降りそそぐような雨。
葉に当たり雫と化して落ちる雨は、誰がどう見ても美しいの一言に尽きる。
しかしこの雨を、普通の雨と捉えない亡霊がいた。白玉楼に住む、西行寺幽々子。
そう思うのは当たり前でもある。二カ月間という異常な期間、雨が続いているのだから。里の人間は深く考えずただの長雨と思っているかもしれないが、そろそろ異変と思い騒ぎ始めるだろう。幽々子は、溜め息をつきながら空を覆う暗雲を見つめた。
白玉楼の庭に、降り続ける雨。
美しいが、美しくない。この雨が異変の物だと考えると、雨が穢れているとしか思えなくなる。
「あ、幽々子様、こんな所に」
考え事に夢中だったのだろうか。気がつくとそこには、白玉楼の庭師、魂魄妖夢がいた。
「あら妖夢、何かしら?」
「あ、いや、少し暗い顔をしていたので声をかけさせてもらっただけです。」
白玉楼の庭師である妖夢は、『半人半霊』である。妖夢の周囲をふよふよしている幽霊部分がその証だ。
「それにしても、美しく見える雨ね………もう二カ月も続いてるわ。」
「いや、もうそれは異変レベルでは……?」
異変。それは幻想郷で発生する、怪事件、怪現象のことである。幻想郷中の空を紅い霧が覆った「紅霧異変」、私の発生させた春の来ない冬、「春雪異変」。そして私達も解決に向かった明けない夜の異変と語り継がれているが実は違ったりする「永夜異変」。その他様々な異変があるが、また新手の異変が来たとなるとここは本当に退屈しないとさえ思えてくる。
「異変…………か。じゃあ『長雨異変』とでも呼ぼうかしら?」
「じゃあその長雨異変、早くあの巫女が解決してくれないでしょうか……」
「多分あの娘のことだから動かないでしょう。まだ異変ということにも気付いてないと思うわ。」
『楽園の素敵な巫女』、博麗霊夢。
異変解決を生業とする彼女だが、修行不足でマイペースなのでまだこれを「異変」と感じ取れていないのだろう。
「でも妖夢、霊夢に任せるんじゃなくてたまには少し異変解決に動いてみれば?」
私は妖夢を修行させようと思った。異変解決でもしてくれば、少しは強くなるだろうと、私は思ったフリをしていた。
「ですが、私が赴くにはいささか不安が……」
「大丈夫よ、何とかなるわ。」早く行きなさい、と念を押すと「え、えぇ………」と言いながら妖夢は渋々出て行った。
外にはまだ、止みそうにもない大粒が降り続けている。
「それにしても、美しい雨よね。もう二カ月間も続いてるわ。」虚空に向かって、ぼそりと幽々子は呟く。
「さあ、私が成すべき事は終えたわ。後は勝手になさい、」
---------紫。-------------
そう呟いた瞬間、呼応するように外で雷が鳴った。
同じ頃、永遠亭。
物は割れない、食べ物は腐らない、植物は育たない、というような魔法の効果はもうない。
魔法があった時は割れなかった湯のみも今ほ割れてしまう。そう思うと、湯のみを持つ手に力がこもった。
「永琳、あまり力を込めすぎると湯のみが割れるわよ。」
輝夜姫……いや、「蓬莱山輝夜」姫は私に注意をしてきた。「大丈夫ですよ」とだけ返すと、手元のカルテに目を通す。
考えもしなかっただろう。月の賢者の私が監獄である地上で気楽に過ごす生活など。
月の罪人の私達は、何故かもう地上にすっかり慣れていた。
しかし、慣れていない、異変という名の長雨が、地上という監獄に鞭を打ちつけている。二カ月もの間、どちらも休むことなく。
「この異変……早く病むといいけど。」
「?」姫は首をかしげた。やむのニュアンスが異なるので、その反応は正しい。
私がその意味を教えると、姫は「あぁ、なるほどね。」とこれまた予想通りの反応を見せた。
私には解る。この雨、いや異変は、止まずに病むのだ。そう………
「この雨は病んでも病んでも止まないのです。」
私はそう呟くと、再びカルテに目を通す。
ーーーーーー海。
辺り一面水、水、水。
静かなその場所は、ここが外の世界であることを忘れさせる程、美しく、儚かった。
その中心に、彼は立つ。波打つ水の上に彼は立つ。足をとられることもなく、ただただ水の上に彼は立っている。
吹きつける風のせいか逆立つ髪、どこか笑みを浮かべているような表情、閉じた瞳。
両手を前に上げ、何かを唱える。
一語一語を強くかみしめ、唱えていく。そのまま時が過ぎていく。
「さて、終わりだ。たまにはこういう所で唱えるのも悪くない。」
そのまま数十分、ついに彼は両手を下げ瞳を開け呟いた。
「俺に出来る事はこれくらいだ………紫。」
目を細め、急に鋭い声で呟く。
両手を空に向かって伸ばし、大きく伸びをする。
「さあ、幻想郷が狂う時だ。」
今はまだ誰も知らない。これから幻想郷に何が起こるのかも、その犯人が誰であるのかも。
そのまま彼は海に飛び込んだ。
そこに、水飛沫はたたなかった。
続く?
最近新人の方の中でも君のような人が多くて正直私たちはウンザリしています
とりあえず最新作品集のレート7未満の文章とそれに対する全てのコメントを3回読んだ後、
自分の作品を読んでどこが悪いのか考えてみましょう
あと無意味に空白を開けすぎるのはPCからだと非常に見づらいです、スマホの操作に慣れない内はPCで投稿してください
・鍵カッコの文末は「。」は付けない。これ常識。
・段落変える時、1マス分あける。
・作品が非常に短いので、余程長くならない限りは一括。分割は他の投稿者に迷惑。
・登場人物の(実際の)設定とか、「異変」の説明いらない。そそわの住民は当たり前だけど東方知ってるから、そんなの文稼ぎにしか見えない。
・ダッシュ「——」を使う。
・あとがきのスマフォの下りいらない。唯の言い訳に過ぎない。
他の初投稿者に比べたら三点リーダ使ってたり、マトモな文書いてたりしてます。
以下もズラッと皆さんがアドバイスくれると思うので、批判を吸収してください。
オリキャラ物はもういいっつってんだよダラズ!ホームページでも作ってそこで連載しろ!
正直、創想話でこういうオリキャラは歓迎されません
続きものをやるにしてもこの長さのssを何度も投稿されると迷惑ですし
もうちょっとココの作品をよく見てから投稿を考えてみてください
「第1話」とされても困ります、ぶっちゃけるとこの話だけを読んで後に期待が持てないからです。
本当に最後まで読んで欲しいのならばきっちりと全て書き終えてからまとめて投稿してください。
とりあえず文章はしっかりしていると思いました。荒削りなのは否めないですが、初めて書いたのなら上等でしょう。なので文章に関しては30点です。
ストーリーですが、これだけだと分からないのでとりあえず10点。
合計で40点ですね。
点数入れ間違えちゃいましたw
見てないかもですがいち早くということでここで返信させて頂きます。
〉〉1名前が無い程度の能力さん
コメントと評価ありがとうございます。言うとおりに動いてみようと思います。まだまだ新人というよりニュービーなんでまだ至らぬ点もあるかもですが、指摘を吸収できるよう精進していきます。
〉〉2名前が無い程度の能力さん
コメントありがとうございます。実際この小説は東方を知らない友達の為に書こうと思っていた作品なので、構想からこのままなのです… 後書きのスマホの下りは言うとおりの言い訳です。やっぱりいらなかったですかね… その他書き方等に関するアドバイスありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。
〉〉3名前が無い程度の能力さん
元々その筈だったんですがねぇ…… すいません、その話題には触れないでもらえると嬉しいです。 コメントと評価ありがとうございます
〉〉4名前が無い程度の能力さん
コメントありがとうございます。しかしながらあなたのコメントは「キャラ」を除いてほとんど間違いだったりします。
〉〉5名前が無い程度の能力さん
そうみたいですね、ですがオリキャラはかなり少なめで行く方針ですので。(予定は一人とかそのあたり……?)この長さとありますが、あくまでもプロローグですので、次回からは纏めていけるといいなと思っています。
〉〉6名前が無い程度の能力さん
そうですね、やっぱりもう少し練ってから出すべきでしたかね。
そしてこれは第1話なのかなぁ………と少し考えてしまう始末です。
〉〉7名前が無い程度の能力さん
細かい点数分けありがとうございます。参考にさせていただきます。
確かにバリバリ分からない感でてますね。読み返してみて結構気付く事もありました。
荒削りなのは……確かに否めないかもですねw
〉〉10名前が無い程度の能力さん
まぁ、プロローグ中のプロローグなんで、頭に残るのは精々後書き位だと思ってます。
続きが出た時に読み返さないと分からない、そんな感じになってればいいなあ……ってなってないですね。とにかく、コメントありがとうございました。よろしければ僕の駄作に付き合ってもらえると嬉しいです。
多数のアドバイス、意見ありがとうございました。続き物ですが、更新の速度はかなり遅いと思います。(オリキャラの風当たりもあまりよくないですし…)いつ完結するか分かりませんが、初心者の戯言小説に付き合ってもらえればと思います。
多分次は香霖堂のお話だと思います。続き物にはしないつもりです!(言いそびれましたがこれの続きじゃないですよ)
そうなんですか。分かりました、原作の雰囲気や原作キャラの見せ場についても考えながら書いていこうと思います。
ご指導ともに評価ありがとうございます。
思わせぶりなセリフで出だしを面白くしようという姿勢は伝わりました。
この先どうなるか、期待です。