そして彼女は「死ね」と言った。
「死ねばいいのに。みんな死ねばいいのに」
私が待ち合わせに指定された、喫茶店に行くと、彼女は物騒な言葉を吐いて、テーブルに突っ伏していた。
取り合えず彼女が死ねば、世界は安泰だ。彼女の死で世界が救われるなら、それもいい。
「ねぇ、メリー?」
彼女は突然顔を上げ。私に同意を求める。
「そうね、私はアールグレイにショートケーキがいいかしら」
彼女は世界を憎み。私は「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」と、過去形で聞き返すウェイトレスを憎んだ。ただそれだけの違いだ。
「そもそも、何故人は生きるのかしら?命、夢、希望。どこから来てどこへ行く?」
今日の蓮子の発想はフリーダムだ。しかし決してジャスティスではない。
そして私は、ショートケーキの上に乗せられているのが苺ではなく、季節の果物。メロンであったことに憤慨した。
「あぁ、人類なんて滅べばいいのに」
滅ぶべきはお前の頭だ。
私の席は窓際で、その位置からは国道が見えた。大型トラックが白黒の国家の犬とカーチェイスを繰り広げ、向かいの百貨店に衝突、爆発、炎上するのが見えた。
今日も平和の一言に尽きる。蓮子の頭以外は。
「メリー」
彼女は私の耳元に顔を寄せ囁く。魅力的で蠱惑的な声。
「愛してる」
私もよ、蓮子。だから胸から手を離してくれ。
「だけど、この乳が憎い」
憎み、憎まれ。そして人は死ぬ。人は業を背負って死ぬ。
しかし、彼女の手に揉みしだかれる私の乳に罪はあるのだろうか?
存在していること自体が罪という事は有り得るのだろうか?
彼女の指は花山 薫の様にギリギリと、私の胸を締め付ける。
これが―― 恋。
「あぁ、乳が憎い」
蓮子は呪詛を吐きながら、アグレッシブに私の服のボタンを一つ一つ外していく。
私はプリンシパルな感じに抵抗するが、彼女は止まらない。
「駄目よ、蓮子」
「大丈夫、みんな見てないわ」
私の拒絶の言葉は届かない。元より彼女を止めることなど、ミッション・イン・ポッシブルだったのだ。
そして窓からは、炎に包まれ、のた打ち回るトラックの運転手が見えた。
なんて―― 平和(ピンフ)。
「凄いわメリー……まるでメロンね」
ショートケーキに乗っていたメロンを食べながら彼女は言った。別に私の胸がショートケーキに乗っている訳ではない。
そしてお前の頭は腐ったトマトだ。
「蓮子ばかりずるいわ、貴女のも見せてくれなきゃ」
「そんな、恥ずかしいもの」
「恥ずかしがることは無いわ、乳に貴賎は無いのだもの」
私の言葉に納得したのか、蓮子はアグレッシブにネクタイを解き、その柔肌を顕にする。
しかし、そんな瑣末な事はどうでも良く。私は窓から炎の吹き出る百貨店を見ていた。
なんて―― ラヴ・アンド・ピース
「メリー」
向き直ると、そこには一人の天使がいた。
白い決め細やかな肌。細く長い指。女性らしい艶かしさを持ちながら、同時に少女の様な儚さを持つ四肢。
決して大きいとは言えない、むしろ小さい部類に入るだろう、ぶっちゃけ無乳としか言いようが無い胸の先端の二つのアメリカンチェリーは、ショートケーキに乗っていても許せるような気がした。
そして、恥ずかしげに頬を赤らめる蓮子。
それはまさに天使としか形容できないものであった。まぁ、嘘だが。
「抱いて」
究極の口説き文句をアグレッシブに言い放つ彼女。その言葉で私の頭はグラビティビートブードしてしまった。
たっぷり五分の間を置いて、私の意識がブーメルクワンガーしてくると、炎に追われた一般市民が、助けを求めて百貨店の窓から飛び降り、腐ったトマトの様に潰れる所だった。
なんて―― グリーン・ピース
ショートケーキを口に頬張り、アールグレイで流し込むと、蓮子を見据え言い放つ。
「やっぱり、チーズケーキにすればよかったわ」
「みんな死ねばいいのに」
コメントまでネタにするとは、恐ろしい子…
気付けば笑っていた。
本人がキレ杉
実に不思議空間を楽しませていただきました。
正直なめきってました超ごめんなさい。
とりあえずカブトとクワガタの兄弟は自重しろw
ここが喫茶店であったという事を途中から忘れ、最後にふと思い出してまた吹いた
別に東方でやる必要なくね?
東方でやる意味や必要が一切なくね?
な~るほど
というか花山 薫で吹いた俺はもうダメなのかも知れないwww
間違いなくこれは名言だ。
マジ見習いたいっす!
もうね、混沌と清純は表裏一体なんですね!!どぶのヘドロ共と、美しい少女たち。
これが上と下に描かれている、一枚の絵画を想像しました。マジ鳥肌。
有無を言わさずというのはこういうことなのでしょうか。
一生の不覚っ!