Coolier - 新生・東方創想話

注意:お酒は用法用量を守って楽しく呑みましょう。

2009/06/30 22:09:07
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注意書き:
この作品には主に地霊組の強烈なキャラ崩壊が含まれています。
一部卑猥とも取れる表現がありますがこのSSはいたってKENZENです。
お酒の呑みすぎには注意しましょう。
バカと核の扱いには注意しましょう。
飲酒をしての運転は法律によって禁止されています。
だいちゃんに黙祷をささげましょう。

以上、上記の項目が守れない場合閲覧をお控えください、目の毒ですw











夜。

古明地さとりは酔っていた。

それはもう酔っていた。

そこはかとなく酔っていた。

もう意味が分からなくなってきたけどとりあえず酔っていた。

「燐~、おしゃけまでゃ~?」

冒頭でも散々言い散らしたがもう一度言う、古明地さとりは酔っ払っている。
もはや呂律も回っていない、服もまともに着ていない、もはや頭も思考しているのかすら分からない。
ふだん冷静で何事にも動じないクールなキャラはどこへ行ってしまったのか。
今はただの花見等の宴会を終えたばかりのネクタイを頭に巻き土産片手に千鳥足で歩く酔っ払いと大差はない。
たぶん文章でセリフだけ書いていたら誰かわからない、マンガならまだしも、しかしこの辺は関係ないのでおいておく。
話を戻そう、なぜこうも酔っているか、それには語り手は読みながら自我を崩壊させ、聞き手は狂気のあまり我を失う。
語るも恐ろしい事件があった。



博麗神社、今日も賑やかに宴会が催されていた。
しかし普段の宴会とあきらかに違うところが一つ。

酒が大量にある、食事も豪勢、飾りつけも煌びやか。

と、貧乏神社の宴会とはとうてい思えないほどの贅沢な様、今日はなぜこのようになっているか。
それは珍しくスポンサーというものがついているからだ。

宴会やるから参加しない? と霊夢が何の気なしに地霊殿を訪れさとりに告げた。
博麗神社の宴会は毎回呑んで騒ぐだけ、確かにそれはそれで楽しいのだがさとりは質素で物足りなく感じていた。
そこでスポンサーとして料理等を提供することによりこの豪華な宴会になっているわけだ。

日本酒にワイン、ウィスキーにカクテル。

普段の博麗神社の宴会では決して口にできない高級なお酒も並んでいるとのこともあり参加者のテンションも上がっている。

「いやー、今回は最高だぜ、こんなに美味い酒が呑めるなんてな」
「少しは遠慮して呑みなさいよ、それと、さとりにお礼も言っておきなさいよ、全部さとりが持ってきてくれたんだから」
「なんだ、固いこと言うなよ霊夢、お前もヒック、だいぶ呑んでんじゃねーか」
「あんたほどじゃないわよ」
「あっはははは、私の勝ちだぜぇ」
「はいはい」

軽く流す霊夢に愉快そうにがはがは笑う魔理沙、実に平和な宴会である。

が。

「ちょっと!! アタイのどこがお子様だって!?」
「どこって、その崖とか体型とか身長とか、ウフフ、どこもかしこもじゃない」

突然チルノと紫が揉めだした、たかが妖精と幻想郷最古の大妖怪、もはや勝負は見えているようなものだ。

「アタイをバカにしてるの!? アタイだってあと少しすればあんたなんか目じゃないくらいの“ないすばでー”になるんだから!!」
「あらあら、どうしてそう思うの?」
「だいちゃんが言ってた」

傍らであわあわしていた大妖精が我にかえり喧嘩の仲裁に入る。
チルノは毎回のことだが相手はあの八雲紫、あわあわするのも納得がいく。

「チ、チルノちゃん!!」
「ね? だいちゃん、アタイの方がこんな奴より凄いんだよね」
「え、えっと、それは……」
「それは、気になるわね、どうなのかしら」
「も、もちろんチルノちゃんの方が凄いわ、決まってるじゃない」
「ほうらみなさい、アタイのことをお子様って言ったこと、謝りなさいよ、謝らなきゃ凍らせてかき氷にして食べてやるわよ?」

笑みを浮かべている紫を見た大妖精が恐怖した。
それはもはや笑みではないと、もう殺気がにじみ出てると、背景でゴゴゴゴゴゴといってると。
だから考えた、この現状を打破する方法を、でなきゃ殺られるから、バカの道連れなんて絶対嫌だったから。
そして思い出した。
あれ? 私たち死なないじゃん、と。
でもダメだ、この人殺してくれない、絶対痛い目にあわせるだけだ。
そして思いついた苦肉の策、もはやチルノに賭けるしかないこの作戦を大妖精は決行した。

「チルノちゃん、あのね……」
「どうしたのだいちゃん」
「ほら、お子様ってほめ言葉なのよ、様って言ってるじゃない、様って本来目上の人にしか使わないでしょう……?」
「……」
「……」
「……」

沈黙する、この時周囲の空気が衣玖さんも真っ青なほどパーフェクトフリーズした。
あぁ、終わった、と大妖精は死を覚悟した、死なないけど。

「……だいちゃんの言うとおりだわ、知ってたわよ? でもあんた達知らなさそうだから脅してみただけよ
 しょうがないから許してあげるわ、アタイ最強だし、感謝しなさい?」

そういってチルノは自分だけの勝利の美酒に酔いしれながらメインディッシュであるお子様ランチを取りにいくのだった。
その後で大妖精は紫に心から謝った、土下座して。

「ごめんなさい、ごめんなさい!! あの子バカなんです、本当にごめんなさい!!」
「そうねえ、さすがの私も気分を害したわ、だから大いに楽しませてくれるかしら、それで許してあげるわ」
「えっと……、なにをすればいいでしょうか……」
「じゃあ鼻からスパゲッティを食べて頂戴」

はい、と笑顔でスパゲッティの皿を手渡す紫。
その笑顔は本物の笑顔で、好奇心に満ち溢れる少女のようにキラキラ輝いていたとさ(本人談)

「……分かりました」
「え?」
「で、では、いただきます……、ん……、んんっ……」
「ちょ、ちょっと……」
「んぐっ……、んんんんーっ!!」

涙目になりながらスパゲッティを鼻ですすっていたのが可愛かったのは言うまでもない。

「うぇっぐげほっげほっ!! うぅ……、す、すみません……、できませんでした……」

その後むせたのも言うまでもない。

まさか本当にやるとは思わなかったと紫はガラにもなく後悔した。
ちなみにナポリタンだった。
一応おもしろかったから許したそうです。

「よく騒ぐわねぇ、まぁいいのだけれど」

それを遠巻きに見守っていたさとりが苦笑をもらしながら言った。

「あんたらは騒がなさすぎよ、宴会の時ぐらいもうちょっと楽しんだらどうなの?」

そこへ霊夢と魔理沙がやってきてどっかりと腰を下ろした。

「お、提供者のくせにぜんぜん呑んでないじゃないか」
「私はそこまでお酒呑みませんし……」
「もしかして呑めないのか?」
「の、呑めます! 失礼な事いわないでください」
「さとり様にあんまりお酒勧めないであげてよお姉さん達」

その横でもん○ちを頬張りつつ酒を楽しんでいた燐が言った。
もん○ちはまだしも猫は酒を飲んでもいいのだろうか。

「り、燐!! もう……」
「へえ……」

魔理沙の目がギラリと怪しく光る。
魔法使いのスキルともいえる好奇心、探究心が酒による相乗効果により高められている。

「ほぅら、さとり、水飲むか水」
「いりません、心を読むまでもなくもはや瓶の日本酒です」
「きゅうりのきゅーちゃん丸かじりするか」
「いりません、にとりさんにあげてください」
「そういえばさとりとにとりって似てるよな、名前が」
「はぁ、どうでもいんっぐっ」

さとりが呆れて油断したところを狙った魔理沙に隙はなかった。
さとりの口にビンの口を突っ込み鼻を押さえ無理矢理に喉下させていく。

そうして一升瓶の半分はあったであろう日本酒がさとりの胃袋に消えた。

「さぁ、どうなる!?」
「も、もう……、なにするんですかぁ……」

呑みきれなかった分が口元からたらーっとこぼれた。
誤解してはならない皆の衆、酒の話だ。

「特に変化なし、か……、量が足りなかったか?」
「やめい」

ずびし、とどこからか取り出したお祓い棒で魔理沙の頭をひっぱたいた。
スポンサーさんの機嫌を損ねちゃダメでしょ!? とさとり達に背をむけてひそひそ話す。
実に生々しい会話だ。
そんなことはさておき、なにやらさとりの様子がおかしい。

「……うーん、何だか頭がふーらふーらしますね~」
「さとり様!? お気を確かに!! トラウマを再現する人が自分のトラウマを再現してどうするんですか!?」
「あはははは~、お星様がひとーつふたーつ」
「お、おい……、これは……」
「ま、魔理沙、あんた……」
「なぁ、もしかしてさとりって……」
「そうです、さとり様は凄ーく酒癖が悪いんです、凄ーく」
「くそ……、そういうことだったのか……、私はてっきり小五ロリは伊達じゃなくて本当に呑めないのかと……」
「小五~? 誰が小五なのよ~、ヒック」

そういいながら魔理沙にネチネチと絡み付く。
うへぇ酒くせぇ! と叫ぶ魔理沙はもはや哀れの一言に尽きる、そこにきてようやく自分の過ちに気付いたようだ。
まさに自業自得というやつである。
それにしても酒の回りが恐ろしく早い。
さとりがそれほど酒に強くないというのもあるが流石は日本酒といったところか。
一升瓶半分は伊達じゃない。
良い子の大人達は真似しないでね、急性アルコール中毒で死ぬから。

「だぁれぇがぁ、しょーごろりだってぇ~?」
「わー、分かった分かった、勘弁してくれ!!」
「うぃー、ヒック」

もう完全に出来上がっている。

「あー、なんかあちゅいわねー」
「ちょ、ま!! 待てさとり!! こんなところで脱いだら!!」
「んぅーるさいなぁ、脱ぐ」
「だぁ待てったら!!」
「うなぁ!! 脱がせろ~!!」
「馬鹿野郎!! させるかぁっ!!」
「なんでよー、私が脱いだってあんたたちに迷惑かかんないでしょう? だから脱ぐ」

意地でも脱ごうとするさとり、全力で阻止しようとする魔理沙。
もう止められない、止まらない。
あとボタンは一つ、それが解放されればその内に秘めたる未発達のなまめかしい肢体が浮かび上がる。
この揉み合っている状態でそうなれば……
ぱっと見ならば魔理沙がさとりを押し倒し無理矢理服を引っぺがしている光景に見えなくもない。
それだけはなんとしてでも阻止しなければならない。

「えぇい、ままよ!! さ、さとり、お前が好きだ!!」

魔理沙がもはやわけのわからん事を叫んだ。
唖然とする一同。
カラン、と霊夢の手から箸が滑り落ちた。
そしてバタッ、とアリスとパチュリーが同時にぶっ倒れた。

「だ、だから私以外の他の奴らにお前の裸を見せたくないんだぜ……」
「え……、あぁんもう魔理沙ったらぁ、皆が見てるじゃない」
「そ、そうだな、あはは……」

返って逆効果だった。
その叫び声によってなんだなんだと周囲の視線が集まりはじめる。
当然のごとく事情を知らない者の目から見ればこういうことである。

好きだと叫びながらさとりに跨がる魔理沙。

そのさとりの服に手をかけている魔理沙。

それを手で拒んでいる(ように見える)さとり。

後で大変だぞこれは……、と一人覚悟を決めた魔理沙だった。

アリスとパチュリーは無事に蓬莱の診療所に搬送されたようだ。

「もー、分かったわ、脱がないわよ」
「はぁ、はぁ、分かればよろしい……」
「それにしても魔理沙があんなにも大胆だなんて……」

キャーと真っ赤になった顔を手で覆いながらぶんぶんと頭を振った。

「……なぁ、燐、説明を頼む」
「え、えーっと、ほらさとり様って心も読めるしいつもなにがあっても冷静じゃないですか
 なんていうか自分の感情を外に出さないって言うか……、そうしてどんどん溜め込まれていっちゃうんじゃないかと私は思います
 それが大量のお酒を飲むことによって爆発しちゃうんですよ、その溜まっていたものが……」
「その結果がこれか……」

魔理沙の指差した先では空にまたもやネチネチと絡んでいるさとりのあられもない姿が。
空の服の中に手を入れてなにやらごそごそとあらぬところを漁ったり。

「やーいやーい、とりあたまー、お前の飼い主でーべーそー!! きゃっははははは!!」
「あぅ、うにゅ~……」

どうみても小学生ですね、本当にありがとうございました。
そしてさとりに絡まれて鬱陶しいんだか嬉しいんだが空が微妙な表情を浮かべている。

「ほらほらー、空も米粒ばっかり食べてないで、お酒呑みなさいお酒~」
「わ、私はいいですよぉ……」
「あんだとーっ!? 私の酒が呑めんというのかぁ!?」

そうして登場、霊夢が追加で持ってきた日本酒の酒瓶ほぼフルの状態。

「わ、ちょ、さとりさ、んぐぐぐっ!?」

かつて自分がやられたように無理矢理に空の口に酒瓶を突っ込み流し込んでいく。
苦しそうにもがきながらも抵抗することができず結局酒瓶が空になるまで呑まされ続けた。

「う、うにゅ……」
「よっしゃ空、あんたも男だね!!」
「ふぅ……、さとり様、よろしいですか?」
「え? あ……」

さとりも周囲にいた人々も空の顔を見て愕然とした。
なんか頭よさそう!!
いまやバカのオーラなど過去のもの、引き締まった顔立ち、どこからか取り出したインテリメガネ。
キラリと光らせたメガネを鼻の上でクイッとあげるとそこから鋭い眼光を覗かせた。
その射抜くような視線、効果音であらわすとズッキューンとかいう音と共にさとりを睨み付けた。

「さとり様、そこに正座してください、私がいいというまで決して崩してはいけませんよ?
 いいですか? 生き物が一度にアルコールを分解できる量が限られているのはご存知ですね? ええ、肝臓ですよ
 それなのにこの量のお酒、しかも日本酒を一気飲みさせるだなんてどれだけ危険なことか分かっているのですか?
 酒は確かに百薬の長と言いますが過度の飲酒は生命に影響を及ぼすのですよ、ですからうんたらかんたら――

あぁ、あの愛すべきバカはどこへ行ってしまったのだろう。
そしてそこから延々と説教は続くのだろう、空の酔いがさめるまで。

「お、おい燐、止めてやってくれよ!! さすがにあれはさとりが不憫だぜ……」
「っていうかなんで空が酔うと急に頭良くなって説教攻めするって言わなかったのよ!?」
「……」
「燐?」
「すぅー、にゃー、すぅー、なーぉ」

思いっきり寝てます。
空の酒瓶を愛おしそうに抱いておもいっきり寝ています。

「いいですか!? そもそもですね、嫌がってる相手に対して無理矢理に酒を勧めるのはダラダラ――
「は、はぅぅ……」
「聞いているんですか!?」
「聞いてます!! 聞いてますからフュージョンはやめて!!」
「んにゃぁぁ、もう食べられないにゃーむにゃむにゃ」

地霊組全滅。本当にお疲れ様でした。

「なあ、霊夢」
「言わないで、魔理沙」

そう、この時二人は固く決意した。

今後こいつらを宴会に呼んではならないと。
そして酒を飲ませてはならないと。

吹き上げる間欠泉で作った温泉卵を頬張りながら、その賑やかな様を死んだ魚のような目で見つめていた。
そしてこの地霊組の暴走した様は射命丸文が克明に記録し『正しい宴会の行い方』という本に掲載された。

後にさとりが全て回収し灼熱地獄にぶち込んだのは言うまでも無い。

お酒は用法用量を守って楽しく飲みましょう、さとりさんとの約束だぞ?

「もうやめてぇぇぇ!!」
適度に酔っ払った可愛いさとりんを書こうと思ったらだいちゃんら辺からいつの間にか暴走してしまいましたw

いや、まあこんな地霊組もありかなとwww

いえ、ほんとうにごめんなさい。

次回はちゃんと真面目なの書きます。

本当にごめんなさいorz

<
りゅのヒト
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コメント



0.640簡易評価
3.無評価名前が無い程度の能力削除
流石に「守れなきゃ戻れ」っていう注意書きはどうかと思う。
5.無評価名前が無い程度の能力削除
大妖精頑張りすぎだろ
9.80名前が無い程度の能力削除
これはいいテンションだw
そして大ちゃんスパゲッティ未遂事件、想像すると思ったより可愛いという。