Coolier - 新生・東方創想話

うらめしこんぱろ

2011/06/06 23:13:53
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五月晴れの空の下を、多々良小傘はゆるゆると飛んでいた。
キョロキョロと周囲を見渡し、澄み切った青空に似つかわしくない溜息をつく。
「全然見当たらないなぁ」
彼女がこうやって飛んでいることには理由がある。
空を飛ぶ珍しい人間たちにコテンパンにやられてからというもの、小傘の考えは少しだけ変化し始めていた。
ただ「うらめしや~」とやるだけではなく、何かしら変化をつければ驚くのではないかと考えたのだ。
先ず魔法使いに言われたことをヒントにして、「普通の傘だと思って人間が手に取ったときに、うらめしや~って驚かせば良いかも!」と思いついて実行に移してみた。
たしかに人によっては驚くだろう。だがそれまで自宅になかったはずの傘を見て怪しまない人間などほとんど居なかったし、その上古臭く茄子色なのだから見栄えを気にして誰も使おうとしない。
すごすごと退散することの方が圧倒的に多かった。もっとやりようはあるのかもしれないが、それができないのが小傘の限界である。
次に、こんにゃくを使って驚かせようと試みた。
最初のうちこそお目当ての反応を見ることが出来たが、三人ほどにやるとこんにゃくが生温かくなり、驚かずに不快な顔をして立ち去ることが分かった。
たった三人を驚かせるためにまたこんにゃくをキンキンに冷やすのはあまりにもよろしくない、と思い至りこれもあえなく失敗と相成ってしまった。
自暴自棄になって暴れてやろうかとも思ったが、それこそあの巫女たちが飛んできて、立ちどころに成敗されるのが関の山だ。
さらに小傘は考えて、場所を工夫すればいいのではないかという結論にたどり着いた。
それから彼女は毎日あちこちを跳び回って、うってつけの場所をさがしているのだった。
彼女が探している条件にぴったりの場所は人里の近くにあるのだが、小傘は見事に見落としていた。





少し日の傾きかけた空を、ふよふよと小傘が飛んでいく。
その顔には諦めの色がにじみ出ていた。心なしか、手にしている傘も萎れているように見える。
周囲を見ても草深い山野が広がるばかりで、人っ子ひとり見当たらない。それどころか動物の気配すら無く、物哀しい雰囲気が辺りに漂っている。
「見つからないなぁ……。もうだいぶ遠くまで来ちゃったし、こんな所まで人間は来ないよねぇ」
人間の里からだいぶ離れてしまった。こんな所まで来る人間など、自殺志願者でもない限りまず居ない。
小傘はがっくりと肩を落とし、溜息を吐いた。
もう今日は諦めよう。明日は別の場所を探してみよう。
「本当に見つかるかな」つい後ろ向きな考えをしてしまい、また溜息を吐いた。
そんなナーバスな気持ちの小傘の視界に奇妙なものが映った。
一面に広がる緑の中に、ある一角だけ白の混じった部分がある。寂しい草原の中でやたらと目立つ白に興味を惹かれた小傘は、それが何なのか確かめることにした。
近づけば近づくほど、それがただの雑草ではないことがはっきりと分かる。
「わぁ……」小傘の口から感嘆の声が漏れた。
そこには満開の鈴蘭畑が広がっていた。頭を垂れる用に咲く白い花が葉の緑と合わさり、絶妙なコントラストを描いている。
風が抜き抜けるとそれがザアッと音を立てて揺れた。
「この花ってなんだろ?」小傘は首を捻った。残念なことに、彼女は花についての知識が薄い。
もっと近くで見たいと思い、小傘は花畑のもとへ降り立った。近くで見れば見るほど花の美しさに惹かれていく。
その時、此方へ向かってくる人影が見えた。何かを叫んでいるようだが、遠すぎてよく聞こえない。適当に手を振ってやった。
さらに顔を近づけた。花から飛んで来る甘く爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。
その瞬間、くらりと足元がふらついた。踏ん張ろうとしても足に力が入らず、たたらを踏んだ。ぐにゃりと視界がゆがむ。
「お? あ、あ?」と間抜けな声が出た。
天地がひっくり返り、頭に衝撃が走った。地面に頭を打ち付けた痛みより、頭が割れるかと思うほどの頭痛が小傘を襲う。
視界の歪みがひどくなっていく。その視界に誰かが映ってから、小傘の意識は途切れた。





小傘が目覚めたとき、彼女はベッドの上に寝かされていた。
彼女の目に映る天井はあの花のように真っ白だ。天井が低いのか、少し狭苦しく感じるそれはまったく見覚えのないものであり、ろくに働かない頭でもここが今までに訪れたことのない家の中だと分かる。
そして頭が覚醒するが早いか、強烈な頭痛が小傘を襲い始めた。
「痛、ああうう……」うめき声が漏れる。
「起きた?」
にゅう、と横から少女の顔が飛び出してきた。やはり見覚えのない少女は「あー起きた起きた。待ってて、薬持ってくるから」と言うと視界から消えた。
ずりずりと何かが右耳の辺りで動く気配がしてから、小傘の頭が持ち上げられた。目線だけを動かすと、先程の少女が頭を持ち上げてくれていた。
それからコップを持った手が眼前に突き出される。
「はい、口開けてー」耳元で声がして、小傘は素直に口を開けた。
その口にゆっくりとコップの中の液体が注ぎこまれていく。
そのあまりの苦さに小傘は顔をしかめたが、そんな事にはお構いなしに少女はどんどん流しこんでいった。
コップが空になると少女はゆっくりと、小傘の頭を元の位置に戻した。
「よし、あとはたっぷり眠って回復するしか無いわね。少しは楽になってきたんじゃない?」小傘の顔を覗き込むようにして少女が言う。
確かに、先程までの猛烈な頭痛が少し弱まってきている。小傘が頷くと、少女は顔をほころばせた。
「よしよし、流石は八意先生と言ったところね。さぁ、速く眠って眠って」
少女に促されるまま小傘は目を閉じ、眠りに落ちていった。





次に小傘が目覚めたとき、すっかり頭痛は収まっていた。
それどころか気だるさまで抜けていて、全快そのものである。
目をこすりながら体を起こすと、「もう大丈夫そうね。おはよう」と少女の声がした。
周囲を見渡しても、椅子の上に人形が座っているだけで少女の姿が見当たらない。よく目を凝らせば、その人形は自分を介抱してくれた少女によく似ている。
小傘が首をかしげていると、人形の口が開いた。
「それで貴方の名前とか、教えてもらえると嬉しいんだけど。折角助けたんだし」
人形が喋った。小傘が目を白黒させていると、また人形の口が動いた。
「なによ、黙ってちゃ分からないじゃない。それともまだ毒が残ってるのかしら?」かたん、と人形が首を傾けた。
起きがけの頭にそれはあまりに突然過ぎて、小傘は思わず「う、うらめしや?」と口走ってしまった。
人形の表情が変わる。「何、ずいぶん珍しい名前ね。うらめしやさん? 裏飯屋さん?」腑に落ちないと言いたげな表情だ。
「それとも寝ぼけてるのかしら?」
人形が椅子から飛び降りて、とことこと此方へ向かってきた。そして「よいしょっと」ピョンとベッドの上に飛び乗る。
「貴方をここまで運ぶのってすごく大変だったのよ、うらめしやさん。貴方は私が引きずって、持ってた傘はスーさんが持って来たの。大事な物なんでしょ?」
「あ、うん。ありがとうー」小傘が頭を下げると人形がニッコリと笑った。
「うんうん。それでね、私の名前はメディスン・メランコリーっていうのよ、うらめしやさん」
「あー、私はうらめしやさんじゃなくて、多々良小傘って言うの。そのー、さっきは寝ぼけてたから」小傘は苦笑いを浮かべた。
「そうだったの、やっぱりね。普通はそんな名前の妖怪なんて居ないしね」メディスンが微笑んだ。それから「ねぇ、小傘って何の妖怪?」と訊ねてきた。
「私は唐傘からなった付喪神だけど……メディスンは?」と小傘が言うと「メディで良いわよ」とやたら上機嫌なメディスンが答えた。
「だから妙な親近感があったのね。私も元はただの人形だったんだから。毒のお蔭でこうして妖怪になってるの」
「え、そうなの? じゃあ私たちって仲間みたいなもの?」目を輝かせた小傘が言うと、「そう、そうよね!」と同じようなことになっているメディスンが答えた。
文字通りの似たもの同士ということで、二人の間にはもう友情が芽生えていた。


「へぇ、じゃあ小傘は人間を驚かせたいのね。でも中々みんな驚いてくれないからどうにかしたいと……。うーん」
カップを口から離し、メディスンが小傘を見てうめいた。
紅茶の入ったカップを口に付け、「あちゅい」と慌てて冷まし始める目の前の妖怪が人間を驚かせたいなど、不可能だとしか思えない。
「ん? ああ、そうなの。何とか昔のように人間を驚かせたいのよ~」メディスンが自分を見ていることに気がついた小傘が言う。
小傘はまたカップに口をつけ、丁度いい熱さになったのか満足気に紅茶を飲み始めた。
その顔からは、とうてい人間を恐怖のどん底に落とすような妖怪とは思えない。だが「小傘には無理でしょ」などと突き放すことなど、出来るはずもなかった。
「まぁ、やっぱり夜が一番良いわよね」クッキーを一枚手に取ってメディスンが言った。夜ならば、小傘の可愛らしい顔もよく分からないだろう。
少なくともその顔を見て、和まれるなどということはないはずだ。だが、
「やっぱりそうかなぁ。でも最近人間たちも妖怪慣れしちゃって、夜にうらめしや~って言うだけじゃ驚いてくれないの~」小傘はあっさりと言い切った。
小傘もクッキーを一枚手に取ると、パリンと割ってから口の中に放り込んだ。咀嚼してから「あ、美味しい。これメディが作ったの?」と顔をほころばせた。
「そうよ。喜んでもらえたなら嬉しいわ」自身も口に放り込んで噛み砕く。確かに、今日の分は自分でもよく出来ているとメディスンは思った。
クッキーを噛み砕きながら、メディスンは考えていた。いったいどうやれば、人間を驚かせることが出来るだろう。
「どうしたら良いかな」小傘を見ると、彼女はテーブルの上にちょこんと座ったスーさんにちょっかいをかけていた。
その様子をしばらく眺めてから、玄関に立てかけてある小傘の持っていた唐傘に目をやった。
その時、メディスンの頭の中で何かがひらめいた。スーさんと傘、その両方を交互にみて「うんうん」と頷く。
「もしかしたら、これでいけるかもしれないわ!」と叫んだメディスンに、小傘は「え?」と返した。





ある日の昼間、霊夢は神社の縁側でお茶を飲んでいた。
境内の掃除を終え、しばしの休憩時間である。霊夢の横にはしっかりとお茶菓子まで置かれていた。
お茶をすすり、「ふぃー」と声が出た。昼間の縁側にはやはりお茶だ、と霊夢は思う。
「そう、太陽が明るくて、日向ぼっこにはもってこい。こんな陽気の中でお茶を飲めるなんて、幸せなのよ」霊夢はまたお茶をすすって、しんみりと呟いた。
だがそんな環境をぶち壊す存在が、霊夢の後ろで大いびきをかいていた。思わず自分の耳をふさぐか、相手の口になにか突っ込みたくなる程だ。
真昼間から酒を飲みまくり、大いびきをかきながら寝っ転がっている萃香である。
五月蝿さにイライラしながらお茶を飲んでいると、「何だこの喧しさは」と耳をふさぎながら慧音がやって来た。
「何よ、ちゃんと玄関から入ってきなさいよ」霊夢がギロリと慧音を睨みつけた。
「玄関の戸は叩いたし、大声で呼んださ。声はするのに誰も出てこないから、こうやって縁側まで回りこんできたんじゃないか」と慧音が言い返した。
「あら、そう。まぁ里の慧音先生が泥棒に入ることなんて無いと思ってるから、安心ね」ズーッと音を立ててお茶を啜った。「あ、この喧しさの原因は後ろのアレよ」と寝っ転がっている萃香を指さした。
「んん? あー、あれはすごいな。叩き起したほうが良いんじゃないのか?」室内を覗き込んだ慧音が顔をしかめた。
「それで、一体何の用なのよ。何かあるから来たんでしょ?」
「ああ、いつもやっていることをやってもらおうと思ったんだよ」
「んー? いつものことって?」茶菓子のかりん糖を口の中に放り込んで、ボリボリと噛み砕く。
「妖怪退治をしてほしいんだ」


里から命蓮寺へと続く道に、夜になると見たことのない妖怪が出る。
その妖怪は大きな傘を持っていて、人形のようにガタガタと不気味な動きで追いかけてくるという。
ついでにゲタゲタゲタと、背筋の凍るような笑い声もセットだというのだ。
「それは分かったけどあんたが退治すればいい話なんじゃないの?」と、霊夢がもっともな疑問を投げかけた。
「まぁそれも良いんだが、用心のためにやっぱり本職に頼んだほうが良いだろう。特に他意はないよ」と慧音は肩をすくめた。それから「お前なら見たことがあるかもしれないからな」と付け加える。
「ふーん、まぁ良いわ。なるべく早いほうがいいわよね?」
「ああ、出来れば今夜のうちに何とかして欲しい。余計な心配を与えたくないし、何時実害を被るから分からないからな」
「分かったわ。じゃあ日が落ちる前に里に行くから」
霊夢は深々と頭を下げ去っていく慧音の後ろ姿を、お茶を飲みながら見送るのだった。





日が落ちて辺りがすっかり暗くなった頃、霊夢は約束通り慧音と共に里の入り口に居た。
妖怪退治ということで、しっかりお祓い棒を持っている。人間を驚かせるばかりの妖怪相手に必要かと思ったが、念の為に持って来たのだ。
それより霊夢が気にしていたのは、その妖怪が現れるかどうかだった。相手が居なくては意味が無い。
「それは大丈夫だ。昨日と今日、日が落ちてからの外出はしないよう言ってあるから、多分相手に飢えている……はずだ」
「それなら出てくるかもしれないわね。出てくれば、だけどさ」シャン、と霊夢がお祓い棒を揺らした。
「で、だ。先に私が行くから、お前は後ろから付いてきてくれ。妖怪が出たら頼むよ」
「ええ、良いわよ」
慧音が歩き出し、それから少し離れて霊夢が付いていく。あまり近づきすぎては相手に警戒されてしまう。
里から命蓮寺へと続く道を二人は歩いて行った。里から離れるほど草木が増え、如何にもな空気が周囲を覆っている。
確かに、夜に何かあってもおかしくない雰囲気だ。普通の人間は通りたがらないだろうが、様々な用事でこんな時間まで寺にとどまる人間が居るのだという。
それを聞いたために、霊夢は不機嫌であった。「神社には来ないのに、妖怪寺にはこんな夜まで居るの!?」そういうことである。
詳しい話を聞いてから、霊夢はいっそ妖怪を退治しないで放っておこうかとも思ったが、そうするとまた妙な噂が流れてさらに神社に人が寄り付かなくなってしまう可能性がある。
だから霊夢は、妖怪が出てきたらとにかくコテンパンに叩きのめしてやろうと考えていた。
人々を驚かせる妖怪を退治して、ついでにストレス発散まで出来る。まさに一石二鳥だ。
そんな事を考えながら、霊夢は慧音について行った。


ちょうど道中の半分ほどに差し掛かったところで、慧音が足を止めた。
近くの茂みがガサガサと音を立てている。
慧音が身構えたその瞬間、茂みをかき分けて小さな人影が飛び出してきた。「これが、か?」慧音が目を丸くした。
その体躯にやたら似合わぬ大きな唐傘を手にして、それはギチギチと首を動かし、おぞましい化粧を施した顔を慧音に向けた。それは人形のような、ではなく人形そのものにしか見えない。
それはカパッと口を開けてから、「うらめしや~」と――普通の人間ならば――身の毛もよだつ、地の底から響いてくるような声を出した。
周囲の雰囲気とこの声、大きな傘からくる威圧感やその顔、それに人形のような不気味な動き。これならば確かに普通の人間は、悲鳴を上げて逃げ始めるだろう。
だが慧音はそこから動かず、そしてその相手を見て霊夢はいくつか思い出していた。
「あー、なんだっけあれ。見たことがある。えーっと……」
唐傘、人形……。霊夢は大きなため息を吐いた。それから陰陽玉を取り出すと、ゆっくりと慧音に近づいていった。
「お、霊夢……。何だ、もう片付けるのか?」
「ええ、目の前のそれじゃないけどね」霊夢の視線は、目の前の人形ではなくそれが飛び出してきた茂みへと向けられている。
霊夢は陰陽玉を持ち上げると、茂みの中へと放り込んだ。どかん、とそれが爆発し「ぎゃいん!」と悲鳴が二つ上がった。
コテン、と力なく人形が倒れた。目を丸くしたままの慧音が霊夢を見て、それから彼女が顎で差した茂みの中を覗き込んだ。
「なんだこりゃあ」慧音が素っ頓狂な声を上げた。そこには目を回して倒れている小傘とメディスンがいた。





コンコン、と誰かが玄関の戸を叩いた。
メディスンは読んでいた本から顔を上げると、それをテーブルに置き玄関へと向かった。
コンコン、コンコンとまた叩く音がした。「はいはいはい」と言いながらメディスンはドアを開けた。
「うらめしやー」
そこに立っていた笑顔の小傘を見て、メディスンは溜息を吐いた。それから「墓場はどうしたのよ」と聞いてやる。
「今日はお休みだからね」小傘が手にした傘をくるりと回す。それから「友達のところに行くのは、何時でもいいじゃない?」と続けた。

霊夢あっさり倒された後、二人とスーさんは慧音から大目玉を喰らわされてしまった。
二人を正座をさせてから口やかましく叱り続ける慧音の背中に、霊夢はため息を残してその場から去っていった。
それからたっぷり、騒ぎを聞きつけてやってきた命蓮寺の連中に止められるまで説教は続いた。
星が慧音をなだめる側で、聖が「どうしてこんなことをしたのです?」と訊ねた。
小傘が理由を離すと「それならばいい場所がありますよ」と、命蓮寺裏にある墓地に案内された。
目を輝かせる小傘に、聖は「ここならば、人間たちも驚いてくれるでしょう」と微笑んだ。
そして少し表情を引き締めると「でもやり過ぎはいけませんよ」と釘を差した。
それから小傘は命蓮寺の墓地で人間を驚かせている。

「もう私の出番はないと思ったんだけど」とメディスンが言うと「そんなことないよ」そう小傘が首を振った。
「さっきも言ったじゃない。友達のところを訪ねるのに理由って要るの?」
そう言って小傘が微笑み、メディスンは恥ずかしさのあまり思わず顔を背けた。
それを覗こうとする小傘から逃れるように家の中に引っ込むと、手招きをしてやる。
「ほら、入りなさいよ。友達なんでしょ、遠慮しないで」その言葉に小傘は笑顔で頷いた。
「おじゃましまーす」
パタン、とドアが閉まり、中から二人の楽しそうな笑い声が聞こえ始めた。
せめてタイトルだけでもどうにかならなかったのか。
追記:こんなのにも点数を付けてくださった優しい方に感謝!
筒教信者
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コメント



0.480簡易評価
2.100奇声を発する程度の能力削除
>里から命蓮寺へお続く道に、
お?
確かにこの二人は共通点がありますよね
照れるメディスン可愛いよ
5.80名前が無い程度の能力削除
うん