Coolier - 新生・東方創想話

Y氏の話

2012/03/14 19:57:39
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※注意事項

・二次設定バリバリです。オリジナルを読んでおいた方がいいかもしれません。
・星新一氏の作品「おーい、でてこーい」の二次創作らしきものとなります。そのため、東方の世界での時系列はおかしなことになっています。
・しかも「おーい、でてこーい」の中の時系列もおかしいです。すいません。
・おそらくそれらしい雰囲気はまったく出せてません。申し訳ありません。
・衝動的に作ったので、いろいろおかしいです。ごめんなさい。
・女性に「氏」とつけるのはおかしいかわからなかったのですが、氏の方がしっくりきたので、そのままにしました。変だと思ったら、脳内変換で「ゆかりん」とでもよんであげてください。
・少し嫌な表現があります。ご容赦ください。







































暇を持て余した人外、いわゆる「妖怪」のY氏は、ふとあることを思いついた。自らの住処へ、誰かを誘い込み、一時の話し相手になってもらおう、と考えたのだ。
しかし、自分の奇妙な外観では怪しまれてしまい、直接話をして住処へ来てもらうというのは不可能ではないかと思った。
かといってこの外観を変えるというのは抵抗がある。
そこでY氏は閃いた。

「そうだわ、私の力で隙間を開き、誰かが下りてくるのを待つことにしましょう。」

さっそく、手ごろな場所へ隙間を開いて、ひたすら待つことにした。
その時間は退屈ではなく、むしろ心地よいと思うことができた。











しばらく時間が経ったが、なにも変わったことは起きなかった。

「開く場所を間違えたかしら。誰もいない所なのかもしれないわね。」

Y氏は少し落胆し、隙間を閉じて、別の場所に開こうとしたその時、

「おーい、でてこーい」

という声が聞こえた。
Y氏は、久しぶりに聞いた自分以外の者の声に、とても喜んだ。
しかし、声の言うとおりに出ていくわけにもいかない。

「さっきの彼は、興味を持って降りてきてくれるかもしれないわ。」

そう思い、期待を込めたまなざしで、上の隙間を眺めた。
しかし、次はすごい勢いの小石が、隙間から飛び込んできた。
その小石は、Y氏の頬をかすめ、血が流れた。

「いたい、いたい。なんてことをするの。」

思わぬ痛みに、Y氏は愕然とした。彼は、なぜ小石を投げ込んできたのだ、と憤慨もした。
しかし、久々の外界と触れ合う機会だ。このくらいは我慢しよう、と考え、またひたすら待つことにした。











また時間が経ったが、それからも何も起こらなかった。
もうそろそろ、やめようか。残念に思いながらも、Y氏は、隙間を閉じようとした。
が、次は、紐につながった重りのようなものが、隙間から降りてきた。

「これはなんなのかしら。危ないものではなさそうね。」

少しの不信感を持ちながらも、その紐の先につながった物を取ってみた。
しかし、やはり何のこともない、ただの重りである。

「外の人の考えることは、よくわからないわ。」

首をかしげながらも、鉛を地面に置き、また隙間を眺めた。
しばらく経って、今度は紐が落ちてきた。
また確かめてみても、やはり、何の変哲もない紐である。
変なことをするものだ、と思いながら、また待つことにした。













今度はとても長い時間が経った。すさまじい音が上から鳴り響いてきたりもしたが、それは、一時隙間を閉じて、対処した。それ以外に、変わったことはなかった。
次こそ、本当にやめよう。もう、十分待っただろう。
暇つぶしがうまくいかなかったことに落胆し、今度こそ隙間を閉じようとした、その時。
隙間から、何かとてつもない重さのものが、落ちてきた。

「なに、何が起きたの。」

Y氏はとても大きい音に驚きながらも、落ちてきた物体を眺めてみた。
前に落ちてきた、重りに似てはいる。が、しかし、違う物体のように思えた。触ってみたりもしたが、よくわからない。
しばらく時間が経つと、今度は紙の入った箱が落ちてきた。
が、その頃になると、Y氏の体に異変が起きていた。

「うう、苦しい。なんだか、体がいたい、いたいよ。」

Y氏は知らない。落ちてきた物体が、放射能を多分に含む、原子炉の残り粕であることを。
普通の外の人間ならば、とっくに死んでいるほどに、強い放射能を自分が浴びていることも、知らない。
ほぼ不老不死に近い体を持ったY氏は、死ぬにも死にきれず、ずっと苦しんだ。

その間にも、次々と、様々な物が落ちてきた。動物の死骸や、浮浪者の死体。
日記、書類、紙。しまいには、言葉に表したくもない汚物が流れ込んできたりもした。
放射能に苦しむY氏には、隙間を閉じる力もなかった。美しかった外観は、どんどん汚れていった。
Y氏は泣いた。しくしく、しくしく、と、来る日も来る日も泣き続けた。

「なんで、こんなことになるの。私は、ただ、お話の相手がほしかっただけだったのに。」

そう、恨み言を呟いたりもした。しかし、Y氏に抗う手段はなかった。
徐々に、意識が途切れ、やがてY氏は気を失ってしまった。















そして、長い月日が流れた。
長きにわたって放射能を浴び続けたY氏の体は、ついに放射能を克服した。
それと同時に、今までとは比べ物にならないほどの肉体と、力、そして頭脳を手に入れた。
Y氏は、自我を取り戻すにつれ、自分の心の底から、怒りが湧いて来るのを感じた。

「外の世界の者共は、私に鬼畜生にも劣る仕打ちをした。その報復をしなければ、気が済まない。」

怒りを滾らせたY氏は、外の世界の、もっとも発展していると思われる所へ隙間を開き、自分の住処に彼らが落とした物を、全て返してやろう、と考えた。
それくらいやらないと気が済まない。Y氏は、早速その事を、実行に移した。

「ああ、すっきりした。これで、気も晴れた。」

しかし、時が経つにつれ、Y氏は少しずつ、自分のしたことを、後悔し始めた。
もともと、温厚な性格であるY氏は、外の世界へ出向き、自ら謝罪をしようと思った。
しかし、そんなことをすれば、我が身がどうなるかわからない。それに、もしかしたら外の世界は滅んでいるかもしれない。

「そうですわ、外の世界の人たちを受け入れる、世界を作ることにしましょう。その世界で、きちんと謝れば、許してくださるかしら。」

彼女の問いに答える者は、誰もいなかった。
悲しみを堪えながらも、Y氏は、自分の理想郷を作ることに、没頭していった。
かくして、Y氏は、以後数百年間、外界との交わりを絶つこととなった。







後にY氏が「幻想郷」と呼ばれる場所を作り、妖怪の賢者と呼ばれるようになるのは、遥か先のことである。
初投稿です。
某所でみた星新一氏風の、にとりと魔理沙の話と、「おーい、でてこーい」を久しぶりに読んだことが重なり、ビビッと電波を受信しました(?)。
お見苦しい点が非常に多いうえに、伝えたいこと?なにそれおいしいの?的な感じになっていて、情けない限りです。
…よく考えたら、星新一氏の話を引用する必要がない気がしたけども、まあいいや。

あと、自分で読み返してみると、星さんっぽさが全然出てねぇ……。あと紫の言動もおかしい気もする。
しかも「おーい、でてこーい」と言うよりは、ただの紫の昔話になっちゃってます。
それっぽく自分の感想を言えば、どちらも自分勝手だなー、という感じです。
それと、ゆかりんはかわいい。ドsなのもいいけど、いじめられてるのも好きです。


では、ここまで読んでくださった方がいらっしゃれば、厚くお礼申し上げます。

追記:微妙に修正しました。
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コメント



0.140簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
話自体は元の話をうまくいかせてない感じでした。
それよりも前書きも後書きも言い訳ばかりなのが白けました。
2.無評価名前が無い程度の能力削除
※1様
そうですね……自分で読み返してみても、言い訳だらけですね。かといって修正するのもアレですし。
書いている間は意外と気づかないものですね。次からは気を付けたいと思います。鋭い指摘、ありがとうございました。
3.90筑紫削除
まさかあの作品で来るとは思いませんでしたが、面白かったです。
様々な物を投げ入れた先に誰かがいたら―――という想像はした事がありませんでしたが、確かに投げ入れられた方にとっては酷い話ですよね。
紫の言動は、二次ですしそんなに気にする必要はないと思います。
ただ単体の作品として考えた時、元の話を知らないと、この作品の楽しさが半減する気がするのが残念でした。
5.70奇声を発する程度の能力削除
元のネタはちょっと分からなかったけど、淡々とした感じが良いなと思いました
6.無評価名前が無い程度の能力削除
※3様 確かに紫にとってはとばっちりですね、ちょっとした好奇心で殺されかけるなんて。まあ、流石にそれで「外の世界」を滅ぼそうとするのは、どうかとは思いますが……。

※5様 元ネタは、星新一氏の、「おーい、でてこーい」です。ネットで検索しても読めるし、図書館などにも、氏の短編をまとめた短編集が、多く置かれていると思います。是非読んでみてほしいです!!非常に面白い作品が多く、絶対に楽しめると思います。