ーーねぇ、お姉様。
ーー私って、いらない子なの?
ーーどうして出してくれないの?
ーーねぇ、お姉様。
ーー私ってーー
「ッ……!」
紅魔館の地下室…悪魔の妹、フランドール・スカーレットは目を覚ました。
全身にべったりとくっつくその汗が気持ち悪い。ーーなんだか、凄く怖い夢を見ていたような気がする。でも、思い出せない。
「お姉様…」
無意識にその名前を呼ぶ。私をこんな所に閉じ込めた、お姉様。影では「あいつ」と呼んで忌み嫌っていたお姉様。
ーーどうしたの、フラン?
ーーそう、怖い夢でも見たのね?
ーーこっちにいらっしゃい、一緒に寝ましょう?
閉じ込められる前の事が、つい昨日のように感じられる。
でも、お姉様の代わりに居たのは、無機質で、分厚い壁だった。
なんでお姉様は私に構ってくれないんだろう。
私って、やっぱりいらないのかな。
そう鬱々とした泥沼のような思考に嵌っていく。だんだんとそのうちどうでも良くなってきて、それで。
私は、目の前にある「目」を握りつぶした。
「はぁ…この音は、またあの子ね。」
紅魔館のテラス…紅魔館当主、レミリア・スカーレットはため息を吐いた。
ざわざわと妖精メイドの騒ぐ声が耳に触る。ーーなんだか、凄く嫌な運命が見える。でも、はっきりとは見えない。
「フラン…」
無意識にその名前を呼ぶ。私の大切な妹。そして、私が一番傷つけている最愛の妹。
ーーぐすっ、お姉様ぁ…
ーーひっぐ、えぐっ…
ーー…うん、ありがとう、お姉様…
一緒に寝たあの時が、つい昨日のように感じられる。
でも、フランを傷つけているのは私。今も彼女は地下室の中で怒り狂っているに違いない。
もっと別の方法は無かったのか?いくらフランが賢者に消されてしまわないようにするだけとはいえ、もっと手段が有っただろうに…
だが、昔の事を考えても仕方がない。今は、フランに地下室に戻ってもらわなければ。近くに居た従者ーー十六夜 咲夜に下がるよう指示を下す。
彼女は最初不思議がっていたが、たまには私一人であの子と話す、というとすぐに納得してくれた。
パチェにも話を通し、地下室に通じる道を辿っていく。
でも、普段なら地下室への道で必ずばったり合うはずなのだが、ついに地下室の目前まで合う事は無かった。
「お姉様…」
再び無意識にその名前を呼ぶ。その声には明らかな寂しさが宿っている事に、自分でも気づいた。
ーーもう、やめよう。壁を壊しても、自分を閉じ込める檻が消えた訳じゃない。また痛い目にあって、また戻されて、もっと厳重にされて。それで、終わり。
ーーもう、諦めよう。もう自分はお姉様にも会う事なく、一生危険だからって、この地下室で死んでいくんだ。
そう思うと涙が出てきた。会いたい。お姉様に。閉じ込められてからは一度もあってないお姉様。一度も私を見てくれないお姉様。いくら拒絶されてもいい。いくら叩かれてもいい。でも、この心が壊れる前に。もう一度、もう一度だけ、お姉様の顔が見たい。声が聞きたい。
でも、お姉様は多分来ないだろう。だって、私は要らない子だから。当主として皆に必要とされる、お姉様とは違うのだ。いつまでも忌み嫌われ、除け者にされる。それが私。人気者が、嫌われ者の所にくるはずもない。
だから、誰か来たら、「ありがとう、こんな嫌われ者の私を生かしてくれてありがとう、お姉様にそう伝えて」っていって、自分の「目」を握り潰す。そうすれば、皆幸せ。皆、幸せ。
「…フラン?」
その時だった、そんな声が聞こえたのは。
「お姉、様…?」
「…フラン?」
地下室にいってみれば、地下室の真ん中で泣いている少女が居た。その煌びやかな七色の羽は言うまでもなく、彼女ーー自分の妹、フランドール・スカーレットのものだ。
「お姉、様…?」
フランがこっちを向くために、顔を上げる。その顔には、幾つもの泣いた跡や涙を拭うために目を強く擦った跡があった。
「どうして…一度も、私の前に来てくれなかったのに…?」
その言葉で、胸に激痛が走る。別に、時間がなかった訳ではない。ただ、怖かったのだ。フランが狂気に飲まれている姿を見るのが。恐ろしかったのだ、自分が拒絶されてしまうのが。
わかっている、至極身勝手で、自分勝手だという理由である事は。
フランが狂気に飲まれている?そんなもの、彼女を見てやらなかったお前の責任だろう、レミリア・スカーレット。
フランに拒絶されるのが怖い?そんなもの、当たり前だろうが。それに相応しい仕打ちを彼女にしたのだから。
いくらそう叱責しても、自分は臆病だった。こんな苦しみ、彼女が受けている苦しみの足元にも、いや比べる事自体おこがましい。
「でも、良かった…最期に、お姉様の顔が見れて…」
「フ、フラン…?」
なんだか、フランの様子がおかしい。満ち足りたような、でもやっぱり寂しいような。そんな感じだ。そして、この言葉。まるで、フランがーー
「ありがとう、こんな嫌われ者の私を生かしてっ…くれ…って…ひぐっ、えぐっ…」
「フ、フラン?一体何を…?」
言葉にしながらも、彼女が何をするつもりなのかは薄々気づいていた。けれど、ショックで体が動かなかった。ーーここまで彼女を追い詰めていた。他でもない、この私が。たった一人の家族である、この私が。
「えっぐ、ひぐっ…本当に、本当にっ……ありがとう……!!!」
「フラン!馬鹿な事はやめなさい!」
彼女の手が、すっと閉じられていく。あの手が閉じられた時、きっと彼女の命は終わってしまう。
「ありがとう…さよならっ…大好きだよ、お姉様っ…!!」
「っ……フ、ラアアアアアアン!!」
体は勝手に動いていた。さっき見た嫌な運命…今なら、はっきりと見える。あの小さな体が、冷たくなっていく様子が。彼女の亡骸を、ただ呆然と眺める私が。
だから。
それを変えるために、走った。届けと、掴めと。そう思いながら、全力で向かって。ーーそして。
小さな体を、ぎゅっと抱きしめた。
「…ふぇ?」
あまりの出来事に、理解が追いつかない。おかげで、「目」も手のひらから消えてしまった。
ーーなん、で?
だって、お姉様は人気者で。私は、嫌われ者で。お姉様が私を助ける理由なんて、どこにもないのに。
「おね、ぇさま…?どうして…?」
私を抱きしめているお姉様に問いかける。もう涙は止まっていた。
「馬鹿な子ね。貴女は、私の家族よ。ーー家族を助けるのに、理由なんて、いらないじゃない…」
「うっ…うぇぇ…お姉、お姉様ぁぁぁ…」
そういって私を撫でてくれたお姉様のの手はとても暖かくて。お姉様の顔はとっても、優しくて。
また、私は泣き出してしまった。
「ぐすっ、ひぐっ…わ、わたし…おねえさまが、えぐっ、わたしのこときらいなのかなって、ひぐっ、おもって…!」
「ごめんね…本当に、ごめんね…!辛かったよね、怖かったよね…ごめん、本当ごめんね…!」
お姉様の声も、かすかに震えていた。
ひたすら泣いて、泣いて、泣いて。いつの間にか、私は寝てしまった。少しだけ暖かみが惜しかったけど、今はこの暖かみで寝ていたい。絶対、忘れないから。
「……ッ!」
紅魔館の一室で、悪魔の妹…フランドール・スカーレットは目を覚ました。
目覚めた場所は、いつもの地下室…ではなく。
「どこ…ここ?」
一面紅に塗られた壁と、豪華な装飾がなされたソファー。今自分が寝ているベッドもふかふかで、かなりの高級品である事がわかった。
「あら、起きた?」
「あ…」
いつの間にか、お姉様がこちらを見ていた。その顔には優しい笑みが浮かんでいる。
「フラン、あなたはもうあの地下室に戻らなくていいのよ。」
「…ほぇ?」
思わずそんな間抜けな声が漏れる。そんな声が面白かったのか、お姉様はクスリと笑って私が寝ている間の事を話してくれた。
紅魔館の面々と話し合い、フランを紅魔館の中だけでも出してやる事を決め。妖怪の賢者に、その旨を伝えた事。そして、しばらくなにも問題を起こさなければ、外に出ても良いという事。
すべてが、信じ難い話だった。
私が微妙な顔をしていることに気づいたのか、お姉様は
「大丈夫、夢なんかじゃないわ。」
と言ってくれた。ちなみに頬をひっぱったらきっちりと痛かった。そして。
「…ごめんね、フラン。貴女をもっと速く出してやれなくて。」
謝ってくれた。でも、嬉しかった。謝ってもらえた事ではなく、お姉様が私を見てくれた事が。本当に、嬉しかった。
「貴女が望むなら、お詫びとして私ができる範囲でなんでも応えてあげるわ。だから…だから、許してくれなんて言わない。けど、私の妹でいてくれないかしら?」
なんでそんな事を言うのだろう。私は、お姉様の、レミリア・スカーレットの妹でいたいのに。
「大丈夫だよ、お姉様。あの時のお姉様、とっても暖かかった!だからね、私の願いを一つだけ叶えたら、許してあげる!」
お姉様に向けて、そのお願いを言う。お姉様は最初だけ驚愕の表情を浮かべていたが、そのうち
「そんな事でいいのか」という表情になった。もちろん、永い年月の間閉じ込められた見返りとしては、少々足りないかもしれないけど、それでも良かった。ただ、お姉様の暖かみを、もう一度感じたかった。
「お姉様、怖い夢見たから…一緒にまた、寝てくれる?」
「えぇ…大丈夫、私が悪夢からフランを守ってあげるわ。さ、一緒に寝ましょう?」
ーー私って、いらない子なの?
ーーどうして出してくれないの?
ーーねぇ、お姉様。
ーー私ってーー
「ッ……!」
紅魔館の地下室…悪魔の妹、フランドール・スカーレットは目を覚ました。
全身にべったりとくっつくその汗が気持ち悪い。ーーなんだか、凄く怖い夢を見ていたような気がする。でも、思い出せない。
「お姉様…」
無意識にその名前を呼ぶ。私をこんな所に閉じ込めた、お姉様。影では「あいつ」と呼んで忌み嫌っていたお姉様。
ーーどうしたの、フラン?
ーーそう、怖い夢でも見たのね?
ーーこっちにいらっしゃい、一緒に寝ましょう?
閉じ込められる前の事が、つい昨日のように感じられる。
でも、お姉様の代わりに居たのは、無機質で、分厚い壁だった。
なんでお姉様は私に構ってくれないんだろう。
私って、やっぱりいらないのかな。
そう鬱々とした泥沼のような思考に嵌っていく。だんだんとそのうちどうでも良くなってきて、それで。
私は、目の前にある「目」を握りつぶした。
「はぁ…この音は、またあの子ね。」
紅魔館のテラス…紅魔館当主、レミリア・スカーレットはため息を吐いた。
ざわざわと妖精メイドの騒ぐ声が耳に触る。ーーなんだか、凄く嫌な運命が見える。でも、はっきりとは見えない。
「フラン…」
無意識にその名前を呼ぶ。私の大切な妹。そして、私が一番傷つけている最愛の妹。
ーーぐすっ、お姉様ぁ…
ーーひっぐ、えぐっ…
ーー…うん、ありがとう、お姉様…
一緒に寝たあの時が、つい昨日のように感じられる。
でも、フランを傷つけているのは私。今も彼女は地下室の中で怒り狂っているに違いない。
もっと別の方法は無かったのか?いくらフランが賢者に消されてしまわないようにするだけとはいえ、もっと手段が有っただろうに…
だが、昔の事を考えても仕方がない。今は、フランに地下室に戻ってもらわなければ。近くに居た従者ーー十六夜 咲夜に下がるよう指示を下す。
彼女は最初不思議がっていたが、たまには私一人であの子と話す、というとすぐに納得してくれた。
パチェにも話を通し、地下室に通じる道を辿っていく。
でも、普段なら地下室への道で必ずばったり合うはずなのだが、ついに地下室の目前まで合う事は無かった。
「お姉様…」
再び無意識にその名前を呼ぶ。その声には明らかな寂しさが宿っている事に、自分でも気づいた。
ーーもう、やめよう。壁を壊しても、自分を閉じ込める檻が消えた訳じゃない。また痛い目にあって、また戻されて、もっと厳重にされて。それで、終わり。
ーーもう、諦めよう。もう自分はお姉様にも会う事なく、一生危険だからって、この地下室で死んでいくんだ。
そう思うと涙が出てきた。会いたい。お姉様に。閉じ込められてからは一度もあってないお姉様。一度も私を見てくれないお姉様。いくら拒絶されてもいい。いくら叩かれてもいい。でも、この心が壊れる前に。もう一度、もう一度だけ、お姉様の顔が見たい。声が聞きたい。
でも、お姉様は多分来ないだろう。だって、私は要らない子だから。当主として皆に必要とされる、お姉様とは違うのだ。いつまでも忌み嫌われ、除け者にされる。それが私。人気者が、嫌われ者の所にくるはずもない。
だから、誰か来たら、「ありがとう、こんな嫌われ者の私を生かしてくれてありがとう、お姉様にそう伝えて」っていって、自分の「目」を握り潰す。そうすれば、皆幸せ。皆、幸せ。
「…フラン?」
その時だった、そんな声が聞こえたのは。
「お姉、様…?」
「…フラン?」
地下室にいってみれば、地下室の真ん中で泣いている少女が居た。その煌びやかな七色の羽は言うまでもなく、彼女ーー自分の妹、フランドール・スカーレットのものだ。
「お姉、様…?」
フランがこっちを向くために、顔を上げる。その顔には、幾つもの泣いた跡や涙を拭うために目を強く擦った跡があった。
「どうして…一度も、私の前に来てくれなかったのに…?」
その言葉で、胸に激痛が走る。別に、時間がなかった訳ではない。ただ、怖かったのだ。フランが狂気に飲まれている姿を見るのが。恐ろしかったのだ、自分が拒絶されてしまうのが。
わかっている、至極身勝手で、自分勝手だという理由である事は。
フランが狂気に飲まれている?そんなもの、彼女を見てやらなかったお前の責任だろう、レミリア・スカーレット。
フランに拒絶されるのが怖い?そんなもの、当たり前だろうが。それに相応しい仕打ちを彼女にしたのだから。
いくらそう叱責しても、自分は臆病だった。こんな苦しみ、彼女が受けている苦しみの足元にも、いや比べる事自体おこがましい。
「でも、良かった…最期に、お姉様の顔が見れて…」
「フ、フラン…?」
なんだか、フランの様子がおかしい。満ち足りたような、でもやっぱり寂しいような。そんな感じだ。そして、この言葉。まるで、フランがーー
「ありがとう、こんな嫌われ者の私を生かしてっ…くれ…って…ひぐっ、えぐっ…」
「フ、フラン?一体何を…?」
言葉にしながらも、彼女が何をするつもりなのかは薄々気づいていた。けれど、ショックで体が動かなかった。ーーここまで彼女を追い詰めていた。他でもない、この私が。たった一人の家族である、この私が。
「えっぐ、ひぐっ…本当に、本当にっ……ありがとう……!!!」
「フラン!馬鹿な事はやめなさい!」
彼女の手が、すっと閉じられていく。あの手が閉じられた時、きっと彼女の命は終わってしまう。
「ありがとう…さよならっ…大好きだよ、お姉様っ…!!」
「っ……フ、ラアアアアアアン!!」
体は勝手に動いていた。さっき見た嫌な運命…今なら、はっきりと見える。あの小さな体が、冷たくなっていく様子が。彼女の亡骸を、ただ呆然と眺める私が。
だから。
それを変えるために、走った。届けと、掴めと。そう思いながら、全力で向かって。ーーそして。
小さな体を、ぎゅっと抱きしめた。
「…ふぇ?」
あまりの出来事に、理解が追いつかない。おかげで、「目」も手のひらから消えてしまった。
ーーなん、で?
だって、お姉様は人気者で。私は、嫌われ者で。お姉様が私を助ける理由なんて、どこにもないのに。
「おね、ぇさま…?どうして…?」
私を抱きしめているお姉様に問いかける。もう涙は止まっていた。
「馬鹿な子ね。貴女は、私の家族よ。ーー家族を助けるのに、理由なんて、いらないじゃない…」
「うっ…うぇぇ…お姉、お姉様ぁぁぁ…」
そういって私を撫でてくれたお姉様のの手はとても暖かくて。お姉様の顔はとっても、優しくて。
また、私は泣き出してしまった。
「ぐすっ、ひぐっ…わ、わたし…おねえさまが、えぐっ、わたしのこときらいなのかなって、ひぐっ、おもって…!」
「ごめんね…本当に、ごめんね…!辛かったよね、怖かったよね…ごめん、本当ごめんね…!」
お姉様の声も、かすかに震えていた。
ひたすら泣いて、泣いて、泣いて。いつの間にか、私は寝てしまった。少しだけ暖かみが惜しかったけど、今はこの暖かみで寝ていたい。絶対、忘れないから。
「……ッ!」
紅魔館の一室で、悪魔の妹…フランドール・スカーレットは目を覚ました。
目覚めた場所は、いつもの地下室…ではなく。
「どこ…ここ?」
一面紅に塗られた壁と、豪華な装飾がなされたソファー。今自分が寝ているベッドもふかふかで、かなりの高級品である事がわかった。
「あら、起きた?」
「あ…」
いつの間にか、お姉様がこちらを見ていた。その顔には優しい笑みが浮かんでいる。
「フラン、あなたはもうあの地下室に戻らなくていいのよ。」
「…ほぇ?」
思わずそんな間抜けな声が漏れる。そんな声が面白かったのか、お姉様はクスリと笑って私が寝ている間の事を話してくれた。
紅魔館の面々と話し合い、フランを紅魔館の中だけでも出してやる事を決め。妖怪の賢者に、その旨を伝えた事。そして、しばらくなにも問題を起こさなければ、外に出ても良いという事。
すべてが、信じ難い話だった。
私が微妙な顔をしていることに気づいたのか、お姉様は
「大丈夫、夢なんかじゃないわ。」
と言ってくれた。ちなみに頬をひっぱったらきっちりと痛かった。そして。
「…ごめんね、フラン。貴女をもっと速く出してやれなくて。」
謝ってくれた。でも、嬉しかった。謝ってもらえた事ではなく、お姉様が私を見てくれた事が。本当に、嬉しかった。
「貴女が望むなら、お詫びとして私ができる範囲でなんでも応えてあげるわ。だから…だから、許してくれなんて言わない。けど、私の妹でいてくれないかしら?」
なんでそんな事を言うのだろう。私は、お姉様の、レミリア・スカーレットの妹でいたいのに。
「大丈夫だよ、お姉様。あの時のお姉様、とっても暖かかった!だからね、私の願いを一つだけ叶えたら、許してあげる!」
お姉様に向けて、そのお願いを言う。お姉様は最初だけ驚愕の表情を浮かべていたが、そのうち
「そんな事でいいのか」という表情になった。もちろん、永い年月の間閉じ込められた見返りとしては、少々足りないかもしれないけど、それでも良かった。ただ、お姉様の暖かみを、もう一度感じたかった。
「お姉様、怖い夢見たから…一緒にまた、寝てくれる?」
「えぇ…大丈夫、私が悪夢からフランを守ってあげるわ。さ、一緒に寝ましょう?」
誤字報告
合う→会う
速く→早く
しかし、さすがに人気キャラだけあってあらゆるネタが使い尽くされている昨今、ここまでストレートなレミフラは少し物足りないかな。もう一味、他作品にないスパイスが欲しかった。
このSSのテーマは、この創想話では非常によく使われるものです。
なので、このテーマで読んでもらおうと思うなら、他の作品との差別化が必要です。
その視点でこの作品を見てみると、テーマ以外の不必要な要素がほとんどない、
スタートからゴールまで一直線に突っ走っているように見えます。
逆に、手を変え品を変え、ではないですが、アイデアを絞り出して魅力ある作品に仕上げた方が、
点数が付く、や多くの人が見る、という点ではうまくいくのではないか、と思いました。