「ここは……?」
「空気がきれい……まだこんな場所が日本にあったんだ」
「ってあれ!? 私一人?」
「そんな……どうしよう……」
「……まあいっか。多分見つかるでしょ」
「じゃ、探しに行きますか」
「うーむ、いつ見ても外の世界の銃は美しいな」
僕は最近拾う事の多くなった銃の手入れをしていた。たくさんの銃を手に入っているがそのどれもが洗練されており、機能美が満ち溢れている。
銃がたくさん幻想入りしてきたということは外は平和になっているのか、それとも新型の物が増えてきたのか、はたまた違う兵器を使うようになったのか……まあこればかりは知りようがない。
「さて、そろそろ試射でもしてみようかな……」
ちらりと後ろを見て、こちらの世界に合うように改造したアヴェリンを確認した。
そのほかにも大砲モロコシ、神ヶ島、ミニガンなどがある。
これらの武具は護身用としては十分すぎるほどの性能がある。きっとこれからの主力商品となってくれるだろう。
「まあ、客が来ればの話なんだけどね」
自嘲し、また手入れに戻る。ああ、売れる前に持ってかれたりしないだろうか? いやでもこれらに興味を示すとは思えないしなぁ……
そんな事を考えつつ手もとの作業に没頭していった。
「ふう……」
手入れを終えて凝った筋肉を伸びをしてほぐす。慣れない作業で肩が痛い……
すっかり冷めてしまったお茶を一息で飲み干し整備した銃を奥に置きにいった。
「ふむ……」
息を吐いて窓の外を見る。空はまだ明るく、ちょうどおやつ時くらいだ。
手入れをして若干疲れたことだし、頂いた饅頭を出してもいいかもしれない。
その味を想像して、口の中によだれが溢れていくのを感じた。
こうしてはいられない、早く準備しなくては。
僕は椅子から立ち上がり、お茶と饅頭を用意しに行った。
お茶をいれ、カウンターに戻ってきた。
「さて……では頂きますか」
饅頭にかぶりつき、口の中に広がる餡の甘さを楽しむ。ふむ、美味い。
「そんでお茶をって熱すぎたかな」
熱いお茶で口を流す。お茶の苦みが甘さを流し、次に食べる饅頭が楽しみになる。
「やはり……美味いな」
働いた後のおやつでもあるし、美味しさをひとしおだ。
そんな風にのんびりと過ごしていたら、
――カランカラン。
ドアベルが鳴り、来客を僕に知らせた。
(……タイミングが悪いな)
楽しんでいるところに水を差されたような気分になり、多少ムッとしたが商売人としてどうかと思ったのでその思いを呑みこみ、ドアの方を見た。来客は店内に入り、ドアの前で所在なさげに佇んでいた。
白いリボンを巻いた、黒の中折れ帽をかぶり、赤いネクタイをしたカッターシャツに黒の長めのスカートを穿いている少女だった。
顔立ちを見ると典型的な日本人で、なかなか知性を感じさせる目をしていた。
(……妖怪……じゃない、人間か?珍しいな)
思わずじいっと見つめてしまう。すると彼女は居心地悪そうにしておずおずと口を開いた。
「あの……」
「ん? なんだい?」
「ここは……?」
「ああ、ここは香霖堂という古道具屋だ。僕はここの店主の森近霖之助という」
「お店!?ここが……」
彼女は驚いてあたりを見渡している。どうせあまりに散らかっているからそうと思わなかったのだろう。整理は一応出来ているんだがな。物が多いだけで。
「自由に見て行ってくれたまえ」
「あ、はい」
彼女は頷き、店の商品を見て回りに行った。
(ふむ、これでまたお茶が飲めるな)
僕は頷き、またお茶を再開した。
「ん?これウォークマンじゃない!うわー博物館でしか見たこと無かったけど……ホントにあるんだ」
ああ……なんて至福……
「ハッ!ま、まさかこれ……ゲーム○―イ!?生きてるうちに実物を見られるなんて……」
なんか聞こえるような気がするけどまあいいや。お茶が美味い。
「なにこれ『ダマスカス鋼製法まとめ』?これって……」
……お茶が美味い。
「あ、プレ○テにキングスだー。爺ちゃんがよく話してくれたなぁ」
気になる事を……
「よく見たらここの商品ってもしかして宝の山……?」
「詳しく聞かせてもらおうか」
「へっ!?」
彼女は素っ頓狂な声を上げてこちらを見た。まあ急に声を掛けられたら当然だろう。
「君が言っていたことにちょっと興味があってね……聞かせてもらえないか?」
「は、はい。いいですけど……ここの商品なんじゃ?」
「いや、そうなんだが使い方がわからなくてね」
「え?どういうことですか?」
彼女は小首を傾げている。
「まあ気になるなら説明しよう。さあこの椅子に掛けてくれ」
「は、はい」
彼女は遠慮がちに頷き、椅子に座った。
「じゃあ話を聞かせてもらおうか……ってそうだ。君の名前は?」
「そういえば名乗ってませんでしたね。私宇佐美蓮子って言います」
そう名乗って彼女、宇佐見蓮子はぺこり、とお辞儀した。ふむ、なかなか礼儀正しい人ではあるようだ。
「ふむ、では蓮子、話をしようか」
「はい」
こうして僕と蓮子は話を始めた。四時ごろの少し涼しくなってきた風が吹き抜け、店の熱い空気を外へと押し流し、少し涼しげになった。これで快適に話をすることが出来そうだ。
「へえ。そんな風に使うものなのか」
「ええ、それに今じゃあなかなか見ないシロモノばっかりだもの。外であれらの使い方知ってるのはごくわずかだと思うわ」
蓮子といろいろな話……僕が予想した使い方を話したり、それを聞いた蓮子が爆笑しつつ正確な使い方を教えたり……そしてそこから二人でわからない事を推測して予想しあったり……そんな風に話すうち、蓮子とも打ち解けて自然体になってきた。固い言葉で話されるとやはり肩が凝る。それに商売とは対等でなくちゃいけない。
「それで店主さん、なんで使い方がわからないの?」
「ああ、まだ話して無かったね。それは僕の能力が原因なんだよ」
「え……?」
蓮子は目を見開いて驚いた。しかし何か違和感を感じる。彼女は外の世界の人間だ。まあなぜかここ幻想郷の話や、妖怪の話をすると目を輝かせて喜ぶほど奇特ではあるようだが。
しかし、今の反応……前者のような好奇心、知らない物に対する驚きでは、無い。
まるで自分にしか無いはずの物を他人も持っていた時のような……そんな感じだ。
「ああ。道具の名前と用途が判る程度の能力という物でね……今の二つはわかるけど使い方はわからないという難儀なものなんだ」
「へ、へえ……言っちゃ悪いけど……中途半端な気がするわ」
蓮子は苦笑いを浮かべ、首を傾げつつ言った。
「まあそうだね。自分でもそう思う」
「あ、そう思うんだ」
蓮子は意外そうにこちらを見た。そりゃあ事実だしなぁ、そこで怒ったりしてもなんにもならないし。
「でもね、こんな風にいろいろ考えたり、話し合えるからなかなか気に入っているんだ。この話し合い、楽しくなかったかな?」
「……そうね、かなり楽しかったわ」
「それは良かった」
「うん!それこそメリーと話してる時ぐらい……ってやばッ!」
蓮子は急に立ち上がり、しまったと言う表情を浮かべた。どのくらいかというと会議に必要な資料を家に忘れてしまったことを会議開始三十分前に思い出したときぐらいだ。
「ど、どうしたんだい?そんな顔して」
「いや、ちょっと人を探してる途中だったのよ!楽しくって忘れてたわ!ごめんねメリー!」
「め、めりー?」
急にここに居ない誰かに謝り、お茶を一息に飲んで出ていく準備を始めた。
「ええ!メリーってのは私の親友なの!ここに迷い込んだ時にはぐれちゃって、こうしちゃいられないわ!早く探してあげないと!」
「あ、ああ。頑張ってくれ。あとこの裏の森に人間は入れないから多分その人はいないよ」
「ええ!ありがとう。それじゃお茶ごちそう様!」
「ああ、見つかったらまた来てくれよ」
「わかったー!」
そういうなり蓮子は風のように去って行った。店に来たときとは様子が大違いだがきっと彼女はあれが素なんだろう。知り合いの少女たちと遜色ない元気さだ。その上知識も十分……話していても楽しかったし、なかなか好感のもてる人だった。
と、そこまで考えて、まだ彼女には何も買っていって貰えてなかったことに気づいた。
「やれやれ……」
どうやら貴重な話が聞けたのでそこらへんをすっかり忘れていたようだ。
話を聞いている限り、交渉次第では買ってもらえそうな程に関心があった。まあ今回は客とのコミュニケーションを図り、また来てもらえるようにしていたということにしておこう。
「うん、是非ともまた来てほしいものだ」
僕は一人つぶやき、話していた内容、教えてもらったものを反芻し、紙に書き留めていった。
思い出し、整理しつつなので時間が掛ったものの、すべて書き留めることに成功した。
「これでいつでも考察することが出来るな」
リストを見て、思わず口元が緩んでしまう。おっと、少しだらしないな。気をつけねば。
腕をぐるりと回し、体をほぐしていると、窓から夕陽が差し込み、僕の目に飛び込んできた。
「うおっまぶしっ」
手をかざして日を遮りつつ、もうそんな時間になったのか、と驚いた。そして見ているうちに太陽がどんどんと沈み、夜の帳が降りてきた。
時計を見ると、もう六時半といったところだった。
「うーん……そろそろ夕食でもつくろうかな……?」
僕は本、紙などを片づけ、食事の準備の為に台所へ向おうとしたとき、ふと頭によぎるものがあった。
「そういえば……蓮子は外の世界の人だったか」
この幻想郷に迷い込んだ人間には三つの選択、というか道がある。
一つ目は博麗神社にたどり着き、元の世界に帰る事。
二つ目は人里へ着き、一つ目のように元の世界に帰るか、そこに居を構えるという事。
ここは人里に近いし、今回は二つ目の確率が高いだろう……しかし、何か嫌な予感がする。
僕は振り返り、大砲モロコシを担いで店の外で駆け出した。
「全く……無事でいてくれよ……!」
三つ目……多くの外来人が辿ることになるその道は
妖怪に捕まり、食い殺されるという事。
「ハアッ、ハアッ、ハアッツ……!」
私は全力で走っていた。百メートル走のように、長距離走のように速く、ずっと。
足が縺れる、息も絶え絶えになった。慣れない土地のせいか、靴擦れを起こして足が痛い。
息が吸えない、苦しい、止まりたい……でも止まる事はできない。
何故か?それは簡単だ。
「グアアアアアア嗚呼嗚呼あああああああ!」
背後から大きな狼のような化け物が追いかけてきているからだ。
「ハアッ!……なんなの?これ……!なんで私が狙われてるのよ……!」
夜道を歩いていたら急に横から飛び出してきて私を襲ってきた。それから今に繋がる。
そういえば、とさっき話していた店主さんの話を思い出した。
『ここ、幻想郷は人と、その人を襲う妖怪が共存する世界なんだ』
『今も襲われる人がいるから夜は特別危険なんだ』
人と人を襲う妖怪……?ああ、この私を襲ってるこの化け物は妖怪って奴なんだ。ああ、そっか。スッキリしたなぁ。あはは。
「グググ……ガァアア!」
「ヒッ!?」
背後の妖怪が吠え、私は身を竦ませてしまいそうになる。しかもあの妖怪……遊んでいる。
私が必死に逃げているのを楽しんでいるんだ。
「う、ああ、あああああ」
口から意味のない音が漏れる。息が苦しい、休みたい、でも止まったら食べられちゃう……食べられる?……食べられちゃったら……私……どうなっちゃうのかな?
(きっと、死んじゃうね)
私の頭の冷静な部分がささやく。その言葉を理解した瞬間、一気に喉が干上がった。
嫌、死にたくない、苦しい、死にたくない、死にたくない、嫌、嫌、嫌!
「あっ……」
木の根に躓き、派手に転んだ。前のめりに倒れ、体が土にまみれてしまった。
「痛ッ……」
転んだとき、何か所か打ちつけてしまったみたいだ。体が痛い……
「ガアア……」
妖怪がうなり声をあげて私にゆっくりと近づいてきた。涎から放たれる悪臭が私の鼻を貫く。
「い、嫌……来ないで……」
後ろ手に這いずって距離を取ろうとする。立ち上がり、走って逃げる体力などとっくのとうに失われていた。今できることは這いずって死にたくないと願うことだけだった。
「「!」」
背後を見ると木の幹にぶつかったという事がわかる。その音と私の絶望の表情を見て取ったのか、妖怪は歓喜の叫びをあげて躍りかかってきた。
「オオオオオオおおオ!」
私はもはや体をギュッと縮めて迫る死におびえるだけだった。
もはやこれまで。もう助からない。絶対に。
そうは分かっているのに、分かっているのに
「嫌、死にたくない、誰か……助けて……」
口から出てくるのはそんな言葉ばかりだった。我ながら往生際の悪いなと思う。
「ガアア嗚呼!」
目の前に迫る妖怪。死ぬまであと二十秒か。
転んだ拍子に落ちた帽子が踏みにじられた。
「助けて……」
目を塞ぎ、耳を塞ぎ、ただ助けを求めるだけ。
妖怪の生臭い息が近づき、息を詰まらせる。
私が死ぬまであと十秒。
(ごめんメリー。私死んじゃうみたい)
あと五秒。
(でも嫌だな。やっぱり……死にたくないな……)
(死にたくない……!まだ、死にたくない!)
あと三秒。
(誰か……)
二、一。
「誰か助けて!」
零。
ガスッ!!!!
すさまじい音が夜の森へと響いた。しかし私には衝撃が感じられなかった。
「やれやれ、まさかと思ったけど……まあいい。無事かい?」
「?」
ゆっくりと目を開けてみるとそこに居たのは妖怪ではなく、大きなモロコシを構えた店主さんだった。
「まあ安心してくれ。あれくらいならすぐ済む」
そういって彼は草むらに飛び込み、その後ドン、ドン、と爆発音を響かせた。
「……?」
私が体を起こし、彼が消えた先を見ると、彼はモロコシを片手でぶら下げ、戻ってきた。
「ああ、もう大丈夫だ。あいつはもう倒した」
「……倒した?私は助かったの?」
「ああ」
彼は小さく頷き私の元に屈んだ。
「ふむ……足を痛めているが……まあそのほかは問題なさそうだな」
「ねえ……もう平気なの……?」
「……ああ。もう心配ないよ。頑張ったね」
そう言って彼は私の頭を撫でた。その瞬間張りつめていた物が一気に解けてしまった。意識が遠ざかっていく。
「お、おい大丈夫か!?」
彼の心配する声がだんだんと聞こえなくなり、視界が黒に閉ざされていった。
あとに残ったのは、なんだか落ち着く、優しげな暖かさだけだった。
「ん……」
次に目を開けた時、見えたのは妖怪でも、彼の姿でもなく、見慣れない天井だった。
「!?……痛ッ」
跳ね起き、そして体の痛みに悶える。
「おや、お早いお目覚めだね」
私の声に反応したのか、廊下から店主さんが顔を覗かせた。
「あっ……あの、これは?」
「おや、そっちに戻っちゃうのかい」
彼はなぜか首を横に振りつつ苦笑いした。
「え?」
「口調」
「……ああ」
そういうことか。
「で……これは全部店主さんが?」
「ん……そうだね。一応手当とか運んだりとかはさせてもらったよ」
「そうだったのね……ありがとう。助かったわ」
どうやら私は助かったらしい。
「ねえ……あれはなんだったの?」
「あれかい?あれは妖獣だね。しかもかなり知能が低い奴だ。ついてなかったね」
あれは本当に妖怪だったらしい。彼曰くここらの妖怪は比較的落ち着いていて話し合ったり、何か渡すと見逃してくれるのもいるのだが、今回のはいわゆる「ハズレ」だったらしい。
「しかし……」
「なあに?」
「君が妖怪に襲われてしまったのは僕の不注意だ。すまない」
「え?な、何言ってるの。私がすぐ外に行ったからいけないんじゃない」
「それはそうだが……夜は危ない。そんな基本的な事にすぐ気づかずに助けに行くのが遅れてしまったし、もし先に気づいていれば朝がくるまでここで休んでもらう事もできたな、とね。それを思うと、ちょっと……」
そう言って彼は頭を下げた。この人……見ため怠惰なんだけど実は責任感が強いのかもしれない。
「それを言ったら私は店主さんに命を助けられたし、手当までしてもらったわ。それに話では聞いていたじゃない。だから頭を上げて、ね?」
「……ああ」
ゆっくりと頭を上げてくれた。良かった。恩人に頭を下げさせるなんていけないしね。
「さ、まだ夜は長いから、またひと眠りしていてくれ。けがを治すためにもね」
「あ、そっか、そうだね、うん」
カクカクと頷き、頭から布団をかぶる。
「おやすみなさい」
「うん……おやすみ」
目を閉じるとあっという間に黒が広がり、私の意識は黒の中に溶けて行った。
――チュンチュン。
雀が鳴いて、私に朝を告げている。
目を開け、体を起こして辺りを見渡す。
「んー……ああ」
そういえば昨日あのまま寝ちゃったんだっけ。
思い切り伸びをして、体をひねるとボキボキと骨が鳴った。うん、これでスッキリと起きられるね。
ぐい、と立ち上がるといい匂いが私の鼻をくすぐった。
「なんの匂いかな……ッ!?」
一歩踏み出したとき、足に激痛が走った。見ると右足首が包帯の上からわかるほどに腫れ上がっている。気を付けて歩かないと……
廊下を歩いて匂いの方へ行くと、店主さんが朝ごはんを作っていた。
店主さんは足音に気づいて振り向き、こっちを見て笑った。
「おはよう。もうすぐ出来るから顔を洗ってくるといい」
「あ、そ、そうでした。……あとおはようございます」
慌てて顔を引っ込めて水瓶から水を汲み、顔を洗う。
「うん……もう大丈夫よね?」
水面に映る自分の顔を見て、涎とかついてないか確認……うん。大丈夫。
さあ、いざ朝ごはん。ということで戻るとちゃぶ台には既に白米、味噌汁、目玉焼きが置かれていた。
「お、来たか。早く座って食べようじゃないか」
「ええ、じゃあ頂きます」
「頂きます、と」
味噌汁を口に含む……うん、美味しい。
「どうかな?口にあったかな?」
彼がこっちをじいっと見ながら言ってきた。
「美味しいわ。凄いね店主さん。男の人なのに」
「そうか、良かった……と別に普通だろう、一人暮らしなら」
「ぐ……そうね、普通よね」
「?」
……一人暮らしして長いのに未だに私は料理できないけど……なんでだろう?他のは出来るのに……
その後は食べ終わるまで特に会話も無く朝食を食べて行った。美味しかった。
「ごちそう様でした」
「お粗末さまでした」
食べ終わり、食器を片そうとすると、私の分まで店主さんがやってくれた。優しいなぁ。
「と……じゃあ今後のことだが……どうする?」
「え?……うーん、そうね。もうしばらく休んだら出ていくね」
「……本当かい?けがも治ってないのに?」
彼は目を細めて私の目を覗き込んだ。
「大丈夫よ。朝のうちから行ったらきっと平気だって!」
「その足じゃあ絶対に日暮れになって昨日の二の舞だよ」
「う……」
思わず足を抱える。すると右足は鈍い痛みを返してきた。確かにこの足じゃあ杖があっても厳しいかもしれないけど……
「でも店主さん、これだけしてもらったのに迷惑かけられないよ、それにメリーも探さなくちゃ……」
「……わかった。じゃあこれらを持って行ってくれ」
そう言って彼は幾つかの道具を持ってきた。
アヴェリン、方位磁針、杖、水、食料。
「あ、ありがとう……ごめんなさい、ここまでしてもらっちゃって」
頭を下げて礼を言う。すると彼は表情を一ミリも変えずに言い放った。
「三十万」
「ゑ?」
驚き、顔を上げると彼はやれやれといわんばかりだった。
「治療代、食事代、道具代、その使い方の説明……こっちだって只でやっているわけじゃないからな」
「ま、待って、そんなお金持ってないよ!?」
「だからその分働いてもらおう。泊まり込みで」
「え?」
もう一度彼を見ると、彼はぷい、とそっぽを向いた。
「出ていくのは構わないが……支払が終わってからにしてくれ、ああ、その人の捜索もこっちの方で頼んでおくからその分も上乗せだな」
どうやら……彼は責任感も強くて、その上優しいらしい。あと、まあ……助けてくれた時とか、ちょっと……かっこよかったし。
「……じゃあ……よろしく、お願いしますね!店主さん!」
「……ああ、じゃあ客が来るまで外の世界の話でも聞かせてくれ」
ふっと笑って彼が言った。そして私は彼の隣で話を始めた。
そんな感じで始まった私達の共同生活、きっと楽しい事ばかりなんだろうな……ああ、楽しみだよ、ちょっと恥ずかしいけどね。メリーも早くこっちと合流できたらなぁ。
ここ、多分、誤字ですよね。
蓮メリちゅっちゅ派としては、このカップリングは阻止したいw
さすがに安直すぎると思います
それともただ原作に出てくる男キャラクターという記号が好きなだけなのかしらん?
俺は後者のように思えて仕方ないよ。
くっつけたいだけとか記号的なキャラ付けとか、百合レズの方こそ
そういった話は沢山あるのに文句を言われない不思議!
大体自己投影させてるのはお前等の方だろう?
必死にマンセーしてな
むしろ蓮子は霖カプの中でも好きなほうだけど
展開が霖カプとしては有りがちすぎて面白みがないのとか
終わり方が打ち切りみたいで中途半端じゃないかなぁとか
作品に不満点はあるにはある
けど霖カプだからというだけで勝手に作者の自己投影だのと邪推して叩くのは筋違いだよね
特に作者の好き嫌いを勝手に検証するやつはまったくちゃんちゃらおかしいな。
展開がありきたりというか、王道というか、鉄板すぎるとか
色々皆の言いたいことはわかるが、なぜそこまで批判するかわからないな
そして互いにつぶし合うのも
カップリングやら自己投影で争うのはいいが、作品には関与しないで欲しいな
決して悪くないと思うんだよね、うん
いいじゃないか何を書いたって。
てかここで喧嘩すんなよ
いやぁ……思いつきで書くのは良くないですね、うん。
ちょっと修行してきます。
返信でも書きますが自己投影等の意図は全くありませんので……
では返信で。
6番コメ様
アレですか。
7番コメ様
ミスってましたw
8番コメ様
いまいちでしたか……
10番コメ様
誤字ってました。ありがとうございます。
蓮メリもいいですよね!どちらも素晴らしいという事でここはひとつ。
11番コメ様
王道っぽいの書いてみたかったんで……すみません。
12番コメ様
モンハンやってたなら……
13番コメ様
なるほど、そういう風になっている様に見えましたか。すみません。出直してきます。
16番コメ様
うーん……いい感じで浮かんだらいつか……
20番コメ様
はは……すみません、しかしまあそういうのも一つの話ですし、そう言わないで下さい。
23番コメ様
まあまあ……
過剰様
なるほど……参考になります。
自己投影云々はそういう意図はありませんでしたのでちょっと驚きましたw
30番コメ様
内容に関してはすみませんとしか……
議論とか検証はここではちょっと……
31番コメ様
もっとレベルアップが必要ですね……
34番コメ様
ですかねぇ
39番コメ様
あはは……まあまあ
40番コメ様
そうですか?
ここでの喧嘩はちょっと……ですね