Coolier - 新生・東方創想話

アリスのお茶会 02

2005/05/07 13:39:36
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・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

現の思考




『博麗 霊夢』

 私はなぜアリスの家にいたのだろうか?アリスは私たちを(魔理沙も呼ばれたらしい)お茶会に誘ったらしいのだ。
だけど・・・私にその記憶はない。呼ばれたことも、いつアリスの家に来たのかという覚えも、無い。
そう、なにも覚えてないのだ。
私の始まりはアリスに起こされた所からだ。それ以後があってもそれ以前がない。
なぜだろうか?まったくもってわからない。
ところで、あのクッキーと紅茶はまだあるのだろうか?特にまた食べたいというわけではないのだが
なんとなく食べたい。とってもおいしかった・・・・・

『水の音』

ピチョン ピチョン ピチャ ピチャ・・・・・・

この音はなんなのだろう?起きてる間も、そして寝てる間もときどき聞こえてきた。
雨が降っている?
いや、降ってなかったはずだ。ではいったい何の音・・・・?

ピチョン ピチョン

これは・・・・・・水が落ちる音で間違いないだろう。
雨が降ってないとすればこの家のどこかで水が漏れているか、垂れているか・・・

ピチャ ピチャ

・・・・・・・・・この音は・・・・
初めは水が垂れてういる音、そう思っていた。だけど・・・・これは違う。
水が垂れている音じゃない。
じゃあ、いったいこれはなにかしら?
――――――――何かを舐める音?
違うでしょう(笑

『人形達』

 アリスの家には数え切れないほどの人形がいる。いる・・・?あるの間違いかしら?
私が今いるこの部屋にもたくさんの人形があった。
それらはまるで生きているようで、今にもうごきだしそうな感じがしてしょうがない。
そして全ての人形に表情がつけられている。笑ってる、怒っている、泣いている、驚いている・・・etc・・
たくさんある。じっと見ているとその、硝子の瞳に吸い込まていくような錯覚を覚える。

そういえばアリスは人形に魂を宿すこどができる。
魂といってもアリスの作りものだ。本人の都合のいいように作られている。
だから、いつもアリスのそばで自由奔放に動いておるあの人形だって、所詮アリスの意思で動かされているだけだ。
それじゃあ、操り糸でくくられている人形とどう違うのだろうか?
前読んだことのある本に「人形とはすなわち、作り手の心の現われであり、それを披露するための道具でしかない。
人形を生かすも殺すも作り手の心に全てがかかっている」と、書いてあった。
人形はやはり人形であり、人形なのだ。

『魔理沙』

魔理沙はいったいいつ来るのだろうか?アリスが首をながくして待っている。
・・・・・ちょっとばかし羨ましくなった。

『クッキーと紅茶』

紅茶はなんというかただ甘いだけのような気がする。なんというか口内に喉にへばり、まとわり付いてくるような
感じだ。でも、なぜかまた飲んでみたいと思ってしまう。
クッキーは変わった味に変わった食感、今まで食べたことがない。



・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


どれくらい時間が経ったのだろうか・・・・?アリスは多分まだ戻ってきてない。
私も相変わらず眠ってしまっている。どれくらい眠っているのだろうか?
アリスがまだ戻ってきてないのならそんなには眠ってないはずだ(多分)
だけど・・・体は長時間眠っていることを示すかのように、重たい
・・・・・・・
イライラしてきた
苛立たしさが、じわり、じわりと溜まっていく感じがする。
アリスは何をここまで時間をかけているのだろうか?
自分の蒐集品を他人に見せ、それらについて話したりするのはきっと楽しいことなのだろう。
だけど・・・せっかくきた客人をここまで待たせるのは(何分くらい待っているのかは分からないけど)いかがなものか。
そうだ、それに私は魔理沙の「おまけ」として呼ばれたのではないだろうか?
眠りに落ちる前、アリスの話を聞いてる限りそんな気がしてきてしょうがない。
少しばかり魔理沙が羨ましい。

カーチ、カーチ、コーチ、コーチ

時計の規則正しく緩やかな音が私の奥深い場所にまで響いてくる。
その音を聞いているとなぜだか知らないがますます苛立たしさが増してきた。
いけない
こんなことではしょうがない。
もう考えるのはよそう・・・・・
そうだ、誰かに起こしてもらうまで(わらながら随分とした他力本願だ)眠ってしまおう。
あぁそうだ私はもう寝ているんだった。寝ているのにまた寝る。寝ている中で眠る。
随分と滑稽だ。
クククッと笑ってみる
私は再び眠りの中に落ちていく。
なんだか、苛立たしさの中に身を沈めていくような感じがした。



*   *   *   


ガチャ

ドアが開く音がした。
やっとアリスが戻ってきたのだろうか?
だが、私に向けられた声はアリスではなく、よく聞いたことのある声だった。
「よう霊夢。なにしてるんだ?」
魔理沙だった。
そして、私はその声と同時に目をさました。
目の前がぼやけてしまっている。よく見えないのでゴシゴシとこする。うん、よく見えるようになった。
頭がボーっとしていてなんだかすごく重たい感じがするし、体も気だるい。
どうやら相当な時間を眠っていたようだ。そんなに寝た覚えはないのだが・・・・・
そしてやはり妙な胸焼けと吐き気がした。
・・・・・多分、目を覚ましたばかりだからだろう・・・
気にする必要は―――――――無い
だけど―――――――
「おいおい、寝てたのか?」
そういうと魔理沙は入ってきたドアを勢いよくしめ、つかつかと中に入り私の左側の椅子に腰掛けた。
「えっ!?ええ?」
考えを巡らしていたせいか酷く間抜けな返事をしてしまったような気がした。

・・・現にしたのだろう

魔理沙がニヤニヤと笑っている。
少しばかり腹がたった。
「そう怒るなって。でも人の部屋でぐーすか眠るってのもどうかと思うぜ?」
魔理沙、あなたこそどうなのよ?と言ってやりたい気もするが、確かにそうかもしれない。
どんなに待ちくたびれたとしても人の家で寝てしまうのは少しばかり問題があるように思えてくる。
でもこのままだと魔理沙にますますおちょくられるような気がするので話題を変えてみることにした。
「魔理沙もアリスに呼ばれたの?」
「そうだぜ」
ふふん、と魔理沙は答えた。
「ところで霊夢はいつ頃来たんだ?眠っちまうほどだから相当前か?」
「私は・・・なんだか随分前に来たような気がするんだけど、よく思い出せないのよね」
「ふーん・・・年、だな」
「夢想封印されたいの?」
冗談だぜ、と笑いながらいうと魔理沙は目の前にあるクッキーを一つつまみ口の中に放り込んだ。
「実は、随分前からアリスの家にいたんだぜ」
・・・・・・?
「霊夢がくるずっと前からな」
・・・・・・・・?
あれ?
いったい、いったい魔理沙は何を言っているのだろうか?
確かアリスは「魔理沙はまだ来ていない」そんなようなことを言っていたような気がする。
しかし、当の本人は私がくるずっと前からいたらしい。
いるならいるではやくあの場に出てきて欲しいものだった。
アリスの話は正直なところあまり面白くなかった。(魔理沙のことばかり気にしてた)
それに私はそんなにしゃべってないし、アリスが一方的に喋ってたようなものだ。
「じゃぁ、どこにいたのよ」
「アリスの寝室か?ベットあったし」
「なんでまたそんな所にいたのよ」
「初めはこの部屋にいたんだよ。で、その後場所移動した」
ワケがワカらなくなってきた。
アリスは「まだ来ていない」
魔理沙は「私がくる随分前から来ていた」
いったいどういうことだろうか?
それにアリスは魔理沙に自分の蒐集品を見せるために色々準備をしていると言っていた。
じゃぁ魔理沙が嘘をついている?
いや、それとも魔理沙にだけ見せるために寝室のほうに場所を移した?
じゃぁ私はいったい?
あれれ?
アリスは本当に「魔理沙は来ていない」といったのだろうか?
それとも二人とも嘘をついている?
でも、アリスは来ていないと言っていた。
絶対に来ていないと言っていた!
あぁどうだろうか?わからない。
「魔理沙はここに来てからアリスに会ってないの?」
「そんなわけあるかい」
魔理沙は椅子にもたれながら答えた。
私は頭を抱えそうになる。
ただでさえ起きたばかりで頭が重いというのに、ますます酷くなってくるようだ。
ふと、魔理沙をみると怪訝そうな顔つきで私を見ていた。
「ところで霊夢。いつも頭につけてるあのリボンはどうしたんだ?」
「えっ?」
そういえば・・・
リボンをいじるため頭を触ってみる
無い
「あ、れ?」
いつも結んでいたあの紅いリボンがあるべき場所にない。
「あ、れれ?」
なくなっている。
私はリボンをほどいた覚えもない。
だけど、無くなっている。
あぁ、なんだって今日はこんなにも理解しがたいことが起こるのだろう。
先のアリスと魔理沙のことも相まりさすがに気味が悪くなってきてしまった・・・・
「もしかしたら霊夢が寝てる間に、持って行かれたのかもしれないぜ、アリスに」
「なんでアリスがそんなことするのよ・・・」
「あいついっつも言ってたぜ。あのリボンは霊夢には似合わない。もっとかわいくなる。
 そんでもって私ならリボンだけじゃなく服とかも、もっとカワイイのを用意して、もっともっとかわいくすることができるってな」
そこで言葉を区切る。
「余計なお世話だよな」
と、言った。
本当に余計なお世話だ。今この場にいないアリスに毒づく。
「だからって・・・」
「いや、ありえるかもしれないぞ。あいつ人間とより人形との付き合いのほうが長いからな。
 もしかしたら、霊夢のことをただの着せ替え人形としか思ってないのかもしれないぜ」
そういうと魔理沙はケラケラと笑い出し、冗談だじょーだん、とごまかした。
少しばかり想像してみる。
私がアリスに着せ替えられる姿を

* *

「霊夢、今日はこの服にしましょうね」

アリスが無垢な少女の笑顔で私に近づいてくる。

その表情は母親が子供の相手をするような、
いや違う、
そんな月並みなものじゃない純粋に人形で自分だけの世界をつくり遊ぶ子供の表情だ。
無邪気さの裏に潜む残酷さをあらわすような・・・

その手には今から私に着せかえるための服がたくさん握られていた。

私は人形、動くことはできない

いつものことだ

「アリ・・ス・お願・・・も、・やめ・・・」

「喋っちゃダーメ。あなたはお人形さんなんだから。」

アリスの目が私に迫ってくる。

「さぁ、始めましょ」

私に息がかかるくらいの距離で楽しそうに言う。
そして、それと同時に私の服にアリスの指がかけられた。

「・・や・・ぁ」

抵抗することも、ろくに声を出すこともできない。
服が擦れる音がゆっくり、ゆっくりと聞こえてくる。
どうして、どうして、どうして・・・・・

「ふふっ・・・私の、私だけのお人形さん・・・」

アリスの舌が私の耳朶を舐めた

* *

――――――――――――――――!!!

――――――――――!!??

!!!!!

背筋が首筋が全身が寒くなった。
鳥肌が立つ。
ゾクゾクする。
とんでもない、しゃれにならない、笑えない!!

「なんつー事を考えたのよ・・・・」
ボソリと一言。
別にいくらアリスが人形との付き合いが長いからってそこまでやるはずがないだろう・・・・
少しばかり自己嫌悪に陥ってしまった。ゴメンと心の中でアリスに謝罪をする
目線を前にもどすと魔理沙が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「どうした?顔色が悪いぜ」
「別に・・・・」
「なんだそんなにいつも付けているあのリボンが気になるのか」
「そんなわけじゃないけど・・・・・」
ピョコンと椅子から魔理沙が降りる。
・・・?
「じゃー私が探してきてやるぜ」
トコトコとドアの方へ歩いていく。
「え、別にいいわよ」
「遠慮するな」
「それにアリスと話もしたいしな」
ああ、そういう事か
「じゃぁついでにとっとと戻って来いって言ってくれない?」
「分かったぜ」

カチャ

ドアが開けられ魔理沙は部屋から出て行った。
しかし、出て行く寸前クルリと私の方へ向く、スカートがふわりと舞い上がった。

「ところで、霊夢。あのクッキー食べたか?」

「・・・・・・ええ」

「すごく不思議な味がして、おいしかったろ」

「とっても」

「隠し味に入れるものがポイントなんだ。アリスが教えてくれた」

「?」

「砕いて、粉末状にしてクッキーの種に入れるんだ。」

「何を?」

「これには色々コツがあるんだ。ただ何でもかんでも入れればいいってワケじゃない」

「だから何を入れるの?」

「骨」


バタン

ドアが閉められた。
魔理沙の姿はもう見えない
再びこの部屋に静寂が戻ってくる。

そうか、この不思議な味を出すには骨を入れるのか・・・・
へぇ意外とお菓子にあうものなんだなぁ
感心してしまった

一つクッキーを口の中に放り込み、しばらくの間この不思議な味を楽しむことにする。



時計の音に混じり、あの水の音が聞こえたような気がした


・・・・・・・・続?

どうもこんにちは。玉屋です。
前回読んでくださった皆様大変ありがとうございました。
さらにコメントまで書いてくださる人もいるなんて、嬉しい限りです。
謎解き、ミステリーみたい、と書いてくださった方大変申し訳ございません。
自分そんなつもりで書いた気はまったくなかったので・・・

今回は前回書いた「アリスのお茶会」の第02話でしたがどうだったでしょうか?
はい、非常に読みにくい、ワケがわからない、読み手の脳内補完に頼りすぎそんな感じでございます。
友達に言われました。私もそう思います。日々精進します。
それと、クッキーの隠し味にあれというのはきょう日B級ホラーでもありえないと思います。

とゆーかいいのかなぁ
つか続くんでしょうかこれ?どう思います?
でも、なんだかんだ言って続くのでしょう。次回でなんとか終わらせます。
それまででいいのでお暇な方はどうか私の拙い文章にお付き合いください。
お願いします


ではでは・・・・

それと石はいつ投げても構いませんので・・・むしろ喜びます

*誤字修正しました
玉屋
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コメント



0.1330簡易評価
2.70雪羅奈界削除
なんだか、呼んでいて引き込まれる作品だと思います。
そういえば、冒頭の人形の定義(?)あたりで、「アリス」が「あり巣」となっていました。恐らくは変換間違いだと思うのですが、どうなんでしょ?
3.60紅狂削除
あれ?てっきりああいうオチなのかなと
思ってたんですけど・・・ハズレましたね。
どういう結末なるのか次回が楽しみです。