【外は黒白、内は紅、恋の色】
鬱蒼とした魔法の森、その深い深い森の中にあるのが彼女のお家
そこで眠る一人の少女
カーテンの隙間から差し込む朝日に顔を焼かれ
「う~・・・」
眠い目をこすりながらベットから少女が這出て呻く
ハンガーにかけてある自分の服を着る
彼女の象徴、魔法の黒白服を着込み
彼女のトレードマーク、魔法の帽子をかぶる
窓辺へ行き一気にカーテンを開け、大きく背伸び
「ん! 今日も良い天気だぜ」
「絶好の弾幕日和ってとこだな!」
意気揚々と振り返り、こうべを垂れる
朝日に照らされた部屋を見やる
相変わらず散らかった部屋
部屋の隅には山になった蒐集品
隣の部屋にも蒐集品
2階も屋根裏も地下も裏の倉庫も山山山
「良くコレだけ集めたものだよな・・・」
この前いくらか整理した
だが片付かない
何年たっても片付かない
もしかしたら死ぬまで片付かない
「・・・それが霧雨魔理沙くおりてぃ ってな」
洒落にならない
少女散歩中
【7色倉庫、苦労人】
向かうは彼女の相棒のお家、同じ森に住む人形師のお家
「アリス~、邪魔するぜ~」
返事はないが勝手に入るそれが彼女
人形師のお家は何時になく散らかっている
だがまだ彼女のお家には到底及ばない
そしてきょろきょろと目当ての物を探す
そうしているとなにやら荷物を運んでいる人形に出会す
「イラッシャーイ、マリサオハヨー」
「おう、お早う上海」
ふよふよと奥の部屋へ行く上海人形
「アリスーマリサキタヨー」
ふらふらとその主人が奥の部屋から出てくる、
目には隈
「邪魔するなら帰ってくれない?・・・・」
「おう、邪魔したな、だが断るぜ
アリス、また徹夜か?」
「嘘・・・もう朝?・・・」
「何日目かも分かってないんじゃないのか?相変わらず不健康な生活してるな」
「それもこれも魔理沙の所為よ・・・・っていうか
その台詞あなたに言われたくない」
「キャハハハ、そりゃ違いないな」
「で、何の用?霧雨魔理沙さん?」
ふよふよと戻ってくる上海人形
「マリサー、コレ?」
「そうそう、これ。ありがとう上海、ご主人様とは違って気が利くな
と言う訳で借りてくぜ」
「一言多い・・・ちゃんと返してよ?」
空に跳び箒に乗って
「ちょっと借りるだけだ」
彼女のいつもの台詞
「私が死ぬまでな」
「ちょっと・・・洒落になってないから、それ」
「キャハハ、嘘嘘、用が済んだら返すぜ」
じゃあなー とあっという間に見えなくなった少女を見送る人形師
「まったく・・・、困った子なんだから」
「アリス、ウレシソー」
「嬉かないわよ、もう寝るから後よろしくね、上海」
「ツンデレアリース」
「・・・」
「シャンハーイ」
ぴゅーと2階へ飛んでく上海人形
「絶対間違えたわね・・・性格とか・・・」
眉間を押さえ呻く人形師
少女飛翔中
【知識の墓場、不動ゆえに】
風を切り裂き空気の壁をぶち壊し
ふと日傘を持ったメイドが視界の隅に
気がつけば目の前に
「わっ?わ!」
急ブレーキ
「わぶっ?!」
止まりきる前にボフンと衝突
何処に衝突?はてさて
数歩離れてメイド
「御機嫌よう魔理沙様、ちょうど良かったですわ」
「い、いきなり沸いて出るなよな・・・何だよ?」
「伝言ですわ、パチュリー様から」
「本返せ?」
「そう、本返せる?」
「返すぜ私が死んでから」
「洒落になりませんわ」
「いや、まぁ、何時か、だぜ」
「何時か・・・ねぇ・・・何時になる事やら
あと、お嬢「そっちは聞かない」
しばし沈黙
「伝g「やだ、聞かない」
しばしお待ちを
「何t「きかないってば」
しばし待たれよ
「いいk「あ~あ~あ~~聞こえな~いき~こ~え~な~い~」
見つめ合う二人、何思う
「めるp「がっ」
息は合っていた
「・・・」「・・・」
「・・・聞いて頂きますわ、実力行使で」
痺れを切らすメイド、ナイフを構える
「聞かないぜ、全力で」
答える少女、手を掲げる
傘を浮かせ、カードを取り出しメイド
『幻符』
宣言する
「いきなりか?だが、甘い!」
星型を放つ、メイドの真上、浮いた日傘へ
「『殺人ド
ってちょっこら!」
「キャハハハ、弱点を晒してるほうが悪いんだぜ~」
「これお嬢様の日傘ですよ!?」
「よし壊す!じゃあ壊す!なおさら壊す!もっと壊す!」
「あ~もう、卑怯者~」
「キャハハハハ、ぶちまけるぜ~」
傘をかばうメイドを適当に引き離し
くるりと踵を反し
あばよだぜ~っとかっ飛ぶ少女
「あ~もう、また逃げられた。あ~もう、傘に穴が・・・申し訳ありませんお嬢様」
はぁ と溜息
「難儀ですわ、色々と・・・」
はぁ~ とさらに溜息
「でも、まぁ・・・ねぇ
私はこれで良いかと・・・ねぇ、お嬢様?」
日傘を見つめ、微笑むメイド
その日傘は誰の為?はてさて
少女目標捕捉中
【友・仇・類・異・家族、曖昧だが明確】
博霊神社、彼女の親友のお家、人妖の集う所、外と中の境界線
縁側で茶を飲む巫女一人
朝とも昼ともいえない微妙な時間
暖かいともまだ寒いともいえる微妙な空気
「そんな時こそ、熱いお茶よね」
そこに影が差す
「お早う霊夢、お茶は何時もだろう、がっ」
巫女の隣のお盆に急須に少女が箒一閃
「お早う魔理sまてこら」
お盆を持ち上げよける巫女
「挨拶と破壊は同意語なのかあんたは」
「普通だ、ぜっ」
反す刀でさらに一閃
「魔女の普通は一般市民にゃ理解しかねるわ」
ひょいと躱して、居間へ移動
「誰が一般市民だよ、この化け物巫女が」
「あんたに化け物言われたくないわ~」
居間のちゃぶ台にてお茶飲み再開
「こんな良い天気にしっぽりお茶なんかやってるから貧乏巫女なんだぜ~
今も昔もこれからも、な」
「あ~、また喧嘩売りに来たのね
買わないわよ?」
「つれないぜ」
「つれなくて結構」
「え~~、れ~い~む~~あそぼ~ぜ~」
「おことわり」
「遊ぼうぜ~赤貧巫女~」
「なんとでも」
「腋巫女~」
「ほっといて」
「ひんぬ~巫女~」
「あんたよかあるわよ」
「ドクダ巫女~」
「意味わからん、ドクダミは美味しいわよ」
「生臭~」
「生臭くは無い、臭いけど」
「胡散臭~」
「私じゃないじゃない」
「乳臭~」
「あんたのことね」
「が~」
「はいはい」
「う~」
「ずずずー」
「巫女は妖怪賽銭箱、賽銭はまだ無い」
「お茶が美味しいわ~」
「賽銭求めて三千里、賽銭とすれ違いもしない」
「ずずず」
「同情するなら賽銭おくれ、賽銭以前に同情すら無い」
「ずず・・・」
「弾幕と賽銭だけ~がと~もだっちさ~」
「ず・・・」
「半分見捨てられてます、本当にありがとうございました」
「・・・」
「あ~弾幕は避けてるから友達0だな、さみしいぜ」
「だぁぁぁ~~!賽銭賽銭うっさいわね!!」
「喧嘩を買う金もないってか?」
「そんなに買って欲しけりゃ買ってやるわよ!お釣りもくれてやるわよ!」
「コイン一個だぜ?」
「一個でも十個でも百個でもいいわよ!表出ろ!」
何処からとも無く取り出すお払い棒
「キャハハハ~そうこなくっちゃな~」
「あんたは表に出たままね!じゃあ開始!」
投げられたお払い棒
「痛ぁ?!」
それが弾幕開始の合図
少女弾幕真っ最中
【狂気の主犯、故に中心、故に被害者】
何度目かの被弾、落下するのは少女
「で、あんたのコインは何個かしら~?」
「くっそ!まだまだだぜ!」
地を蹴り跳び上がる
「あんたの攻撃は直線過ぎるのよ~
真直ぐ一直線、故に避けるのは簡単」
「じゃあ変化球だぜ!
スターダストミサイル!」
突進する少女
「あと、力技ね
博霊アミュレット」
迎撃する巫女
「アースライトレイ!」
直撃コースのミサイルはすべて撃墜されるも
突進し地面に魔法を打ち込む
「布石かしら?」
無数の針を投げて牽制する
「ブレイク!」
通り過ぎたミサイルが炸裂し星型をばら撒き退路を塞ぐ
「うわ?!」
レーザーが前を通過し進行を妨害する
「っととと、危ない危ない」
「捕まえたぜ!」
「捕まっちゃったわ」
八卦炉を構える少女、この距離ならば避けれない
「魔理沙の十八番ね、じゃあ私も十八番」
胸元からカードを取り出す巫女
『恋符』
『夢符』
宣言する
『マスタースパーク!』
『封魔陣!』
迸る炎のような真っ紅な閃光
だがそれを切り裂き進む碧い結界
「っち」
「あんたのそれは真直ぐ一直線、
故に軸をちょっと弄ればば受け流すことも簡単
どうする?」
「こうするぜ!」
八卦炉に魔力を籠めたまま手を放し箒のうえに乗る少女
小さい両手を大きく開き
真っ紅な目を大きく見開き
眼下に迫る碧い結界を見据え
翼を大きく広げる
七色の水晶の翼を
「あんたの十八番ね、じゃあ私も、師匠の十八番」
少女は結界の『目』を見据え、その奥の憎き奴をにらむ
巫女は先を見越し胸元からカードを取り出す
「きゅ~としてぇ」
『境符』
両手をたたく
宣言する
「どか~ん」
『四重結界』
碧い結界は破壊され開放される紅い閃光
だが結界を4枚破壊しつくしたところで八卦炉の魔力が尽きる
「う~、防がれたぜ」
「危ない危ない、防いだわ」
「じゃぁ、次はこれだ!」
帽子からカードを取り出し少女
『禁忌』
宣言する
『フォーオブアカインド!』
少女の後ろから4人の紅い少女が顔を出す
「あんたに、守る、受ける、という言葉は無いのかしら」
「「「「「攻撃は最大の防御なの」」」」だぜ」
「一人で喋れ、姦しい」
「「「「「二人足らないよ」」」」ぜ」
「一人多いわよ」
巫女は呆れ顔
「それじゃぁ・・」「「「「「いくよ!」」」」
紅い二人は燃え上がる剣を手に突進
残りの二人は横へ旋回
箒の少女は上空へ
巫女はお札を放つ
結界を広げるお札に剣を持つ少女がひとり貼付になる
もう一人の剣を振るう少女を蹴り落とす
「箒に乗ったあんたが本物ね」
残り二人の少女の弾幕をそよ風の様に受け流し箒を追う
「昇れ!」
箒の少女が叫ぶ
「っ!?」
巫女は地上から伸びてきたレーザーに背中を撃たれる
巫女の結界に阻まれるが、余波と熱波で背中の服と肌を焼かれる
「あっつ~、さっきのアースライトレイ?時間差攻撃?やるじゃない」
四方を紅い少女に取り囲まれる
「「「「「捕まえたよ!」」」」ぜ!」
「あぁ、姦しい」
「行くぜ霊夢!」
「「「「「これが私たちの」」」」
『切り札だ!!』
少女らが叫び
『魔剣』
口々に宣言する
目の前の少女 真紅の剣
「災剣 レーバンテイン!」
右の少女 鋼鉄の剣
「怒剣 グラム!」
左の少女 どす黒い剣
「血剣 バルムンク!」
後ろの少女 半透明の不確定な剣
「霊剣 ミステイルティン!」
上空の少女 八卦炉
「魔剣 霧雨!」
「なんか、有難みが減ったわ~」
空気を読まない空気の巫女
「じゃ、私も切り札ね」
頭のリボンを解く、それが一枚のカードになる
少女が叫ぶ
『ファイナル マスター ブレード!』
交差する5つの剣 轟き炸裂
「どうだ!化け物巫女め!」
そこには揺らめく巫女の姿
数個の陰陽球を携えて
『夢想転生』
それはすべてを浮かす
物も、熱も、光も、全て
「ねぇ、魔理沙」
「げ、嘘マジ?」
「確かに攻撃は最大の防御だけど、逆もまた然り
因果応報って知ってる?」
「え~っと・・・カウンター?」
「ご名答、受け取りなさい喧嘩のお代よ
れっつごー陰陽球」
「うきゃ~~、嫌ぁぁぁぁ、助けて~~」
「ぉ~避ける避ける
あぁ、そうだわ、コレはお釣りね、もってけどろぼ~」
投げられたお払い棒
「ふぎゃ?!」
じゃれつく陰陽球とお札
「きゃ~~~~」
それが弾幕終了の合図
少女地面激突 中?
【あるいは母に接吻 でぃーぷいんぱくと】
「きゅ~~」
「懲りた?懲りてないと思うけど」
「化け物巫女、反則巫女」
「はいはい、あんたと弾幕ると全力出さないといけないから疲れるわ」
汗もかかずに顔だけ疲れ顔の巫女が言う
「嘘付け」
「嘘じゃないわよ、もう飛ぶ力も残ってないわー」
「なんだ、その程度か?私はまだまだこれからだぜ」
「!? ってもうそんな余裕もないくせに」
「おぅ、もう煙も出ないぜ」
「威張るな」
そういって浮かせたお払い棒にすわり
「お茶飲む?」
どこからともなく湯呑みを取り出し差し出す
「飲むぜ」
受け取る少女
「それにしても、あんたは昔よりはえらく落ち着いたって話じゃない
お婆さまは、えっっっらく苦労したことでしょう、ねぇ?」
「・・・苦労してたのはあいつの方だった気がするけど」
「そのあいつには現在進行形で私が苦労してるのよ!
なんとかしろ!あんたの姉さん!!」
「やだ」
「やだじゃない!」
さらにまくし立てる巫女
「大体あんたが、そ「お茶ご馳走う様」沙さんの真「じゃ、私は行くところがあるんで」しょうが
レミ「次は負けないからな」って来い、フラ「じゃな~霊夢~~」寂っうわ、こらっ」
箒に乗って衝撃波を残しかっ飛んで行く少女
「煙も出ないんじゃなかったかしら
速さだけなら、幻想郷1位よねぇ」
くるりと神社のほうに向き直り
「疲れたし、二度・・・寝・・・し」
固まる
神社の屋根が半分吹っ飛んでいた
「・・・封魔陣を壊したときね・・・やられたわ・・・」
もう見えなくなった少女の方を向き
「なおしてけ~~~!!この疫病神!破壊神!!」
「神と聞いt「帰れ~~~~!!!」ひぁぁ」
たくましい彼女も元気元気
「ダブルぎゅっとしてドカーンってね
キャハハハハハ」
少女上昇中
【妹、娘、家族
姉、母、想い人】
向かうは大空の果て、冥界の門
そこに居たのは式の式
式のお下がりを着た式の式
門の結界を修理中
「よう橙、また無駄に頑張ってるな」
「げ~また来た~
今は結界の修理中、通行禁止」
「結界の練習中だろ?手伝ってやるぜ」
「手伝うんじゃなくて、邪魔するんでしょ、どっか行けー!」
「まずは耐久力テストだ!いくぜ~」
「きゃ~~~、やめて~~~」
轢いてぶつかって割る
ばい~んどか~んばり~ん
「わぁ~~ん、藍さま~~~」
「キャハハハハ」
白玉楼、冥界の屋敷、悩み多き故人が住まうところ
到着するなり、箒から降り、『彼女』の服と帽子を脱ぐ
現れたのは紅い少女
冥界の太陽は弱い、弱いもの達を優しく包み込む
少女は『彼女』の服を綺麗にたたみ、浮かせた箒にかける
右のポケットから紅い帽子を取り出しかぶる
左のポケットから手鏡を取り出し身だしなみ
「うん!完璧ね!」
そして箒に寄り添って歩く、一緒に歩く
そのうち、同じくらいの背丈の半人半霊の少女に会う
なにやら小山と格闘している
「なにやってるの?」
「あ、こんにちは、えっと魔理沙さん?」
「今は違う、で、何やってるの?」
「はぁそうですか、
見ての通り落ち葉集めてるんです、
幽々子様が落ち葉が鬱陶しい鬱陶しい言うもので」
「ふ~ん、焼き芋でも焼くのかと思ったのだけど」
「そう思って、用意しましたよ
ほら、そこ」
小山の隣に小さな山 微山
「ふ~ん、火要る?」
「要りません消し炭になりそうだし」
「あっそう
で、何処?」
「主語無しで言われても解りませんし知りません」
「ふ~ん、
これなーんだ」
右手を差し出す
「ん?何ですか?この黒いの」
右手を握る少女
「きゅ~っとして」
小山がドカーン
「あーーー!何するんですか!せっかく集めたのに」
「で、何処?」
「知りませんよ~、今日は外に出ていないから
そこらへんでブラブラしているんじゃないですか?」
「じゃぁ、勝手に探すわね」
「勝手にしてください、でも暴れないでくださいね」
そういって小山と格闘を再会する
「ねぇねぇねぇ~」
「なんですか?邪魔もしないでくださいね」
両手を広げる少女
「ダブルぎゅっとしてぇ~」
ぱん!
微山がドカーン 小山がもっとドカーン
「あぁぁ!あぁ~~!あ~~~~~~~~!」
木の葉が半径十数メートルほどばら撒かれる
「キャハハハハ」
そのまま館の中へ行く少女
「あ~~も~~~」
「ねぇ~、お腹が空いたわぁ~」
「あ~、幽々子様?それなら母上のとこにでも行ってください
台所にいると思いますよ」
「妖夢には追い返されたわぁ~、つまみ食いはだめだって
あなたに嫉妬してるのよねぇ~きっと」
「何でそうなるんですか、絶対違います、頭なでないでください、抱きつかないでください」
「お腹が空いたわぁ~」
「じゃあ、落ち葉集めて焼きいも作るんで待っててください」
「あらぁ、目の前に大きなお餅があるわぁ」
「それ私の半身です、食べちゃだめですよ
って、何つかんでるんですか、噛み付かないで、歯を立てないで」
「いただきまぁ~す」
「っちょ、幽々子様痛いです、やめっ、ちょ、あぁぁ~!」
「むぐむぐ」
「アー!!」
「変わっても変わらないわね~、あの主従
キャハハハハ」
「さてと、台所以外、かな?」
少女は探す彼女を探す
動かない大図書館、知識の同胞に一生かかって築いた知識を預けた彼女を
少女は呼ぶ彼女を呼ぶ
七色の人形師、魔女の相棒に一生かかって集めた、作った物を預けた彼女を
少女は見つけるこちらに向かって手を振る彼女を見つける
何年にも渡って裁かれても、地獄を縦断しても、まったく消えない悔いと罪のためこの世に居座る彼女を
少女は飛び込む
狂気に押し潰された哀れな少女に、決して壊れない心を受け継がせた
彼女の胸の中に
-劇終-
鬱蒼とした魔法の森、その深い深い森の中にあるのが彼女のお家
そこで眠る一人の少女
カーテンの隙間から差し込む朝日に顔を焼かれ
「う~・・・」
眠い目をこすりながらベットから少女が這出て呻く
ハンガーにかけてある自分の服を着る
彼女の象徴、魔法の黒白服を着込み
彼女のトレードマーク、魔法の帽子をかぶる
窓辺へ行き一気にカーテンを開け、大きく背伸び
「ん! 今日も良い天気だぜ」
「絶好の弾幕日和ってとこだな!」
意気揚々と振り返り、こうべを垂れる
朝日に照らされた部屋を見やる
相変わらず散らかった部屋
部屋の隅には山になった蒐集品
隣の部屋にも蒐集品
2階も屋根裏も地下も裏の倉庫も山山山
「良くコレだけ集めたものだよな・・・」
この前いくらか整理した
だが片付かない
何年たっても片付かない
もしかしたら死ぬまで片付かない
「・・・それが霧雨魔理沙くおりてぃ ってな」
洒落にならない
少女散歩中
【7色倉庫、苦労人】
向かうは彼女の相棒のお家、同じ森に住む人形師のお家
「アリス~、邪魔するぜ~」
返事はないが勝手に入るそれが彼女
人形師のお家は何時になく散らかっている
だがまだ彼女のお家には到底及ばない
そしてきょろきょろと目当ての物を探す
そうしているとなにやら荷物を運んでいる人形に出会す
「イラッシャーイ、マリサオハヨー」
「おう、お早う上海」
ふよふよと奥の部屋へ行く上海人形
「アリスーマリサキタヨー」
ふらふらとその主人が奥の部屋から出てくる、
目には隈
「邪魔するなら帰ってくれない?・・・・」
「おう、邪魔したな、だが断るぜ
アリス、また徹夜か?」
「嘘・・・もう朝?・・・」
「何日目かも分かってないんじゃないのか?相変わらず不健康な生活してるな」
「それもこれも魔理沙の所為よ・・・・っていうか
その台詞あなたに言われたくない」
「キャハハハ、そりゃ違いないな」
「で、何の用?霧雨魔理沙さん?」
ふよふよと戻ってくる上海人形
「マリサー、コレ?」
「そうそう、これ。ありがとう上海、ご主人様とは違って気が利くな
と言う訳で借りてくぜ」
「一言多い・・・ちゃんと返してよ?」
空に跳び箒に乗って
「ちょっと借りるだけだ」
彼女のいつもの台詞
「私が死ぬまでな」
「ちょっと・・・洒落になってないから、それ」
「キャハハ、嘘嘘、用が済んだら返すぜ」
じゃあなー とあっという間に見えなくなった少女を見送る人形師
「まったく・・・、困った子なんだから」
「アリス、ウレシソー」
「嬉かないわよ、もう寝るから後よろしくね、上海」
「ツンデレアリース」
「・・・」
「シャンハーイ」
ぴゅーと2階へ飛んでく上海人形
「絶対間違えたわね・・・性格とか・・・」
眉間を押さえ呻く人形師
少女飛翔中
【知識の墓場、不動ゆえに】
風を切り裂き空気の壁をぶち壊し
ふと日傘を持ったメイドが視界の隅に
気がつけば目の前に
「わっ?わ!」
急ブレーキ
「わぶっ?!」
止まりきる前にボフンと衝突
何処に衝突?はてさて
数歩離れてメイド
「御機嫌よう魔理沙様、ちょうど良かったですわ」
「い、いきなり沸いて出るなよな・・・何だよ?」
「伝言ですわ、パチュリー様から」
「本返せ?」
「そう、本返せる?」
「返すぜ私が死んでから」
「洒落になりませんわ」
「いや、まぁ、何時か、だぜ」
「何時か・・・ねぇ・・・何時になる事やら
あと、お嬢「そっちは聞かない」
しばし沈黙
「伝g「やだ、聞かない」
しばしお待ちを
「何t「きかないってば」
しばし待たれよ
「いいk「あ~あ~あ~~聞こえな~いき~こ~え~な~い~」
見つめ合う二人、何思う
「めるp「がっ」
息は合っていた
「・・・」「・・・」
「・・・聞いて頂きますわ、実力行使で」
痺れを切らすメイド、ナイフを構える
「聞かないぜ、全力で」
答える少女、手を掲げる
傘を浮かせ、カードを取り出しメイド
『幻符』
宣言する
「いきなりか?だが、甘い!」
星型を放つ、メイドの真上、浮いた日傘へ
「『殺人ド
ってちょっこら!」
「キャハハハ、弱点を晒してるほうが悪いんだぜ~」
「これお嬢様の日傘ですよ!?」
「よし壊す!じゃあ壊す!なおさら壊す!もっと壊す!」
「あ~もう、卑怯者~」
「キャハハハハ、ぶちまけるぜ~」
傘をかばうメイドを適当に引き離し
くるりと踵を反し
あばよだぜ~っとかっ飛ぶ少女
「あ~もう、また逃げられた。あ~もう、傘に穴が・・・申し訳ありませんお嬢様」
はぁ と溜息
「難儀ですわ、色々と・・・」
はぁ~ とさらに溜息
「でも、まぁ・・・ねぇ
私はこれで良いかと・・・ねぇ、お嬢様?」
日傘を見つめ、微笑むメイド
その日傘は誰の為?はてさて
少女目標捕捉中
【友・仇・類・異・家族、曖昧だが明確】
博霊神社、彼女の親友のお家、人妖の集う所、外と中の境界線
縁側で茶を飲む巫女一人
朝とも昼ともいえない微妙な時間
暖かいともまだ寒いともいえる微妙な空気
「そんな時こそ、熱いお茶よね」
そこに影が差す
「お早う霊夢、お茶は何時もだろう、がっ」
巫女の隣のお盆に急須に少女が箒一閃
「お早う魔理sまてこら」
お盆を持ち上げよける巫女
「挨拶と破壊は同意語なのかあんたは」
「普通だ、ぜっ」
反す刀でさらに一閃
「魔女の普通は一般市民にゃ理解しかねるわ」
ひょいと躱して、居間へ移動
「誰が一般市民だよ、この化け物巫女が」
「あんたに化け物言われたくないわ~」
居間のちゃぶ台にてお茶飲み再開
「こんな良い天気にしっぽりお茶なんかやってるから貧乏巫女なんだぜ~
今も昔もこれからも、な」
「あ~、また喧嘩売りに来たのね
買わないわよ?」
「つれないぜ」
「つれなくて結構」
「え~~、れ~い~む~~あそぼ~ぜ~」
「おことわり」
「遊ぼうぜ~赤貧巫女~」
「なんとでも」
「腋巫女~」
「ほっといて」
「ひんぬ~巫女~」
「あんたよかあるわよ」
「ドクダ巫女~」
「意味わからん、ドクダミは美味しいわよ」
「生臭~」
「生臭くは無い、臭いけど」
「胡散臭~」
「私じゃないじゃない」
「乳臭~」
「あんたのことね」
「が~」
「はいはい」
「う~」
「ずずずー」
「巫女は妖怪賽銭箱、賽銭はまだ無い」
「お茶が美味しいわ~」
「賽銭求めて三千里、賽銭とすれ違いもしない」
「ずずず」
「同情するなら賽銭おくれ、賽銭以前に同情すら無い」
「ずず・・・」
「弾幕と賽銭だけ~がと~もだっちさ~」
「ず・・・」
「半分見捨てられてます、本当にありがとうございました」
「・・・」
「あ~弾幕は避けてるから友達0だな、さみしいぜ」
「だぁぁぁ~~!賽銭賽銭うっさいわね!!」
「喧嘩を買う金もないってか?」
「そんなに買って欲しけりゃ買ってやるわよ!お釣りもくれてやるわよ!」
「コイン一個だぜ?」
「一個でも十個でも百個でもいいわよ!表出ろ!」
何処からとも無く取り出すお払い棒
「キャハハハ~そうこなくっちゃな~」
「あんたは表に出たままね!じゃあ開始!」
投げられたお払い棒
「痛ぁ?!」
それが弾幕開始の合図
少女弾幕真っ最中
【狂気の主犯、故に中心、故に被害者】
何度目かの被弾、落下するのは少女
「で、あんたのコインは何個かしら~?」
「くっそ!まだまだだぜ!」
地を蹴り跳び上がる
「あんたの攻撃は直線過ぎるのよ~
真直ぐ一直線、故に避けるのは簡単」
「じゃあ変化球だぜ!
スターダストミサイル!」
突進する少女
「あと、力技ね
博霊アミュレット」
迎撃する巫女
「アースライトレイ!」
直撃コースのミサイルはすべて撃墜されるも
突進し地面に魔法を打ち込む
「布石かしら?」
無数の針を投げて牽制する
「ブレイク!」
通り過ぎたミサイルが炸裂し星型をばら撒き退路を塞ぐ
「うわ?!」
レーザーが前を通過し進行を妨害する
「っととと、危ない危ない」
「捕まえたぜ!」
「捕まっちゃったわ」
八卦炉を構える少女、この距離ならば避けれない
「魔理沙の十八番ね、じゃあ私も十八番」
胸元からカードを取り出す巫女
『恋符』
『夢符』
宣言する
『マスタースパーク!』
『封魔陣!』
迸る炎のような真っ紅な閃光
だがそれを切り裂き進む碧い結界
「っち」
「あんたのそれは真直ぐ一直線、
故に軸をちょっと弄ればば受け流すことも簡単
どうする?」
「こうするぜ!」
八卦炉に魔力を籠めたまま手を放し箒のうえに乗る少女
小さい両手を大きく開き
真っ紅な目を大きく見開き
眼下に迫る碧い結界を見据え
翼を大きく広げる
七色の水晶の翼を
「あんたの十八番ね、じゃあ私も、師匠の十八番」
少女は結界の『目』を見据え、その奥の憎き奴をにらむ
巫女は先を見越し胸元からカードを取り出す
「きゅ~としてぇ」
『境符』
両手をたたく
宣言する
「どか~ん」
『四重結界』
碧い結界は破壊され開放される紅い閃光
だが結界を4枚破壊しつくしたところで八卦炉の魔力が尽きる
「う~、防がれたぜ」
「危ない危ない、防いだわ」
「じゃぁ、次はこれだ!」
帽子からカードを取り出し少女
『禁忌』
宣言する
『フォーオブアカインド!』
少女の後ろから4人の紅い少女が顔を出す
「あんたに、守る、受ける、という言葉は無いのかしら」
「「「「「攻撃は最大の防御なの」」」」だぜ」
「一人で喋れ、姦しい」
「「「「「二人足らないよ」」」」ぜ」
「一人多いわよ」
巫女は呆れ顔
「それじゃぁ・・」「「「「「いくよ!」」」」
紅い二人は燃え上がる剣を手に突進
残りの二人は横へ旋回
箒の少女は上空へ
巫女はお札を放つ
結界を広げるお札に剣を持つ少女がひとり貼付になる
もう一人の剣を振るう少女を蹴り落とす
「箒に乗ったあんたが本物ね」
残り二人の少女の弾幕をそよ風の様に受け流し箒を追う
「昇れ!」
箒の少女が叫ぶ
「っ!?」
巫女は地上から伸びてきたレーザーに背中を撃たれる
巫女の結界に阻まれるが、余波と熱波で背中の服と肌を焼かれる
「あっつ~、さっきのアースライトレイ?時間差攻撃?やるじゃない」
四方を紅い少女に取り囲まれる
「「「「「捕まえたよ!」」」」ぜ!」
「あぁ、姦しい」
「行くぜ霊夢!」
「「「「「これが私たちの」」」」
『切り札だ!!』
少女らが叫び
『魔剣』
口々に宣言する
目の前の少女 真紅の剣
「災剣 レーバンテイン!」
右の少女 鋼鉄の剣
「怒剣 グラム!」
左の少女 どす黒い剣
「血剣 バルムンク!」
後ろの少女 半透明の不確定な剣
「霊剣 ミステイルティン!」
上空の少女 八卦炉
「魔剣 霧雨!」
「なんか、有難みが減ったわ~」
空気を読まない空気の巫女
「じゃ、私も切り札ね」
頭のリボンを解く、それが一枚のカードになる
少女が叫ぶ
『ファイナル マスター ブレード!』
交差する5つの剣 轟き炸裂
「どうだ!化け物巫女め!」
そこには揺らめく巫女の姿
数個の陰陽球を携えて
『夢想転生』
それはすべてを浮かす
物も、熱も、光も、全て
「ねぇ、魔理沙」
「げ、嘘マジ?」
「確かに攻撃は最大の防御だけど、逆もまた然り
因果応報って知ってる?」
「え~っと・・・カウンター?」
「ご名答、受け取りなさい喧嘩のお代よ
れっつごー陰陽球」
「うきゃ~~、嫌ぁぁぁぁ、助けて~~」
「ぉ~避ける避ける
あぁ、そうだわ、コレはお釣りね、もってけどろぼ~」
投げられたお払い棒
「ふぎゃ?!」
じゃれつく陰陽球とお札
「きゃ~~~~」
それが弾幕終了の合図
少女地面激突 中?
【あるいは母に接吻 でぃーぷいんぱくと】
「きゅ~~」
「懲りた?懲りてないと思うけど」
「化け物巫女、反則巫女」
「はいはい、あんたと弾幕ると全力出さないといけないから疲れるわ」
汗もかかずに顔だけ疲れ顔の巫女が言う
「嘘付け」
「嘘じゃないわよ、もう飛ぶ力も残ってないわー」
「なんだ、その程度か?私はまだまだこれからだぜ」
「!? ってもうそんな余裕もないくせに」
「おぅ、もう煙も出ないぜ」
「威張るな」
そういって浮かせたお払い棒にすわり
「お茶飲む?」
どこからともなく湯呑みを取り出し差し出す
「飲むぜ」
受け取る少女
「それにしても、あんたは昔よりはえらく落ち着いたって話じゃない
お婆さまは、えっっっらく苦労したことでしょう、ねぇ?」
「・・・苦労してたのはあいつの方だった気がするけど」
「そのあいつには現在進行形で私が苦労してるのよ!
なんとかしろ!あんたの姉さん!!」
「やだ」
「やだじゃない!」
さらにまくし立てる巫女
「大体あんたが、そ「お茶ご馳走う様」沙さんの真「じゃ、私は行くところがあるんで」しょうが
レミ「次は負けないからな」って来い、フラ「じゃな~霊夢~~」寂っうわ、こらっ」
箒に乗って衝撃波を残しかっ飛んで行く少女
「煙も出ないんじゃなかったかしら
速さだけなら、幻想郷1位よねぇ」
くるりと神社のほうに向き直り
「疲れたし、二度・・・寝・・・し」
固まる
神社の屋根が半分吹っ飛んでいた
「・・・封魔陣を壊したときね・・・やられたわ・・・」
もう見えなくなった少女の方を向き
「なおしてけ~~~!!この疫病神!破壊神!!」
「神と聞いt「帰れ~~~~!!!」ひぁぁ」
たくましい彼女も元気元気
「ダブルぎゅっとしてドカーンってね
キャハハハハハ」
少女上昇中
【妹、娘、家族
姉、母、想い人】
向かうは大空の果て、冥界の門
そこに居たのは式の式
式のお下がりを着た式の式
門の結界を修理中
「よう橙、また無駄に頑張ってるな」
「げ~また来た~
今は結界の修理中、通行禁止」
「結界の練習中だろ?手伝ってやるぜ」
「手伝うんじゃなくて、邪魔するんでしょ、どっか行けー!」
「まずは耐久力テストだ!いくぜ~」
「きゃ~~~、やめて~~~」
轢いてぶつかって割る
ばい~んどか~んばり~ん
「わぁ~~ん、藍さま~~~」
「キャハハハハ」
白玉楼、冥界の屋敷、悩み多き故人が住まうところ
到着するなり、箒から降り、『彼女』の服と帽子を脱ぐ
現れたのは紅い少女
冥界の太陽は弱い、弱いもの達を優しく包み込む
少女は『彼女』の服を綺麗にたたみ、浮かせた箒にかける
右のポケットから紅い帽子を取り出しかぶる
左のポケットから手鏡を取り出し身だしなみ
「うん!完璧ね!」
そして箒に寄り添って歩く、一緒に歩く
そのうち、同じくらいの背丈の半人半霊の少女に会う
なにやら小山と格闘している
「なにやってるの?」
「あ、こんにちは、えっと魔理沙さん?」
「今は違う、で、何やってるの?」
「はぁそうですか、
見ての通り落ち葉集めてるんです、
幽々子様が落ち葉が鬱陶しい鬱陶しい言うもので」
「ふ~ん、焼き芋でも焼くのかと思ったのだけど」
「そう思って、用意しましたよ
ほら、そこ」
小山の隣に小さな山 微山
「ふ~ん、火要る?」
「要りません消し炭になりそうだし」
「あっそう
で、何処?」
「主語無しで言われても解りませんし知りません」
「ふ~ん、
これなーんだ」
右手を差し出す
「ん?何ですか?この黒いの」
右手を握る少女
「きゅ~っとして」
小山がドカーン
「あーーー!何するんですか!せっかく集めたのに」
「で、何処?」
「知りませんよ~、今日は外に出ていないから
そこらへんでブラブラしているんじゃないですか?」
「じゃぁ、勝手に探すわね」
「勝手にしてください、でも暴れないでくださいね」
そういって小山と格闘を再会する
「ねぇねぇねぇ~」
「なんですか?邪魔もしないでくださいね」
両手を広げる少女
「ダブルぎゅっとしてぇ~」
ぱん!
微山がドカーン 小山がもっとドカーン
「あぁぁ!あぁ~~!あ~~~~~~~~!」
木の葉が半径十数メートルほどばら撒かれる
「キャハハハハ」
そのまま館の中へ行く少女
「あ~~も~~~」
「ねぇ~、お腹が空いたわぁ~」
「あ~、幽々子様?それなら母上のとこにでも行ってください
台所にいると思いますよ」
「妖夢には追い返されたわぁ~、つまみ食いはだめだって
あなたに嫉妬してるのよねぇ~きっと」
「何でそうなるんですか、絶対違います、頭なでないでください、抱きつかないでください」
「お腹が空いたわぁ~」
「じゃあ、落ち葉集めて焼きいも作るんで待っててください」
「あらぁ、目の前に大きなお餅があるわぁ」
「それ私の半身です、食べちゃだめですよ
って、何つかんでるんですか、噛み付かないで、歯を立てないで」
「いただきまぁ~す」
「っちょ、幽々子様痛いです、やめっ、ちょ、あぁぁ~!」
「むぐむぐ」
「アー!!」
「変わっても変わらないわね~、あの主従
キャハハハハ」
「さてと、台所以外、かな?」
少女は探す彼女を探す
動かない大図書館、知識の同胞に一生かかって築いた知識を預けた彼女を
少女は呼ぶ彼女を呼ぶ
七色の人形師、魔女の相棒に一生かかって集めた、作った物を預けた彼女を
少女は見つけるこちらに向かって手を振る彼女を見つける
何年にも渡って裁かれても、地獄を縦断しても、まったく消えない悔いと罪のためこの世に居座る彼女を
少女は飛び込む
狂気に押し潰された哀れな少女に、決して壊れない心を受け継がせた
彼女の胸の中に
-劇終-
妖霧→妖夢 かな?
1、口調が魔理沙口調
2、周囲の人が魔理沙と呼ぶ(霧雨という苗字だけ、とかでなく)
3、周囲の人とのやり取りが元祖魔理沙の場合と全く同じことをやっている
4、霊夢や咲夜がそのまま生きているかのように読める
以上のことから、霊夢との弾幕ごっこのシーンでの完全なネタばらしの時、私は腑に落ちた感覚より困惑の方が先立ちました。ミスリードに力を入れすぎているような。もうチョット分かりやすいヒントを一々入れる位でちょうど良い伏線になるのではないかと感じました(自分の感覚での話)。
とは言え『魔理沙を受け継いだフラン』というSSを読んだのは2本目ですが、魔理沙なフランは良いものだ…と思わせる内容でありました。タイトルと〆がなかなかにイイ感じ。
霊夢との弾幕ごっこ中でも、これ誰?魔理沙?フラン?って思ってました。
周りの人が「貴方」とか代名詞で呼んでいれば気付きやすかったかもしれません。
「フォーオブアカインド」の人数が元より一人増えてるのは、「フラン」が四人になるスペルだからってことですかね?
そんな感じでいくつか気にはなりましたが面白かったです。
神綺様なにしてんの・・・
フラン本人だって気付いたのはラストでしたね。
こういった作品は良いね。