※一部二次設定が含まれています
―――私にとって、時間な概念など昼夜の境位しか必要が無かった。
曾ての旧き友は、私が寝起きする間に次々と死んでいった。
曾ての我が式神も、長寿の式といえど私の無限に比べては秒に等しい時間で直ぐに老いて死んだ。
私と同じく無限を生きる者に出会った。
彼女は、闇を生み出し、永久の夜を操る怪だった。
私は初めて永く付き合える友を見つけたと思った。
が、それも直ぐに終わってしまった。
彼女は己の力に畏れ、自らを封印してほしいと私に乞い願ったのだ。
私は否定しようとした。
だが、彼女の目がそれを許さなかったのだ。
私は、また独りになった。
女の詩人が友達になった事もあった。
しかし、彼女もまた例外では無く、墨に染まった桜の元で自らの命を絶った。
次第に、私は心を失った。
時が過ぎ、世界は変わってゆく。
月の者が帰ってきた。
吸血鬼が現れた。
私の住む世界は他とは隔絶された、限られた人間と数多の妖と神の住まう世界となった。
封し合いに新たなルールが設立され、世間は活気に満ちていった。
だが、永久を生きる私にはそんな事などどうでも良かった。
思えば、友が欲しかっただけなのかもしれない。
ある時、私の元に一匹の狐が来た。
その者は私の式になりたいと言う。
だが、式にしたところでいつかは老い、死んでしまうのは目に見えていた。
だから、私はその狐を追い払った。
だが、次の日もまたその狐が来た。
私はまた追い払った。
また次の日も狐は来た。
また次の日も、また次の日も。
諦めずに狐は毎日私の元へ来た。
式になる事を拒む私の為に洗濯や掃除、そして私の詩遊びにも付き合ってくれた。
ついに私は彼女を式にする契約を結んだ。
その時の彼女はとても喜んでいたのを、私は未来永劫忘れないだろう。
そしてまたある日は、ある亡霊が私の元に訪ねてきた。
その亡霊は、霊界とこちらの結界を強めて欲しい、と言った。
私は快く承諾した。
なぜなら、私は彼女を知っていたからだ。
私の知る彼女では無くなっていたが、それでも生前と変わらない優雅さを保っていた。
それからしばらくして、
巫女が来た。
魔女が来た。
メイドが来た。
彼女らは、私と戦うと言う。
私は彼女らと戦う時に、己の「命」を感じた。
生きる実感が芽生えた。
巫女と共にこの世界の為に(暇潰しも兼ねていたが)初めて戦った。
私の世界に色が付き始めた。
勿論、時が過ぎるのは早かったがそれでも今迄とは比べ物にならない位に生活が楽しくなった。
「ご主人様、ご飯ですよー」
式が私を呼んでいる。
もし――もし、今の生活を脅かす者がいるならば、私は全力を尽くしてその者と戦おう。
私の家族を、この世界を守る為に。
―――私にとって、時間な概念など昼夜の境位しか必要が無かった。
曾ての旧き友は、私が寝起きする間に次々と死んでいった。
曾ての我が式神も、長寿の式といえど私の無限に比べては秒に等しい時間で直ぐに老いて死んだ。
私と同じく無限を生きる者に出会った。
彼女は、闇を生み出し、永久の夜を操る怪だった。
私は初めて永く付き合える友を見つけたと思った。
が、それも直ぐに終わってしまった。
彼女は己の力に畏れ、自らを封印してほしいと私に乞い願ったのだ。
私は否定しようとした。
だが、彼女の目がそれを許さなかったのだ。
私は、また独りになった。
女の詩人が友達になった事もあった。
しかし、彼女もまた例外では無く、墨に染まった桜の元で自らの命を絶った。
次第に、私は心を失った。
時が過ぎ、世界は変わってゆく。
月の者が帰ってきた。
吸血鬼が現れた。
私の住む世界は他とは隔絶された、限られた人間と数多の妖と神の住まう世界となった。
封し合いに新たなルールが設立され、世間は活気に満ちていった。
だが、永久を生きる私にはそんな事などどうでも良かった。
思えば、友が欲しかっただけなのかもしれない。
ある時、私の元に一匹の狐が来た。
その者は私の式になりたいと言う。
だが、式にしたところでいつかは老い、死んでしまうのは目に見えていた。
だから、私はその狐を追い払った。
だが、次の日もまたその狐が来た。
私はまた追い払った。
また次の日も狐は来た。
また次の日も、また次の日も。
諦めずに狐は毎日私の元へ来た。
式になる事を拒む私の為に洗濯や掃除、そして私の詩遊びにも付き合ってくれた。
ついに私は彼女を式にする契約を結んだ。
その時の彼女はとても喜んでいたのを、私は未来永劫忘れないだろう。
そしてまたある日は、ある亡霊が私の元に訪ねてきた。
その亡霊は、霊界とこちらの結界を強めて欲しい、と言った。
私は快く承諾した。
なぜなら、私は彼女を知っていたからだ。
私の知る彼女では無くなっていたが、それでも生前と変わらない優雅さを保っていた。
それからしばらくして、
巫女が来た。
魔女が来た。
メイドが来た。
彼女らは、私と戦うと言う。
私は彼女らと戦う時に、己の「命」を感じた。
生きる実感が芽生えた。
巫女と共にこの世界の為に(暇潰しも兼ねていたが)初めて戦った。
私の世界に色が付き始めた。
勿論、時が過ぎるのは早かったがそれでも今迄とは比べ物にならない位に生活が楽しくなった。
「ご主人様、ご飯ですよー」
式が私を呼んでいる。
もし――もし、今の生活を脅かす者がいるならば、私は全力を尽くしてその者と戦おう。
私の家族を、この世界を守る為に。
氷河期でも死ねないんですから
尻尾が四本との記述があったので、こいつは違うなと思って更に調べてみたら
九尾の狐は狐が万年以上生きてそうなる妖怪(?)なんだとか……。
実は藍が幻想郷の中では最高齢の恐れあり。
そしてそれが幻想郷の人たちや藍、幽々子のおかげで生き生きとしてくると。
紫様の孤独とはいかほどのものだったのでしょうね?
そしてその孤独を埋めて余りあるほどのものを与えてくれる式や友人たちも紫様にとって
どれほどの光になってくれたのか。
とても面白い作品でした。
Exルーミアのことですね、わかります。
個人的には、紫は人間と根本的に違う思考で永遠をものともしないイメージがあります。
それでもこの話は好きです。
美味しく頂いていきます。