Coolier - 新生・東方創想話

春待つ客人

2014/03/09 00:10:36
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とある日の昼下がり、桜のつぼみが膨らみ始めるよりもまえ、博麗神社に訪問があった。

「霊夢はいるかい?」

「他に誰がいるのよ」

のそりと炬燵から這い出て、縁側に顔をだす。

「たまにいないだろう?」

「今日はいるのよ、何のようかしら。忙しいんだけど」

「まあそう言わずに、手を貸してくれよ」

「だから、なにがどうしたのよ」

「先を急かすね、めずらしい」

「寒いのよ、あんたが話さないから」

「それは悪かったね、ここのところ雪続きなのは見ての通りだが」

「前置きはいいから」

「レティをぶっ飛ばして」

「犯人の目星付いてるなら自分ところでやりなさいよ、神が2体に巫女が1人、いるでしょう?そんな奴一発じゃない…」

「それが早苗は雪にはしゃいでるし、神奈子は私の力が出ないのを丁度よく思ってるし…私の味方がいないのよ。あなたなら暇そうだし、丁
度良いと思って。」

「私だって暇じゃないのよ、寒いし、構ってらんないわよ。カエルは土に潜って冬眠なさい。私もこれから眠るのよ」

「わざわざ訪ねて来たというのに、ひどいじゃないか」

「招いてないし、勝手に来られてもこまるんだけど。うちはボランティアじゃないのよ、帰って頂戴。それに、これは冬よ。異変じゃないわ」

「私にとって、冬は異常よ」

「……あなた暇なだけね?」

「…コタツ入ってもいい?」

「なら早くそこ閉めてよ、……なんか持ってきたの?」

「蝮酒なら」

「よろしい」

異変が起こるでもない、早春の頃、寝て待つ桜には酒がつきものである。


おわり
あるかもないかも分からない生活の一幕を。ゆるりと、ちょっと
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コメント



0.170簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
思えば、ヒートアイランドや温暖期の影響を受けた幻想郷に入る前の諏訪湖のほうが、雪の積もる幻想郷の、最高峰の山頂よりも、ずっと暖かかったのかもしれません。短くまとまっていて良かったです。
4.無評価ひとくろ削除
>1さん 標高や地域による寒暖差に目がいくとは 
>4さん 想像の余地を大きく取ろうと思って説明文を省いてみました。訪問者がだれかというのは「犯人の-」の所で分かればいいと思います。ただ、あまり訪れそうな印象でもありませんし口調をもう少し分かりやすくできれば良かったですね。読みながら今人物がどんな表情や仕草をしているのか(酒をちらと見せながら微笑んでるのか、かがんでいるのか、寝そべっているのか、等)をほとんど読み手の好きな想像に任せています。まったりとその後のやりとりなどを何となくでも想像していただけたらもう万歳ですね。なので、そのご指摘は概ね的を射ております。和めていただけたのならよかったです。
5.無評価ひとくろ削除
>5(4)様 省いた説明文というのは、表情やポーズのことです。台詞からだいたいの動きは分かると思います。今回の主題は情景や立ち振る舞いの描写によって強化されるものではなかったので、くどくならないようにしたものです。壮大に膨らませてもらう内容ではありませんし、想像してもらうのは顔と細かい動きくらいですかね(季節と天候はわかりますね?)。必要最低限として加えればよいものとは、どのようなものだったでしょうか。冒頭の訪問者不明はそれでいいですし、誰か明示しなくても分かりますよね。それと、キャラクタの性質を(ここでは諏訪子)強く出す必要もここではなかったと思います。加えて、地の文の立場は中立ですから、細かにキャラクターを描写していては全体の雰囲気が壊れてしまいます。想像の余地とは、ここには書かれていない別の出来事への(読み手の勝手な)連想、着想を含みます。この文章で設定や世界観を限定してはいないんですね。お持ち帰りして頂きたいのです。加えて、何かありましたらよろしくお願いします。
6.無評価ひとくろ削除
>5(4)様 言葉を加えます。そこで言った想像の余地とは、諏訪子・神奈子サイドでのやりとりや、博麗神社への道中どんな感情であったのか、前にレティに渋い顔をしていたのか、といった事に加え、命蓮寺ではどうか、神霊廟ではどうか、といったことを示しています。作中で語られていることのみに関してお話とするのが通常ですが、どうか別のことに思いを馳せてみてくださいということです。その立ち位置としてこれを置いてください。お話として限定していないので、作中に対する物足りなさというのはそこから来ていると思います。
8.無評価ひとくろ削除
未熟さは認めるほかありません。時間をおいて反省的に見直します。
10.504削除
度々申し訳ありません。
漸く冷静になって思い返してみますと、ここは作品の感想を述べる場であり、人様の考え方にまで口を出すのはおかしいことだという当たり前のことにやっと気が付きました。
これまで散々に失礼なことを書き連ねて不愉快な気分にさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした。

先ほどまでの書き込みは削除させていただきました。
最初につけさせていただいた感想のみ、以下に改めて記させていただきます。

『頑張って情景を想像すればなかなか和める。
ただ地の文が台本形式レベルに少ないので、頑張らないと何も読み取れない。
そもそも誰が来たのかの描写すらないのはちょっと。
魔理沙かなんかだと思って読んでたら意味わかんなくなって、読み返してやっと諏訪子だとわかりましたよ。
こういうちょっとした情景ならなおさら、キャラクターの細かい所作で魅せてほしかった』
11.無評価ひとくろ削除
>4(10)様 不愉快ではございませんよ。この作品に関しては、小説とも詩とも違ったものであると思いますが、適切な分類が(私には)明確でないので以下の説明だけ。連想(作中から離れてもよい)を多分に働かせて読むことも、ものによってはあると思います。読み手の側がどのような読み方をして楽しむのかは各々の自由でございますが、その各人の楽しさをより増したものにするのが書き手のすることだと思います。『春待つ客人』を書いた時点でのバランス感覚では、諏訪子の名前をわざわざ書かないというやりかたにしましたが、適切な箇所に名前を記すことも可能だったと考えられます。物によって書き方も変わってくるので他の作品では別の書き方をすることが大いにあり、また次の機会にはまた別のものとして楽しんでもらえるように善処いたします。自分以外の読み手の方の感じ方を知るのはコメント等が一番経路として身近ですので、思ったことを書いてくださって結構だと思います。貴重なご意見を有難く存じております。
12.90名前が無い程度の能力削除
なんか好き
13.無評価ひとくろ削除
>12様 有難う御座います。よかったです
14.90名前が無い程度の能力削除
タグにいれてないのは、作品の事を考えてわざとかな
短くまとめるのは難しそう、書いた事ないからよく分からないけど
諏訪子様可愛らしい、うん
16.無評価ひとくろ削除
>14様 タグに入れなかった理由はその通りです。自分の書いたキャラが可愛らしいと言われるのはうれしいものです。励みになります。ありがとう
>皆様 コメントありがとうございます。