冬。
昨夜から雪が降り続け、朝になっても、それが止む気配の無かったある日の事。
迷いの竹林もまた白一色に塗り込められていた。
「輝夜ー。輝夜ー」
竹林の中にひっそりと佇む、月の都の屋敷を模した地上の屋敷、永遠亭の中に、八意永琳の声が響き渡る。
「どうしたの、永琳?」
永琳の声に、永遠亭の主、蓬莱山輝夜は答えた。
「あ、いたいた。ちょっと、今から人里まで出かけてくるわ」
永琳は、防寒対策だろう、しっかりとした厚手の外套を纏っている。
その手には、医療道具一式を纏めた鞄が握られていた。
輝夜は、満月を思わせる永遠亭の丸窓より、外の風景を覗き見る。
「こんな日に薬売り? 家の財政ってそこまで逼迫してたかしら?」
「違うわよ。人里の方で、三日ぐらい前から風邪を引いて診察していた子供がいるんだけど、どうも昨日から熱が下がらないみたいなの。さっき、この雪の中、竹林に踏み込んだ人間を見つけた、てゐから連絡があったわ」
「へえ。どうやら、てゐに言伝を頼んだ人は、よっぽど幸運だったみたいね」
「そうね。だから、人里の方にまで行ってくるわ。一応、助手に鈴仙も連れて行くから、屋敷には、輝夜とてゐだけになってしまうけど。大丈夫?」
輝夜は、“ころころ”と笑った。
「大丈夫よ。その子を診察終ったら、すぐに帰ってくるんでしょう?」
「ええ、その心算だけど」
永琳もまた、外の景色へと目をやる。
「吹雪にならなという保証も無いしね。天候次第によっては、一日以上、足止めをくうかもしれない」
心配そうに表情の永琳とは対極的に、輝夜は“ぱあっ”と、表情を輝かせて見せた。
「ひょっとして、永琳がいない間、お留守番という事になるのかしら?」
「まぁ、最悪の場合は。楽しそうね?」
「だって、一人でお留守番よ? 楽しそうじゃない?」
「私としては心配の方が先に来るんだけど。一応、てゐも居るとは言っても、それが何の役に立つのかは判らないしね」
「だから、一人でのお留守番になるんじゃない」
永琳は、“はぁ”と溜息を一つつく。
「大丈夫よ。最悪の場合、そうなるってだけでしょう? それに多少何かあったとしても、私たちは死なないし。たとえ雪山で遭難して凍りづけになったとしても、春になれば溶けて、復活できるわ」
「その間、すっごく寒い思いを味わい続けるでしょうけどね。貴女の、その思った以上の乗り気が、私には心配だわ」
「でも、早く行かないと。永琳の助けを持ってる子がいるんでしょう?」
「そうね。行かなくちゃいけないわね。輝夜、てゐと二人で、ちゃんと、お留守番は出来るかしら?」
「心配ないわよ。永琳。私を一体、幾つだと思っているの?」
輝夜は、永琳の、まるで子供扱いされているかのような言葉に、気分を損ね、“ぷくー”と、頬を脹らませてみせる。
永琳は、まるで風船のようなその頬をつついて見たいという衝動にかられたが、そんな事をすれば、ますます輝夜の機嫌を損なうだけだと判っていたので、自制しようとした。
「私から見たら、まだまだ子供」
柔らかな輝夜の頬を“つん”と、指先でつつく永琳。
頭では判っていても、どうしようも無いことが世の中には多々あるものだと、賢者である永琳は良く知っている。
「それは、そうかも知れないけどね」
さすがに千歳を遥かに越える永い年月を生きてきた月の民と言えど、そも月の都の創始者の一人にして、億を越える年月を生きてきた永琳と比べると、その年齢には、子供と呼ばれても仕方が無いほどの開きが存在した。
輝夜は、さすがに永琳の言葉に言い返す術を持たないようで、無言のじと目で持って、抗議に変える。
「はいはい。そんなにむくれないの。私が悪かったわ。謝るから。だから、ほら。機嫌を直して」
永琳が、“くすり”と微笑む。
輝夜は、“ふぅ”と溜息をついた。
「ま、いいわ。許してあげる。私なら大丈夫よ。永琳は、安心して、患者を診にいってあげなさい」
「はいはい。じゃあ、なるべく早く帰ってくるようにするから。料理や洗濯とかは、以前、一通り教えておいたでしょう?」
「だから、大丈夫だって。さしすせそも完璧よ」
永琳は“くすり”と微笑み、自らが仕える姫を信じるよう務める事にした。
「わかったわ。じゃあ、行ってくるから。あまり無茶なことはしないでよ?」
「わかってるわよ」
輝夜に見送られ、永琳は、月の兎である、鈴仙・優曇華院・イナバを伴って、降りしきる雪の中を、人里へと向かい出掛けていく。
永琳と鈴仙の足跡は、雪に埋もれ、迷いの竹林の中へと消えていった。
「さて。どうしようかな。てゐも、どこかに姿を眩ませているようだしね」
輝夜は、“ぶるり”と振るわせる。
「それにしても寒いわねえ。囲炉裏にあたりながら、お餅でも焼こうかしら?」
“ぽつり”と呟いた輝夜の脳裏に、不意に、炎を操る妖術を得意とする、宿敵の姿がよぎった。
彼女も迷いの竹林に居を構えているはずだが、この雪では、自分と同じ不老不死の身体を持つ身であっても、さぞや難儀していることだろう。
そう考えると、少しだけ心がざわついた。
「妹紅、凍りついてないといいけれど」
雪解けの春までの間、終らぬ生の退屈を一時とは言え、慰めてくれる相手がいなくなってしまうのはつまらないから。
輝夜は、少しだけ、世界で最も心配する必要のない宿敵の身を案じた。
「うう……寒い」
迷いの竹林の中にひっそりと佇む小さな隠れ家の中、藤原妹紅は、身を切るような寒さに凍えながら、“ぽつり”と呟く。
「もう少し薪を蓄えておけば良かった。まさか、こんな大雪になるなんて」
“はぁ”と、吐き出した息は白く霞み、雪のように溶けて消えた。
永き時を生き、さまざまな妖術を納め、特に炎を操る術に長けた妹紅は、家に、薪を常備しておく事が少ない。
日常の些細な場面で火が必要になった時なども、さしたる労を伴わず火を熾すことが出来るため、それほど多くの薪を必要としないのがその理由だ。
しかし、今回はそれが裏目に出る。
ついうっかりと、薪を切らしてしまった。
幾ら妖術で火を熾せるとは言え、その為に払う対価は零では無い。
己の力と引き換えに火を熾す。
暖を取りたいなどの、長時間の消えぬ火を必要とする場合、どうしても、火を燃えうつし、維持するための燃料を必要とした。
暖を取らずとも死にはしないが、それでも、快適な生活が失われてしまうのは堪える。
多少の寒さならば我慢することも出来るが、今日の冷え込みは尋常ではなかった。
幾ら不老不死とはいえ、辛いものは辛い。
風邪も引くし、お腹だって壊す。
ともすれば凍りついて、春まで死にたくなるほどの寒さを味わいながら、過ごす羽目に陥るかも知れない。
それは嫌だなあと、妹紅は憂鬱な気分になった。
「仕方ない。薪を拾いにいこうかな」
窓から外の景色を眺め、まだ、何とか外を出歩ける程度の余裕がある事を確かめる。
「これ以上雪が強くなると、本気で遭難を心配しないといけないけど……おや?」
妹紅は、ふと窓の外に広がる雪景色の中、白い、“ふわふわ”“もこもこ”としたものが跳ねているのを見つけた。
その“ふわもこ”の正体に思い至り、妹紅は、
「輝夜のところの……兎?」
“ぽつり”と呟く。
「おい、お前。こんな雪の日に、どうしたの?」
“がらり”と扉を開け、雪の中、天然の保護色となって孤立している兎のもとへと近づいていく。
兎は、人には馴れている様子で、妹紅の姿を見つけると、嬉しそうに“ぴょんぴょん”と飛び跳ねながら近づいてくる。
「……むぅ。そんな嬉しそうな顔をしても駄目だ。お前は永遠亭の兎だろう。つまり、私とお前は、敵同士なんだ」
妹紅は、兎を抱き上げた。
「全く……折角の“ふわふわ”が雪塗れじゃないか」
兎の毛皮についている雪を、“ぱたぱた”と払ってやる。
「道にでも迷ったのか?」
兎に問い掛けてみるが、当然、言葉による返答が返ってくるはずも無い。
――おーい、どこいったー?
ふと妹紅の耳が、遠くより響いてくる声を捕えた。
声には聞き覚えがある。
永遠亭の兎たちの長老、因幡てゐの声だ。
「よかったな、お前。どうやら迎えが来たみたいよ」
妹紅が、てゐを呼ぼうと声を上げようとした瞬間。
てゐの、何やら聞き捨てならない台詞が、妹紅の耳に飛び込んでくる。
――ああー、困ったなあー。師匠も鈴仙も、人里まで出掛けているしー。永遠亭には、今、姫さま一人だけなのにー。早く迷子になってしまった兎を見つけないとー。
「永遠亭には……今、輝夜が一人だけ……?」
思わず、上げようとした声を引っ込めてしまう。
――もう、この辺りは散々探したのにー。全然見つからないなー。この辺にはいないのかなー。よーし、今度はあっちを探してみよー。
てゐの声が遠ざかっていく。
「あ……ちょっと、待っ……!」
妹紅は、兎を抱き抱えたまま、慌てて、てゐの声が聞こえた方向へと走りだす。
しかし、そこには一匹の妖怪兎の足跡が、雪の上に残っているだけだった。
妹紅は、周囲を見回すが、足跡の主の姿を見つけることは叶わない。
「足跡が途切れてる……飛んでいったのかな?」
妹紅は、手の内で丸まっている“ふわもこ”な兎へと視線を落とす。
「どうしよう……」
妹紅は、しばし考え込んだ後、“はあ”と、仕方なさそうに溜息をついた。
「まあ、この千載一遇の好機を逃す手は無いしね。そのついででいいなら、お前を、住処にまで連れていってあげる」
兎は、妹紅の言葉を理解しているか、いないのか、全く読めぬ瞳で、妹紅を見上げる。
妹紅は、雪の降りしきる竹林を、永遠亭の方へと向かい、歩き出した。
「……お前、暖かいな」
“ぎゅう”と、胸に兎を抱き抱えたまま。
妹紅の姿が、煙る雪の向こうに消えた後。
竹やぶの中に隠れていた妖怪兎、因幡てゐが、“ひょっこり”と顔を出す。
てゐは、とびっきりの悪戯を成功させた童のような顔で、“くすくす”と笑った。
蓬莱山輝夜は困っている。
昼食時。
探しても、屋敷の中のどこにも、てゐの姿を見つけることが出来なかった。
それならばそれでいいかと、割り切って、自分で昼食の準備をしようとする。
炊事場に立ち、さて何を作ろうかと思ったところで、致命的な問題に気がついた。
普段、鈴仙たちに、家の中の事を任せっきりにしていたのが裏目に出る。
遥か昔、永琳に、確かに教わった筈のことを、すっかり忘れ去っていた。
ご飯の炊き方を初めとした、一切の家事のやり方を。
さしすせそも完璧だと、永琳には言ったが、何のことは無い、完璧に忘れてしまっている。
蓬莱人である輝夜にとって、一日、二日の断食など何ほどの事もない。
それどころか、永遠に飲まず喰わずでも生きていけた。
しかし、死なないというのと、お腹が空くのとは、また別の話。
生きることと、心の充足とは、切っても切れない関係にある。
不老不死の身であったとしても、心は死ぬ。
心を無くし、ただ生きるだけの屍に成り下がった生など真っ平だ。
食欲、性欲、睡眠欲を初めとした、日々の欲望を浅ましいまでに謳歌してこそ、高貴な月の民よりも、遥かに下賎な地上の民というもの。
しっかりと食べて、しっかりと発散して、しっかりと眠る。
これ、永い生に飽いて、心が死なないための心得だ。
というわけで、輝夜には、今日の昼食を諦めるという選択肢は、最初から存在しなかった。
最低でも、“ほかほか”“つやつや”のご飯に、温かいお味噌汁。
岩魚の塩焼きを食べないことには始らない。
岩魚は、人里で、釣ったばかりのものが売られていたのを、永琳が、その場で鮮度を保つ、永遠の魔法をかけて持ち帰ってきた逸品。
釣り上げた瞬間のまま、味が、全く落ちていない。
刺身にしても、皮とあらとを唐揚げにしても、はたまた、卵と白子を酢醤油で和えたり、たたきにして、生姜や大蒜、玉葱、茗荷など一緒に食べても絶品だ。
頭と骨は燻製にして、その上から熱燗を注げば、岩魚の旨味が酒に溶け込んだ妙味、骨酒にもなる。
囲炉裏にあたり、雪景色を楽しみながら、熱々の骨酒で一杯やるのも、実におつなもの。
そう思い、輝夜は炊事場に立っている。
「けれどねぇ……えーと、どうすればいいのかしら? 簡単そうに見えて、意外と難しいわよねぇ、料理って」
割烹着を纏って、包丁を手に、悪戦苦闘するものの、全くもって料理ははかどらない。
というより、はっきりと言って、何から手をつけていいかすら、分からないというのが現状だ。
今日の昼食はおろか、永琳が帰ってこなければ、夕食にありつけるかどうかさえ怪しい。
“はぁ”と、溜息をつく輝夜の耳に、
――輝夜ー?
と、自分の名前を呼ぶ、良く聞き知った者の声が聞こえてきた。
声の主は、てゐでなければ、鈴仙でも、もちろん永琳でも無い。
「妹紅? こんな雪の中、まぁ、わざわざご苦労だこと」
藤原妹紅が、永遠亭に、自分を訪ねて訪れるのは、何もこれが初めての事でも無いので、さほど慌てることも無い。
「また、死なない命の遣り取りのお誘いかしら?」
輝夜は呟き、己の宿敵が待っているであろう、永遠亭の玄関口へと向う。
割烹着姿のまま。
「お帰り、妹紅。ご飯にする? それともお風呂? それとも――わ・た・し?」
輝夜は、精一杯の可愛らしい仕種で、ウインクを一つし、永遠亭を訪れた宿敵を出迎える。
「お前に決まっているだろう」
「きゃぁ、そんな、いきなりだなんて」
「何を言ってるんだ、お前は?」
妹紅は、呆れかえった様な目で、輝夜を見た。
輝夜は、おふざけの態度を引っ込めると、口元に“ふっ”とした冷笑を浮かべ、妹紅を見据える。
「それで? 今日は、何の用かしら?」
「私の家の近くで迷子になった、ここの兎を拾ってね」
「あら。それで、この雪の中をわざわざ送ってくれたというわけ?」
「ああ。ついでにな」
「ついで? じゃあ、本命は?」
「もちろん、お前との決闘さ。今日は、あの医者も、月の兎も、いないっていうじゃないか。余計な邪魔が入らずにすみそうね」
妹紅の言葉に、輝夜は、笑みを深くした。
「ふぅん。何処で聞いたかは知らないけど、話が早いわね。でも、いいの? 永琳がいないってことは、私を止める者がいないっていう事よ。それこそ、貴女が死にたいくらい、痛い目にあってもね。手当てしてくれる医者もいない」
「痛い目にあうのはお前のほうだ。医者が必要になるのもな」
「その増上慢、後悔するといいわ」
「後悔するのはどっちかな? さぁ、来い、輝夜! 決闘だ!」
声を上げ、手の内に炎を生み出す妹紅。
それを輝夜が、
「――と、その前に」
やんわりと、押し留める。
「……何だ、一体?」
機先を削がれ、不満そうな声を上げる妹紅の耳に、“きゅう”と、存外可愛らしい腹の虫の音が聞こえた。
「あら、はしたない」
輝夜は、口もとを手で隠し、恥ずかしそうに笑う。
“はぁ”と、溜息をつき、脱力する妹紅。
「お前な。ちゃんとご飯、食べてるの?」
「食べようとしているところに、貴女が押しかけてきたんでしょ。見なさい、この格好。さっきまで料理をしていたのよ」
妹紅は、見慣れぬ、輝夜の割烹着姿を“しげしげと”見つめ、一言、
「うん、似合っていない」
“ばっさり”と切り捨てる。
「五月蝿いわね。余計なお世話よ。とにかく、私はお腹が空いているの。貴女の相手は、お昼を食べてからね」
妹紅は、踵を返そうとする輝夜に向って問いかけた。
「待て、輝夜。お前、料理できるのか?」
「……できるわよ」
「その間は何だ」
「五月蝿いわね。出来るったら出来るの。ちゃんと、さしすせも、永琳から教わっているんだから」
「さしすせその、せは何か答えてみろ」
「せ……えーと……背油?」
妹紅は、先とは違う意味で溜息をつく。
「……上がらせて貰うぞ」
「え?」
靴を脱ぎ、“ずけずけ”と我が物顔で、永遠亭の框を踏む妹紅。
「炊事場はどこだ? こっちか?」
「ちょっと、妹紅」
輝夜の言葉に耳も貸さず、長い廊下を進んでいく。
「いいか、輝夜。勘違いするなよ。腹が空いて、力が出ないなんてくだらない理由で、私の勝利に水を指されるのが我慢ならないだけだからな!」
「そうじゃなくて、妹紅」
「何だ?」
振り返った妹紅は、そこで、輝夜から、割烹着を手渡された。
「ちゃんとこれを着ないと汚れるわよ。あ、岩魚があるから塩焼きで。あと、ご飯に、お味噌汁も忘れずにね。お豆腐もあると、なお良いわ」
「ふん。そこまで手間をかけてやる義理なんかないね。まして、お前の要望に応えてやる理由なんか、これっぽっちも無い」
“にっこり”と、満面の笑みを浮かべてくる輝夜に背を向け、妹紅は永遠亭の炊事場を目指す。
その日の永遠亭の昼食は、輝夜の要望どおり、岩魚の塩焼きに、“ほかほか”“つやつや”の炊きたてご飯。
絶妙の出汁加減の、御揚げのお味噌汁に、“ふわり”とした削り鰹をのせた冷奴。
更には、岩魚の皮とあらを使った唐揚げに、燻製にした頭と骨の旨味を溶かし込んだ、骨酒までついてくる。
控えめに言っても、もの凄く美味しかった。
「いいか? 本当は、お前なんか残飯でも十分なんだ。私の料理の腕が、お前より下手糞だなんて思われるのが心外だから、特別に、腕を振るってやっただけだからな!」
妹紅は、ちゃっかりと、一緒になって昼食をとっている。
「お前が、私の料理を無駄にするといけないから、見張っているだけだ!」
「ねぇ、妹紅?」
「何だ。好き嫌いせずに、ちゃんと、何でも食べて――」
「ああ、いや、そうじゃなくて」
輝夜の手が、“すっ”と伸びてきて、その細い指先で、妹紅の唇の横についているご飯粒を掠め取る。
「……ついてたわよ?」
指先につけたご飯粒を、妹紅に見せた後、輝夜は、“ひょい”、“ぱくり”と、そのご飯粒を口に運ぶ。
「……お、お前が気付くかどうか確かめただけだ」
妹紅は頬を真っ赤に染め上げて、輝夜に言った。
「……ふん」
妹紅は、食べ終わった後の食器を片付け、炊事場で洗っている。
輝夜はと言うと、食べるだけ食べた後、
「寒いわね」
などとほざいて、さっさと囲炉裏に当ってしまった。
「全く。自分が食べたものの後片付けぐらい、ちゃんとしろと言う」
“ざぶざぶ”と、凍りつきそうなほどに冷たい井戸水で、皿を洗う。
余りの冷たさに手がかじかみ、最早、感覚さえ麻痺していた。
「ふん。まぁ、不器用なあいつが洗って、皿が割れてしまっては事だし。皿に、罪は無いしな」
妹紅は、“ぶつくさ”と文句を言いながらも、使った皿が“ぴかぴか”になるまで磨き上げる。
窓の外の景色は、まるで、白い霧に塗り込められたようになっている。
最早、竹林の風景すら雪に埋まり、見通すことさえ叶わない。
「本格的に吹雪いてきたわね。これは、永琳、今日は本当に帰ってこれないかも。ああ、でも暖かいわー」
外の景色を眺めながら、囲炉裏にあたり、輝夜は、“ぐでん”と寝転がった。
「おーい、輝夜ー。終ったぞ。さぁ、決闘だ!」
そこに、“どたどた”と足音も荒く、妹紅の声が近付いてくる。
「もう、五月蝿いわね」
「何が五月蝿いだ。もう昼は食べたろう。さぁ、決闘だ」
「食べてすぐは頭が働かないのよ。もう少ししてからー」
だらしなく、且つ幸せそうな笑顔を浮かべて寝転がっている輝夜の姿を見て、妹紅は、“ぐっ”と言葉に詰まる。
「それに、ほら。外を見なさいよ。吹雪だわ。この雪の中、決闘も何も無いでしょう。雪が止むまで、ゆっくりしましょうよ」
「……仕方ないな」
妹紅は、甚だ不満そうな顔で、囲炉裏の傍に座り込む。
「雪が止んだら、すぐに決闘だぞ」
「はいはい。分かっているわよ」
“ひらひら”と、寝転がったまま手を頭上に上げ、上の空で答える輝夜。
妹紅は、溜息を一つついた。
確かに、寒い中の水仕事で、手の感覚が無かったところ。
しばし、暖をとるのも良いだろう。
それに、丁度、輝夜と向き合っている今の状態ならば、輝夜の動向を、逐一確認できる。
万が一だが、輝夜が、何か自分の見ていないところで、姑息且つ卑劣な罠を仕掛けるかも知れない。
妹紅は、囲炉裏の炎が生み出す陽炎の向こうに見える、輝夜の姿を見続けた。
ややあって。
“すぅ”“すぅ”と、規則正しい息づかいが聞こえてくる。
「……輝夜?」
ふと目を向けると、輝夜は、囲炉裏にあたりながら、眠りこけていた。
「こいつは……本当に緊張感の無い……」
宿敵である自分を前にして無防備にも眠りこけるとは、果たして一体、どのような神経をしているのだろうか。
妹紅は呆れ返ってしまい、言葉も無い。
その気になれば、寝首をかけるだろう。
しかし。
「……ふん。そんな卑怯な手は、お前にこそお似合いだ。私は、そんな姑息な真似をしなくても、正々堂々と、正面から、お前に勝って見せるさ」
妹紅は呟き、立ち上がる。
「えーと、確か、この辺に……」
妹紅は、押入れの中に閉まってある、来客用の蒲団の中から、一枚を拝借した。
幾ら囲炉裏があるとは言え、それなりに寒い。
「お前が風邪を引いたりしたら、またも決闘の時期が遠のいてしまうからな。それだけだ」
妹紅は、輝夜の眠りを妨げないよう、蒲団をかける。
「……幸せそうな寝顔を浮かべてるな、こいつは」
妹紅は、輝夜の、餅のように柔らかな頬を、“つん”とつついた。
“むにゃむにゃ”と、輝夜が何事かを呟く。
「ふん、いい気味だ。馬鹿輝夜」
妹紅は、囲炉裏の前に座り込む。
「……ちょっと、妹紅。何時まで寝ているのよ?」
“ゆさゆさ”と身体を揺すられて、目が覚める。
「……んー?」
ゆっくりと目蓋を開けると、そこには、視界一杯に、宿敵の顔が広がっていた。
「……輝夜?」
「あ、やっと起きたわね」
緩慢な思考と意識が、急速に覚醒へと近付いていく。
慌てて、周囲を見回すと、窓から覗く景色は、とうに夜の色に染め上げられている。
外は、いまだ雪に懐に抱かれていた。
闇に吹雪く雪と、降り積もった雪明りが、竹林を白く、青ざめた光で包んでいる。
身体を起こそうとした妹紅は、自分の身体にかけられている蒲団に気がついた。
「これは……?」
「囲炉裏の前で寝こけていたわよ。幾ら蓬莱人でも、風邪を引く時は引くんだからね。気をつけないと」
輝夜は、妹紅を見つめ、“ころころ”と笑う。
それはお前だと、妹紅は言い返してやりたかったが、自分が何時の間にか眠りこけてしまったのは事実なので、“ぐっ”と言葉を堪える。
変わりに、輝夜へと問いかけた。
「この蒲団は?」
確か、自分が輝夜の身体へとかけてやったもののはずだが。
「感謝しなさいよ。それにしても貴女、意外と可愛い寝顔なのね」
妹紅は、恥ずかしさの余り、死にそうになる。
「永琳はまだ帰ってこないし。これは、明日にならないと止みそうもないわね」
輝夜が、外の景色を見ながら、呟いた。
「明日って……」
妹紅もまた、窓から外の景色を覗き見る。
とても、外に出られるような状況では無い。
「どうすればいいんだ。これじゃあ、流石に帰れない……」
困ったように呟く妹紅に向かい、輝夜は、何でも無いことのように返した。
「そうね。泊まっていけば?」
「……何を企んでいる?」
思わずじと目で、輝夜を見る。
「失礼ね。何も企んでないわよ。貴女、私を鬼畜かなにかだとでも思っているのかしら? まぁ、代価は頂くけどね」
「……何が望みだ?」
強がったところで、家に帰れないのは事実。
宿敵の家で、間抜けにも眠りこけてしまった己に対する戒めと、妹紅は、殊勝に問いかけた。
輝夜は、“くすり”と笑い、答える。
「うん。話が早くて助かるわ。私、おゆはんは、身体が温まるものがいいわね」
「……はいはい」
妹紅は、昼の豆腐が、確か残っていたな、湯豆腐でも作るかな、などと考えつつ、輝夜に告げた。
「いいか。あくまでも、これは不覚をとってしまった私自身への戒めを込めて作るんだからな。その事を良く肝にめいじておけ」
言い放ち、妹紅は、炊事場へと向かう。
その日の夕食は、二人で、同じ鍋をつつきあった。
永遠亭、大浴場。
檜で作られた浴槽は、どこか懐かしい感じを、見るものに与える。
たっぷりと湯の張られた檜が呼吸しているかのように錯覚するほど、浴室内は、湯気を称えていた。
脱衣場にて。
「いいか。私は、お前がはいった後の湯につかるのが嫌だし、かと言って、泊めて貰う身で先に風呂を頂くほど礼節を欠いた人間じゃないから、苦肉の策として、お前と一緒に入るんだからな。勘違いするなよ」
妹紅は、“ぶつぶつ”といいながら、脱衣籠の中に、脱いだ服をいれて行く。
「それはいいけどね。ねえ、妹紅?」
「なんだ」
「服、脱がせてくれない?」
「はぁ?」
思わず、素っ頓狂な声を上げてしまう。
「いや、私、この服の脱ぎ方知らないのよ」
「そんな馬鹿な。どれだけ箱入りなんだよ、お前は。何時も、どうやって風呂に入っているんだ?」
「永琳か、それでなければ鈴仙かてゐが、何時も一緒だわ」
「……そうか」
聞いた自分が馬鹿だったと、妹紅は。頭を抱える。
「脱がせてくれないと、私、服のまま入浴する羽目になってしまうわ」
輝夜の言葉に、妹紅は、“はぁ”と溜息をつく。
「ほら、こっちに来い」
妹紅は輝夜を呼び寄せると、丁寧に、その着物を脱がせていった。
生まれは貴族の姫として、昔は、普段から着物を着ていた妹紅だ。
当然、着物を傷めない脱がせ方、たたみ方も心得ている。
「いいか。私は、本当に着物のまま湯につかることになってしまったら、折角の着物が不憫だろうなと思って、脱がせてやっているんだからな。決して、お前のためじゃあないぞ」
「はいはい、わかっているわよ」
最後の衣を脱ぎ終え、輝夜の、生まれたままの姿が、妹紅の目の前に晒される。
白い肌。
その上を滑る長い黒髪。
着物の上からでは分からなかった、女性的な柔らかさに満ちた少女の身体が、曝け出されていた。
「……」
「妹紅。どうかした?」
思わず、輝夜の身体の部位の、ある一点に目をやってしまう。
妹紅は、顔を俯け、自分の足元を見る。
何ものにも邪魔されることなく、自分の爪先が見えた。
「ふん。これで勝ったと思うなよ」
「何がよ? 変な妹紅」
輝夜の、柔らかな膨らみから目を背け、妹紅は、浴室に入る。
妹紅は、今日の疲れを、たっぷりの湯で洗い落とそうとして、
「あ、妹紅。私、自分では髪も、身体も洗えないの。よろしくね」
輝夜の言葉を受け、ああ、自分には風呂でも安息の時は無いのかと、思わず零れそうになってしまった溜息を噛み殺した。
「いいか、輝夜。私は、えーと……」
妹紅は、さすがに、風呂で、身体と髪を代わりに洗ってやるという行為に対する言い訳を思いつかないようで、言葉に詰まる。
「……とにかく、洗ってやるけど、決して、お前のためじゃないからな。肝に銘じておけ」
「はいはい」
さも当然のように振舞う輝夜に腹が立ったが、一応、丁寧に髪を洗ってやる。
輝夜の黒絹のような髪は、確かに見事だったし、いくら輝夜が憎くても、その髪にまで罪は無い。
何も美しいものを、、好き好んで壊す趣味も無い。
同じように、輝夜の沁み一つ無い肌にも罪はないので、甚だ不本意ではあるが、丁寧に洗ってやることにする。
「あ、私、いつも素手で洗って貰ってるから。お願いね。石鹸は、ちゃんと泡立てて」
「……前もか?」
「当たり前じゃないの」
輝夜は、当然のように答える。
妹紅は、半ば自棄になって、輝夜の身体を洗い尽くした。
「……んっ……あっ……」
思いがけず、輝夜から甘い声が上がる。
「変な声を上げるな」
想像以上に柔らかかったと、伝えておこう。
そろそろ、床についてもいい時間が近付いてきた。
「それで、私はどこで寝ればいい?」
「私の部屋で良いんじゃない?」
妹紅は、もう、どうにでもしてくれと言う風に、輝夜の部屋へとやって来た。
一人で寝るには、どう考えても大きすぎる蒲団を横目に、妹紅は、輝夜の私室の壁に背を預ける。
「お蒲団で寝ないの?」
「私は、何時もこれで寝ている」
妹紅は座り込み。目を閉じた。
「そこで座られると、私が気になって眠れないんだけど?」
「知るか。なら、どこで寝ればいい?」
「ここでいいんじゃない?」
寝巻きの白襦袢に着替えた――妹紅が着替えさせた――輝夜が、自分の蒲団の隣を、“ぱたぱた”と叩く。
妹紅は、しばし考えた後、輝夜の隣へと歩いていく。
妹紅もまた、白襦袢に着替えていた。
肌着の下には、基本、下着の類は身につけないのが作法であるため、なにやら風通しが良くて、落ち着かない。
妹紅は無言で輝夜の蒲団に潜り込み、輝夜を“きっ”と睨みつけた。
「いいか? 私は、お前に寝込みを教われないよう、お前に何か怪しい動きがあれば、すぐに対処できるよう、あえて、お前の隣でねるんだからな。勘違いするなよ?」
「はいはい。じゃあ、明り、消すわよ」
輝夜が、“ふっ”と、行灯の炎を吹き消した。
寝室が、薄闇に閉ざされる。
耳を済ませば、聞こえてくるのは、吹雪の唸りと、隣で横になっている宿敵の息づかいだけ。
感じるのは、蒲団の重みと、やはり宿敵の温もりだけだった。
「貴女って……」
不意に、輝夜が呟く。
「料理、意外と上手いのね」
「これでも、一人暮らしには馴れているからな」
馴れざるを得なかったという発言は、寸前で噛み殺した。
そのような事、今更改めて告げるまでもないという事が、判っていたから。
「でも、他人の髪を洗うのは、苦手みたい」
「お前の髪、量が多くて洗いにくいんだよ」
「貴女も似たようなものじゃない」
「……他人のと、自分のとでは勝手が違う」
「そうね。でも、身体を洗うのは得意みたいね。なかなか、気持ちよかったわ」
「そうか」
「ああ、でも、もう少し早く洗わないと、湯冷めしてしまうわ。うん、湯冷めしたかも。お腹、痛いわね」
「おゆはんを食べ過ぎただけだろ」
「失礼ね。そんな食い意地はってないわよ」
輝夜は、妹紅の手を掴む。
「……何をする気だ?」
「貴女のせいでお腹痛くなったんだから、貴女が擦ってよ」
輝夜は、妹紅の手を、そこへと導く。
“ふにょん”と、柔らかな膨らみが、妹紅の手のひらで包まれた。
「……随分と柔らかいお腹だな」
「ああ、痛いわー。優しく擦って貰わないと」
妹紅は、輝夜のそこを、ゆっくりと擦る。
「……これでいいいの?」
「うん……。少し、楽に、なったかも……」
“はぁ”と、艶めいた吐息が、輝夜の口から漏れる。
輝夜は、妹紅へと向き直る。
「貴女も、湯冷めしていない?」
「していない」
「そう」
輝夜は、妹紅のそこへと手を伸ばす。
「本当。温かいわね」
「……ね、聞いて、いい……?」
くぐもったような吐息が、妹紅の唇から漏れる。
「何……?」
妹紅は、しばし逡巡し、ややあって、口を開く。
「私達、昔は、普通に殺し合っていたはずでしょう? それが……いつから、こうなったんだっけ……?」
「こうって?」
「だから……」
薄闇で、お互いの顔はおぼろげにしか判らないが、それでも、きっと、今の自分は顔を朱に染めているのだろうなと、妹紅は思った。
輝夜が、手を止める。
「いいじゃないの。別に。今でもちゃんと、私たちは――殺し合っているでしょう? それ以外の場面で、たとえどんな関係を持とうとも、気にすることは無いわ。私たちの関係は、何一つとして変わっていないもの」
「それは、そうだけど……」
“ちろり”と、静かな、濡れたような音が響いた。
輝夜が舌を舐めた音だと、理解できる。
「いいじゃないの。今日、結局、決闘はしなかったし。貴女も、溜まっているでしょう? 不完全なまま終ってしまって。貴女がそうなら、私もそう。それだけの話」
不死である生を、心飢えず過ごす方法。
浅ましいまでの日々の欲望に、身を委ねる。
美味し食を堪能しよう。
安息の眠りにたゆたおう。
下賎で、浅ましく、欲に満ちて、淫らな、性の悦びに耽溺しよう。
淋しい一人遊びよりも――互い、憎みあうが故に、激情を、情欲へとかえて思うがままにぶつけ合える相手がいるならば、そちらを選ぼう。
これは、ただ、それだけの話。
輝夜が、妹紅を組み敷くような体勢になる。
そのまま、耳元で囁いた。
「それとも――何か理由をつけてあげないと、貴女は、駄目なのかしら? お望みなら、懇願してあげましょうか?」
「……してみれば?」
妹紅の言葉に、輝夜は、“にぃ”と、蛇にも似た笑みを浮かべる。
そのまま、妹紅が、“ぐるり”と、自分を組み伏せるような体勢になったのを確認して、囁いた。
「この間の、貴女の真似をすればいいのよね? ……お願い、妹紅。私を――」
――……して。
“しゅるり”と、単の寝巻きの衣擦れの音が響く。
それが、どちらの立てた音であるかなど、意味を為さない問い掛けだろう。
“ぴちゃり”と、舌でなぞるような、蜜を啜るような音色が褥に満ちる。
吐息の音。
蒲団の乱れる音。
粘ついた水音。
甘やかな声が、二人。
そして、それらをかき消す様に、なお轟々と吹雪く雪の音。
凍て付いた夜に、淫ら色の炎を灯して、二人の夜は更けていく。
全てが終わった後。
二人は最早声を上げる事すら出来ず、生まれたままの姿で抱き合い、褥に崩れ落ちた。
そのまま、意識を失い、泥のように眠りにつく。
恐らく、朝になれば、永琳たちが帰ってくるだろう。
気を失うような、眠りに身を委ねる前。
二人の懸念は、明日、永琳たちが帰ってくるより前に起きられるかどうか、ただ、それだけだった。
しかし、今は――この憎むべき宿敵の肌の温もりに、素直に身を委ねよう。
「輝……夜……。今日は、私の、勝ち……お前の方が、……のが、……かった、から……」
「……はいはい。それで……いいわよ……この間、は……私が、勝った……から……」
最後に。
明日、相手よりも先に目を覚ますことが出来たなら。
とりあえず、寝首をかいて、相手を殺すことにしよう。
二人は、同時にそう思い、意識を失った。
「本当に素直じゃないんだから」
因幡てゐは、“ぽつり”と呟いた。
「二人とも、もう相手を、恨んでなんかいないくせに」
“ぴょこん”と跳ねて、“くるり”と踊る。
「ま、不死でない私には、永遠の意味なんて判らないけどね。楽しい事を探し続け、失くさないようにし続けなきゃいけないなんて、ぞっとするよ」
“くすり”と、悪戯に笑う。
「ま、でも。少なくとも地上にいる限り、その遊びに飽きることはないんだろうね。あの二人はさ。全く。ああ、やだやだ。歪んでいるね。そんな永遠に続くはずがない永遠の遊びが、二人の幸せだっていうんだから。本当、私みたいな、他人の幸せを見るのが何よりも好きな、兎泣かせだよ」
てゐは、笑い、誰ともなしに呟いた。
「私は、悪戯だけでも、永遠に――この生を楽しめるけどね」
その言葉さえ、降りしきる雪に塗り込められ、やがては消えた。
そして骨酒飲みたいです
やはり間にてゐが入ると、この手の話は面白くなりますね。
あと、料理のさしすせそで背油は新しかったww
上手く言えないですけど
素晴らしかったです
とまあテンプレはさておきまして、
やっぱり二人はお互いのことをこれ以上ないくらい理解し合ってますねぇ
そのうえでなおツンデレな妹紅がかわいくてかわいくて。
ツンデレ妹紅が可愛すぎました
文章も読みやすかったです
活力を生みました
箱入りすぎる輝夜とそれにツンデレで対応しきる妹紅は善いですね
ツンデレ妹紅はかわいいなぁ…しかし小説版というよりは
むしろうどんげっしょー風に感じました。うさぎのせいか。
癖もなくて読みやすく状況がわかりやすい
今後の参考にさせて頂きたく思います
誰かこういう同人誌かいてくれないかなwww
きっとずっと変わらないのでしょうね……
あと一緒に風呂に入る言い訳に無理があるwww
しかしこの2人、もうどうしようもないバカップルw
きっと永遠に変わらないのでしょう
これぐらいしか感想なくてすいませんが…
いいものを拝ませていただきました
姫様がうらやましい。
所謂、GJ
姫様さぞかしからかいがいがありそうだ。