概要と注意書き
メディスンにコスプレをさせ、それに沿った小話を集めてみました。
年が明ける前にメディに萌えようというお祭り的なノリで書いているので
嫌悪感を抱いた人はそのまま「戻る」を押してくださいね。
それとあとがきの言葉を一言で締めくくりたいという理由でおまけ的なもので
普段のあとがきっぽいのを載せています、ご容赦ください。
『苺大福』 出典「ローゼンメイデン」より「雛苺」
「ねえねえ、これって何ー?」
メディが皿の上に乗った餅に興味を示している。私達的にはそれよりもピンクを基調にしたワンピース
のような衣装にヘッドドレスをつけている彼女の姿に首ったけなのだが。
「それはね……苺大福よ」
緑茶を置き、説明をする。やはり和菓子にはお茶が似合う。……外見は洋風そのものだが。
「苺? それじゃあ美味しそうだね、ねえねえ食べてもいい?」
首をちょっと傾げて、上目遣いで伺ってくる。何という殺人的なおねだりだ。さらには小さな両手をちょこんと組んでいるのも地味にポイントが高い。
これで駄目とか言う奴がいたら即地獄行きだろう道徳的に考えて。
「もちろんよ」
それを聞くと目をキラッ☆……おっと、これは違うキャラだった。とにかくそれぐらい眩しい笑顔で喜び、はむっ、と苺大福を一口。
「ん~っ、美味しいっ♪」
夢中になってあっという間に平らげてしまい、口元に餡子を付けてる。いつもならハンカチで拭いて上げるのだが、もう少しだけこの苺大福よりも甘い彼女の笑顔を堪能したいと思ったのであった。
――機会があれば語尾に「~なの」と言ってとリクエストしておこう。
――アリス・マーガトロイド 鍵山雛
『お花畑』 出典「サクラ大戦」より「アイリス」
赤、青、白、黄色……色とりどりの花の中でのんびり過ごすのは至高の時間だ。今日みたいに雲ひとつない快晴の日はなおさら良い。その花の中に、花の妖精と見紛う可愛らしい少女が座り込み、じっと花達を眺めていた。
「メディ、似合ってるわ。その服も、花畑にとけこんでいるあなたの姿もね」
緑と白のエプロンドレスに両肩の部分が膨らんだ衣装。いつも付けているのよりもふわりとしたピンクのリボンが風になびく。
「そっかな?」
とぼけてみせているけれど、ほんのり赤くなっている頬を見れば照れているのがバレバレ。それを誤魔化すように花を篭に積んでいく。上海達に花冠の作り方を教えるといって花を分けてほしいと頼まれたのだ。普段なら易々とこの花達を渡すことはないのだが、メディならば花を粗末にすることはないので安心してまかせられる。無名の丘に咲き乱れる鈴蘭の花達に聞けばどの子も彼女のことを好いて、愛情を持っているからだ。花に愛情を持って接するのならば花達もまた愛情を抱いてくれる。――流石に花の声までわかるのはそうはいないけれどね。
花にも生命はある、当然感情だって持っているのだ。接する相手次第では敵対視するし、好きになってくれる。
「私のところにもここのお花さん達を植えたいわ。あの子にもお友達、作ってあげたいし」
鈴蘭の花のことを言っているのだろう。篭に積まれた花に笑顔を向けながら、そんな希望を話す。無名の丘が鈴蘭だけでなく向日葵やコスモス、薔薇などの色とりどりの花で満ち溢れる光景を想像すると、その中で佇んでいるメディの、満開の花にも負けない見事な笑顔が浮かぶ。
「ねえ幽香、今度向日葵の種を分けてくれない? パルにあげたいんだけど……」
ふわり、とお姫様と見紛うドレスのスカートが舞う。熊のぬいぐるみを抱かせたらすごく似合いそうだ――と思うのもほどほどに、私は笑って頷いた。
パルこと、パルスィは地底にも花を咲かせると張り切っている。メディから貰った鈴蘭を植えて、毎日欠かさずに水やりもしている。メディの力が入っている鈴蘭だから地下の世界でも生命強く咲いているのだと冷静に考えれば結論付く。種を植えて花を咲かせるなんて土台無理なはずだが――私もその常識が覆るのを願っている。
例え太陽の加護がなくても――メディの愛情の篭ったその鈴蘭がずっと咲き続ければ、その大地にもまた彼女の愛情が移り、いっぱい花が咲くようになるかもしれない――と。
「ありがとう!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねて小さな体でいっぱいの喜びを表現する。
周囲の花達もゆっくり揺れた。まるで、穏やかに微笑むように――。
――風見幽香
『銀河系まで行かなくても』 出典「マクロスF」より「ランカ・リー」
「みんな抱きしめて! 銀河の、はちぇまれぇ!」
鈴蘭に彩られた白いステージの上で、一人の少女が叫ぶ。同時に地鳴りのような大歓声が寂れ果てた旧都に響き渡り、まるでかつての賑わいが復活したのかと錯覚さえもしてしまう。
マイクを持つ少女――メディはブラウスに身を包み、普段よりも短めのスカートでバニエまで着用している。バニエの袴がフリルで可愛らしく、スカートには花のついたリボンも装飾されていて、まさにこ荒んだ地底に舞い降りた小さな天使といっても過言ではない。ステージの準備、飾りつけに協力してくれたアリス、雛、幽香、永林も最前列で拍手をしている。あ、もちろん私もそこにいるんだけどね。だが背後にはかなりの数の妖怪、ゾンビフェアリーが集まって歓声を上げていてなかなかの迫力だろう。メディが緊張して固まったらどうしようかと内心ヒヤヒヤしているのだがアリス達はあくまでも見守りに徹しているので私も動きようがない。
今、メディが着ているのは外の世界では相当な人気のアイドルの衣装らしい。脇役から一気にスターまで駆け上がったという、いわゆるシンデレラのような道を歩んだという。永琳がどういう経緯で入手したかわからないが持ってきて(ちゃっかりサイズまで合わせてきやがった)、着てもらったらこれが何とまあ似合うもので。
「せっかくだし、歌ってみたら?」
その時はメディ以外のみんなにお酒が入っていたので、どんどん話が進んでいき、元のキャラが歌ってた曲のひとつである『星間飛行』をメディが歌うことになった。酔いが醒めた私の耳に最初に飛び込んできたのは地底世界の旧都でライブするからという震天動地の通知。どうも酔っ払った私が「メディの可愛さで地底を明るくしてほしい」みたいなことを執拗にのたまっていたらしく、そのしつこさにみんな半ば圧されるように頷いたとは雛からの言葉。
すでにもう準備もやりだし、メディもやる気充分だということで選択の余地はなかった。
最初のフレーズを歌い、振りつけも交えるメディ(いつの間に覚えたのだろう)。最初こそ緊張からか少し声が弱かったが、歌うにつれてそれはなくなっていき、やがてこのステージで歌うことが純粋に楽しいといった感じに笑顔をちらつかせ、体をくねらせて可愛く舞う。そしていよいよサビに入る寸前――。
「キラッ☆」
右手を顔の前まで寄せ、薬指と中指を折り曲げてポーズを決め、ウィンク。
私達もそれに合わせて一斉に『キラッ☆』をした。
――その瞬間。私の脳裏にメディの顔が浮かぶ。
鈴蘭のように可愛らしい笑顔。私には到底できないような、妬ましいのに微笑ましくなる笑顔。
妖怪として日が浅く、幼い外見も手伝ってまさに彼女は子供そのものだ。しかしそんな彼女もその笑顔の裏には暗い過去を持っている。
それでも前に進み、切磋琢磨している。誰よりも純粋に一生懸命に毎日を生きている。アリスも雛も幽香も永琳も――私も、そんな彼女の心に惹かれたのだ。何より、嫉妬にまみれた人生を歩んできた私がここまで優しい気持ちになったのも……あの子のおかげ。遠い昔に置き去りにしていた忘れ物を届けてくれた子。
これからもメディには様々な困難が待ち構えているだろうに違いない。時には泣くこともあるかもしれない。
もしあの子が憂鬱という霧で覆われてしまったら、それを晴らしたい……私一人ではたかが知れているが、アリスや雛達もいる――彼女の笑みが凍てつくことがないように。それが私の望みだ。
私のように負の感情に囚われることはなく、ずっとあの笑顔を光らせてくれれば――。
……曲はいつの間にか終わっていた。全員総立ちの拍手喝采、軽く息を吐き、額の汗を拭うとメディは
ぺこりと頭を下げ、しばらくしてゆっくりと顔を上げた。
その顔はアイドルなんかではなく、普段の、無邪気な笑顔。いつものメディだった。
――そう、それこそが貴方よ、メディ。
瞳の奥にこみ上げるものを堪えながら、私は手が少し痛むぐらい大げさに拍手を送っていたのだった。
――水橋パルスィ
『頭……冷やせない』 出典「魔法少女リリカルなのは」より「フェイト・テスタロッサ」
今、私の机の上には大きな黒い箱が置いてある。ようやく頼んでいた品物が届いたのだ。慌てず急いで
箱を開ける。慎重に、迅速に……矛盾? 私の頭脳を持ってすれば矛盾も必然になる。
……カタログ通りのブツが入っているのを確認し、ようやく安堵の息が漏れた。黒のレオタードに白のスカート、マント、タイツに膝あて、腕飾りと髪飾りにベルト……その他諸々を取り出して机に置いていく。最後に、一見すれば斧と間違えるような形の杖を取り出し、全てが出揃う。
「んっふふふ……」
レオタードを手に取り、前に後ろに上に下、あらゆる角度で鑑賞する。しかし外の世界の魔法使いというのは随分と色っぽい服装で戦っているものだ、いい意味で驚く。
「最高じゃん!」
普段は露出度の低いメディにこれを着させたらギャップも手伝い銀河級の可愛さを見出すはず……と、誰にも内緒でこっそり注文し、ついに手に入った衣装だ。まずは頭で思い浮かべて楽しむとしよう。
まずはこの黒いレオタードを着けて……おおっ、大人に憧れる少女がまずは格好から……と顔を赤くしながらも着てみたという感じのシチュが降臨した。さらにマントを装着し、白いスカートを履かせてベルトで固定、どんどんパーツを組み込んでいく……整いました!
黒の衣装に身を包み、ややミステリアスな雰囲気を醸し出すが、それらを凌駕する……太腿!
タイツとレオタードを挟むように露出された白い絶対領域……否、触れたいと思っても触れてはいけない、眺めるだけしかできない、むしろ眺めることが真骨頂の絶対神聖領域……! 普段は隠されていて見ることができないメディの太腿がこれを着ることによりその白い輝きを拝めることになるのだ。まさにこれは史上最強の魔法……流石の私も1分間眺めただけで60回は死ねる。メディ、恐ろしい子……!
今度、誰もいない日を見計らってメディを呼んでこっそり着てもらおう、でもその前に彼女が近いうちに着るであろうこの神聖な衣装に罰当たりながらもマーキングしておきたい……と、レオタードの股間部分に鼻を当て、人生最大の優越感に浸る私。
「師匠ー、お茶入り……ま……」
だが、私はほんの小さな、そしてシンプルなミスを犯してしまったのだ。
鍵をかけ忘れたことを。
――あれから10日。未だにうどんげは私を見ると下郎を見るような冷たい目で睨み、ささっと離れていく。強い絆の師弟関係が一気に底冷えした感じだ。そう、私も馬鹿だったのだ。
「あの子にも何か衣装を……買ってあげるべきだった」
きっと、サイズが小さいのでてゐか他の因幡にあげるものだと勘違いして嫉妬しているのだろう。嫉妬するうどんげも可愛いといえば可愛いがそろそろデレていいんじゃいのかと思う。
……あの衣装? 残念ながらまだ機会に恵まれず、メディは着ていない。だが私は諦めない。なにせ来週にはあの――「白い悪魔」と呼ばれし少女の衣装も届くのだから。
「魔法少女リリカルメディ……いける!」
――八意永琳
『縁日の記憶』 出典「アオイシロ」より「ナミ」
この夏、メディは初めてお祭りに参加した。当初は私とアリスと三人で行く予定だったが、
「メディが行くなら私も」とパルスィが、「お祭りには保護者同伴が必要」と永琳と幽香が強引についてきて結果的にはかなりの大所帯となり、これはこれで賑やかになってメディも喜んでいた。
ひしめき合う人々、喧騒の中、メディは初めて見る縁日の様子に目を丸くし、興味津々といった様子。とりわけ、永琳が用意したという金魚の絵が可愛らしく、メディが歩くたびにゆるやかに揺れて、まるでさざ波のようだ。ただ、着物は慣れていないらしく時々裾を踏んづけて転びそうになったのでみんなと手を繋いで歩くことに。ちなみに今は私とアリスで手を引き、歩いている。……ああ、背後から妬ましさに満ちた視線を感じるわ。
「あれ、やりたい!」
出店を見るたびにそう言い、こちらを引っ張って向かおうとする姿はまさに無邪気な子供といった感じで、とりわけ夢中になったのが金魚すくいだった。袖が濡れるのも構わずに金魚をすくうのに夢中で、何度かパルスィと幽香が注意するも全く耳に入っていなくて、それがそれで可愛い。……ちなみにすくった金魚は永遠亭で引き取ることになった。
「丁度、因幡が金魚を欲しがっててね」
バレバレの嘘だったがメディは素直に頷き、金魚のお礼ということで永琳は綿飴を買い、それを大喜びでメディが受け取る。
「楽しいね!」
綿飴を舐めながら私達に笑顔を振りまく。パルスィと永琳がにやけたまま気絶しそうになったので意識を取り戻させるのにえらい苦労をした。
一通り遊び終えた帰り道。
「また、みんなで来ようね」
丁度、空に花火が上げられ、メディの姿を幻想的に照らす。
私達は頷き、固く約束をするのだった。
――鍵山雛
『今までとこれからと』 出典「東方怪綺談」より「アリス」
「へえーっ、これがアリスが昔着てた服なんだ」
年末に向け、大掃除をしていた時に懐かしい服が発見された。手伝いに来てくれていたメディが
見つけたもので、昔私が着ていた服である。ここに引っ越す時にうっかり荷物に紛れ込んできたのだが、当時はすぐには魔界には帰らないと決めていたのでしまいっぱなしになっていた。
「懐かしいわね……もしかしたらメディに合うかもしれないわ」
丁度、メディの背丈はあの頃の私に近い。メディも好奇の目で見ていたし掃除もほぼ済んでいたのでせっかくだし着てみたら? と提案したら思いのほか喜んで頷いた。
「どうかな?」
……驚いた。白いブラウスに青いスカート、そしてリボン。まさかこれほどまでに似合うとは。
これで髪型を少し弄ればまさに幼い頃の自分が目の前にいると錯覚してしまいそうなほど。
くるりと回ってスカートがふわっと揺れ、可憐に微笑む。
「似合ってるわ。本当に……」
「あはは、よかったー」
ベッドに座っている私の隣に座ると、メディが上目遣いで覗き込む。
「アリスってどうしてここに来たの?」
何気なく尋ねたのか。あるいは意図があるかは知らないが、この質問に答えるのに言葉が詰まった。
――そういえば、どうしてだったっけ? 記憶を探ってみる。
――魔理沙達を見返すため?
魔界でコテンパンにされ、後でリベンジに行くがそれも返り討ちにされ。あそこまで悔しい思いをしたのは生まれて初めてだった。
――魔界から離れたかった?
優しい母や姉に囲まれ、不自由なく暮らしてきた。でも、どこか心で満たされないところがあったし、
いつまでもみんなからは子供、妹でしかなく一人前と認められていないようにも感じていた。
答えあぐねていると、メディが前を向く。
「私、最初は自分が存在しているってことが嫌で仕方なかったんだ。人形解放といっても、私は妖怪化したものだから、人形とも違うし、唱えていても心のどこかで空しいことはわかってた」
「閻魔様に説教を受けて、視野を広げろって言われて。どうすればいいんだろうって考えた。
いっぱい、いっぱい。すっごく考えたけど、わかんないことだらけで」
「でも、たまに幽香が、永琳が来てくれて。そしてアリスに雛、パルにも会って。みんなからたくさんのことを学んだ。鈴蘭畑にいるだけじゃわかんないことも、見たことない景色も。みんなで外を歩いたり遊んだりするのすごく楽しくて、ドキドキして。帰ってきた時、見慣れてた鈴蘭の花達まで新鮮に見えて。もっと色んなこと知りたい、見てみたいって思うようになった。今でも、そう思ってるの」
おそらく、頭の中で私達と過ごした日々を思い返しているのだろう。その顔には曇りがない。
「これからも、もしかしたらちょっぴり泣くこともあるかもしれないけど、たくさん笑って生きていたい」
その言葉で私もようやく気づいた。そう、そうなのだ。今、ようやく思い出す。
――色んな、自分の知らない世界を見て、知りたい。
単純な好奇心。今いる居心地のいい場所を離れてでも、見てみたい世界。きっかけは腹の立つ侵入者達
からでも、その悔しさえもが好奇心を燃え上がらせる。
心細く、帰りたい日もあった。そういえば魔界を出るときのみんなの顔、寂しそうだったけど、同時に何か喜んでいるようにも見えたっけ。
「あっ……ごめんね、一人で色々喋っちゃって。もしかして答えたくない質問しちゃった?だったら本当にごめ――?」
ぎゅ。無意識に小さな体を抱きしめる。メディはたくさん学んだといったが、それはこっちの台詞でもある。
――あの頃の自分が、どこかで笑っているような気がした。思い出させてくれたのはあなたよ、メディ――。
感謝と愛おしさを込めて、もう一度ハグ。メディも顔を真っ赤にしながらも体をまかせてくれていた。
「いいえ。思い出したわ。私もあなたと同じよ」
――もっと、新鮮で楽しい、見果てぬ旅を一緒に。
もう、今年も終わるのね。来年もよろしくね……メディ。
――アリス・マーガトロイド
・各話についての小話
『苺大福』について
定番の衣装でしょうか、雛苺。他のドールの衣装もあれこれ考えましたが
これが一番ロリっぽくて似合う(笑)ということでチョイス。
「餡子が口元についている」というシチュも書きたかったのが何よりの動機ですがね。
『お花畑』について
本格的に二次元に興味を持ったきっかけのキャラなんですよ。ああ、だから俺ロリ好きなんだな。
そんな原点回帰な意味で着させてみました。実際にジャンポールを抱かせようかどうかも
少し悩みましたがタイトルどおり花を優先。
お花畑に佇む幼女って絵になりません??
『銀河系まで行かなくても』について
ご存知ないのですか? 彼女こそ人形から妖怪になり、辛い過去を乗り越えて
輝き続けるシンデレラドール、メディちゃんです!
……そこまで大げさにはしませんでしたが、星間飛行を振りつけ付きで歌っている
メディスンの姿が急に浮かんだので曲を聴きながら書いてました。
あ、俺の中ではパルはこういう感じの子なので今後も出るとこんなキャラになります。
嫉妬×憂鬱というのもなかなかオツだと思うのは俺だけでしょうか?
『頭……冷やせない』について
まあギャグです。煩悩全開です。過去の作品では「包丁さんのうわさ」で
刺身包丁さんを書いたので今回はメジャーどころでなおかつエロ可愛いのを選びました。
『縁日の記憶』について
季節はずれですが和服のメディスンも見てみたかった。よく祭りは当日よりも準備している
時の方が楽しいと聞きますが、祭りの終わりの、楽しかったけどどこか寂しいという気持ちがそれをより濃くしているんでしょうかね。ただあんまり寂しい話を書くのは好きじゃないので
終わり方はああいう風に書いてます。
『今までとこれからと』について
アリスとだとなぜかこういうベタな展開ばっかりになりますね、それが好きなんですが。
基本こういう二人三脚というか教えられたり教えたりな感じのコンビだと思うんですよね。もし二人が打ち解けていたら。しかし実際にはちびアリスの衣装がすごく似合いそうなのにそれを着てる
話や絵があんまり見かけてなかったのでびっくり。
メディスンにコスプレをさせ、それに沿った小話を集めてみました。
年が明ける前にメディに萌えようというお祭り的なノリで書いているので
嫌悪感を抱いた人はそのまま「戻る」を押してくださいね。
それとあとがきの言葉を一言で締めくくりたいという理由でおまけ的なもので
普段のあとがきっぽいのを載せています、ご容赦ください。
『苺大福』 出典「ローゼンメイデン」より「雛苺」
「ねえねえ、これって何ー?」
メディが皿の上に乗った餅に興味を示している。私達的にはそれよりもピンクを基調にしたワンピース
のような衣装にヘッドドレスをつけている彼女の姿に首ったけなのだが。
「それはね……苺大福よ」
緑茶を置き、説明をする。やはり和菓子にはお茶が似合う。……外見は洋風そのものだが。
「苺? それじゃあ美味しそうだね、ねえねえ食べてもいい?」
首をちょっと傾げて、上目遣いで伺ってくる。何という殺人的なおねだりだ。さらには小さな両手をちょこんと組んでいるのも地味にポイントが高い。
これで駄目とか言う奴がいたら即地獄行きだろう道徳的に考えて。
「もちろんよ」
それを聞くと目をキラッ☆……おっと、これは違うキャラだった。とにかくそれぐらい眩しい笑顔で喜び、はむっ、と苺大福を一口。
「ん~っ、美味しいっ♪」
夢中になってあっという間に平らげてしまい、口元に餡子を付けてる。いつもならハンカチで拭いて上げるのだが、もう少しだけこの苺大福よりも甘い彼女の笑顔を堪能したいと思ったのであった。
――機会があれば語尾に「~なの」と言ってとリクエストしておこう。
――アリス・マーガトロイド 鍵山雛
『お花畑』 出典「サクラ大戦」より「アイリス」
赤、青、白、黄色……色とりどりの花の中でのんびり過ごすのは至高の時間だ。今日みたいに雲ひとつない快晴の日はなおさら良い。その花の中に、花の妖精と見紛う可愛らしい少女が座り込み、じっと花達を眺めていた。
「メディ、似合ってるわ。その服も、花畑にとけこんでいるあなたの姿もね」
緑と白のエプロンドレスに両肩の部分が膨らんだ衣装。いつも付けているのよりもふわりとしたピンクのリボンが風になびく。
「そっかな?」
とぼけてみせているけれど、ほんのり赤くなっている頬を見れば照れているのがバレバレ。それを誤魔化すように花を篭に積んでいく。上海達に花冠の作り方を教えるといって花を分けてほしいと頼まれたのだ。普段なら易々とこの花達を渡すことはないのだが、メディならば花を粗末にすることはないので安心してまかせられる。無名の丘に咲き乱れる鈴蘭の花達に聞けばどの子も彼女のことを好いて、愛情を持っているからだ。花に愛情を持って接するのならば花達もまた愛情を抱いてくれる。――流石に花の声までわかるのはそうはいないけれどね。
花にも生命はある、当然感情だって持っているのだ。接する相手次第では敵対視するし、好きになってくれる。
「私のところにもここのお花さん達を植えたいわ。あの子にもお友達、作ってあげたいし」
鈴蘭の花のことを言っているのだろう。篭に積まれた花に笑顔を向けながら、そんな希望を話す。無名の丘が鈴蘭だけでなく向日葵やコスモス、薔薇などの色とりどりの花で満ち溢れる光景を想像すると、その中で佇んでいるメディの、満開の花にも負けない見事な笑顔が浮かぶ。
「ねえ幽香、今度向日葵の種を分けてくれない? パルにあげたいんだけど……」
ふわり、とお姫様と見紛うドレスのスカートが舞う。熊のぬいぐるみを抱かせたらすごく似合いそうだ――と思うのもほどほどに、私は笑って頷いた。
パルこと、パルスィは地底にも花を咲かせると張り切っている。メディから貰った鈴蘭を植えて、毎日欠かさずに水やりもしている。メディの力が入っている鈴蘭だから地下の世界でも生命強く咲いているのだと冷静に考えれば結論付く。種を植えて花を咲かせるなんて土台無理なはずだが――私もその常識が覆るのを願っている。
例え太陽の加護がなくても――メディの愛情の篭ったその鈴蘭がずっと咲き続ければ、その大地にもまた彼女の愛情が移り、いっぱい花が咲くようになるかもしれない――と。
「ありがとう!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねて小さな体でいっぱいの喜びを表現する。
周囲の花達もゆっくり揺れた。まるで、穏やかに微笑むように――。
――風見幽香
『銀河系まで行かなくても』 出典「マクロスF」より「ランカ・リー」
「みんな抱きしめて! 銀河の、はちぇまれぇ!」
鈴蘭に彩られた白いステージの上で、一人の少女が叫ぶ。同時に地鳴りのような大歓声が寂れ果てた旧都に響き渡り、まるでかつての賑わいが復活したのかと錯覚さえもしてしまう。
マイクを持つ少女――メディはブラウスに身を包み、普段よりも短めのスカートでバニエまで着用している。バニエの袴がフリルで可愛らしく、スカートには花のついたリボンも装飾されていて、まさにこ荒んだ地底に舞い降りた小さな天使といっても過言ではない。ステージの準備、飾りつけに協力してくれたアリス、雛、幽香、永林も最前列で拍手をしている。あ、もちろん私もそこにいるんだけどね。だが背後にはかなりの数の妖怪、ゾンビフェアリーが集まって歓声を上げていてなかなかの迫力だろう。メディが緊張して固まったらどうしようかと内心ヒヤヒヤしているのだがアリス達はあくまでも見守りに徹しているので私も動きようがない。
今、メディが着ているのは外の世界では相当な人気のアイドルの衣装らしい。脇役から一気にスターまで駆け上がったという、いわゆるシンデレラのような道を歩んだという。永琳がどういう経緯で入手したかわからないが持ってきて(ちゃっかりサイズまで合わせてきやがった)、着てもらったらこれが何とまあ似合うもので。
「せっかくだし、歌ってみたら?」
その時はメディ以外のみんなにお酒が入っていたので、どんどん話が進んでいき、元のキャラが歌ってた曲のひとつである『星間飛行』をメディが歌うことになった。酔いが醒めた私の耳に最初に飛び込んできたのは地底世界の旧都でライブするからという震天動地の通知。どうも酔っ払った私が「メディの可愛さで地底を明るくしてほしい」みたいなことを執拗にのたまっていたらしく、そのしつこさにみんな半ば圧されるように頷いたとは雛からの言葉。
すでにもう準備もやりだし、メディもやる気充分だということで選択の余地はなかった。
最初のフレーズを歌い、振りつけも交えるメディ(いつの間に覚えたのだろう)。最初こそ緊張からか少し声が弱かったが、歌うにつれてそれはなくなっていき、やがてこのステージで歌うことが純粋に楽しいといった感じに笑顔をちらつかせ、体をくねらせて可愛く舞う。そしていよいよサビに入る寸前――。
「キラッ☆」
右手を顔の前まで寄せ、薬指と中指を折り曲げてポーズを決め、ウィンク。
私達もそれに合わせて一斉に『キラッ☆』をした。
――その瞬間。私の脳裏にメディの顔が浮かぶ。
鈴蘭のように可愛らしい笑顔。私には到底できないような、妬ましいのに微笑ましくなる笑顔。
妖怪として日が浅く、幼い外見も手伝ってまさに彼女は子供そのものだ。しかしそんな彼女もその笑顔の裏には暗い過去を持っている。
それでも前に進み、切磋琢磨している。誰よりも純粋に一生懸命に毎日を生きている。アリスも雛も幽香も永琳も――私も、そんな彼女の心に惹かれたのだ。何より、嫉妬にまみれた人生を歩んできた私がここまで優しい気持ちになったのも……あの子のおかげ。遠い昔に置き去りにしていた忘れ物を届けてくれた子。
これからもメディには様々な困難が待ち構えているだろうに違いない。時には泣くこともあるかもしれない。
もしあの子が憂鬱という霧で覆われてしまったら、それを晴らしたい……私一人ではたかが知れているが、アリスや雛達もいる――彼女の笑みが凍てつくことがないように。それが私の望みだ。
私のように負の感情に囚われることはなく、ずっとあの笑顔を光らせてくれれば――。
……曲はいつの間にか終わっていた。全員総立ちの拍手喝采、軽く息を吐き、額の汗を拭うとメディは
ぺこりと頭を下げ、しばらくしてゆっくりと顔を上げた。
その顔はアイドルなんかではなく、普段の、無邪気な笑顔。いつものメディだった。
――そう、それこそが貴方よ、メディ。
瞳の奥にこみ上げるものを堪えながら、私は手が少し痛むぐらい大げさに拍手を送っていたのだった。
――水橋パルスィ
『頭……冷やせない』 出典「魔法少女リリカルなのは」より「フェイト・テスタロッサ」
今、私の机の上には大きな黒い箱が置いてある。ようやく頼んでいた品物が届いたのだ。慌てず急いで
箱を開ける。慎重に、迅速に……矛盾? 私の頭脳を持ってすれば矛盾も必然になる。
……カタログ通りのブツが入っているのを確認し、ようやく安堵の息が漏れた。黒のレオタードに白のスカート、マント、タイツに膝あて、腕飾りと髪飾りにベルト……その他諸々を取り出して机に置いていく。最後に、一見すれば斧と間違えるような形の杖を取り出し、全てが出揃う。
「んっふふふ……」
レオタードを手に取り、前に後ろに上に下、あらゆる角度で鑑賞する。しかし外の世界の魔法使いというのは随分と色っぽい服装で戦っているものだ、いい意味で驚く。
「最高じゃん!」
普段は露出度の低いメディにこれを着させたらギャップも手伝い銀河級の可愛さを見出すはず……と、誰にも内緒でこっそり注文し、ついに手に入った衣装だ。まずは頭で思い浮かべて楽しむとしよう。
まずはこの黒いレオタードを着けて……おおっ、大人に憧れる少女がまずは格好から……と顔を赤くしながらも着てみたという感じのシチュが降臨した。さらにマントを装着し、白いスカートを履かせてベルトで固定、どんどんパーツを組み込んでいく……整いました!
黒の衣装に身を包み、ややミステリアスな雰囲気を醸し出すが、それらを凌駕する……太腿!
タイツとレオタードを挟むように露出された白い絶対領域……否、触れたいと思っても触れてはいけない、眺めるだけしかできない、むしろ眺めることが真骨頂の絶対神聖領域……! 普段は隠されていて見ることができないメディの太腿がこれを着ることによりその白い輝きを拝めることになるのだ。まさにこれは史上最強の魔法……流石の私も1分間眺めただけで60回は死ねる。メディ、恐ろしい子……!
今度、誰もいない日を見計らってメディを呼んでこっそり着てもらおう、でもその前に彼女が近いうちに着るであろうこの神聖な衣装に罰当たりながらもマーキングしておきたい……と、レオタードの股間部分に鼻を当て、人生最大の優越感に浸る私。
「師匠ー、お茶入り……ま……」
だが、私はほんの小さな、そしてシンプルなミスを犯してしまったのだ。
鍵をかけ忘れたことを。
――あれから10日。未だにうどんげは私を見ると下郎を見るような冷たい目で睨み、ささっと離れていく。強い絆の師弟関係が一気に底冷えした感じだ。そう、私も馬鹿だったのだ。
「あの子にも何か衣装を……買ってあげるべきだった」
きっと、サイズが小さいのでてゐか他の因幡にあげるものだと勘違いして嫉妬しているのだろう。嫉妬するうどんげも可愛いといえば可愛いがそろそろデレていいんじゃいのかと思う。
……あの衣装? 残念ながらまだ機会に恵まれず、メディは着ていない。だが私は諦めない。なにせ来週にはあの――「白い悪魔」と呼ばれし少女の衣装も届くのだから。
「魔法少女リリカルメディ……いける!」
――八意永琳
『縁日の記憶』 出典「アオイシロ」より「ナミ」
この夏、メディは初めてお祭りに参加した。当初は私とアリスと三人で行く予定だったが、
「メディが行くなら私も」とパルスィが、「お祭りには保護者同伴が必要」と永琳と幽香が強引についてきて結果的にはかなりの大所帯となり、これはこれで賑やかになってメディも喜んでいた。
ひしめき合う人々、喧騒の中、メディは初めて見る縁日の様子に目を丸くし、興味津々といった様子。とりわけ、永琳が用意したという金魚の絵が可愛らしく、メディが歩くたびにゆるやかに揺れて、まるでさざ波のようだ。ただ、着物は慣れていないらしく時々裾を踏んづけて転びそうになったのでみんなと手を繋いで歩くことに。ちなみに今は私とアリスで手を引き、歩いている。……ああ、背後から妬ましさに満ちた視線を感じるわ。
「あれ、やりたい!」
出店を見るたびにそう言い、こちらを引っ張って向かおうとする姿はまさに無邪気な子供といった感じで、とりわけ夢中になったのが金魚すくいだった。袖が濡れるのも構わずに金魚をすくうのに夢中で、何度かパルスィと幽香が注意するも全く耳に入っていなくて、それがそれで可愛い。……ちなみにすくった金魚は永遠亭で引き取ることになった。
「丁度、因幡が金魚を欲しがっててね」
バレバレの嘘だったがメディは素直に頷き、金魚のお礼ということで永琳は綿飴を買い、それを大喜びでメディが受け取る。
「楽しいね!」
綿飴を舐めながら私達に笑顔を振りまく。パルスィと永琳がにやけたまま気絶しそうになったので意識を取り戻させるのにえらい苦労をした。
一通り遊び終えた帰り道。
「また、みんなで来ようね」
丁度、空に花火が上げられ、メディの姿を幻想的に照らす。
私達は頷き、固く約束をするのだった。
――鍵山雛
『今までとこれからと』 出典「東方怪綺談」より「アリス」
「へえーっ、これがアリスが昔着てた服なんだ」
年末に向け、大掃除をしていた時に懐かしい服が発見された。手伝いに来てくれていたメディが
見つけたもので、昔私が着ていた服である。ここに引っ越す時にうっかり荷物に紛れ込んできたのだが、当時はすぐには魔界には帰らないと決めていたのでしまいっぱなしになっていた。
「懐かしいわね……もしかしたらメディに合うかもしれないわ」
丁度、メディの背丈はあの頃の私に近い。メディも好奇の目で見ていたし掃除もほぼ済んでいたのでせっかくだし着てみたら? と提案したら思いのほか喜んで頷いた。
「どうかな?」
……驚いた。白いブラウスに青いスカート、そしてリボン。まさかこれほどまでに似合うとは。
これで髪型を少し弄ればまさに幼い頃の自分が目の前にいると錯覚してしまいそうなほど。
くるりと回ってスカートがふわっと揺れ、可憐に微笑む。
「似合ってるわ。本当に……」
「あはは、よかったー」
ベッドに座っている私の隣に座ると、メディが上目遣いで覗き込む。
「アリスってどうしてここに来たの?」
何気なく尋ねたのか。あるいは意図があるかは知らないが、この質問に答えるのに言葉が詰まった。
――そういえば、どうしてだったっけ? 記憶を探ってみる。
――魔理沙達を見返すため?
魔界でコテンパンにされ、後でリベンジに行くがそれも返り討ちにされ。あそこまで悔しい思いをしたのは生まれて初めてだった。
――魔界から離れたかった?
優しい母や姉に囲まれ、不自由なく暮らしてきた。でも、どこか心で満たされないところがあったし、
いつまでもみんなからは子供、妹でしかなく一人前と認められていないようにも感じていた。
答えあぐねていると、メディが前を向く。
「私、最初は自分が存在しているってことが嫌で仕方なかったんだ。人形解放といっても、私は妖怪化したものだから、人形とも違うし、唱えていても心のどこかで空しいことはわかってた」
「閻魔様に説教を受けて、視野を広げろって言われて。どうすればいいんだろうって考えた。
いっぱい、いっぱい。すっごく考えたけど、わかんないことだらけで」
「でも、たまに幽香が、永琳が来てくれて。そしてアリスに雛、パルにも会って。みんなからたくさんのことを学んだ。鈴蘭畑にいるだけじゃわかんないことも、見たことない景色も。みんなで外を歩いたり遊んだりするのすごく楽しくて、ドキドキして。帰ってきた時、見慣れてた鈴蘭の花達まで新鮮に見えて。もっと色んなこと知りたい、見てみたいって思うようになった。今でも、そう思ってるの」
おそらく、頭の中で私達と過ごした日々を思い返しているのだろう。その顔には曇りがない。
「これからも、もしかしたらちょっぴり泣くこともあるかもしれないけど、たくさん笑って生きていたい」
その言葉で私もようやく気づいた。そう、そうなのだ。今、ようやく思い出す。
――色んな、自分の知らない世界を見て、知りたい。
単純な好奇心。今いる居心地のいい場所を離れてでも、見てみたい世界。きっかけは腹の立つ侵入者達
からでも、その悔しさえもが好奇心を燃え上がらせる。
心細く、帰りたい日もあった。そういえば魔界を出るときのみんなの顔、寂しそうだったけど、同時に何か喜んでいるようにも見えたっけ。
「あっ……ごめんね、一人で色々喋っちゃって。もしかして答えたくない質問しちゃった?だったら本当にごめ――?」
ぎゅ。無意識に小さな体を抱きしめる。メディはたくさん学んだといったが、それはこっちの台詞でもある。
――あの頃の自分が、どこかで笑っているような気がした。思い出させてくれたのはあなたよ、メディ――。
感謝と愛おしさを込めて、もう一度ハグ。メディも顔を真っ赤にしながらも体をまかせてくれていた。
「いいえ。思い出したわ。私もあなたと同じよ」
――もっと、新鮮で楽しい、見果てぬ旅を一緒に。
もう、今年も終わるのね。来年もよろしくね……メディ。
――アリス・マーガトロイド
・各話についての小話
『苺大福』について
定番の衣装でしょうか、雛苺。他のドールの衣装もあれこれ考えましたが
これが一番ロリっぽくて似合う(笑)ということでチョイス。
「餡子が口元についている」というシチュも書きたかったのが何よりの動機ですがね。
『お花畑』について
本格的に二次元に興味を持ったきっかけのキャラなんですよ。ああ、だから俺ロリ好きなんだな。
そんな原点回帰な意味で着させてみました。実際にジャンポールを抱かせようかどうかも
少し悩みましたがタイトルどおり花を優先。
お花畑に佇む幼女って絵になりません??
『銀河系まで行かなくても』について
ご存知ないのですか? 彼女こそ人形から妖怪になり、辛い過去を乗り越えて
輝き続けるシンデレラドール、メディちゃんです!
……そこまで大げさにはしませんでしたが、星間飛行を振りつけ付きで歌っている
メディスンの姿が急に浮かんだので曲を聴きながら書いてました。
あ、俺の中ではパルはこういう感じの子なので今後も出るとこんなキャラになります。
嫉妬×憂鬱というのもなかなかオツだと思うのは俺だけでしょうか?
『頭……冷やせない』について
まあギャグです。煩悩全開です。過去の作品では「包丁さんのうわさ」で
刺身包丁さんを書いたので今回はメジャーどころでなおかつエロ可愛いのを選びました。
『縁日の記憶』について
季節はずれですが和服のメディスンも見てみたかった。よく祭りは当日よりも準備している
時の方が楽しいと聞きますが、祭りの終わりの、楽しかったけどどこか寂しいという気持ちがそれをより濃くしているんでしょうかね。ただあんまり寂しい話を書くのは好きじゃないので
終わり方はああいう風に書いてます。
『今までとこれからと』について
アリスとだとなぜかこういうベタな展開ばっかりになりますね、それが好きなんですが。
基本こういう二人三脚というか教えられたり教えたりな感じのコンビだと思うんですよね。もし二人が打ち解けていたら。しかし実際にはちびアリスの衣装がすごく似合いそうなのにそれを着てる
話や絵があんまり見かけてなかったのでびっくり。
来年もメディメディな年でありますように
どんどんメディを愛でぃるべきです!