「食べたいわぁ」西行寺幽々子が穏やかに笑う。
「食べたじゃないですか」魂魄妖夢が呆れて応える。
「妖夢の作ったものならいくらでも食べられるのよ」
妖夢は思わず赤くなる。そう言われて悪い気はしない。
「では、何が食べたいのですか?」「夜雀のフルコース」「それは無理です」
白玉楼の一コマ。
「食べていってねぇ♪」ミスティア・ローレライの屋台。
「食べきれないよ」リグル・ナイトバグが溜息をつく。
「それじゃお客さん呼んで来なさい♪」
「この状態じゃ無理じゃないか。こんなときにルーミアはどこいったんだ…」
「リ・リ・リグルは役立たずー♪」
1人でも騒がしい八目鰻の屋台。
「食べたいのかい?」森近霖之助が言う。
「食べたいのかー」ルーミアが言う。
「問答になってない。これは里で評判の品なんだよ。僕だって並んで買った。そうそうやすやすとは…」
常闇の少女は青年の目をみて離さない。「仕方ないなぁ」霖之助は仕方なく袋ごと少女に渡した。
少女は嬉しそうにどこかにフラフラ飛んで行ってしまった。
「お礼の言葉もないのかい?」柄でもないことはするものではない。そう思う霖之助だった。
「食べたいのよ」八雲紫が言い放つ。
「食べたらいいじゃないですか」八雲藍が突き放す。
「そんなこといっても里でしか売ってないのよあのカレーパン、だからね藍?」紫は炬燵にしがみついた。
「私は忙しいので嫌ですよ。ご自分でいってらしたらどうですか!」
藍は怒って行ってしまった。紫はむくれる。
「あ、橙。おつかい行ってきてくれるかしら?」
「食べたくありません」東風谷早苗はそう自分に言い聞かせた。
「食べないともったいない」八坂神奈子が諭す。
「そうだよ。おいしいよこのパン。早苗食べな?」洩矢諏訪子が諭す。
「いらないったら。いらないんですー!!」
この冬、少女は少々肥えた。
東風谷早苗、試練の時。
「食べたくないの?」村紗水蜜が顔を覗き込む。
「た、食べるよ!!」封獣ぬえは目を逸らす。
「で、でも流石に飽きたかなー、だって一週間ずっとカレーだよね?ね?」
「あんたが食べたいって言ったんじゃない。だからドラム缶いっぱい作ってあげたんじゃない…」
夜の海のような目で村紗が笑う。ぬえがそれを見て青ざめる。
少し方法の間違った愛情表現の一例。
「食べてしまったのです」寅丸星は涙ぐんだ。
「食べてしまったのかい」ナズーリンは冷たく笑う。
「つい…うっかり」
「そうか、つまり御主人はうっかり冷蔵庫を開けて、うっかり私の名前の書いてあるプリンを手に取り、
うっかり戸棚から皿を出し、うっかりプリンをぷっちんすると、うっかり一口で食べてしまったわけだ」
「はい…」「そんなわけあるかーい!」ナズーリンはつっこんだ。
「食べたかったのに」レミリア・スカーレットは冷蔵庫の前で崩れ落ちた。
「食べられませんでしたね」十六夜咲夜は冷静に言った。
「いったいだれが…」「さぁだれでしょう」「絶対に許さんぞ、絶対にだー!!」
何者かがレミリアのケーキを食べてしまった。げにスウィーツの恨みは恐ろしい。
レミリアはその日かつてない程のカリスマを放出した。
紅魔館は今日も平和です。
「何を食べてるの?」フランドール・スカーレットは突然の侵入者にも驚かなかった。
「何を食べてるのでしょうか?」古明地こいしは何処も見ていない瞳でフランを見た。
「それケーキでしょ。どこにあったの?」フランドールが聞いた。
「あっちこっちそっちどっち?」こいしが答えた。
――ダメダコイツハキガクルッテイル。二人はお互い無視した。フランドールは再び魔道書を読み始め、こいしは黙々とケーキを貪ることにした。
いつのまにかこいしは居なくなっていた。
「食べにきたぜ」霧雨魔理沙はテーブルの上に借りていた魔道書を投げ捨てた。
「食べるって何をよ」アリス・マーガトロイドは顔色一つ変えない。
「アリスの手料理だぜ。さぁ早くちょっと多く作りすぎて魔理沙さんにお裾わけするんだ」
「そういうのって普通自分で言わないわ。仕方ないわね、魔理沙にも手伝ってもらうわよ」
「わかったぜ。んじゃ私はアリスをキッチンの隅から暖かく見守る役な」
「悪いけど居間のソファーに座っててもらえるかしら」
「食えねえよ」藤原妹紅は凄んだ。
「食べたら死ぬわ。私が」蓬莱山輝夜はうそぶいた。
「死ねよ!食ったら絶対死ねよ!」妹紅は馬鹿だった。
「死なねえじゃねえか」「当たり前じゃない。それよりどうだった私の初めての手料理」
「ああ。不味いな」
蓬莱人達の退屈で華麗なる昼食風景。
「食べないのですか」四季映姫・ヤマザナドゥは仕事中とかわらない。
「食べますか?」小野塚小町はいつもかわらない。
「案外に小食なのですね」映姫は言う。
小町は映姫がもぐもぐと口を懸命に動かしているのを見て顔をにやけさせた。
小町は映姫が何かを食べている時だけは仕事中とは違う、幸せなそうな表情を見せるのを知っていた。
ここは地獄の一丁目。泣く子も黙る是非曲直庁(職員食堂)
「食べてないよ」霊烏路空は怒っていた。
「食べたじゃん」火焔猫燐は怒っていた。
「食べてないってば!だって私ゆで卵もってないもん!」
「そりゃあんたが食っちまったからだ!」
空のに前に突然現れたミステリー。空が真実にたどり着くのはまた別のお話。
仄暗い地底の明るい灼熱地獄で。
「喰いたいね」星熊勇儀の体は火照りきっていた。それは酒のせいか何なのか。
「喰っちまってもいいだろう?」星熊勇儀は着物を胸まではだけさせ、四つん這いで闇の中の女に迫る。
「ダメですよ」闇の中で女が言った。ここは旧都の出会い宿。
「私にはわかります。あなたもっと我慢できるでしょう」闇から細い足が伸び、勇儀の肩を抑えつけた。
「もっと――飢えてください」薄汚れたシーツに包まれた、生まれたままの姿の古明地さとりは妖艶に笑った。
「もう――無理さ」勇儀はその足にかぶりついた。
たとえ勇儀姐さんと一戦交えることとなろうとも、一戦交わってしまうことになろうとも、
負けることがわかっている戦いであっても、それでも男にはやらねばならない時がある。今がその時だ。
こういうお話も良いと思いますね。GJ!
食べ「ら」れます,です。
さとりは食べられますか?
にが多いような…(違ったら御免なさいorz
さとりん食べたい。あと、コメ欄の先頭に漢がいるw