Coolier - 新生・東方創想話

幻想郷職事情・従者の場合

2005/05/15 22:41:43
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 月刊「幻想郷」 睦月号 特集記事より抜粋


今や幻想郷の花形として人気の職業、それが「従者」だ。しかし、その実態は意外にもあまり世に知られていない。
今日はそんな幻想郷の職事情について、現役の従者達による座談会を行った。
職務内容から業界の裏話まで徹底的に話し合ってもらったので、
これから幻想郷での就職を目指している人は何かの参考にして欲しい。なお、参加者達は偽名を用いている。


――さっそくですが、みなさんが現在の主人の元で仕え始めたのはいつごろですか?

みょん:ええと、私は今年で丁度10年間お仕えしていることになります。

てんこ:私が一番古参かもしれないな。大体100年以上昔のことだ。
    その頃はまだ尻尾も生え揃っていなかったしね。

うさぎ:すいません、よく覚えてないです(苦笑)。

めいど:2年くらい前かしら。

――この業界に入りたいと思ったきっかけは何でしょう?

てんこ:実は入りたいと思って入った業界じゃないんだ(苦笑)。もともと私は妖怪やケモノ達の
    主としていくつかの山を治めていたからね。当時の地位や収入にも満足していたし。

うさぎ:んー、成り行き・・・ですかねぇ。他の星からやってきたところを偶然拾ってもらった、みたいな。

めいど:左に同じね。私も訳あって外界を抜け出したので。

みょん:私は小さい頃からおじい・・・先代がこの仕事をしているのをずっと見ていたので、
    漠然とあこがれみたいなものはありました。それに家業ですから他の選択肢は考えられなかったです。

――ではてんこさんは、何か他に理由があったのでしょうか?

てんこ:情けない話なんだが・・・正直に言うと、私は主人に調伏されて式として仕えているんだ。
    まあ、強制スカウトとでも言うのかな。

うさぎ:まれな例ですね~。でもそれって最初から実力が認められてたってことじゃないですか?

てんこ:そうなら嬉しいんだけどね。実際のところ、私の仕事は家事をこなすくらいだからなぁ。
    主人はぐうたらで一日中寝てばかりだし・・・。あ、でもご飯の時は呼ばなくても起きるよ(笑)。
    
みょん:いいなぁ、私なんて事あるごとに半人前、半人前とお小言ばかりで。

めいど:それだけ貴女を大切に想っている証拠よ。頑張りなさいな。

――現在皆さんがどういったお仕事をされているか教えてください。

めいど:私はとあるお屋敷のお嬢様に仕えているわ。現在の仕事は館の管理全般と従業員達の統率。
    だいたいの雑務は部下達に任せているから、私の担当は主にお嬢様の身のまわりのお世話ね。

うさぎ:わぁー、すごいなあ。私なんてまだ庭の警備くらいですよ。
    お屋敷に不用意に人を入れないように常に見張ってるんです。これ、キツイし退屈なんですよぅ。

めいど:・・・貴女、侵入者をあっさり通して上司によく注意されたりしない?

うさぎ:ふぇっ、な、なんで分かるんですか!?

めいど:やっぱりね。ウチにも似たようなのがいるのよ・・・。

みょん:私は一応庭師っていう肩書きなんですけど・・・警備と主人のお世話のどっちも受け持っています。
    何しろ従業員の数が・・・ってこれ言ったらバレそうですね(笑)。あとはご主人様のお稽古の指南役です。

てんこ:さっきも言ったけど、主人の世話しかしていないなぁ。
    場所が場所なんでね、のこのこやってくる不届き者もいないんだ。

――皆さんは普段、どういうスキルを活かしてお仕事をされていますか?

てんこ:私の場合、そう大した程度の能力は必要ないよ。
    一応式神を使う程度の能力は持っているから、部下に式はいるけどね。

うさぎ:相手を惑わす目、狂気を操る程度の能力です!侵入者の撃退にはこういった程度の能力がかかせません!

めいど:完全で瀟洒、こういうスキルが欲しいわね。
    これは最終手段だけど、時間を操る程度の能力を行使する時もあるわ。

みょん:やはり、ご主人様をお守りしなくてはいけないので武術です。
    私の場合は剣術を扱う程度の能力ですが。

うさぎ:とは言っても大抵の場合、ご主人様の方が強かったりするんですよね(苦笑)。

みょん:それは言わないお約束ですよ(泣)。

――従者として、「これは大切にしなければならない」というモノは何でしょうか?

みょん:私はご主人様となるべく多く顔を合わせる機会を持つようにしています。
    やはり心と心の交流は大切ですし。あとは・・・食料の確保ですかね(苦笑)。

てんこ:心の交流か、いいこと言うなあ。あとは礼儀作法かな。
    客人の前で粗相があっては、主人の顔に泥を塗ることになるからね。

うさぎ:上司、部下と上手くやっていくことです。特に上司。ミスをした時の
    お仕置きが・・・座薬が・・・ガクガクブルブル

めいど:とにかく「人」を見る目を持つこと。部下を適材適所に配置して、仕事の効率化を図る。
    媚びろと言っているわけじゃないけれど、主人の歓心を買うのも大切よ。
    性格や嗜好を把握できていないと、喜んで貰えるようなお世話ができないわ。
        
一同:おお~(感心)。

めいど:それに昇進は主人の裁量によるところが大きいしね。ウチには名前すら覚えてもらえないようなのがいるし・・・。

――この職について良かった、と感じられる点は何でしょうか?

めいど:誰かに必要とされること、これに尽きるわ。
    「やはり貴女がいないとね」って言って貰えるだけでとても嬉しいのよ。

てんこ:そうだね。いつもは素っ気無いけどたまに頼りにされてるなって感じる時はあるよ。
    私は主人と顔を合わせる機会がそうないから、余計に。

うさぎ:住み込みで働けるので、やっぱり衣食住が完備してる点ですね。ニンジンが毎日食べられる~。

みょん:てんこさんと似てますけど、ご主人様と心で繋がっているってことが実感できることが嬉しい。
    あ、あとスキンシップですよ。後ろから抱きつかれてほっぺたスリスリ~ってされると、もう!

めいど:な、貴女、なんて羨ましい・・・!

みょん:そ、そうかな。えへへ。

めいど:私も今度お嬢様に進言しようかしら。
    「主と従業員の相互信頼のために、積極的なスキンシップが必要だと思われます」って。

    (一同爆笑)

めいど:な、何よ、本気で言ってるんだから(汗)。

――人気が高い一方で、何かと気苦労が耐えない職だとも聞きましたが。

みょん:ご主人様が気まぐれでとにかく困るんですよ~。呼ばれて行ってみたら「呼んでみただけ」とか言われるし、
    朝、「夕飯に食べたい」と言ったものが夜には変わっているなんて日常茶飯事。
    それに勝手に私のおやつを食べちゃう(泣)。この前なんて、野生の鳥を捕まえて食べようとしたんですよ!
    「夜雀を捕獲したから解体して料理しなさい」なんて言われて、途方に暮れました・・・。

うさぎ:ちなみにその雀、どうしたの?

みょん:もちろん逃がしましたよ!あ、でも次の日にご主人様が「小骨が多かった」とか言ってたんですけど・・・。
    もしやもう一度捕獲して・・・いえ何でもないです(汗)。

うさぎ:分かるなあ、そういうの(笑)。でも気まぐれならまだいいですよ、うちのご主人様なんて
    それを通り越してワガママですもん。あれがしたい、これが欲しいと無理難題ばっかりで・・・。

めいど:ウチにはそんなの無いわよ。

みょん:主人に恵まれると仕事もしやすいでしょうね。はぁ、私がこうしている間にも何をしでかしているやら。

てんこ:みょんさんは本当に気苦労が絶えないね(苦笑)。私は特に不平不満の類は無いよ。
    まあ主人がいつも寝ているから、好き勝手できるってのはあるけど。

めいど:部下に恵まれないのも苦労するけどね・・・。

うさぎ:分かりますよ~!私、部下から上司って見られてないみたいなんですよ。ナメられてるのかなあ。
    指示を出しても動いてくれないんです。逆に私が動かされている感じ。

てんこ:いや、無いよそんなの(笑)。

うさぎ:ふぇーん、私だけ!?とほほ・・・。

――業界の裏話、なんてものはありますか?

みょん:まあ、無いわけでは無いですよ。でもどこまで話していいのやら。

めいど:仕事先によってはかなり危険な場所もあるみたいね。あるお屋敷では、
    大きなミスを犯した従業員はある日突然行方不明になるの。発見された時は決まって
    全身の血が抜かれた状態でひからびているらしいわ。まあ、あくまでも噂だけどね。ふふ。

うさぎ:いきなり黒すぎる話ですよう。もうやめましょうよ(汗)。

――では、この場を利用して主人に対し「これだけは言いたい!」というような話はあれば、お願いします(笑)。

めいど:ずっと、今のままのお嬢様でいて欲しい。
    もとい、ずっと新月の時のままのお嬢様でいてくださいませ。

みょん:お食事の量を減らさないと、財政難が解決しないのですが・・・。
    え、ダメですか?ダメですよね、多分・・・。

てんこ:もっと色んな場面で顔を合わせたいなぁ。いや、十分信頼されているのは分かっているんだけどね。
    私の可愛い部下も、あなたともっと遊びたいと言っているし。

うさぎ:ご主人様がもうちょっと他人の意見を聞いてくださると、私が幸せになれます!
    それにもっとお外に出ないとひきこもりになっちゃいますよ?
    それから上司のアナタにお願いなんですけど、ニンジンの量と勤務内容がつりあっていません。
    待遇の改善を要求します!部下のキミも、もっと私を敬ってください。昇進させませんよ?

みょん:うさぎさん、言いすぎですよ(苦笑)。

めいど:貴女の主人がこの記事を見たらどう思うかしらね。特定されるには十分な情報量よ。

うさぎ:あああ、司会者さん、やっぱ今のナシでお願いします~!

てんこ:基本的に、発言は修正されないで掲載するって言ってたよ。

――そうです(笑)。では最後に、これから幻想郷で従者としての就職を目指す方々に何か一言お願いします。

てんこ:時には主人の誤りを正す必要もある。流されるだけでなく、確固とした自分を持つことが大切だ。

めいど:ウチの一般採用は審査が厳しいわ。プロ意識と、一生自分の主人に仕えていくという覚悟を
    持って、自分を磨いていって欲しいわね。

みょん:日々の鍛錬を怠らないでください。努力はいつか必ず報われます。
    忍耐力の次に必要なのは、即断力。いざという時にはすばやく的確な判断が必要とされます。

うさぎ:えっと、ニンジンをいっぱい食べて、

――本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

うさぎ:ふぇーーーー!

こんにちわ、時介です。今回はおふざけ路線で書いてみました。
キャラクターを掘り下げる作業は大変でしたが、なかなか面白いものですね。
特にウドンゲはいじりやすい。
あ、でもこの座談会で参加してるのは「うさぎ」さんですから関係ありませんよ?
時介
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コメント



0.4460簡易評価
7.40名前が無い程度の能力削除
今度は主でお願いします♪(苦笑
10.80名乗らない削除
主Verはみんな我が強そうだなぁ・・・
少し意見が対立したたけで「少女弾幕中~」になりそう
34.無評価七死削除
確かに、主verが読みたいです。
主に名家の家計一つ傾かせるような化け物の話とk(ギャス鳥
40.60774削除
これはいい就職情報誌の特集ですね(笑)
某神社にお邪魔していますVer希望。
42.無評価名前が無い程度の能力削除
従者職から独立された某魔法使いさんの御意見も伺ってみたいところです。
44.70名無し毛玉削除
『カリスマ従者達が語る"業界の裏の裏"!!』
とかトレンド情報誌あたりの見出しで見かけそうなかんじで笑えました。
49.90名前が無い程度の能力削除
「雑誌インタビュー風」というアイデアが、まず非常に面白く、
内容の方も、何だか妙にリアルな感じがして楽しめました!
是非とも、シリーズ化して欲しいです。