今は宴会の後帰り道。
「あ~……酔ったぜ……」
魔理沙はフラフラと帰路についていた。
「今日はまた一段と賑やかだったな」
楽しく暖かい時間はあっという間に終わる。
「次は何をやってやろうか…」
今の魔理沙にとって宴会は皆が騒げるお気に入りの時間となっていた。
「メイド長の手品には負けないくらいの出し物をしたいが……」
咲夜の手品はタネが無くよく場を盛り上げる。
「……まあ次の時までに考えればいいか」
意気込み高らかに足取りは軽くなる魔理沙だった。
「……さっきからやけに静かだな…」
酔っていて気が付かなかったが、周りは夜雀の声どころか虫の鳴き声すら聞こえなくなっている。
「ん……森が闇に沈んでるのか?」
背後の異変に気付き足を止める。
「……こんな殺気を向けられるような事は……したかもしれないが覚えはないぜ?」
背後の気配に声をかける。
「…………」
静寂が流れる。
「だんまりは良くないな、言いたいことがあるなら言ったらどうだルーミア?」
微笑し背後の人物に声をかける。
「…………」
静かな時が過ぎてゆく。
「はあ……今日はまた一段と静かだなお前…」
振り返り背後の闇に声をかける。
「…闇…魔理沙の…みせて…」
闇の中からポツリと聞こえた。
「闇?悪いがそんなものは持ってないぜ」
魔理沙には全く意味が解からない質問だった。
「……そう……」
落胆するでもなく、そんな返事が返ってきた。
「なあ……もう帰っていいか?」
酔いが酷くまわって頭痛を起こしていた。
「…………」
返事は返ってこない。
「じゃあ帰るな、お前も気を…ッ!?」
踵を返そうとした瞬間視界が暗転する。
「……おやすみなさい……」
魔理沙は意識が薄れるなか最後に聞こえた声だった。
☆★
宴会の終わった博霊神社。
「片付けくらいして帰って欲しいわね」
いつもの如く愚痴をこぼす霊夢。
「でも片付けるのは私じゃない」
文句言いながらも能力を使いゴミを集める萃香。
「貴女も神社に住んでるのだから当たり前でしょ」
悪びれるでもなくいつものように言い放つ。
「霊夢はお茶飲んでゆっくりしてるじゃん!」
少し強気に言い返す。
「今日は一段と静かね」
萃香の話しは聞いてないのかお茶を飲みながら森の方を眺める。
「……鬼使いの荒い巫女」
萃香はそんな言葉を洩らしながらもゴミ集めを再開した。
「…萃香、ちょっと待って」
霊夢が静止を呼びかける。
「……なに?」
能力を止めて振り返る。
「それスペルカードじゃない?」
と言って霊夢が拾いあげる。
「誰かの忘れ物?」
カードを見上げる萃香。
「みたいね……魔理沙のカードね」
それは三枚のスペルカードだった。
「私が魔理沙に返してこようか?」
掃除を逃れたい一心で提案してみる。
「貴女には掃除があるでしょ、私が返してくるわ」
そのまま歩き出す霊夢、なんとなく今返しに行った方がいい予感がするのであった。
「いってらっしゃ~い」
霊夢を見送ると同時に境内で眠りにつく萃香だった。
☆★
目の前は闇に包まれていた。
「……此処は何処なんだ?」
周囲は暗闇に覆われていて何も見えない状況だった。
「ここは…魔理沙の闇の中…」
目の前にはいつの間にかルーミアが立っていた。
「そんな事はどうでもいいぜ、それよりルーミア…覚悟はできてるな?」
少しばかり声に怒を込める。
「…今の魔理沙じゃ私には勝てない…」
そんなルーミアの言葉には感情がなく、あるのは冷たさだけだった。
「そんな事はやってみないと判らないぜ?」
スペルカードを取り出そうとするがそこには何も無く、
「……スペルカードが無いぜ」
少し魔理沙に焦りがみえた。
「これが……勝てない理由…」
ルーミアが撃ちだした弾幕は彼女のものとは別物だった。
「ッ…なんだこの弾!?霊夢の弾幕なのか!!?」
広範囲に広がり一部の弾がホーミングする、それは明らかに霊夢の弾幕だった。
「心の闇…劣等感…嫉妬…僻み…そんなものを誰でも抱いてる」
ルーミアは遠慮無しに霊夢の弾幕を繰り出す。
「それがどうしたんだ!?」
今の魔理沙に反撃をする手段はなく焦りがつのる。
「これも…魔理沙の闇の一部に過ぎない……」
弾幕の数は減るどころか増える一方。
「それはないぜ、私は霊夢にそんな感情を持った覚えはないしな」
こうは言いつつも魔理沙の中では断言できるものではなかった。
「なら……こんなのはどう?」
ルーミアはスペルカードを取り出し、
「夢符、封魔陣!」
宣言と共に真直ぐに魔理沙を光が包む。
「私は……絶対に負けないぜ!」
魔理沙は封魔陣を避ける事もせずルーミアに突っ込む。
「………!?」
その時初めてルーミアの表情が崩れる。
「ッ…チェックメイトだぜ、ルーミア」
箒を振り上げルーミアに告げる。
「知ってるか?霊夢の弾幕はもっと強く綺麗なんだぜ」
箒を振り落とした瞬間、光が二人を包み込んだ。
☆★
「魔理沙の家…こっちだったかしら」
いつもの如く真直ぐ歩く霊夢。
「あれは魔理沙?」
森の中で魔理沙が倒れその横にルーミアが倒れていた。
「魔理沙……とルーミアよね」
二人は寝息をたてて寝ているようだ。
「人騒がせな……?」
ふと霊夢の目に留まったのはルーミアのリボンだった。
「封印が解けかけているみたいね」
霊夢は言霊を乗せリボンの御札を再度封印するのであった。
「これでよし、私が作った御札じゃないから完璧にはいかないけど」
御札の修復と魔理沙が起きるのは同時だった。
「~~ん、帰ってきたみたいだな」
一回大きく伸びをする魔理沙。
「どっかに行ってたの?」
後ろからなんとなく声をかける。
「ちょっと闇の中に……って霊夢がなんで此処にいるんだ?」
なんとなくそんな気がしてた魔理沙は驚く事も無く、
「これを届けに来てあげたのよ」
はいとスペルカードを渡す。
「サンキュな霊夢、これがなくてかなり困ったぜ」
苦笑しながらスペルカードをしまう。
「何でルーミアと寝てたのよ?」
霊夢はルーミアを指差す。
「まあちょっとな、それよりルーミアはずっとこんな感じなのか?」
涎を垂らしながら寝ているルーミアを箒で突く。
「私が見つけた時にはこんな感じっだったわよ?」
そうかと魔理沙は頷き、
「なぁ霊夢、お前にも苦手な物ってあるのか?」
真顔で霊夢に聞いてみる。
「あるにきまってるじゃない、苦手がない奴なんて神様くらいよ」
その答えを聞くと、魔理沙はクスッと笑い、
「だよな、しかし霊夢の苦手な物ってなんなんだ?」
からかうように聞いてみる。
「言うわけないでしょ、特に魔理沙にはね」
と言って踵を返す。
「帰るのか?」
「ええ、もうすぐ朝になっちゃうしね」
魔理沙が見上げると空はほんのりと赤みがかっていた。
「もうそんな時間か」
どうも魔理沙の中の時間間隔が鈍ってるらしい。
「じゃあね、気をつけて帰りなさいよ」
と言い残し霊夢は森の中へ消えていった。
「心の闇か……しかし今日のコイツは一段と変だったなぁ」
当人のルーミアは口を開けて眠っている。
「さっきのは夢って事はないよな?」
体は確かにルーミア(霊夢)の弾幕を受けた感覚が残っていた。
「終わった事をぐちぐち考えてもしょうがないよな」
さてとルーミアを持ち上げ、
「お前には相応の罰があるからな」
その日幻想郷には悲鳴がこだましたと言う。
☆★
「もう少しだったわね」
隙間からそんな声が聞こえた気がした。
BADEND?
「あ~……酔ったぜ……」
魔理沙はフラフラと帰路についていた。
「今日はまた一段と賑やかだったな」
楽しく暖かい時間はあっという間に終わる。
「次は何をやってやろうか…」
今の魔理沙にとって宴会は皆が騒げるお気に入りの時間となっていた。
「メイド長の手品には負けないくらいの出し物をしたいが……」
咲夜の手品はタネが無くよく場を盛り上げる。
「……まあ次の時までに考えればいいか」
意気込み高らかに足取りは軽くなる魔理沙だった。
「……さっきからやけに静かだな…」
酔っていて気が付かなかったが、周りは夜雀の声どころか虫の鳴き声すら聞こえなくなっている。
「ん……森が闇に沈んでるのか?」
背後の異変に気付き足を止める。
「……こんな殺気を向けられるような事は……したかもしれないが覚えはないぜ?」
背後の気配に声をかける。
「…………」
静寂が流れる。
「だんまりは良くないな、言いたいことがあるなら言ったらどうだルーミア?」
微笑し背後の人物に声をかける。
「…………」
静かな時が過ぎてゆく。
「はあ……今日はまた一段と静かだなお前…」
振り返り背後の闇に声をかける。
「…闇…魔理沙の…みせて…」
闇の中からポツリと聞こえた。
「闇?悪いがそんなものは持ってないぜ」
魔理沙には全く意味が解からない質問だった。
「……そう……」
落胆するでもなく、そんな返事が返ってきた。
「なあ……もう帰っていいか?」
酔いが酷くまわって頭痛を起こしていた。
「…………」
返事は返ってこない。
「じゃあ帰るな、お前も気を…ッ!?」
踵を返そうとした瞬間視界が暗転する。
「……おやすみなさい……」
魔理沙は意識が薄れるなか最後に聞こえた声だった。
☆★
宴会の終わった博霊神社。
「片付けくらいして帰って欲しいわね」
いつもの如く愚痴をこぼす霊夢。
「でも片付けるのは私じゃない」
文句言いながらも能力を使いゴミを集める萃香。
「貴女も神社に住んでるのだから当たり前でしょ」
悪びれるでもなくいつものように言い放つ。
「霊夢はお茶飲んでゆっくりしてるじゃん!」
少し強気に言い返す。
「今日は一段と静かね」
萃香の話しは聞いてないのかお茶を飲みながら森の方を眺める。
「……鬼使いの荒い巫女」
萃香はそんな言葉を洩らしながらもゴミ集めを再開した。
「…萃香、ちょっと待って」
霊夢が静止を呼びかける。
「……なに?」
能力を止めて振り返る。
「それスペルカードじゃない?」
と言って霊夢が拾いあげる。
「誰かの忘れ物?」
カードを見上げる萃香。
「みたいね……魔理沙のカードね」
それは三枚のスペルカードだった。
「私が魔理沙に返してこようか?」
掃除を逃れたい一心で提案してみる。
「貴女には掃除があるでしょ、私が返してくるわ」
そのまま歩き出す霊夢、なんとなく今返しに行った方がいい予感がするのであった。
「いってらっしゃ~い」
霊夢を見送ると同時に境内で眠りにつく萃香だった。
☆★
目の前は闇に包まれていた。
「……此処は何処なんだ?」
周囲は暗闇に覆われていて何も見えない状況だった。
「ここは…魔理沙の闇の中…」
目の前にはいつの間にかルーミアが立っていた。
「そんな事はどうでもいいぜ、それよりルーミア…覚悟はできてるな?」
少しばかり声に怒を込める。
「…今の魔理沙じゃ私には勝てない…」
そんなルーミアの言葉には感情がなく、あるのは冷たさだけだった。
「そんな事はやってみないと判らないぜ?」
スペルカードを取り出そうとするがそこには何も無く、
「……スペルカードが無いぜ」
少し魔理沙に焦りがみえた。
「これが……勝てない理由…」
ルーミアが撃ちだした弾幕は彼女のものとは別物だった。
「ッ…なんだこの弾!?霊夢の弾幕なのか!!?」
広範囲に広がり一部の弾がホーミングする、それは明らかに霊夢の弾幕だった。
「心の闇…劣等感…嫉妬…僻み…そんなものを誰でも抱いてる」
ルーミアは遠慮無しに霊夢の弾幕を繰り出す。
「それがどうしたんだ!?」
今の魔理沙に反撃をする手段はなく焦りがつのる。
「これも…魔理沙の闇の一部に過ぎない……」
弾幕の数は減るどころか増える一方。
「それはないぜ、私は霊夢にそんな感情を持った覚えはないしな」
こうは言いつつも魔理沙の中では断言できるものではなかった。
「なら……こんなのはどう?」
ルーミアはスペルカードを取り出し、
「夢符、封魔陣!」
宣言と共に真直ぐに魔理沙を光が包む。
「私は……絶対に負けないぜ!」
魔理沙は封魔陣を避ける事もせずルーミアに突っ込む。
「………!?」
その時初めてルーミアの表情が崩れる。
「ッ…チェックメイトだぜ、ルーミア」
箒を振り上げルーミアに告げる。
「知ってるか?霊夢の弾幕はもっと強く綺麗なんだぜ」
箒を振り落とした瞬間、光が二人を包み込んだ。
☆★
「魔理沙の家…こっちだったかしら」
いつもの如く真直ぐ歩く霊夢。
「あれは魔理沙?」
森の中で魔理沙が倒れその横にルーミアが倒れていた。
「魔理沙……とルーミアよね」
二人は寝息をたてて寝ているようだ。
「人騒がせな……?」
ふと霊夢の目に留まったのはルーミアのリボンだった。
「封印が解けかけているみたいね」
霊夢は言霊を乗せリボンの御札を再度封印するのであった。
「これでよし、私が作った御札じゃないから完璧にはいかないけど」
御札の修復と魔理沙が起きるのは同時だった。
「~~ん、帰ってきたみたいだな」
一回大きく伸びをする魔理沙。
「どっかに行ってたの?」
後ろからなんとなく声をかける。
「ちょっと闇の中に……って霊夢がなんで此処にいるんだ?」
なんとなくそんな気がしてた魔理沙は驚く事も無く、
「これを届けに来てあげたのよ」
はいとスペルカードを渡す。
「サンキュな霊夢、これがなくてかなり困ったぜ」
苦笑しながらスペルカードをしまう。
「何でルーミアと寝てたのよ?」
霊夢はルーミアを指差す。
「まあちょっとな、それよりルーミアはずっとこんな感じなのか?」
涎を垂らしながら寝ているルーミアを箒で突く。
「私が見つけた時にはこんな感じっだったわよ?」
そうかと魔理沙は頷き、
「なぁ霊夢、お前にも苦手な物ってあるのか?」
真顔で霊夢に聞いてみる。
「あるにきまってるじゃない、苦手がない奴なんて神様くらいよ」
その答えを聞くと、魔理沙はクスッと笑い、
「だよな、しかし霊夢の苦手な物ってなんなんだ?」
からかうように聞いてみる。
「言うわけないでしょ、特に魔理沙にはね」
と言って踵を返す。
「帰るのか?」
「ええ、もうすぐ朝になっちゃうしね」
魔理沙が見上げると空はほんのりと赤みがかっていた。
「もうそんな時間か」
どうも魔理沙の中の時間間隔が鈍ってるらしい。
「じゃあね、気をつけて帰りなさいよ」
と言い残し霊夢は森の中へ消えていった。
「心の闇か……しかし今日のコイツは一段と変だったなぁ」
当人のルーミアは口を開けて眠っている。
「さっきのは夢って事はないよな?」
体は確かにルーミア(霊夢)の弾幕を受けた感覚が残っていた。
「終わった事をぐちぐち考えてもしょうがないよな」
さてとルーミアを持ち上げ、
「お前には相応の罰があるからな」
その日幻想郷には悲鳴がこだましたと言う。
☆★
「もう少しだったわね」
隙間からそんな声が聞こえた気がした。
BADEND?
これが初投稿らしいので次回はもっとがんばってください。
…何か偉そうで済みませんw;