幻想郷
既に太陽は沈み、主に妖怪が活発になる夜になる頃、とある館から騒音が響き渡ってくる。ざっと8割増しほどで
館の名前は紅魔館、湖の畔にある赤く巨大な洋館である。
8割増しで騒音が響く理由は単純で、門番をひねり潰し侵入した者が現れたからだ。
しかし侵入と表現するとヒッソリと忍び込む印象を受けるので付け足そう、彼女は紅魔館に攻め入ったのだ。単独で、派手に盛大に。
彼女は金髪に黒い三角帽子に黒のローブの上に白いエプロンを着ている。遠めから見ると白黒といった印象を受ける。残念な事に近くから見ても白黒の印象を受けてしまうが。
彼女は使い古された感のある箒にまたがり、侵入者を排除せんと四方から出てくるメイド達を自慢の魔法で吹き飛ばしながら廊下を突き進む
「やれやれ、こいつらは私の魔法で吹き飛ばされに来てるのか?まるでさっぱり負ける気がしないぜ」
弾幕が薄いんだよ、と独り言を言いながら更に突き進む
彼女の名前は霧雨魔理沙、普通の魔法使いである
「にしてもさっきから張り合いがないよな、門番の弾幕は何となく花火みたいで綺麗だねぇ、とは思ったがまさか花火みたいに一瞬で儚く散るとは思わなかったし、忠実に花火になりきらんでも良かったのにな…それまでの道中に至っては論外だ、私の相手になるには10年遅い。でもさっき図書館で弾幕った魔女はそこそこ良かったな。喘息の所為で最後まで遊べなかったのは残念無念だが、それよりあの本の蒐集量だ。今度また邪魔した時にでも借りていくかな、目下期限は私が死ぬまで」
彼女は独り言がブームらしく、ぶつぶつと言いながらメイド達を倒していく。単純に暇になっているだけなのかもしれない
「あーでもなぁ…よくよく考えたらあんまり本借りても置き場所が無いじゃないか、ただでさえ滅茶苦茶なのに魔術反応でも起こして更に滅茶苦茶になったら目も当てられん。元から掃除になんて目もないから関係ないが。」
借りられる事を前提として考えている辺り、彼女は大物かも知れない。普通だが。
「だったら幾らでも借りていってもいいよな、滅茶苦茶にならないように少しくらい丁寧に扱ってやらんでもないし」
「待ちなさい、そこの白黒」
誰もいなかった筈の空間から突如としてあらわれたメイドが彼女に停止を要請する
「おお?これまでで私に話しかける事が出来たメイドはお前が始めてだぜ」
「本を滅茶苦茶にする前に、貴女が滅茶苦茶になってみない?」
「その前に少し丁寧に扱ってほしいのだが。」
「私は十六夜咲夜、紅魔館のメイド長よ。―――時間にお付き合いしてもらうわ」
そう言って大量のナイフを投擲するメイドは、今までの雑魚より幾味も違っていた
「おおう、そんなにナイフを一気に投げちまって、後が大変になるんじゃないか?」
魔理沙は軽口を叩きながらナイフを隙間を掻い潜り、牽制程度にレーザーを放つ
「問題ないわ、私にとって今も後も大して変わりはないから」
「よく分からないな?死んでるみたいだぜ」
「違うわよ…まあどうでもいいわ、今貴女を滅茶苦茶にすればいいんでしょう?」
「そろそろ滅茶苦茶からは離れようぜ」
魔理沙がそう言い終る前に咲夜は再びナイフを投擲する
「またさっきと同じようなのじゃないか、そんなんじゃあ全然駄目だぜ。」
魔理沙は先よりも大胆に早くナイフの群れを掻い潜らんとスピードを上げる
……魔理沙は失敗した。確かに先の攻撃は同じだったとしても、その後の行動までもが同じである保障は何処にもない
「『幻象』……ルナクロック」
咲夜はそんな魔理沙を見て、薄く唇の端を吊り上げながら哂い、呟いた刹那
ナイフの数が倍以上に増えていた
「―――っ!?」
驚くのも当然だ、魔理沙の目には咲夜がナイフを投げる瞬間なぞ見えてはいなかった
本当に一瞬で増えたのだ。大胆に突っ込みながらも、その実は神経を張り巡らせていたにも関わらず魔理沙は視認する事は出来なかった
「く、くそっ!よく分からけど撤退だ!」
焦った魔理沙は後退を選ぶ、避けれないと思ったナイフを魔法で打ち落とし、ナイフが投擲されても恐れるに足らない遠距離の感覚を得る為に
だが、敵がそれを許す筈もない
「あら……もうお帰り?丁寧に扱ってほしいならこっちに来なさいよ。そっちじゃ出来ないじゃない、方向が違うわよ」
咲夜のいる反対側に走っていた、つまり逃げていた筈の魔理沙の前に
「…嘘だろ、目の錯覚か?」
魔理沙の前に突然咲夜が現れた―――!
「『奇術』ミスディレクション…なんてね」
今度は避ける隙間もないナイフの群れが魔理沙に襲い掛かる
魔理沙にそれを避けきる手段は…零だった
「ハ―――私らしくもなくチマチマした事やってたから駄目だったんだ、全部吹き飛ばしてやるよ!」
避けれないのなら避ける必要の無い状況を作ればいい
別称魔砲使いの魔理沙御用達の八卦炉を使い、目標に向かって魔砲を解き放つ
「スターダストレヴァリエ!!」
星の形を模した魔力弾が次々とナイフを弾き飛ばし、結果出来た道に向かう
向かうだけでは面白くもなんともない、自らも弾丸のように箒で体当たりせんと音速も超えるかといった勢いで咲夜に向かって突撃する
しかし、皮肉にも魔理沙は最初に愚痴っていた事を自分でもやってしまう
未知の相手に対し、攻撃から身を守る程度の攻撃では、弾幕は薄かった―――
「そっちに行っちゃ駄目だってさっき言ったばかりじゃない、聞こえていなかった?聞くほどの余裕がなかったのかしら?」
挑発的な口調は魔理沙の後ろから聞こえてくる、つまり、咲夜は元いた位置に戻っている
……また移動する瞬間がわからなかった
魔理沙がスペルを使ってまで放った攻撃は、その場凌ぎで終わってしまった。全部吹き飛ばすには至らなかった
「…………」
魔理沙にとっては残念な事に、二人の距離は魔理沙が拙いと踏んだ中距離の間隔に戻っていた
―――加えて咲夜は無傷、魔理沙にはナイフが掠る程度とはいえ、服の至る所を裂いていた
「…なんだ、その力は。スピードタイプにしても早すぎだろう。まさかスタンド使いかい?」
「何の話よ、ヒントは教えないけど雑学を少し教えてあげる。手品っていうのはね、種を見破られてはいけないの。見破ってやろうと意気込む観客を謎の渦に引き込む、それが手品の力。種を見破られたら神秘性も何もかも無くなってしまうでしょう?だから優れた手品は種を見破られてはいけないのよ」
勿論、種が無い事も見破られちゃ駄目よ。とまでは咲夜は言わない。肝心な所には一切触れていない。手品を見破るためのヒントは一切無い、観客は独力で見破らねばならなかった
―――十六夜咲夜は完全で瀟洒なメイド長だ
「チ…メイド長の割にはサービスが悪いな、そんなんでメイド長になれるなら私は既に百回はメイド長になる機会があるぜ」
「あらそう?紅魔館のサービスは手厚い弾幕と相場が決まってるの。だから、メイド長らしくサービス精神旺盛にナイフで串刺しにしてあげるわ」
「ご馳走になるぜ」
主導権は最初から咲夜が握っている、未知の能力に対抗策のない魔理沙には反撃の糸筋が掴めない
―――行き所のないテンションだけが高まっていく、苛々する、力を考え無しに惜しみなく使いたい
「『メイド秘技』殺人ドール」
今までの弾幕が薄く見える程に、ナイフが投擲される。5本、10本、20本、40本……!
「大量のナイフの投擲にナイフのぶつかり合いによるナイフの方向変え…やっぱり意味がわからねえ!時でも止めない限りこんな事は……まさか…出来るのか」
「あら、見破られちゃった?私の種無し手品の神秘性がー」
自らの能力を見破られても咲夜は焦らない、神秘性がなくなろうがどうなろうが、自らの攻撃力が変わらないと知っているから。自信があるから。
そして咲夜の考えどおり、知ったからといってどうにか出来る力を今のところ魔理沙は使えなかった
魔理沙が懸命に避けている間にもナイフの追加は発射される。まともに全て当たれば…いや、半分も当たれば魔理沙の命はない。弾幕ごっこにしては行き過ぎたナイフの投擲、しかし、咲夜にとって相手が生きようが死のうが、当初の目的さえ果たせればどうでもいいのだった
「殺す気かよ…!こんな所で焼き鳥よろしく、串刺しになってたまるかよ―――!」
魔理沙が吼える、死にたくないと。その思いを実現する為に、八卦炉に渾身の魔力を込める
「全部…灰にしてやるぜ!マジックナパーム!」
木の形を模した爆弾の如き巨大な魔弾が一発、魔理沙から放たれる
魔弾は魔理沙に危険をもたらすナイフを吹き飛ばし、その光景を無感動に眺めている咲夜に向けて突撃する
―――目の眩む爆発が起こる
「無駄無駄…その程度じゃ当たらないわよ、まあ壁に大穴出来ちゃったけど。どうしてくれるのよ。修理が大変じゃない」
いくら魔砲が強力だった所で、時間を止め、避けられたら意味がない―――
「ぐ…クソ…」
「頭では分かっていても理解出来ていない…っていうのかしらね。貴女の攻撃は全て無駄よ」
「無駄…だと…?そんな事ないぜ?ご自慢のナイフは吹っ飛ばせるぜ」
「強がりね」
そう、強がりだった。魔理沙の頬からは血は流れている。しかしコレは掠った程度なので問題はない。問題は―――右腕と左脇腹に刺さったナイフだった
魔理沙は苦渋の表情をしながらナイフを引き抜く。……廊下に血が付着していく
魔理沙には、ナイフ全てを吹き飛ばす事までは敵わなかった
「貴女の時間も私のモノ…外の世界では火あぶりにされ昔に滅んだ魔法使い、古風な魔女に勝ち目は、ない」
……完全で瀟洒な咲夜の唯一の失敗は、追い詰められた魔理沙を更に挑発で追い込んだ事だった
―――行き場のないテンションは高まり続けた
―――流れる血はソレを沈める事はなく、むしろ潤滑剤となって更に活性化させた
―――そして挑発、表面下で溜まりに溜まったテンションはとうとう表面化した
「ア…?面白い事言ってくれるじゃないか…!」
「あら、怒ったのかしら?図星を当てられると誰でも怒るか、ごめんなさいね」
「ハ…ハハハハハハ!―――思い上がるなよ三流手品師が」
「な…?」
―――行き過ぎたモノはなんであれ良い方向には向かわない、負のベクトルに向かって突き進む
ミスディレクション
「最後に私もサービスして教えてやるよ、魔法使いはそもそも古風でも今風でも何でもない。昔から今までずっと存在してきたモノにそんな言葉は無意味なんだよ、魔法使いは死なない。火あぶりにされようが魔女狩りを執行されようが、な。」
「何を言い出すかと思えば下らないわね、人間の貴女なんて100年生きれるかその程度じゃない。永遠には程遠いんじゃない?」
咲夜の若干呆れたような物言いを聞いて、魔理沙はクックック、と肩を震わせて哂う
「魔法使いってのはな…お前たちの恐怖の中に住まうんだよ。隣のコイツは魔女かもしれない。今すれ違った奴は魔法使いかもしれない。本物の魔法使いを見分ける事の出来ない奴らは、本物を焼いても焼き足りない、恐怖は一人焼いたくらいじゃ拭えない。恐怖は恐慌と絶望と不安と疑心を抱かせる。魔法使いは死んでも死なないんだよ―――」
「…………」
最初とは違う、調子に乗って陽気に笑っていた頃の顔じゃない。全くの別物、笑いは哂い、陽気は陰気に、性格の方向性がまるで違う姿。―――伝承に生きる魔法使いの顔をしたモノに成り代わっていた。僅かに、咲夜ですら怯んだ
「クックック…怯んだな、断言してやろう。お前は恐怖する。その時お前は一体全体どんな顔を見せてくれるのかな?」
魔砲はナイフより弾幕ごっこに似合わない。破壊と創造は表裏一体と言われているが、その理すら破壊出来る程の破壊の象徴となる
「さあ私に恐怖しろ、お前の心に、この私が巣食ってやるよ―――!」
負のベクトルの向かう先は、咲夜の心、唯一つ
「…やっぱり強がりね、いくら貴女の超強気に変わったとはいえ、実力が変わるわけないもの。」
「そりゃそうだ。実力は変わらない。実力はな。今までは弾幕ごっこのペースでやってたけどさ…もう飽きた。これからは闘いだ、世の中全てパワーだと。お前みたいな小細工なんて必要ない事を教えてやるよ」
咲夜がその科白を頭の中で反芻し、これからは先は殺してしまうかもしれないな。という意味に至ったとき、魔理沙は既に巨大な魔法陣を作り終えていた
「『恋符』」
魔法陣が光る、辺りに振動が走る。今までとは格そのものが違うその魔砲
「マスタースパーク!」
魔理沙が吼える、破壊してやる。と
紅魔館だけでなく、大地そのものが揺れる
放たれた魔砲は廊下全てを飲み込み破壊しつくす
魔砲が通るときに硝子は割れる、床は絨毯もろともバラバラと剥がれていく
こんなモノに当たってしまえば弱い人間に命の保障はない
「―――時よ止まれッ!!」
咲夜はソレを頭で理解する前に体で理解する
今、時間は止まり、咲夜のみが動けるプライベートスクウェアと化している
「冗談じゃないわよ…こんなのどうしろっていうのよ!」
しかし、ここで一つ注釈をしなくてはならない
時の止まった時間。ここに先まで時速100kで動いていたナイフがあるとしよう
勿論このナイフは止まっている為、ナイフの真正面に立とうが怪我をする事はない
―――しかし、止まっていようがそのナイフが100k分の力を持った物体なのだ、触れようものなら確実に触れた部分はナイフに切られてしまう
つまり、咲夜は魔砲を掻い潜って魔理沙に到達するだけの手段は持ちあわせてはいなかった
だからと言って諦めるわけにはいかない。何処かに安全地帯はないかと辺りを見回して
「あった―――さっき白黒があけた大穴!」
飛び込み、魔砲が止むのを待つ。咲夜の望み通り魔砲は直線的なモノだったらしく、自らの立つ位置には一切入ってこない
轟音がするが、耳を塞ぐなどという行為には走らない。視界が開くのをじっと待ち、白黒への対抗策を一気に考えていく
轟音が収まりつつある。そろそろ飛び出そうと咲夜は身構える、しかし―――
しかし視界は開かれなかった、目の前まで接近していた霧雨魔理沙によって―――!
「どうしたんだ、こんな所で縮こまって!似合っているぜ寒さに震えた犬みたいでよ!」
たった独りの咲夜の時間ですら、魔理沙は力で束縛する
魔理沙は左右に小さな魔法陣を引っさげながらレーザーを放ってくる
―――魔法陣を作るも使役するには間に合わなかった…?
追い詰めた割には規模の小さい攻撃に咲夜は安堵し、右側に素早く走る
能力の連続発動はそれなりに体に負担をかける。コストを最小限に抑えている咲夜の行動は正解だと言えよう
正解したがゆえの間違いも、またあるのだが
「おいおい、まさか安心したんじゃないだろうな?この私の目の前で、よ」
「……ミスったわね」
咲夜の左の脇腹をレーザーが貫通していた
突如として左右の魔法陣から現れたレーザーによって―――
「イリュージョンレーザー…いきなり失礼するぜ」
咲夜は不意打ちに反応出来なかった。―――時を止める能力も使われない限りは意味が無い
悲鳴を上げなかったのは見事だが、やはりそんなものに意味は無かった
咲夜の意識が、揺らぐ
「ハッハッハ…悪くはなかったが相手は悪かったな、お前の人生はここで終わりだよ」
「な…ッ!」
「お、いいねえその狼狽した表情。怖いのか?私が」
「エ、エターナルミーク!!」
咲夜の感情は大きく揺さぶられる、自らが死ぬという現実に
―――それは、絶対に阻止しなければ。私の世界を、こんな所で終わらすわけには―――!
不幸中の幸い、動いたお陰で魔理沙から距離を取れる。渾身の力でバックステップする。魔理沙はそれを追わない
意識が飛びそうな状況でありながら、咲夜は今までの倍の速度でナイフを投擲する。大きな傷を負っているので時は止めず、加速させる事に専念している
「速い、速いナイフの群れだ。でも、なあ。言っちゃあ悪いが…今更この私に力で対抗しようなんて100年遅いんだよ!」
元々自らが高速で動いている魔理沙にとって速球なんてまるで障害にならなかった
わざとらしく、ゆっくりとした動きでナイフを避けていく
……咲夜が広げた距離はアッサリと埋められていた
その事実が愉しいのか、魔理沙は哂いながら掌を突き出す
「…………いやだ」
「じゃあ、な。マジックミサイル!」
魔砲が咲夜に直撃する。魔理沙はそれを見届け、咲夜が気絶するのもまた、見届けた
「ふぅ…まあ本当に殺しはしないぜ、殺したら恐怖も何もあったもんじゃねえからな」
しかし…と魔理沙は独り言をする
「まあタフなメイドだぜ。レーザー直撃した時点で怖がってくれると思ったのに変化が対して見られねえんだもんな。さすがに死を目前にしたら怖がってくれたよな?うん、怖がってた。怖がってたに決まってるぜ」
そこで魔理沙は自分の体を見下ろしてみる。すると、傷口から流れていた筈の血は既にとまっていた。どうやら戦っている間に無意識の内に止血していたらしい。その事実に少し納得がいかないのか、首を傾ける
「およ?いつ止血したっけな…まあいいか。細かい事はどうでもいいぜ。……あーそういや本来の目的すっかり忘れてた。この先にいるラスボスに用があるんだったっけな、中ボス如きで構ってる暇なんてなかったぜ」
そう、魔理沙はそもそも最近霧が深すぎる為その原因を解明しに来ていたのだ。しかし、弾幕ごっこなどに励む内に本来の目的を忘却してしまっていた
その事に気づき、魔理沙は笑う
「さてさて、ラスボスは何かな?鬼がでるか蛇がでるか…何が出てきても大差ねぇけどな」
―――普通の魔法使いの顔で、笑う
既に太陽は沈み、主に妖怪が活発になる夜になる頃、とある館から騒音が響き渡ってくる。ざっと8割増しほどで
館の名前は紅魔館、湖の畔にある赤く巨大な洋館である。
8割増しで騒音が響く理由は単純で、門番をひねり潰し侵入した者が現れたからだ。
しかし侵入と表現するとヒッソリと忍び込む印象を受けるので付け足そう、彼女は紅魔館に攻め入ったのだ。単独で、派手に盛大に。
彼女は金髪に黒い三角帽子に黒のローブの上に白いエプロンを着ている。遠めから見ると白黒といった印象を受ける。残念な事に近くから見ても白黒の印象を受けてしまうが。
彼女は使い古された感のある箒にまたがり、侵入者を排除せんと四方から出てくるメイド達を自慢の魔法で吹き飛ばしながら廊下を突き進む
「やれやれ、こいつらは私の魔法で吹き飛ばされに来てるのか?まるでさっぱり負ける気がしないぜ」
弾幕が薄いんだよ、と独り言を言いながら更に突き進む
彼女の名前は霧雨魔理沙、普通の魔法使いである
「にしてもさっきから張り合いがないよな、門番の弾幕は何となく花火みたいで綺麗だねぇ、とは思ったがまさか花火みたいに一瞬で儚く散るとは思わなかったし、忠実に花火になりきらんでも良かったのにな…それまでの道中に至っては論外だ、私の相手になるには10年遅い。でもさっき図書館で弾幕った魔女はそこそこ良かったな。喘息の所為で最後まで遊べなかったのは残念無念だが、それよりあの本の蒐集量だ。今度また邪魔した時にでも借りていくかな、目下期限は私が死ぬまで」
彼女は独り言がブームらしく、ぶつぶつと言いながらメイド達を倒していく。単純に暇になっているだけなのかもしれない
「あーでもなぁ…よくよく考えたらあんまり本借りても置き場所が無いじゃないか、ただでさえ滅茶苦茶なのに魔術反応でも起こして更に滅茶苦茶になったら目も当てられん。元から掃除になんて目もないから関係ないが。」
借りられる事を前提として考えている辺り、彼女は大物かも知れない。普通だが。
「だったら幾らでも借りていってもいいよな、滅茶苦茶にならないように少しくらい丁寧に扱ってやらんでもないし」
「待ちなさい、そこの白黒」
誰もいなかった筈の空間から突如としてあらわれたメイドが彼女に停止を要請する
「おお?これまでで私に話しかける事が出来たメイドはお前が始めてだぜ」
「本を滅茶苦茶にする前に、貴女が滅茶苦茶になってみない?」
「その前に少し丁寧に扱ってほしいのだが。」
「私は十六夜咲夜、紅魔館のメイド長よ。―――時間にお付き合いしてもらうわ」
そう言って大量のナイフを投擲するメイドは、今までの雑魚より幾味も違っていた
「おおう、そんなにナイフを一気に投げちまって、後が大変になるんじゃないか?」
魔理沙は軽口を叩きながらナイフを隙間を掻い潜り、牽制程度にレーザーを放つ
「問題ないわ、私にとって今も後も大して変わりはないから」
「よく分からないな?死んでるみたいだぜ」
「違うわよ…まあどうでもいいわ、今貴女を滅茶苦茶にすればいいんでしょう?」
「そろそろ滅茶苦茶からは離れようぜ」
魔理沙がそう言い終る前に咲夜は再びナイフを投擲する
「またさっきと同じようなのじゃないか、そんなんじゃあ全然駄目だぜ。」
魔理沙は先よりも大胆に早くナイフの群れを掻い潜らんとスピードを上げる
……魔理沙は失敗した。確かに先の攻撃は同じだったとしても、その後の行動までもが同じである保障は何処にもない
「『幻象』……ルナクロック」
咲夜はそんな魔理沙を見て、薄く唇の端を吊り上げながら哂い、呟いた刹那
ナイフの数が倍以上に増えていた
「―――っ!?」
驚くのも当然だ、魔理沙の目には咲夜がナイフを投げる瞬間なぞ見えてはいなかった
本当に一瞬で増えたのだ。大胆に突っ込みながらも、その実は神経を張り巡らせていたにも関わらず魔理沙は視認する事は出来なかった
「く、くそっ!よく分からけど撤退だ!」
焦った魔理沙は後退を選ぶ、避けれないと思ったナイフを魔法で打ち落とし、ナイフが投擲されても恐れるに足らない遠距離の感覚を得る為に
だが、敵がそれを許す筈もない
「あら……もうお帰り?丁寧に扱ってほしいならこっちに来なさいよ。そっちじゃ出来ないじゃない、方向が違うわよ」
咲夜のいる反対側に走っていた、つまり逃げていた筈の魔理沙の前に
「…嘘だろ、目の錯覚か?」
魔理沙の前に突然咲夜が現れた―――!
「『奇術』ミスディレクション…なんてね」
今度は避ける隙間もないナイフの群れが魔理沙に襲い掛かる
魔理沙にそれを避けきる手段は…零だった
「ハ―――私らしくもなくチマチマした事やってたから駄目だったんだ、全部吹き飛ばしてやるよ!」
避けれないのなら避ける必要の無い状況を作ればいい
別称魔砲使いの魔理沙御用達の八卦炉を使い、目標に向かって魔砲を解き放つ
「スターダストレヴァリエ!!」
星の形を模した魔力弾が次々とナイフを弾き飛ばし、結果出来た道に向かう
向かうだけでは面白くもなんともない、自らも弾丸のように箒で体当たりせんと音速も超えるかといった勢いで咲夜に向かって突撃する
しかし、皮肉にも魔理沙は最初に愚痴っていた事を自分でもやってしまう
未知の相手に対し、攻撃から身を守る程度の攻撃では、弾幕は薄かった―――
「そっちに行っちゃ駄目だってさっき言ったばかりじゃない、聞こえていなかった?聞くほどの余裕がなかったのかしら?」
挑発的な口調は魔理沙の後ろから聞こえてくる、つまり、咲夜は元いた位置に戻っている
……また移動する瞬間がわからなかった
魔理沙がスペルを使ってまで放った攻撃は、その場凌ぎで終わってしまった。全部吹き飛ばすには至らなかった
「…………」
魔理沙にとっては残念な事に、二人の距離は魔理沙が拙いと踏んだ中距離の間隔に戻っていた
―――加えて咲夜は無傷、魔理沙にはナイフが掠る程度とはいえ、服の至る所を裂いていた
「…なんだ、その力は。スピードタイプにしても早すぎだろう。まさかスタンド使いかい?」
「何の話よ、ヒントは教えないけど雑学を少し教えてあげる。手品っていうのはね、種を見破られてはいけないの。見破ってやろうと意気込む観客を謎の渦に引き込む、それが手品の力。種を見破られたら神秘性も何もかも無くなってしまうでしょう?だから優れた手品は種を見破られてはいけないのよ」
勿論、種が無い事も見破られちゃ駄目よ。とまでは咲夜は言わない。肝心な所には一切触れていない。手品を見破るためのヒントは一切無い、観客は独力で見破らねばならなかった
―――十六夜咲夜は完全で瀟洒なメイド長だ
「チ…メイド長の割にはサービスが悪いな、そんなんでメイド長になれるなら私は既に百回はメイド長になる機会があるぜ」
「あらそう?紅魔館のサービスは手厚い弾幕と相場が決まってるの。だから、メイド長らしくサービス精神旺盛にナイフで串刺しにしてあげるわ」
「ご馳走になるぜ」
主導権は最初から咲夜が握っている、未知の能力に対抗策のない魔理沙には反撃の糸筋が掴めない
―――行き所のないテンションだけが高まっていく、苛々する、力を考え無しに惜しみなく使いたい
「『メイド秘技』殺人ドール」
今までの弾幕が薄く見える程に、ナイフが投擲される。5本、10本、20本、40本……!
「大量のナイフの投擲にナイフのぶつかり合いによるナイフの方向変え…やっぱり意味がわからねえ!時でも止めない限りこんな事は……まさか…出来るのか」
「あら、見破られちゃった?私の種無し手品の神秘性がー」
自らの能力を見破られても咲夜は焦らない、神秘性がなくなろうがどうなろうが、自らの攻撃力が変わらないと知っているから。自信があるから。
そして咲夜の考えどおり、知ったからといってどうにか出来る力を今のところ魔理沙は使えなかった
魔理沙が懸命に避けている間にもナイフの追加は発射される。まともに全て当たれば…いや、半分も当たれば魔理沙の命はない。弾幕ごっこにしては行き過ぎたナイフの投擲、しかし、咲夜にとって相手が生きようが死のうが、当初の目的さえ果たせればどうでもいいのだった
「殺す気かよ…!こんな所で焼き鳥よろしく、串刺しになってたまるかよ―――!」
魔理沙が吼える、死にたくないと。その思いを実現する為に、八卦炉に渾身の魔力を込める
「全部…灰にしてやるぜ!マジックナパーム!」
木の形を模した爆弾の如き巨大な魔弾が一発、魔理沙から放たれる
魔弾は魔理沙に危険をもたらすナイフを吹き飛ばし、その光景を無感動に眺めている咲夜に向けて突撃する
―――目の眩む爆発が起こる
「無駄無駄…その程度じゃ当たらないわよ、まあ壁に大穴出来ちゃったけど。どうしてくれるのよ。修理が大変じゃない」
いくら魔砲が強力だった所で、時間を止め、避けられたら意味がない―――
「ぐ…クソ…」
「頭では分かっていても理解出来ていない…っていうのかしらね。貴女の攻撃は全て無駄よ」
「無駄…だと…?そんな事ないぜ?ご自慢のナイフは吹っ飛ばせるぜ」
「強がりね」
そう、強がりだった。魔理沙の頬からは血は流れている。しかしコレは掠った程度なので問題はない。問題は―――右腕と左脇腹に刺さったナイフだった
魔理沙は苦渋の表情をしながらナイフを引き抜く。……廊下に血が付着していく
魔理沙には、ナイフ全てを吹き飛ばす事までは敵わなかった
「貴女の時間も私のモノ…外の世界では火あぶりにされ昔に滅んだ魔法使い、古風な魔女に勝ち目は、ない」
……完全で瀟洒な咲夜の唯一の失敗は、追い詰められた魔理沙を更に挑発で追い込んだ事だった
―――行き場のないテンションは高まり続けた
―――流れる血はソレを沈める事はなく、むしろ潤滑剤となって更に活性化させた
―――そして挑発、表面下で溜まりに溜まったテンションはとうとう表面化した
「ア…?面白い事言ってくれるじゃないか…!」
「あら、怒ったのかしら?図星を当てられると誰でも怒るか、ごめんなさいね」
「ハ…ハハハハハハ!―――思い上がるなよ三流手品師が」
「な…?」
―――行き過ぎたモノはなんであれ良い方向には向かわない、負のベクトルに向かって突き進む
ミスディレクション
「最後に私もサービスして教えてやるよ、魔法使いはそもそも古風でも今風でも何でもない。昔から今までずっと存在してきたモノにそんな言葉は無意味なんだよ、魔法使いは死なない。火あぶりにされようが魔女狩りを執行されようが、な。」
「何を言い出すかと思えば下らないわね、人間の貴女なんて100年生きれるかその程度じゃない。永遠には程遠いんじゃない?」
咲夜の若干呆れたような物言いを聞いて、魔理沙はクックック、と肩を震わせて哂う
「魔法使いってのはな…お前たちの恐怖の中に住まうんだよ。隣のコイツは魔女かもしれない。今すれ違った奴は魔法使いかもしれない。本物の魔法使いを見分ける事の出来ない奴らは、本物を焼いても焼き足りない、恐怖は一人焼いたくらいじゃ拭えない。恐怖は恐慌と絶望と不安と疑心を抱かせる。魔法使いは死んでも死なないんだよ―――」
「…………」
最初とは違う、調子に乗って陽気に笑っていた頃の顔じゃない。全くの別物、笑いは哂い、陽気は陰気に、性格の方向性がまるで違う姿。―――伝承に生きる魔法使いの顔をしたモノに成り代わっていた。僅かに、咲夜ですら怯んだ
「クックック…怯んだな、断言してやろう。お前は恐怖する。その時お前は一体全体どんな顔を見せてくれるのかな?」
魔砲はナイフより弾幕ごっこに似合わない。破壊と創造は表裏一体と言われているが、その理すら破壊出来る程の破壊の象徴となる
「さあ私に恐怖しろ、お前の心に、この私が巣食ってやるよ―――!」
負のベクトルの向かう先は、咲夜の心、唯一つ
「…やっぱり強がりね、いくら貴女の超強気に変わったとはいえ、実力が変わるわけないもの。」
「そりゃそうだ。実力は変わらない。実力はな。今までは弾幕ごっこのペースでやってたけどさ…もう飽きた。これからは闘いだ、世の中全てパワーだと。お前みたいな小細工なんて必要ない事を教えてやるよ」
咲夜がその科白を頭の中で反芻し、これからは先は殺してしまうかもしれないな。という意味に至ったとき、魔理沙は既に巨大な魔法陣を作り終えていた
「『恋符』」
魔法陣が光る、辺りに振動が走る。今までとは格そのものが違うその魔砲
「マスタースパーク!」
魔理沙が吼える、破壊してやる。と
紅魔館だけでなく、大地そのものが揺れる
放たれた魔砲は廊下全てを飲み込み破壊しつくす
魔砲が通るときに硝子は割れる、床は絨毯もろともバラバラと剥がれていく
こんなモノに当たってしまえば弱い人間に命の保障はない
「―――時よ止まれッ!!」
咲夜はソレを頭で理解する前に体で理解する
今、時間は止まり、咲夜のみが動けるプライベートスクウェアと化している
「冗談じゃないわよ…こんなのどうしろっていうのよ!」
しかし、ここで一つ注釈をしなくてはならない
時の止まった時間。ここに先まで時速100kで動いていたナイフがあるとしよう
勿論このナイフは止まっている為、ナイフの真正面に立とうが怪我をする事はない
―――しかし、止まっていようがそのナイフが100k分の力を持った物体なのだ、触れようものなら確実に触れた部分はナイフに切られてしまう
つまり、咲夜は魔砲を掻い潜って魔理沙に到達するだけの手段は持ちあわせてはいなかった
だからと言って諦めるわけにはいかない。何処かに安全地帯はないかと辺りを見回して
「あった―――さっき白黒があけた大穴!」
飛び込み、魔砲が止むのを待つ。咲夜の望み通り魔砲は直線的なモノだったらしく、自らの立つ位置には一切入ってこない
轟音がするが、耳を塞ぐなどという行為には走らない。視界が開くのをじっと待ち、白黒への対抗策を一気に考えていく
轟音が収まりつつある。そろそろ飛び出そうと咲夜は身構える、しかし―――
しかし視界は開かれなかった、目の前まで接近していた霧雨魔理沙によって―――!
「どうしたんだ、こんな所で縮こまって!似合っているぜ寒さに震えた犬みたいでよ!」
たった独りの咲夜の時間ですら、魔理沙は力で束縛する
魔理沙は左右に小さな魔法陣を引っさげながらレーザーを放ってくる
―――魔法陣を作るも使役するには間に合わなかった…?
追い詰めた割には規模の小さい攻撃に咲夜は安堵し、右側に素早く走る
能力の連続発動はそれなりに体に負担をかける。コストを最小限に抑えている咲夜の行動は正解だと言えよう
正解したがゆえの間違いも、またあるのだが
「おいおい、まさか安心したんじゃないだろうな?この私の目の前で、よ」
「……ミスったわね」
咲夜の左の脇腹をレーザーが貫通していた
突如として左右の魔法陣から現れたレーザーによって―――
「イリュージョンレーザー…いきなり失礼するぜ」
咲夜は不意打ちに反応出来なかった。―――時を止める能力も使われない限りは意味が無い
悲鳴を上げなかったのは見事だが、やはりそんなものに意味は無かった
咲夜の意識が、揺らぐ
「ハッハッハ…悪くはなかったが相手は悪かったな、お前の人生はここで終わりだよ」
「な…ッ!」
「お、いいねえその狼狽した表情。怖いのか?私が」
「エ、エターナルミーク!!」
咲夜の感情は大きく揺さぶられる、自らが死ぬという現実に
―――それは、絶対に阻止しなければ。私の世界を、こんな所で終わらすわけには―――!
不幸中の幸い、動いたお陰で魔理沙から距離を取れる。渾身の力でバックステップする。魔理沙はそれを追わない
意識が飛びそうな状況でありながら、咲夜は今までの倍の速度でナイフを投擲する。大きな傷を負っているので時は止めず、加速させる事に専念している
「速い、速いナイフの群れだ。でも、なあ。言っちゃあ悪いが…今更この私に力で対抗しようなんて100年遅いんだよ!」
元々自らが高速で動いている魔理沙にとって速球なんてまるで障害にならなかった
わざとらしく、ゆっくりとした動きでナイフを避けていく
……咲夜が広げた距離はアッサリと埋められていた
その事実が愉しいのか、魔理沙は哂いながら掌を突き出す
「…………いやだ」
「じゃあ、な。マジックミサイル!」
魔砲が咲夜に直撃する。魔理沙はそれを見届け、咲夜が気絶するのもまた、見届けた
「ふぅ…まあ本当に殺しはしないぜ、殺したら恐怖も何もあったもんじゃねえからな」
しかし…と魔理沙は独り言をする
「まあタフなメイドだぜ。レーザー直撃した時点で怖がってくれると思ったのに変化が対して見られねえんだもんな。さすがに死を目前にしたら怖がってくれたよな?うん、怖がってた。怖がってたに決まってるぜ」
そこで魔理沙は自分の体を見下ろしてみる。すると、傷口から流れていた筈の血は既にとまっていた。どうやら戦っている間に無意識の内に止血していたらしい。その事実に少し納得がいかないのか、首を傾ける
「およ?いつ止血したっけな…まあいいか。細かい事はどうでもいいぜ。……あーそういや本来の目的すっかり忘れてた。この先にいるラスボスに用があるんだったっけな、中ボス如きで構ってる暇なんてなかったぜ」
そう、魔理沙はそもそも最近霧が深すぎる為その原因を解明しに来ていたのだ。しかし、弾幕ごっこなどに励む内に本来の目的を忘却してしまっていた
その事に気づき、魔理沙は笑う
「さてさて、ラスボスは何かな?鬼がでるか蛇がでるか…何が出てきても大差ねぇけどな」
―――普通の魔法使いの顔で、笑う
後半魔理沙の切れっぷりはかっこよかった。
難があるとすれば、出だしが本編に対して軽いドタバタものに感じられた点。
魔女狩りのくだりが戦闘の流れにも何か絡んでいたらもっとかっこよくなったかもしれない点。最後の止血が投げっぱなしの点(読み込めてないだけならごめんよ) とまぁ、素人意見なので鵜呑みにしてもガンは治りませんし突然異性にももてませんが。
句読点が抜けている部分があるのがちょっと個人的にはマイナスに感じられました。まぁ、かくいう自分もあまり偉い事を言える立場ではないのですが。
幻想郷の雰囲気がこんな殺伐としていては・・・・・・・。
なにも魔理沙に限って殺生はしないというのはいささか都合がよすぎるし、魔法使いとしての威厳が見れたのは良いと思う。まぁちょいと豹変しすぎだが。
どたばた感は拭えないのはマイナスだけど、覇道を歩む姿勢がありありとしているだけ、キャラがしっかりしていると思う。小悪党臭いけど。
あと、初めて東方を書くと言ってたけど、あまり俺設定に走りすぎたら今みたいな批評も喰らうので注意すべし。
いくら弾幕は、パワーだといってもこれは無理やりすぎる。ため努力して強くなっている魔理沙のイメージを壊していると思った。
axeaさんに同意w