「メルラン姉さ~ん、いる~?」
自分の部屋で愛用のトランペットを手入れしていると妹のリリカがの声が聞こえてきた
トランペットを一旦机の上に置いて振り向くと・・・
「あ、居た」
既にリリカが部屋に入ってきていた。まぁ別段変な事をやっていた訳じゃあないから別に
いいんだけど・・・
「ルナサ姉さん知らない?」
「姉さんなら出かけたわよ、ついさっき。何か用でもあったの?」
「うん、ちょっとね。仕方ないなあ、私もちょっと出かけるよ。多分帰るのは遅くなると思う。」
「そう、なんだか良く解らないけど取り敢えず行ってらっしゃい。」
そんな訳で今日丸一日は一人で過ごす事になった。前に白黒魔女に話したときは
なんか凄い意外そうな顔をしていたけど私たちが一人で行動する事は
あまり珍しくない。私を含めて三人とも割と自由にそれぞれやっている。
仕事の時は必ず三人一緒になるけどね。今日は丁度仕事も入っていないし。
そんなわけで今日一日は一人で過ごす事になった。まずはリリカの訪問で中断していた
トランペットの手入れを再開する。
既に取り外してある抜差管の内外の汚れを取る。そして抜差管の種類に
応じてオイルやグリスを使い分け塗っていく。
次にマウスピースを私特製の洗浄液を使って洗う。楽器はどの部分も
大切だがマウスピースは直接唇をつけるところだからついつい念入りに
掃除してしまう。
・・・普段ならこれで終わりなのだが今日はちょっと気分が乗ってきたのか
楽器掃除用の布を使いトランペットを丁寧に磨く。
気付いたらもうお昼を過ぎていた。私みたいな騒霊には食事は必要じゃあ無いから
お昼とかはあまり関係ないけど。
「トランペットの手入れも終わった事だし図書室で新しい楽譜を探そうかな」
誰に言う出もなくそう言うと屋敷の中にある図書室へと向かう。
プリズムリバー邸の図書室はどこぞの吸血鬼の館の図書館ほど大きくはないけど
私たちのオリジナルの父親、プリズムリバー伯爵の趣味からか、楽譜を初めとする
音楽関連の書籍が異常に多い。私たちがこの図書館から譜面を楽譜を
発掘しだしてから結構時間も経つのにまだ見知らぬ楽譜が図書館には存在する。
だけどルナサ姉さんはお気に入りの曲を演奏する方が好きみたいだし、リリカは
意外と自分で曲を作る方がいいみたい。そんな訳で最近の私の趣味はすっかり
図書室で新しい楽譜をあさる事になってしまった。
図書室にはいるとヒンヤリとした風が私を出迎えた。図書室の中は本の長期保存の為に
私の魔法で温度や湿度が完璧に管理されている。だから春を終え、段々と
暑くなってきた幻想郷の中では数少ない快適な温度の世界だ。
歩き慣れた本棚の林を進んでいると一冊の本が私の目を引いた。
”世界の妖怪と怪奇現象”
私たち姉妹の末の妹レイラが好きだった本だ・・・そう言えばレイラは
こういう話が好きな変わった子だったっけ・・・
レイラの事を思い出しながらページをめくっていく。
東洋の妖怪、西洋の妖怪、果ては新大陸の妖怪まで様々な妖怪や世界各地で
観察された怪奇現象が図入りで解説されている。
更にページをめくっていく。よく見てみればページの端々に
折り目の跡や手垢による物か一部が汚れていたり・・・
そこにはレイラが確かにこの世界で生きていたという証が残っていた。
レイラが死んでからもう相当長い月日が経っているというのに。
気がつけば私は泣いていた・・・私らしくもない。でも・・・
もうずっと昔のレイラと四人でこの屋敷に住んでいた頃の、私たちが生きた年月に比べれば
遥に短い時間。その頃の事を思い出して。
気がつけばもう夕方になっていた。一通り泣いて落ち着いた後もかつてレイラの
読んでいた本のことが気になり読みふけってしまった。
まぁ何だか新しい楽譜を探す気にもなれなかったと言うのも有ったけどね。
リリカもルナサ姉さんもまだ帰ってきていない。
お陰で今は随分としんみりとなったのに調子を戻す事も出来ない。
何とか調子を戻さないとな。
ふと図書室の窓から外を見ると夕日が当たっているお陰かいつもよりも
紅っぽい紅白巫女が空を飛んでいた。
「よし、あの紅白巫女で調子戻そうかな。」
と一言つぶやき窓から空へ出る。気配を殺し気付かれないように
慎重に背後へと迫る。
そして十分に接近したところで紅白巫女に一言放つ。
これでなし崩し的にいつもの調子に戻るはず。
「ξ・∀・)メルポ」
Fine
自分の部屋で愛用のトランペットを手入れしていると妹のリリカがの声が聞こえてきた
トランペットを一旦机の上に置いて振り向くと・・・
「あ、居た」
既にリリカが部屋に入ってきていた。まぁ別段変な事をやっていた訳じゃあないから別に
いいんだけど・・・
「ルナサ姉さん知らない?」
「姉さんなら出かけたわよ、ついさっき。何か用でもあったの?」
「うん、ちょっとね。仕方ないなあ、私もちょっと出かけるよ。多分帰るのは遅くなると思う。」
「そう、なんだか良く解らないけど取り敢えず行ってらっしゃい。」
そんな訳で今日丸一日は一人で過ごす事になった。前に白黒魔女に話したときは
なんか凄い意外そうな顔をしていたけど私たちが一人で行動する事は
あまり珍しくない。私を含めて三人とも割と自由にそれぞれやっている。
仕事の時は必ず三人一緒になるけどね。今日は丁度仕事も入っていないし。
そんなわけで今日一日は一人で過ごす事になった。まずはリリカの訪問で中断していた
トランペットの手入れを再開する。
既に取り外してある抜差管の内外の汚れを取る。そして抜差管の種類に
応じてオイルやグリスを使い分け塗っていく。
次にマウスピースを私特製の洗浄液を使って洗う。楽器はどの部分も
大切だがマウスピースは直接唇をつけるところだからついつい念入りに
掃除してしまう。
・・・普段ならこれで終わりなのだが今日はちょっと気分が乗ってきたのか
楽器掃除用の布を使いトランペットを丁寧に磨く。
気付いたらもうお昼を過ぎていた。私みたいな騒霊には食事は必要じゃあ無いから
お昼とかはあまり関係ないけど。
「トランペットの手入れも終わった事だし図書室で新しい楽譜を探そうかな」
誰に言う出もなくそう言うと屋敷の中にある図書室へと向かう。
プリズムリバー邸の図書室はどこぞの吸血鬼の館の図書館ほど大きくはないけど
私たちのオリジナルの父親、プリズムリバー伯爵の趣味からか、楽譜を初めとする
音楽関連の書籍が異常に多い。私たちがこの図書館から譜面を楽譜を
発掘しだしてから結構時間も経つのにまだ見知らぬ楽譜が図書館には存在する。
だけどルナサ姉さんはお気に入りの曲を演奏する方が好きみたいだし、リリカは
意外と自分で曲を作る方がいいみたい。そんな訳で最近の私の趣味はすっかり
図書室で新しい楽譜をあさる事になってしまった。
図書室にはいるとヒンヤリとした風が私を出迎えた。図書室の中は本の長期保存の為に
私の魔法で温度や湿度が完璧に管理されている。だから春を終え、段々と
暑くなってきた幻想郷の中では数少ない快適な温度の世界だ。
歩き慣れた本棚の林を進んでいると一冊の本が私の目を引いた。
”世界の妖怪と怪奇現象”
私たち姉妹の末の妹レイラが好きだった本だ・・・そう言えばレイラは
こういう話が好きな変わった子だったっけ・・・
レイラの事を思い出しながらページをめくっていく。
東洋の妖怪、西洋の妖怪、果ては新大陸の妖怪まで様々な妖怪や世界各地で
観察された怪奇現象が図入りで解説されている。
更にページをめくっていく。よく見てみればページの端々に
折り目の跡や手垢による物か一部が汚れていたり・・・
そこにはレイラが確かにこの世界で生きていたという証が残っていた。
レイラが死んでからもう相当長い月日が経っているというのに。
気がつけば私は泣いていた・・・私らしくもない。でも・・・
もうずっと昔のレイラと四人でこの屋敷に住んでいた頃の、私たちが生きた年月に比べれば
遥に短い時間。その頃の事を思い出して。
気がつけばもう夕方になっていた。一通り泣いて落ち着いた後もかつてレイラの
読んでいた本のことが気になり読みふけってしまった。
まぁ何だか新しい楽譜を探す気にもなれなかったと言うのも有ったけどね。
リリカもルナサ姉さんもまだ帰ってきていない。
お陰で今は随分としんみりとなったのに調子を戻す事も出来ない。
何とか調子を戻さないとな。
ふと図書室の窓から外を見ると夕日が当たっているお陰かいつもよりも
紅っぽい紅白巫女が空を飛んでいた。
「よし、あの紅白巫女で調子戻そうかな。」
と一言つぶやき窓から空へ出る。気配を殺し気付かれないように
慎重に背後へと迫る。
そして十分に接近したところで紅白巫女に一言放つ。
これでなし崩し的にいつもの調子に戻るはず。
「ξ・∀・)メルポ」
Fine
とりあえずガッ(ry
ガッ
とりあえずガッ(ry