少し肌寒い桜の花が舞う道を一人の女性が歩いていた。
無論ここが幻想卿である以上、人であるとは考えにくい。
現に、女性の腰の辺りからはふさふさとした9本の尻尾が生えていた。
者の名は『八雲 藍』、マヨヒガの主『八雲 紫』の式である。
最も今は式ではない。ただの野道を彷徨う妖怪だ。
では彼女は何故主を捨て、野道を歩いているのだろうか?
話は昨日に遡る。
藍が冥界の桜を見に白玉楼にいる時の事だった。
うわーん、らんさまー!
普段帽子に隠れている耳に聞こえたのは、彼女の式神『橙』の声だった。
橙が危険な目にあっている!
直感でそう感じた藍は、すぐさま白玉楼の入り口に向かった。
そこで見た光景は、藍には非情なものだった。
目の前には魔法使いのような少女がいる。そして箒に乗っている。
そこまではいい。問題はそれに『ぶら下がっているもの』だ。
それは・・・橙だった。
首にロープを巻かれ、吊るされている。幸いにもまだ生きているみたいだが、
あのままではいつ死ぬかは時間の問題だ。
き・・・貴様ぁー!
藍の頭に一瞬にして血が上る。そして藍はスペルカードを放った。
藍の頭に血が上ってから少し時間が流れた。
箒に乗った少女は全く傷一つ付いていない。
それもそのはず。少女は橙を振り回し、弾幕を防いでいたのだ。
橙はすでにぼろぼろだったのだが、さらに目も当てられない状態になっている。
どうした?もう撃ってこないのか?
少女が挑発する。頭に血が上っていた藍は新たなスペルカードを取り出した。
言われなくても!式神「12神将の宴」!
そして少女が再び橙を振り回したときだった。
ぶちっ
橙を吊るしていたロープが切れ、橙が藍の方に飛んできた。
さすがに藍もかわせずに、橙が顔に直撃した。
ちぇ、橙!?ぐはっ!!
藍の記憶はそこで途切れた。
数分後、藍が目を覚ますと、そこに紫がいた。
紫様…ちぇ、橙!?
そして、スキマから伸びたロープには、先ほどの少女と橙が吊るされていた。
紫様!コレは一体・・・!?
五月蠅くて眠れないのよ。
その言葉のなんと残酷なことか。
再び頭に血が上った藍が紫に対してスペルカードを使うものの、
数秒で沈黙させられた。
数時間後、マヨヒガの家の中で泣きながら抱き合う藍と橙。
橙の話によると、橙が藍の顔に直撃した後、すぐに藍を介抱していたのだ。
しばらくすると紫が出てきて、少女を吊るした後に、
必死に介抱している橙までも吊るしたのだと言う。
藍は…悔しかった。
橙を守れなかったこと。
魔法使いの少女に勝てなかったこと。
何よりも、
自分の主の橙に対する仕打ちがあまりにも許せなかったのである。
その次の日、
いつものように紫が眠っているのを見ると、
藍は机の上に辞表を置き、
こっそりとマヨヒガを後にした。
そして話は冒頭に戻る。
行き場を無くした藍。
桜が舞うその道を一人歩いている。
そしてその桜が視界を一瞬遮った後に
目の前に橙が現れた。
「ちぇ…橙!?」
思わず駆け寄る藍。しかし、
「…ふふ、私の変身術も捨てたものではないわね」
「ゆ、紫様!?」
それは橙ではなく、紫が化けたものだった。
「藍、あなたが出て行ったから、橙がすごく悲しんでいるわよ」
「しかし…!紫様、あなたの橙に対する仕打ちは酷すぎると思います!」
言葉に詰まる紫。
「…」
「ちゃんとした理由を言ってください。でなければ…」
「でなければ…?」
「私は例え橙が心配でも、マヨヒガには戻りません」
紫は視線を下げる。
「…ごめんなさいね。あの時は…」
一瞬風が吹く。その風は紫の言葉を遮った。
「紫様…」
「だからね…」
紫はスキマを開く。そのスキマから聞こえてきたのは、紛れも無い橙の声だった。
「らんさまー…」
「橙…!」
紫はスキマを閉じる。
「あなたはまだ私の式で、あの子の使役者でしょ?戻る理由は十分にあるわ」
「…」
藍は頷いた。
「そう…ですね」
「ふふふ…じゃ、帰りましょうか」
「はい」
人は信じられるだろうか…
式と使役者の間に…
『愛』があると…
無論ここが幻想卿である以上、人であるとは考えにくい。
現に、女性の腰の辺りからはふさふさとした9本の尻尾が生えていた。
者の名は『八雲 藍』、マヨヒガの主『八雲 紫』の式である。
最も今は式ではない。ただの野道を彷徨う妖怪だ。
では彼女は何故主を捨て、野道を歩いているのだろうか?
話は昨日に遡る。
藍が冥界の桜を見に白玉楼にいる時の事だった。
うわーん、らんさまー!
普段帽子に隠れている耳に聞こえたのは、彼女の式神『橙』の声だった。
橙が危険な目にあっている!
直感でそう感じた藍は、すぐさま白玉楼の入り口に向かった。
そこで見た光景は、藍には非情なものだった。
目の前には魔法使いのような少女がいる。そして箒に乗っている。
そこまではいい。問題はそれに『ぶら下がっているもの』だ。
それは・・・橙だった。
首にロープを巻かれ、吊るされている。幸いにもまだ生きているみたいだが、
あのままではいつ死ぬかは時間の問題だ。
き・・・貴様ぁー!
藍の頭に一瞬にして血が上る。そして藍はスペルカードを放った。
藍の頭に血が上ってから少し時間が流れた。
箒に乗った少女は全く傷一つ付いていない。
それもそのはず。少女は橙を振り回し、弾幕を防いでいたのだ。
橙はすでにぼろぼろだったのだが、さらに目も当てられない状態になっている。
どうした?もう撃ってこないのか?
少女が挑発する。頭に血が上っていた藍は新たなスペルカードを取り出した。
言われなくても!式神「12神将の宴」!
そして少女が再び橙を振り回したときだった。
ぶちっ
橙を吊るしていたロープが切れ、橙が藍の方に飛んできた。
さすがに藍もかわせずに、橙が顔に直撃した。
ちぇ、橙!?ぐはっ!!
藍の記憶はそこで途切れた。
数分後、藍が目を覚ますと、そこに紫がいた。
紫様…ちぇ、橙!?
そして、スキマから伸びたロープには、先ほどの少女と橙が吊るされていた。
紫様!コレは一体・・・!?
五月蠅くて眠れないのよ。
その言葉のなんと残酷なことか。
再び頭に血が上った藍が紫に対してスペルカードを使うものの、
数秒で沈黙させられた。
数時間後、マヨヒガの家の中で泣きながら抱き合う藍と橙。
橙の話によると、橙が藍の顔に直撃した後、すぐに藍を介抱していたのだ。
しばらくすると紫が出てきて、少女を吊るした後に、
必死に介抱している橙までも吊るしたのだと言う。
藍は…悔しかった。
橙を守れなかったこと。
魔法使いの少女に勝てなかったこと。
何よりも、
自分の主の橙に対する仕打ちがあまりにも許せなかったのである。
その次の日、
いつものように紫が眠っているのを見ると、
藍は机の上に辞表を置き、
こっそりとマヨヒガを後にした。
そして話は冒頭に戻る。
行き場を無くした藍。
桜が舞うその道を一人歩いている。
そしてその桜が視界を一瞬遮った後に
目の前に橙が現れた。
「ちぇ…橙!?」
思わず駆け寄る藍。しかし、
「…ふふ、私の変身術も捨てたものではないわね」
「ゆ、紫様!?」
それは橙ではなく、紫が化けたものだった。
「藍、あなたが出て行ったから、橙がすごく悲しんでいるわよ」
「しかし…!紫様、あなたの橙に対する仕打ちは酷すぎると思います!」
言葉に詰まる紫。
「…」
「ちゃんとした理由を言ってください。でなければ…」
「でなければ…?」
「私は例え橙が心配でも、マヨヒガには戻りません」
紫は視線を下げる。
「…ごめんなさいね。あの時は…」
一瞬風が吹く。その風は紫の言葉を遮った。
「紫様…」
「だからね…」
紫はスキマを開く。そのスキマから聞こえてきたのは、紛れも無い橙の声だった。
「らんさまー…」
「橙…!」
紫はスキマを閉じる。
「あなたはまだ私の式で、あの子の使役者でしょ?戻る理由は十分にあるわ」
「…」
藍は頷いた。
「そう…ですね」
「ふふふ…じゃ、帰りましょうか」
「はい」
人は信じられるだろうか…
式と使役者の間に…
『愛』があると…
あと、創作としての割合が少なすぎる点で多少マイナス評価
これではMC氏の描かれたシリーズをそのまま文字に起こしただけ。<br>
・内容を補完する(綿密な心理描写などを入れてみる)<b>
・後日談を追加してみる(もしくは魔理沙の)<br>
などといった、三次創作だからこそ出来る付加要素のようなものを見たかった。<br>
<br>
>あと紫の科白は脳内補完してください。<br>
>こちらでは特に決めていません。<br>
それは、読み手が思わず想像してみたくなるような、そんな描写を用意したときに初めて言えることです。何の裏付けも無しに後書きでこんなことを言われても、読み手としては「単に考えるのが面倒だっただけじゃないの?」と思うだけです。とりあえず自分が読んだ限りでは、紫の科白はさっぱり思いつきませんでした。<br>
<br>
絵と文では表現の仕方が違います。<br>
厳しいことばかり並べてしまいましたが、秋旋寺飛竜氏の次回作を期待して待っています。
改行タグのみならず、どうも途中でBタグになっているところもあるようで。
内容だけでなく外見まで見苦しい感想になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
しかしレスが返しにくいですね。
>一番下の名前が無い程度の能力氏
自分でも後で読み直してみて違和感が大きかったです。
無駄に取りすぎたようです。次からは気を付けるようにします。
>下から2番目の名前が無い程度の能力氏
あとがきにも書いてあるんですが、心理描写とか気持ちとかを
書くのはまだまだ不得意なんです。そんな状態で書こうとした俺が馬鹿でした。
紫の科白なんですが、こちらとしては
「眠りを妨げられて怒っていたから」
とかを期待していたんですが・・・。
描写不足でした_l ̄l○
とりあえず次回作に生かしたいと思います。
貴重なレスをありがとうございました。
描写不足で、原作を読まないと意味がわからない。
「頭に血が上る」とか、説明するならキャラの言動で表現しないと。
>者の名は
ここを書くまで「女性」で通していたのに、急に変えた理由は?
>白玉楼にいる時の事だった。
「訪れていた」「行っていた」が適当かと。
>藍には非情なものだった。
「藍には」は不要では?
投稿前に読み返すと見つかる程度のミスが多いので、もう一寸精進して下さい。
私もMcさんのイラストは拝見させていただきましたが、この話はSSというよりも単にイラストの説明に終始しているだけのように感じました。2番目の方が仰るように三次創作でしか味わえない付加要素的な展開が欲しかったです。それと文章構成なのですが、あまりにも単調かつ唐突で読んでいて何の感情も起きませんでした。文章に隠喩を用いてもう少し一つ一つの情景を活き活きと表現し、さらに良くなったのではないかと思います。
偉そうなことばかり述べてしまいましたが、私の正直な感想は以上です。
やはり「絵の説明になっている」という事になるのかも知れませんが…。
どうでも良い事ですけど、下から4番目の名前が無い程度の能力さんの
言っているそのミスが、私にはミスに見えません。
それよりも、話として前後が滅茶苦茶だったり、
展開がいきなりすぎたりと置いてけぼり感が否めません。
説明も無いですしね。それが問題だと思います。
絵からインスピレーションを受けたとはいえ、
まずは「お話」になるよう工夫されては如何でしょう。
心情や行動を描写するだけでも、大分変わるものですよ。
それと「元の絵を知らない人」にも通じる様に補完しないと、結局『ひとりよがり』になってしまいます。
(例えば魔理沙が橙を弾除けにした理由とか)
精進して下さい。
はっきり言って「何も判らない」という感想です。
先の方々が述べるように、読者への補完を求めるには余りにも描写不足だと感じました。
空白については、後半急に詰まって少々圧迫感を感じました。
ので、もう少し空白を抑えた方がよかったかと。
何もなし?
なぜ紫は家族とも言える橙を吊るしたのか?
さっぱりわからん。分からんことだらけ。 ここは自分で想像してください って意味もあると思うけど自分ではまったく想像できません。
もう少し煮詰めて書くべき