
37.50名前が無い程度の能力削除
こんなのもいいとは思いますがちょっと図書館外の設定が飛びすぎかな、と
38.70三文字削除
面白いとは思うんですけど……
いくら妹様でも幻想郷のメンツ相手にそこまでいけるのかな?
あと、いくらなんでも時間が経ち過ぎているような。
パチュリーの性格も少し気になりますが、そこはまあ、置いときます。
ぐしゃぐしゃに泣いた小悪魔にときめいたのは秘密。
42.100名前が無いっぽい程度の能力削除
こういうSSは大好きです

気分が沈む感じがたまらん
49.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです!!!
52.100名前が無い程度の能力削除
 ifの話、とても面白かったです。
 東方でこの手の話はあまり見ることがなかったので、とても楽しむことができました。