Coolier - 新生・東方創想話

赤い液体

2010/01/28 00:47:30
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なんで生きてるんだろう。
俺なんか生きてる意味ないのに。
早く死にたい。
この世界から消えてしまいたい。


「おい、起きろ、朝だぞ」
体が揺さぶられる。
「ん…」
目を開くと慧音が居た。
「おい、大丈夫か、涙なんか流して。」
目をぬぐってみると確かにぬれてた、かなりの量だ。
「夢にでもうなされたか?」
なにかすごくいやな夢を見たような気がしたが、内容はあまり覚えていなかった。
「いや、覚えてない、大丈夫だと思う。」
「そうか、朝ご飯はできてるから、落ち着いたら食べるといい。」
「うん、ありがとう。」
慧音が部屋を後にする。
とりあえず俺は涙でぐちゃぐちゃな顔を洗うことにした。このままでは気持ちが悪い。

俺は顔を洗ったあと、慧音の作った朝ご飯を食べた。
まぁ味は言うまでもないだろう。
その後慧音は寺子屋へ行ってしまった。
慧音の家に一人残された俺は特にやることもなくてぼけっとしていた。
あー暇だなぁ。
そんなことを考えながら、銃の手入れをする。
こいつらは幻想入りするときに一緒に持ってきたものだ。もう4,5年ずっと使っている。
まぁ出てくるのはおもちゃの弾だから妖怪退治にも使えないけどな。

あまりに暇だから昼寝でもすることにした。
畳の上に寝っ転がる。
いつものように、数分とたたないうちに夢の中へ落ちた。

死にたい。
もう生きていたくない。
誰かに迷惑をかけ続けるくらいなら。
消えてしまいたい。


「ただいまー、おい、そんなところで寝てると風邪引くぞ」
「ん…もうこんな時間か、おかえりけーね。」
体を起こす、ずいぶん寝ていたみたいで体が痛い。それに少し肌寒い。
「おいおい、また涙でてるぞ。本当に大丈夫か?」
自分の目をぬぐってみると確かにびちょびちょだった。
「おかしいな、なんか見た気がするんだけど、覚えてないんだ」
「まぁあまり無理するなよ。おまえは何でもため込みすぎるからな。何かあったら私が相談に乗るぞ。」
「あぁ、ありがとう、でも本当に覚えてないんだ、なんか嫌だったってことくらいで」
「そうか・・・」
夢の内容は感じしか覚えていなかった。
どこまでも嫌で嫌で仕方がなかった。ただそれだけだった。
それ以上のことは何も覚えてない。
自分でも変な夢だとは思うが、たかが夢だ。別に大したことはないだろう。

それからけーねとごく普通に夕食を食べ、一緒に風呂に入って、一緒に寝た。
もうずっと前からそうやって過ごしてきた。
なにをするにもけーねと一緒だった。
大好きな人と一緒に過ごせる毎日は幸せだった。

もういやだ。
なにもかもがいやだ。
自分がいやだ。
世界がいやだ。
すべてがいやだ。
こんな世界滅べばいいんだ。

次の日、慧音より先に目が覚めた俺は違和感に気づいた。
左手の指が動かないのだ。
いつものように、目がぬれている感触に気づき、ぬぐおうとしたら、指が動かなかった。
右はいつも通り動くのでしびれているのか、と思い、とりあえず放置しておくことにした。
けーねには心配をかけさせたくなかったし、それほど重大なことには感じていなかったので伝えなかった。
なに、一日たてば治るだろう。
そう楽観視していた。
いつものように朝ご飯を食べ、けーねが寺子屋へ出かけるのを見届けた後。またいつものように空白の時間がおそってきた。
俺はこの時間が嫌いではなかった。
何をしていてもいいのだ。何かに追われる必要もないし、何かをしなくてはならないという強迫観念もなかった。
とても幸せなのだ。
やることがないことが苦痛ではなかった。
だからいつものように、とりあえず昼寝でもすることにした。
不思議といくらでも寝れた。

お願い神様。
もし神様がいるのなら。
僕を殺してください。
こんな世界もういやです。

「おい、大丈夫か、おいっ」
慧音に体を揺さぶられる。
そんなにあわててどうしたんだろうか。
「おい、おまえ、目が」
目をぬぐってみると、手についていた涙は何故か赤かった。
血だろうか。
「なぁ、私のこと見えるか?大丈夫か?」
慧音が涙目で顔をのぞき込んでくる。大丈夫、普通に見える。
「慧音の可愛い顔がよく見える」
「馬鹿っ、心配したんだぞっ、目が見えなかったらどうしようって」
慧音が泣きついてくる、暖かい。
優しく慧音を抱きしめてやる、大丈夫、大丈夫だから。そう言い聞かせながら。
慧音の背中をなでる左手の指はやはり動かないままだった。


・・・死ねばいい
俺なんか死ねばいいんだ
世界で一番ゴミな俺なんか真っ先に死ねばいいんだ。
死にたい。生きててごめんなさい。


次の日、また慧音より先に起きた俺はまたも違和感に気づいた。
今度は左腕がすべて動かない。
さすがにこれには驚いた。昨日は指だけだから気づかなかったが、動かないだけじゃない、感覚がないのだ。
そしていつもと違い、右手で目をこすると、赤い液体が目についていた。
なんだろうこれ、血なのかな。

「なぁ、その左手動かないのか・・・?」
夕食時、さすがに異変に気づいたのか慧音が聞いてきた。
「うん、なんか朝から動かないんだ。痛かったりそういうのはないんだけど。」
「おまえなんで黙ってたんだ、病気だったらどうするんだ」
慧音ちょっと怒ってる。ごめん、病院いくのがめんどうくさかったんだ。
「まぁ、さすがにこれは危ないから、明日えーりんに見てもらってくるよ」
「変な病気じゃないといいがな・・・」
「そうだね、ごめんね、心配かけちゃって」
「それはいい、それよりそれじゃ食べにくいだろう、私が食べさせてやろう。」
その日は慧音に夕食を食べさせてもらった。
こんなのもたまには悪くないかな。なんて思った。

早く死にたい。
どうしてまだ生きてるんだろう。
こんなにも死にたがっているのに。
俺はもう何もかもがいやだ。

また次の日、慧音より先に起きた俺は起きあがろうとした。
最近なんか眠りが浅いのか、夢の内容もだんだん思い出せるようになってきた。
それでもただただ嫌な夢だとしかわからなかった。
相変わらず目から赤い液体は流れている。しかし目は見えるし、痛みもない。
体をおこし、立ち上がろうとする。が、うまく立ち上がれずに倒れてしまった。
なんだ・・・?
左足が動かない?
これにはさすがに焦る。どう頑張っても左足が動かない。
左半身が不随になってしまった。
どうするんだこれ・・・

「原因不明だわ、こんな症状みたことがない」
俺が動けないのでえーりんにきてもらって見てもらう。
えーりんが言うには俺の体は健康そのものなんだそうな。
「原因不明・・・」
慧音が泣きそうな顔をして俺を見る。そんな目で見ないでほしい。
泣きたいのは俺の方だ、ある日突然からだが動かなくなれば誰だって泣きたくなる。
「原因がわからない以上、手の施しようがないわね・・・とりえあず安静にしていて、私はにたような病気がないか少し調べてみるわ」
「お願いだ・・・なんとか治してやってくれ・・・」
「できる限りのことはするつもりよ、安心しなさい。」
そういってえーりんは家を後にした。
その日は一日慧音に看病をしてもらった。
体が動かないのは不安だったが、慧音と一日ずっと一緒に居られたので幸せではあった。


死にたい。
死ねばいいじゃない。
死にたい。
じゃあ死になさい。
自問自答。
虚しい。もう死にたい。誰か殺してくれ。


次の日、俺はたてなくなっていた。
右手しか動かない。
目をぬぐうと赤い液体。
俺の体に何が起こっているんだ。

「大丈夫か、なにかしてほしいこととかあるか?」
慧音が俺に優しくしてくれる。とてもうれしい。
「大丈夫、ありがとう、慧音」
その日も一日慧音に看病してもらった。
寺子屋はもこうに頼んであるそうだ。ごめんな、もこう。俺のせいで。
「もこうにごめんって今度伝えておいてくれないか?」
「馬鹿いうな、おまえが悪いんじゃないんだから謝ることじゃない。それに悪いと思うなら早く病気を治すために安静にすることだ」
「そうだね、ごめんよ、慧音」

死にたい。
死にたい死にたい死にたい。
生きててごめんなさい。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。

次の日、目から赤い液体がでること以外は代わりはなかった。
明日になったら右手が動かなくなり、最後には口も動かなくなるんじゃないかと心配していたので、そうならなくてよかった。
とりあえず慧音に朝食を食べさせてもらい。体を拭いてもらった。
慧音に世話をされるのは幸せだった。
やっぱり俺は慧音が大好きだから。
「ねぇ慧音。」
「なんだ?」
「俺、慧音のこと、大好きだからね」
「・・・私もおまえのこと大好きだぞ」
「へへ・・・」
体が動かなくなっても、やっぱり俺は幸せだった。


死のう。
もういやだ。
生きててごめんなさい。
ぼくはもうつかれました。
しにたい。しにたい。しにたい。ただしにたい。
こんなせかいほろんでしまえばいいんだ。

次の日も、その次の日も、俺の体に変化はなかった。
右手は動くし、目が覚めると目から赤い液体がでる。それだけだった。
えーりんに聞いてみても、原因不明という答えが返ってくるだけだった。
あ、そういえば、毎日少しずつ夢の内容が思い出せるようになってきたな。
ただただ嫌な夢だった。
思い出したくもない。

それから数週間、俺は毎日寝て起きて食べてまた寝るだけの生活をしていた。
体が動かないのだから仕方がないのだが。
ずっと看病してくれている慧音には申し訳なく思っている。
えーりんはお手上げらしかった。体は健康そのもの、あとは精神面の問題くらいしか。
でもあなたは精神に問題を抱えているわけでもない。だからわからない。とのことだった。

その日俺は夢を見た。
病室のベッドで横たわる少年。
その横には少年の母親だろう。必死に少年の右手を握っていた。
その少年は酷いけがをしていた。
両足は無く、左腕も切断され、残っていたのは右手のみ。
そこで俺は疑問に思う。
両足と左手・・・?
まるで俺の動かない部位とそっくりだ。
まさか・・・あの少年は・・・俺・・・?

目が覚める。右手で目をぬぐう。赤い液体。
異常なことだがもうなれた。
いつものように慧音に世話をしてもらう。
この生活もどれくらい続けたことだろう。
もう一月たつのではないだろうか。
体が動かないのにもなれた。
だが一つだけまた変わったことがあった。
世界が真っ赤に見えるのだ。
普通に見えるのだが、すべてが赤く見える。
赤い液体のせいかと思ったが。ぬぐっても世界は真っ赤なままだった。
どうしていいかわからず、慧音には黙っていようと思った。
これ以上慧音を泣かせたくない。

また夢を見た。
同じ病室。
だが変わったところがあった。
少年の姿が見えない。
少年がいたベッドはあいていて、母親もいなかったのだ。
そこへ看護婦がきた。
「可哀想にねー、飛び降り自殺ですって。」
「母親が心中したんでしょ?可哀想ねー」
そうか、あの少年は母親もろとも死んだのか。
俺の体とリンクしているのかと思ったが、そんなことはなかったらしい。
「それにしてもその子、見つかったとき酷いことになっていたそうよ」
「酷いこと?」
「柵のとがった部分が両目に刺さって死んでいたんですって。」
「やだ、こわーい」
両目?
俺の世界が赤く見えるのはそのせいか?
でも俺はまだ死んでない。どういうことだ。

どういうことだ


その日の朝、目を覚ました俺は、全身汗でびっしょりだった。
慧音にぬぐってもらおう、そう思って、隣で寝ている慧音の方を見ると。














骸骨があった。



声にならない悲鳴がでた。
なにがおこっている。
俺の隣には慧音がいたんじゃないのか。

だが何度見てもそれはただの骸骨だった。

いや、異変はそれだけではない。
俺の体を見てみると、両足、左手、肉が腐り落ち、骨が見えていた。
なんだ、何がおこっている。
自分の右手を見る。
血だらけだった。
おまけに骨が折れている。

なんだこれは。
夢じゃなかったのか。
慧音はどこに。

いろいろな疑問が駆けめぐる。
どうしてこうなった。

俺は毎日幸せだった。
これ以上のことは望んでいなかった。
どうして・・・

「これはおまえが望んだことだ」

骸骨が急にしゃべる。
「これはおまえが望んだことだ」
「毎日死にたがっていただろう。」
「この世界に絶望していただろう」
「だから私がおまえをこっちへ呼んだ」
「ただそれだけのことだ」

何故、俺は、何も望んではいなかった。
ただ慧音と幸せに過ごしたかっただけだ。
なのになぜ・・・

「さぁ、もういいだろう。約束通り、おまえの魂を喰らうぞ」

やめろ、まだ死にたくない。慧音、助けてくれ。

「慧音なんてどこにもいない、すべておまえが見ていた幻だ」

嘘だ、慧音。慧音は。

「幻だ、おまえがずっと一人で見ていた。おまえはここにずっと一人で生活していたのだ」

幻・・・?

「この家には誰もいない、おまえしかいない。ずっと幻を見て、一人で生活していたのだ」

そんな・・・信じられるわけ無い・・・

「信じるも信じないもおまえの勝手だ。」

「さぁ、終わりだ。」

骸骨が俺に迫ってくる。

怖い。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。


慧音・・・たすk・・・
























「という夢を見たんだが、どう思う?」
「おいおい、大丈夫か?おまえ少し疲れているだろう。」
慧音と談笑する俺が居た。
久しぶりに長い夢を見たと思ったら随分と酷い夢を見たものだ。
「しかしまた怖い夢をみたな、悲鳴を上げながら飛び起きたときはびっくりしたぞ」
「ははは、面目ない。」
叫びながら夢から目を覚まし、布団のなかでがたがたふるえていたら慧音が起きて電気をつけてくれた。
心配そうに見つめる慧音を見て安心した俺はわんわん泣きながら慧音にすがりついた。
怖すぎて心臓が張り裂けるかと思った。
慧音の胸の中はとても安心できた。
「もう落ち着いたか?」
ずっと慧音になでられていた俺はだいぶ落ち着くことができた。
「うん、悪いね、こんな時間に起こしちゃって。」
「何、気にするな。また怖い夢を見たら慰めてあげるからな。」
そういい俺の隣の布団に戻る慧音。
よかった、全部夢だったんだな。
安心して布団に戻る俺。
明日からも慧音との幸せな日々が続くと信じて疑わない俺だった。
「おやすみ、慧音」
「あぁ、おやすみ」
そうして布団の中でまどろんでいく。
心地よい、布団が暖かいな。幸せだ。



だが、彼は最後まで気づかなかった。
隣で寝ている慧音の背中の肉がごっそりそげ落ち、骨が見えていることに。





終わり
どうも、金属片と申します。
過去に書いたものですが自分では結構気に入っているので投稿します。
憂鬱な気持ちに任せて勢いで書いた物なので稚拙なところがあるかもしれませんが、目をつぶって読んで頂ければ幸いです。
どこが変だとか、ここをこうした方が良いだとか、アドバイスがあるればコメントをくださると今後の参考になるので嬉しいです。
それでは。
金属片
[email protected]
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コメント



0.400簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
うーん、怖かったけど。というか不気味だったけど。
なんというか、こう、最後の推理に手を抜いた推理小説のような
あえて言うならストーリーの雑さ?を感じました

ひょっとしてなにか隠された意図とかがあったり……?

結局なにもわからなかったので、今しばらくフリーで
8.無評価名前が無い程度の能力削除
ただ自分の思い付きを適当に書きなぐったようにしか見えません。
文章の表現もところどころおかしいし、そもそも「俺」って誰?なんの背景描写もないし、何が理由で死にたいの?なんで慧音が看病してるの?読者が物語を楽しむ上で一番大事なところが抜けてる。挙句の果てに夢オチって。

だから何?としか思いませんでした。
10.無評価名前が無い程度の能力削除
うん……なんというか……うん……
誰……?
14.無評価名前が無い程度の能力削除
意味なくネガテイブ。不快
18.10名前が無い程度の能力削除
たぶん酷評されると思うけど頑張って・・・
書き続ける事が大事です
22.30名前が無い程度の能力削除
問題点の一つは「何で慧音なの?」ってところだと思う。
慧音である必要がない。
誰でも良い。霊夢でも魔理沙でも紫でも誰でも。
東方のキャラじゃない、少女Aでもこの話は成立してしまう。
端的に言うと『東方でやる必要ないよね』。これは創想話で一番嫌われる事の一つだと思う。
ここまで突っ込んでいいのかわからないけど、もしラスト、慧音が歴史食いの能力に関する台詞を、たとえば「その歴史は食べたはずなのに」的なことを言っていれば、この問題はクリアされたはずだと思う。

作文能力は低くないと思う。
自分の伝えたい物だけじゃなくて、読み手の目線を意識すればもっと良くなると思う。
次回作期待する。