トラックが私たちの真っ正面に近づいてきた。
私たちは何とかすれすれのところでかわした。
魔「うわあ!!」
咲「きゃあ!!」
そして、トラックはハンドルを切って体制を整えようとするが、
その振動でトラックの積み荷である袋が落ちた。
男「あ、俺たちの収穫が!!」
トラックに乗っていた人たちは帰り際に私たちに、
男「バカヤロー!! お前たち覚えてろよーー!!」
男「俺たちの商売を邪魔しやがって!!」
そう言って、トラックは立ち去った。
魔「何だよ、いきなり・・・。 咲夜、平気か?」
咲「うん、何とか・・・。」
魔「それにしても、さっきのは何だったんだ?」
咲「わからないわ・・・。」
私たちはさっきのトラックに積んであった積み荷の袋を見た。
魔「そういえば彼ら、なんか落としていったな・・・。」
咲「何かしら? 食料かな?」
魔「な、何言ってんだよ!? そんな訳無いだろ!?」
咲「でも、本当だったりして。」
魔「・・・とにかく中身を確認しようぜ。」
咲「いいの?」
私は袋を縛っているロープをほどいた。
すると中身は人が入っていた。
魔「わあ!! こ、子供!!?」
咲「本当だ!! ねえ、君! どうしてこの中に入ってるの!?」
まだ5歳にも満たない子供が袋に入っていたのだ。
ということは、さっきのトラックは人身売買をするためだったのか?
まあ、そんなことはどうでもいい。
この子は一体誰なのだろうか?
咲「君、どこから来たの?」
子「・・・・・・」
魔「な、名前や年は分かるか?」
子「・・・・・・」
この子は私たちの質問に答えてはくれなかった。
耳が聞こえないのか、それともしゃべることができないのか。
子供が左手を隠して何か握っている。
何なのか確かめた。
魔「おい、左手に何を握ってるんだい?」
その子は質問に答えるかのように私たちに見せてくれた。
それは白いユリの花を一本握っていた。
魔「白いユリの花・・・。」
思い出した。
その花は5年前、霊夢が死んだときに握らせてあげた花と同じものだったことだ。
それを、この子が握っているなんて。
この子は私たちが求めていた、霊夢の生まれ変わりなのか?
それとも、単にユリの花が好きなただの子供なのか?
魔「咲夜、この子白いユリの花握ってるんだが気づいたか?」
咲「何が?」
魔「ほら、5年前に霊夢が亡くなっただろ?」
咲「うん・・・。」
魔「その時握らせてあげた花だって事、まだ分からないか?」
咲「・・・あー! そうか!! 霊夢さんが亡くなった時に握らせてあげた花はこれと同じ花だったのね!!」
魔「そうだよ。」
私たちはそのことにしか頭になくて話に夢中になっていた。
子供の事なんてそっちのけだった。
だが、話に気を取られているときに、子供が私の背負っているバッグの中にある何かを探っていた事に気づかなかった。
そして、その子はそれを持ってどこかへ立ち去ろうとした。
咲「魔理沙! あの子が!!」
魔「な、何だ?」
私が気づいて振り返ったとき、その子は私たちの食料のチョコレートを持って立ち去ろうとしていたのだ。
私はその子を追いかけ、服をつかんだ。
魔「ちょっと待ちなさい! それは私たちの食料だぜ!!」
そうすると、子供がべそべそと泣き出してしまった。
だが私は、
魔「全く!! 泥棒はいけないぜ!」
咲「ま、魔理沙・・・。」
子供が泣いているにもかかわらず、ひどく叱ってしまった。
そして、チョコレートを取り返した。
今度は盗まれないようにバッグを下ろした。
咲「どうする? 保護者がいないんじゃ・・・。」
魔「ほおっておく訳にもいかないしな・・・。」
?「レイ様ー! レイ様ーーー!!」
すると、どこからか声がした。
つづく
私たちは何とかすれすれのところでかわした。
魔「うわあ!!」
咲「きゃあ!!」
そして、トラックはハンドルを切って体制を整えようとするが、
その振動でトラックの積み荷である袋が落ちた。
男「あ、俺たちの収穫が!!」
トラックに乗っていた人たちは帰り際に私たちに、
男「バカヤロー!! お前たち覚えてろよーー!!」
男「俺たちの商売を邪魔しやがって!!」
そう言って、トラックは立ち去った。
魔「何だよ、いきなり・・・。 咲夜、平気か?」
咲「うん、何とか・・・。」
魔「それにしても、さっきのは何だったんだ?」
咲「わからないわ・・・。」
私たちはさっきのトラックに積んであった積み荷の袋を見た。
魔「そういえば彼ら、なんか落としていったな・・・。」
咲「何かしら? 食料かな?」
魔「な、何言ってんだよ!? そんな訳無いだろ!?」
咲「でも、本当だったりして。」
魔「・・・とにかく中身を確認しようぜ。」
咲「いいの?」
私は袋を縛っているロープをほどいた。
すると中身は人が入っていた。
魔「わあ!! こ、子供!!?」
咲「本当だ!! ねえ、君! どうしてこの中に入ってるの!?」
まだ5歳にも満たない子供が袋に入っていたのだ。
ということは、さっきのトラックは人身売買をするためだったのか?
まあ、そんなことはどうでもいい。
この子は一体誰なのだろうか?
咲「君、どこから来たの?」
子「・・・・・・」
魔「な、名前や年は分かるか?」
子「・・・・・・」
この子は私たちの質問に答えてはくれなかった。
耳が聞こえないのか、それともしゃべることができないのか。
子供が左手を隠して何か握っている。
何なのか確かめた。
魔「おい、左手に何を握ってるんだい?」
その子は質問に答えるかのように私たちに見せてくれた。
それは白いユリの花を一本握っていた。
魔「白いユリの花・・・。」
思い出した。
その花は5年前、霊夢が死んだときに握らせてあげた花と同じものだったことだ。
それを、この子が握っているなんて。
この子は私たちが求めていた、霊夢の生まれ変わりなのか?
それとも、単にユリの花が好きなただの子供なのか?
魔「咲夜、この子白いユリの花握ってるんだが気づいたか?」
咲「何が?」
魔「ほら、5年前に霊夢が亡くなっただろ?」
咲「うん・・・。」
魔「その時握らせてあげた花だって事、まだ分からないか?」
咲「・・・あー! そうか!! 霊夢さんが亡くなった時に握らせてあげた花はこれと同じ花だったのね!!」
魔「そうだよ。」
私たちはそのことにしか頭になくて話に夢中になっていた。
子供の事なんてそっちのけだった。
だが、話に気を取られているときに、子供が私の背負っているバッグの中にある何かを探っていた事に気づかなかった。
そして、その子はそれを持ってどこかへ立ち去ろうとした。
咲「魔理沙! あの子が!!」
魔「な、何だ?」
私が気づいて振り返ったとき、その子は私たちの食料のチョコレートを持って立ち去ろうとしていたのだ。
私はその子を追いかけ、服をつかんだ。
魔「ちょっと待ちなさい! それは私たちの食料だぜ!!」
そうすると、子供がべそべそと泣き出してしまった。
だが私は、
魔「全く!! 泥棒はいけないぜ!」
咲「ま、魔理沙・・・。」
子供が泣いているにもかかわらず、ひどく叱ってしまった。
そして、チョコレートを取り返した。
今度は盗まれないようにバッグを下ろした。
咲「どうする? 保護者がいないんじゃ・・・。」
魔「ほおっておく訳にもいかないしな・・・。」
?「レイ様ー! レイ様ーーー!!」
すると、どこからか声がした。
つづく