動かない大図書館ことパチュリー・ノーレッジは読書に勤しんでいた。小悪魔の、咲夜には劣るがそれでも満足するに足る紅茶を飲みながら。ページをめくっては内容を咀嚼し嚥下してまたページをめくる。そしてごくたまに紅茶のカップを持ち上げて口につける。この動きを何百回も繰り返していた。横から見ている限り、その動きは単調でリズミカルに感じられた。
そうこうする内に4、5時間が経って彼女は本を読み終えた。知識の拡大に満足感を覚えながら、小悪魔に次の本を持ってきてもらおうと顔をあげた。最初に目に飛び込んできたのは机の上においてある黒い美しく装飾された本だった。
「あら、こんな本おいていたかしら」
不思議そうに手にとって眺めてみると、表紙にはラテン語で「愛」とだけ記してあった。著者の名や、他に特になにも文章は記されておらず装飾のみが本の表裏の表紙を彩っていた。魔力や妖気は感じられずただの本であるようであったが、その漆黒の色とそれに対比して美しく金色に輝く装飾は不思議と安らぎを七曜の魔女にもたらした。
そっと本をパラパラとめくってみるとどうやら修道院などで写本された手書きの本のように見えた。内容は祭礼の形式や神への賛美の詩が書かれてあった。キリスト教の本であるらしい。そのままめくっていくと、ある一行が目についた。そこにはこう記してあった。
「悪魔を信じてはいけません、かれらはあなたを偽の笑顔と言葉でまどわすでしょう」
「小悪魔は私に忠実な使い魔だもの、馬鹿馬鹿しいわね。こんな本捨ててしまおうかしら」
パチュリーは否定の言葉をつぶやくも、読書家の性か、さらに下の行を読み進めてしまうのだった。
「悪魔を信じてはなりません、かれらはあなたの魂を狙っているのです」
パチュリーはさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、悪魔があなたに与えるのは絶望です」
パチュリーはさらにさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、悪魔は滅ぼさなければなりません」
パチュリーは本をさらにさらにさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはいけません、しんじてはいけません」
「なんで!なんで本が離せないの!!」
パチュリーは本を投げようと本をさらにさらにさらにさらに読み進めてしまう。
「信じてはいけません、信じてはいけません、信じてはいけません。だって悪魔はあなたに何の愛情も友愛も忠誠も感じておらず危険でおぞましい存在なのですから。」
「燃えなさい!メガフレア!!」
パチュリーは本を燃やそうと魔法を詠唱し、ませんでしたね。だって彼女は悪魔の危険性に気付いたのですから。
「パチュリーは悪魔が危険なことに気づき、さっそく使い魔の小悪魔も滅ぼさないといけないと考えました」
「燃えろ!燃えてしまえ!」
「おや、むこうから小悪魔が歩いてきます。殺しましょう」
「黙れ!私は小悪魔を大切に思っているのよ!」
「殺しましょう」
「黙れ!」
「殺しましょう」
「黙れ」
「殺せ」
「黙っ」
「殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺しなさい!!!」
「パチュリー様?どうされたのですか」
パチュリーは小悪魔にむけてメガフレアを放った。
ひゃはははははははははははくふふふふふふふふふふふ
パチュリーが我に返ったとき、小悪魔が燃えていた。炎の中でもだえ苦しんでいた。
「助けて!パチュリー様!熱い、熱いよ!助け、だずげでばづりーざば、だずげで、じにたくない!」
パチュリーはただ、無表情で小悪魔が燃えていくのを見ていた。よく見るとその顔は安堵に満ち満ちていた。
次の日、紅魔館が炎上し消滅した。当主姉妹や従者やメイド妖精全員が行方不明となった。それと同時期に幻想郷である事件がおこるようになった。被害者の人間は皆一様に神の愛に気付いた、と繰り返すばかりで特に外傷はないものの人格といった内面が変貌するのだ。そして妖怪や神々へ憎悪をむけるようになるという。この異変は数年間続き、終わったときにはすでに大半の妖怪や神が消滅していた。そして博麗霊夢による八雲紫の殺害とともに博麗大結界は崩壊した。あとに残るのは十字架とそれを奉じる人間だけだった。
そうこうする内に4、5時間が経って彼女は本を読み終えた。知識の拡大に満足感を覚えながら、小悪魔に次の本を持ってきてもらおうと顔をあげた。最初に目に飛び込んできたのは机の上においてある黒い美しく装飾された本だった。
「あら、こんな本おいていたかしら」
不思議そうに手にとって眺めてみると、表紙にはラテン語で「愛」とだけ記してあった。著者の名や、他に特になにも文章は記されておらず装飾のみが本の表裏の表紙を彩っていた。魔力や妖気は感じられずただの本であるようであったが、その漆黒の色とそれに対比して美しく金色に輝く装飾は不思議と安らぎを七曜の魔女にもたらした。
そっと本をパラパラとめくってみるとどうやら修道院などで写本された手書きの本のように見えた。内容は祭礼の形式や神への賛美の詩が書かれてあった。キリスト教の本であるらしい。そのままめくっていくと、ある一行が目についた。そこにはこう記してあった。
「悪魔を信じてはいけません、かれらはあなたを偽の笑顔と言葉でまどわすでしょう」
「小悪魔は私に忠実な使い魔だもの、馬鹿馬鹿しいわね。こんな本捨ててしまおうかしら」
パチュリーは否定の言葉をつぶやくも、読書家の性か、さらに下の行を読み進めてしまうのだった。
「悪魔を信じてはなりません、かれらはあなたの魂を狙っているのです」
パチュリーはさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、悪魔があなたに与えるのは絶望です」
パチュリーはさらにさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、悪魔は滅ぼさなければなりません」
パチュリーは本をさらにさらにさらに読み進めてしまう。
「悪魔を信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはなりません、信じてはいけません、しんじてはいけません」
「なんで!なんで本が離せないの!!」
パチュリーは本を投げようと本をさらにさらにさらにさらに読み進めてしまう。
「信じてはいけません、信じてはいけません、信じてはいけません。だって悪魔はあなたに何の愛情も友愛も忠誠も感じておらず危険でおぞましい存在なのですから。」
「燃えなさい!メガフレア!!」
パチュリーは本を燃やそうと魔法を詠唱し、ませんでしたね。だって彼女は悪魔の危険性に気付いたのですから。
「パチュリーは悪魔が危険なことに気づき、さっそく使い魔の小悪魔も滅ぼさないといけないと考えました」
「燃えろ!燃えてしまえ!」
「おや、むこうから小悪魔が歩いてきます。殺しましょう」
「黙れ!私は小悪魔を大切に思っているのよ!」
「殺しましょう」
「黙れ!」
「殺しましょう」
「黙れ」
「殺せ」
「黙っ」
「殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺せ 殺しなさい!!!」
「パチュリー様?どうされたのですか」
パチュリーは小悪魔にむけてメガフレアを放った。
ひゃはははははははははははくふふふふふふふふふふふ
パチュリーが我に返ったとき、小悪魔が燃えていた。炎の中でもだえ苦しんでいた。
「助けて!パチュリー様!熱い、熱いよ!助け、だずげでばづりーざば、だずげで、じにたくない!」
パチュリーはただ、無表情で小悪魔が燃えていくのを見ていた。よく見るとその顔は安堵に満ち満ちていた。
次の日、紅魔館が炎上し消滅した。当主姉妹や従者やメイド妖精全員が行方不明となった。それと同時期に幻想郷である事件がおこるようになった。被害者の人間は皆一様に神の愛に気付いた、と繰り返すばかりで特に外傷はないものの人格といった内面が変貌するのだ。そして妖怪や神々へ憎悪をむけるようになるという。この異変は数年間続き、終わったときにはすでに大半の妖怪や神が消滅していた。そして博麗霊夢による八雲紫の殺害とともに博麗大結界は崩壊した。あとに残るのは十字架とそれを奉じる人間だけだった。
話の展開も筋書きもオチも弱い。ショートショートにしても雑すぎて読後感としては、
(゚Д゚)ハァ?
としか。なんスか、これ
今よりも更にパチュリーっぽさに近付けるぞ
あとはそれを、「読んでいる人が恥ずかしくならない」ように工夫すると世界にのめりこめるかもしれませんね。
嫌いではないです。
次回作はぜひ今作以上のものを! 応援しています。