~8月15日~
ベッドに横になると、すぐ眠ることが出来た。
これが夢であれば、起きれば現実が待ってるんだろう。
…これが現実だから、朝起きても寝ている場所は変わらなかった。
身支度を済ませてから館の厨房へ向かい、早速朝食の下ごしらえにはいった。
誰の朝食なのだろうか?
基本的には自分のことは自分で済ませろ、とメイド長に言われているので
ほかの働き手の分では無いことは確かだけど。
…館の首領(ドン)みたいな?
どっかにいるんだろうなぁ…、そういう人が。
咲夜「へたくそ」
余計なことばかり考えていたせいか、あまり仕事に身が入らなかったようだ。
メイド長がビー玉のようにちっこくなったジャガイモをゴミ箱に捨てる。
「どうせぼかぁ料理は下手ですよ」
心の中で愚痴る。
咲夜「他にもやることは沢山あるから、ここらでぼけっとされちゃ困るのよ」
「…申し訳ないです」
咲夜「そう思ってんならキビキビ動く!」
「…はい」
朝は始まったばかりだ。
~8月16日~
一通りのタスクをこなし、自室に戻ってきた。
何だか、家事手伝いみたいな仕事が多かったような気がする。
雑用なら慣れているから。
何かしら、他のメイドにジロジロ見られていたような気がする。
男だから?
…他に男の人はいないのだろうか?
この館に来てから女しか見ていないような気がする。
明日にでもメイド長に聞いてみようかな。
おなかが空いた。もちろん食べたければ自分で用意しなくてはならない。
共用の厨房へと足を運ぶ。
食材はあるが料理が作れない。
迂闊だった。
誰か助けて。
仕方が無いので生野菜をバリボリ食べる。腹が満たされればそれでいい。
一人むなしく野菜をかじる。多少味付けをすればマトモになるだろうが面倒だった。
しばらくしてると、誰か入ってきた。髪が紫色で……、それに羽も生えていた。
でも、驚くことは無かった。こんなのゲームでよく見かけるから。
それに人をジロジロ見るのは良くない。目を逸らしてまた野菜をかじる。
?「あの…、よろしかったら何か作りましょうか?」
話しかけられた。
だけど、あまり人に世話をかけられるのは好きじゃない。
「いや…、大丈夫です…」
?「はぁ…」
「…………」
その女性は何かを作り始めたが、気にせずまた野菜をかじる。
?「あの……、どうぞ」
しばらくしてから、その女性が僕にスープを作ってくれた。
熱いスープをすする。コンソメの味が効いてとても美味しかった。
何故僕なんかに?
わからない。片隅で生の野菜を食べる自分が貧相に見えたからかもしれない。
「……ありがとうございます」
女性はにっこり微笑むと、ゆっくりとその場から立ち退いていった。
嬉しくて、暖かかった。
ベッドに横になると、すぐ眠ることが出来た。
これが夢であれば、起きれば現実が待ってるんだろう。
…これが現実だから、朝起きても寝ている場所は変わらなかった。
身支度を済ませてから館の厨房へ向かい、早速朝食の下ごしらえにはいった。
誰の朝食なのだろうか?
基本的には自分のことは自分で済ませろ、とメイド長に言われているので
ほかの働き手の分では無いことは確かだけど。
…館の首領(ドン)みたいな?
どっかにいるんだろうなぁ…、そういう人が。
咲夜「へたくそ」
余計なことばかり考えていたせいか、あまり仕事に身が入らなかったようだ。
メイド長がビー玉のようにちっこくなったジャガイモをゴミ箱に捨てる。
「どうせぼかぁ料理は下手ですよ」
心の中で愚痴る。
咲夜「他にもやることは沢山あるから、ここらでぼけっとされちゃ困るのよ」
「…申し訳ないです」
咲夜「そう思ってんならキビキビ動く!」
「…はい」
朝は始まったばかりだ。
~8月16日~
一通りのタスクをこなし、自室に戻ってきた。
何だか、家事手伝いみたいな仕事が多かったような気がする。
雑用なら慣れているから。
何かしら、他のメイドにジロジロ見られていたような気がする。
男だから?
…他に男の人はいないのだろうか?
この館に来てから女しか見ていないような気がする。
明日にでもメイド長に聞いてみようかな。
おなかが空いた。もちろん食べたければ自分で用意しなくてはならない。
共用の厨房へと足を運ぶ。
食材はあるが料理が作れない。
迂闊だった。
誰か助けて。
仕方が無いので生野菜をバリボリ食べる。腹が満たされればそれでいい。
一人むなしく野菜をかじる。多少味付けをすればマトモになるだろうが面倒だった。
しばらくしてると、誰か入ってきた。髪が紫色で……、それに羽も生えていた。
でも、驚くことは無かった。こんなのゲームでよく見かけるから。
それに人をジロジロ見るのは良くない。目を逸らしてまた野菜をかじる。
?「あの…、よろしかったら何か作りましょうか?」
話しかけられた。
だけど、あまり人に世話をかけられるのは好きじゃない。
「いや…、大丈夫です…」
?「はぁ…」
「…………」
その女性は何かを作り始めたが、気にせずまた野菜をかじる。
?「あの……、どうぞ」
しばらくしてから、その女性が僕にスープを作ってくれた。
熱いスープをすする。コンソメの味が効いてとても美味しかった。
何故僕なんかに?
わからない。片隅で生の野菜を食べる自分が貧相に見えたからかもしれない。
「……ありがとうございます」
女性はにっこり微笑むと、ゆっくりとその場から立ち退いていった。
嬉しくて、暖かかった。