Coolier - 新生・東方創想話

初めての、

2008/12/21 06:39:26
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 スペルカードルール制定以前、つまりは『弾幕ごっこ』というスポーツなどではない、本当の『弾幕』戦が繰り広げられていた昔。
 妖怪を祓うことを生業とする巫女であるが故に、妖怪との戦いを余儀無くされた年端も行かない独りの少女がいました。
 その名は、博麗 霊夢。

 彼女はとある疑問を抱えていました。

 ――どうして私は、皆と違うんだろう?

 周囲にいる自分と同じ年頃の子供達との間に引かれた境界線。
 本来頼るべき大人達に逆に頼られるという異常な光景。
 それらのことに彼女が疑問を持ち、そして疑念を抱えるのは必然だったと言えるでしょう。


 そんな現実に苦悩する少女の前に現れたのは、とある一人の人間の魔法使いの少女。

「稽古をつけてあげる(はぁと」

 つい先程、悪霊退治に失敗して返り討ちに遭い、命辛々逃げ帰ってきた霊夢に向けられたのは、予想外の一言でした。
 頼りにするものが何も無かった少女に差し伸べられた力強い手は、大人のものではなく、自分と大して変わらない少女のもの。
 けれどその手の主こそが、霊夢にとって初めての、対等でいられる、そして対等でいてくれる存在となったのです。
 その名は、霧雨 理沙。




 いつのことだったか、理沙は霊夢に言いました。

「役割なんて関係ないわ、自分の好きなように動き回ればいいの。
 アドリブを利かせてやりたいようにやるのが、一番楽しめる筈だもの。
 台本に沿った形式通りの演劇なんて、演じる役者も、それを観る観客もつまらない。
 常識通りの日常なんて、誰かに決められた人生なんて、観ていても演じていても息が詰まる。
 だから私は古道具屋の娘の服を脱ぎ捨てて、自分で縫った魔法使いの衣装に着替えたわ。
 ――貴女はどう、霊夢?
 ドレスとガラスの靴、それに南瓜の馬車くらいは用意してあげてもいいわよ?」

「・・・悪くない話だけど、その気持ちだけで十分よ。
 私は巫女のままでいい。
 だって私には、この服が一番良く似合うもの」

「あらそう、残念ね。
 ・・・折角用意しといたのに」

「嘘を吐くな嘘を」

「嘘じゃないわよ」

 そんな無意味な、けれど何よりも価値のある時間を過ごしながら、霊夢は空を見上げて、思います。








 ――私は巫女のまま、自由気ままに生きよう。












 それは、記念すべき、博麗 霊夢が空を飛ぶ程度の能力を得た日の出来事。










 
 そして、老兵は戦場を去った。

「――お疲れ様、玄爺」


  * * *


 作者は旧作やったことありません
 だって見当たらないんだもの

 あともう一つだけ


「作者はレイマリよりもマリアリ派です」

 この一言を言わざるをえない


※追記

 あとがきにおいて語弊があったことをお詫びします。
 「旧作をやったことがない」というのは事実を述べたまでの事であり、それは「プレイするつもりが無い」のではなく、「プレイしたいけれどその機会が掴めない」為です。
 未プレイながらもwiki等で調べた各種設定を自分なりに解釈・考察して構想したのが、この《初めての、》です。
 その為、作者自身気付かぬうちに間違った思い込みや勘違いをしていて原作から大きく逸脱している部分が含まれているかもしれないことを完全に否定できなかった為、旧作版東方を未プレイであることを自己申告することで、そうした部分があれば、皆様からのコメントにて指摘及び訂正を受けたいと思ったからです。
 これらのことをきちんと記述しなかった作者の落ち度です、すみませんでした。

 本文についても解説したいと思います。
 本文に追加すると、ssの雰囲気が壊れそうだったので。
 このssのテーマは『ミッシングリンク――語られることのない過程』です。
 前半は、旧作時点において霊夢と魔理沙(正確には梨沙)が親友兼ライバルになるまでの過程。
 封魔録のバッドエンドにおいて、魔理沙が霊夢に稽古をつけてやるシーンが描写されているという情報から、そのシーンを元にしました。
 そして魔理沙は後にプレイヤーキャラの一人に加わり、ゲーム本編においても霊夢と対等な存在になります。
 後半は、旧作とwin版との間の空白の五年間の間に、霊夢が『空を飛ぶ程度の能力』つまり何事にも縛られない意志を得るまでの精神的成長の過程。
 同時に、魔理沙が魔法使いになった過程を書いています。
 霊夢が『靈夢』ではなく『霊夢』、魔理沙が『魔理沙』でも『梨沙』でもなく『理沙』と表記されているのは、名前を統一して分かりやすくしたかったからです。
 特に『理沙』については、旧作時点であるss前半において『魔理沙』と表記するわけにはいかず、ss後半においては彼女は既に『梨沙』ではないのかもしれない。
 その為、『梨沙』と『魔理沙』の間を取って、『理沙』に落ち着きました。
 一応旧作の公式txtにおいても『霧雨 理沙』と表記されているらしいのであながち間違いではないだろうという確信犯でもあります。

 分かりにくいssばかり書いてしまうのは、単純に作者の力量不足です。
 精進したいと思います。


 みっともない言い訳にお付き合い頂き感謝します。
 ご気分を害したなら申し訳ありません。
 作者自身、情けない気持ちでいっぱいです。

「分かりにくいssをわざわざ解説しているーー!?(ガビーン」
「ホゲーーーー!!(本文より長えーーーー!!の略」

 そう言って笑い飛ばして頂ければ幸いです。


 ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。
純砂糖
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コメント



0.200簡易評価
11.80名前が無い程度の能力削除
>>その名は、霧雨 理沙。
魔抜けてます。
14.無評価名前が無い程度の能力削除
何で知らないものを書こうとするのかサッパリわかりません。
16.50名前が無い程度の能力削除
……え~っと……まずどこから突っ込めば良いかな?
短いというのはこの際置いておいて。
知らないのだったらwikiなどである程度の知識を得てからにしなさい。
そんな「やったことない」で済ませられると思うな。

で、これは霊夢に初めて対等な存在ができたという話ですか?
それなら解るんだけど…。
ただ、面白いのかそうじゃないのかと問われたら
微妙としか言えない。
17.10名前が無い程度の能力削除
ダメだ。
20.40Ph削除
前の作品の勢いは何処へ逃げてしまったのでしょうか。
あれ程のSSを書けるというのに、あなたは得点やレートに追われて迷走してる気がします。
前作品も一見すれば評価は低いように感じられてしまいますが、少なくとも熱意は感じられました。

次回作に期待していますので頑張ってください。
21.70名前が無い程度の能力削除
確かに、確かに封魔録で魔理沙が靈夢に空飛ぶ特訓をさせていたのはその通りなので、封魔録から靈夢が空が飛べるようになったという発想は分からなくもない、のですが…結局、夢時空でも幻想郷でも怪綺談でも相変わらず亀に乗っています。
あの特訓は失敗に終わったんだろうなぁ的な読者の認識を打ち砕いてくれる別解を、仄めかしでも何でも良いから何かしら作品内で示す事が出来れば話を広げられそうな気もするのですが。
ああ、でも支援したい。という微妙な葛藤からこんな点数を。

あと、やってない癖に二次創作するなという批判が飛んで来る可能性はあっても、やっぱり旧作を題材にする時「東方wiki、touhouwiki、イザヨイネット、幻想板、アンサイクロ、youtubeその他で収集した旧作関連の情報を元に構成しています」的な何かは、取り敢えず載せておく方が無難じゃないかと